バイト・お金 更新 2026.09.11 この記事にはPRを含みます

バイト先でのハラスメント|相談できる窓口と記録の残し方

結論

アルバイトも、ハラスメントから守られる立場です。事業主には、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントを防ぐための措置を講じることが法律で求められています。悩んだら、まず日時・場所・相手・言動の内容を記録してください。相談先は店長や会社の相談窓口のほか、大学の学生相談室・ハラスメント相談窓口、総合労働相談コーナーなどの公的な窓口があります。暴力や性暴力、身の危険がある場合…

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26章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.11
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バイト先でのハラスメントは、「アルバイトだから」「学生だから」と我慢すべきものではありません。

店長や先輩からの人格を否定する暴言、客の前で怒鳴られる、体に触られる、しつこく個人的な誘いを受ける、客から繰り返し嫌がらせを受ける——こうした言動に悩む学生は少なくありません。

しかし、「これくらいは普通なのかも」「自分が悪いのかも」「辞めればいいだけ」と考えて、誰にも相談しないまま抱え込んでしまう人も多くいます。

この記事では、ハラスメントの種類と目安、後で相談するための記録の残し方、そして職場の内外にある相談窓口を整理します。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言ではありません。ハラスメントに関する法律や指針、相談窓口の名称・連絡先・受付時間は変更されることがあります。必ず厚生労働省や各機関の最新情報をご確認ください。身の危険を感じる場合や暴力・性暴力を受けた場合は、ためらわず警察などにご相談ください。

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アルバイトも守ら…パワーハラスメン…パワーハラスメン…指導との違いセクシュアルハラ…この記事

この記事の流れ

バイト先でのハラスメント

アルバイトも、ハラスメントから守られる立場です。

1
「アルバイトだから我慢するしかない」アルバイトも事業主の措置の対象
2
「学生だから相談しても相手にされない」公的な窓口は学生も利用できる
3
「辞めれば済む話」辞めるかどうかと相談は別に考えられる
4
「証拠がないと相談できない」証拠がなくても相談はできる

アルバイトも守られる立場

雇用形態によって、守られる範囲が変わるわけではありません。

職場のパワーハラスメントについては労働施策総合推進法、セクシュアルハラスメントについては男女雇用機会均等法で、事業主に防止のための措置を講じることが求められています。

1
優越的な関係を背景とした言動店長・先輩など、抵抗や拒絶がしにくい相手から
2
業務上必要かつ相当な範囲を超えた仕事の指導として必要な範囲を超えている
3
働く環境が害される身体的・精神的な苦痛で、働くことに支障が出る

パワーハラスメントとは

三つの要素で整理されています。

厚生労働省の指針では、職場のパワーハラスメントは、この三つの要素をすべて満たすものとされています。「優越的な関係」は上司だけに限らず、仕事の経験が長い先輩や、集団で行われる場合なども含まれ得ます。

1
身体的な攻撃叩く・蹴る・物を投げつける
2
精神的な攻撃「バカ」「辞めろ」などの人格否定・客の前で長時間怒鳴る
3
人間関係からの切り離し一人だけ無視する・連絡を回さない
4
過大な要求明らかに無理な量の仕事・終わるまで帰さない

パワーハラスメントの例

指針では、代表的な六つの類型が示されています。

これらはあくまで代表的な例で、ここに当てはまらない言動がハラスメントにあたらないという意味ではありません。また、個別のケースがハラスメントにあたるかどうかは、状況によって判断が分かれることもあります。

1
ミスの内容と直し方を伝えるミスを理由に人格を否定する
2
遅刻を繰り返したことを注意するほかの人の前で長時間さらし者にする
3
強い口調で一度注意する毎回怒鳴り続ける
4
必要な作業を指示する意味のない作業を罰として続けさせる

指導との違い

「何を」「どう」伝えているかで考えます。

仕事のミスを指摘し、直し方を伝えることは、口調が厳しくても指導の範囲と考えられることが多いものです。

1
対価型性的な言動への対応を理由に、シフトを減らす・解雇するなど不利益を与える
2
環境型性的な言動によって働く環境が不快になり、仕事に支障が出る

セクシュアルハラスメントとは

職場での、意に反する性的な言動です。

セクシュアルハラスメントは、職場で行われる、働く人の意に反する性的な言動によって、不利益を受けたり、働く環境が害されたりすることを指します。性別に関係なく、また同性どうしでも起こり得ます。

1
雇用形態によって、守られる範囲が変わるわけではありません。アルバイトも守られる立場
2
三つの要素で整理されています。パワーハラスメントとは
3
指針では、代表的な六つの類型が示されています。パワーハラスメントの例
4
「何を」「どう」伝えているかで考えます。指導との違い

まとめ

この記事の要点

事業主には、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントを防ぐための措置を講じることが法律で求められています。悩んだら、まず日時・場所・相手・言動の内容を記録してください。

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01アルバイトも守られる立場

雇用形態によって、守られる範囲が変わるわけではありません。

よくある思い込み 実際
「アルバイトだから我慢するしかない」 アルバイトも事業主の措置の対象
「学生だから相談しても相手にされない」 公的な窓口は学生も利用できる
「辞めれば済む話」 辞めるかどうかと相談は別に考えられる
「証拠がないと相談できない」 証拠がなくても相談はできる
「自分にも悪いところがある」 ミスがあってもハラスメントが許されるわけではない

職場のパワーハラスメントについては労働施策総合推進法、セクシュアルハラスメントについては男女雇用機会均等法で、事業主に防止のための措置を講じることが求められています。この「労働者」には、正社員だけでなく、アルバイトやパートも含まれます。

「学生のアルバイトだから」と、自分の受けている扱いを軽く考える必要はありません。仕事でミスをしたことがあっても、それを理由に人格を否定されたり、暴力をふるわれたりしてよいことにはなりません。

02パワーハラスメントとは

三つの要素で整理されています。

要素 内容
①優越的な関係を背景とした言動 店長・先輩など、抵抗や拒絶がしにくい相手から
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた 仕事の指導として必要な範囲を超えている
③働く環境が害される 身体的・精神的な苦痛で、働くことに支障が出る

厚生労働省の指針では、職場のパワーハラスメントは、この三つの要素をすべて満たすものとされています。「優越的な関係」は上司だけに限らず、仕事の経験が長い先輩や、集団で行われる場合なども含まれ得ます。

一方で、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指導は、パワーハラスメントにはあたらないとされています。つまり、「厳しく注意された」ことだけで判断するのではなく、その言動が仕事の指導として必要な範囲を超えているかどうかがポイントになります。

03パワーハラスメントの例

指針では、代表的な六つの類型が示されています。

1身体的な攻撃叩く・蹴る・物を投げつける
2精神的な攻撃「バカ」「辞めろ」などの人格否定・客の前で長時間怒鳴る
3人間関係からの切り離し一人だけ無視する・連絡を回さない
4過大な要求明らかに無理な量の仕事・終わるまで帰さない
5過小な要求理由なく仕事を与えない・掃除だけさせ続ける
6個の侵害恋愛や家庭のことをしつこく聞く・ほかの人に言いふらす

これらはあくまで代表的な例で、ここに当てはまらない言動がハラスメントにあたらないという意味ではありません。また、個別のケースがハラスメントにあたるかどうかは、状況によって判断が分かれることもあります。

「バイトを辞めるなら損害を払え」と脅す、シフトを一方的に大幅に減らして退職に追い込む、といった扱いも、状況によっては問題になり得ます。判断に迷ったら、一人で結論を出さず、相談窓口で確認してください。

04指導との違い

「何を」「どう」伝えているかで考えます。

適正な指導の範囲と考えられるもの 範囲を超えている可能性があるもの
ミスの内容と直し方を伝える ミスを理由に人格を否定する
遅刻を繰り返したことを注意する ほかの人の前で長時間さらし者にする
強い口調で一度注意する 毎回怒鳴り続ける
必要な作業を指示する 意味のない作業を罰として続けさせる
仕事上必要な範囲で事情を聞く 私生活をしつこく詮索する

仕事のミスを指摘し、直し方を伝えることは、口調が厳しくても指導の範囲と考えられることが多いものです。一方で、ミスとは関係のない人格や容姿を攻撃する、罰として無意味な作業を続けさせる、といった言動は、指導の目的から外れています。

先輩の厳しさの受け止め方や、指導との見分け方については、先輩が怖い・厳しいと感じたらの記事でも扱っています。

05セクシュアルハラスメントとは

職場での、意に反する性的な言動です。

型 内容
対価型 性的な言動への対応を理由に、シフトを減らす・解雇するなど不利益を与える
環境型 性的な言動によって働く環境が不快になり、仕事に支障が出る

セクシュアルハラスメントは、職場で行われる、働く人の意に反する性的な言動によって、不利益を受けたり、働く環境が害されたりすることを指します。性別に関係なく、また同性どうしでも起こり得ます。

行為者は、店長や先輩などの同僚に限らず、客や取引先の人である場合もあります。事業主には、こうした言動を防ぐための措置を講じることが求められています。

06セクシュアルハラスメントの例

「冗談のつもり」でも、問題になり得ます。

1発言性的な冗談・体型や容姿への言及・性的な経験を聞く
2行動体に触る・必要なく近づく・じろじろ見る
3誘いしつこく食事やデートに誘う・二人きりになろうとする
4連絡業務と関係のない個人的な連絡を繰り返す
5環境性的な画像を見せる・休憩室に掲示する

相手が「冗談のつもりだった」「好意からだった」と言っても、受けた側が不快に感じ、働く環境が害されているなら、問題になり得ます。「その場で嫌と言わなかったから」同意したことにはなりません。

立場の上の人からの誘いは、断ると不利益があるのではないかと不安になり、はっきり断れないこともあります。断れなかったことを自分の責任と考える必要はありません。

07客からの迷惑行為

客からの行為も、一人で抱える必要はありません。

行為の例 対応の基本
長時間の暴言・怒鳴り声 責任者に交代してもらう
土下座の要求・脅し 応じず責任者へ
体に触る・連絡先をしつこく聞く その場を離れ責任者へ
待ち伏せ・つきまとい 職場と警察に相談
SNSでの誹謗中傷 保存して職場に相談

客からの著しい迷惑行為から働く人を守ることは、事業主の取り組みとして求められるようになってきており、関連する法改正も行われています。制度の内容や施行の時期は厚生労働省の最新情報を確認してください。

客からの暴言や性的な言動を受けたときは、アルバイトが一人で対応し続ける必要はありません。責任者に交代してもらう、その場を離れる、といった対応を取り、職場に報告してください。店の外での待ち伏せやつきまといがある場合は、警察にも相談してください。

08そのほかの問題のある扱い

ハラスメントと重なって起きることもあります。

扱い 考えられる問題
ミスを理由に給料から天引き 賃金の支払いに関する決まり
売れ残った商品の購入を強要 自己負担の強要
辞めさせてもらえない 退職の自由
妊娠などを理由とする不利益な扱い 法律で禁止されている
性的指向や性自認に関する侮辱 ハラスメントにあたり得る

ハラスメントを受けている職場では、給料からの不当な天引きや、商品の購入の強要、辞めさせてもらえないなど、ほかの問題が同時に起きていることもあります。

性的指向や性自認に関する侮辱的な言動や、本人の了解なくそれを周りに暴露することも、パワーハラスメントにあたり得るとされています。こうした問題も、総合労働相談コーナーなどで相談できます。

09「気にしすぎかも」と迷うとき

迷っている段階でも、相談してかまいません。

1「一回だけだから」一回でも深刻な言動はある・繰り返すなら記録
2「ほかの人は平気そう」感じ方は人それぞれ・我慢しているだけかも
3「相手に悪気はなさそう」悪気がなくても問題になり得る
4「大ごとにしたくない」相談しても、どう動くかは自分で決められる
5「証拠がない」今日から記録すればいい

ハラスメントかどうかを、自分一人で判断する必要はありません。「これはハラスメントなのか」と迷っていること自体を、相談窓口に相談してよいのです。

相談したからといって、必ず会社に通報されたり、相手と対決させられたりするわけではありません。多くの窓口では、話を聞いたうえで、どんな選択肢があるかを一緒に考えてくれます。どう動くかは、自分で決められます。

10記録の残し方

記憶は時間とともに曖昧になります。

1日時何月何日の何時ごろか
2場所休憩室・売場・事務所など
3相手誰が(名前・立場)
4言動の内容言われた言葉はそのまま・されたことは具体的に
5前後の状況何がきっかけか・その後どうなったか
6見ていた人いれば名前
7自分への影響眠れない・通院・欠勤など

記録は、できるだけ出来事があったその日のうちに残してください。言われた言葉は、自分の解釈や要約ではなく、覚えている範囲でそのまま書くことが大切です。「ひどいことを言われた」ではなく、「『お前なんかいらない、辞めろ』と言われた」のように書きます。

手帳やノートに手書きで残す、日付が記録されるスマートフォンのメモやメールで自分宛てに送る、といった方法があります。一回ごとの記録が積み重なることで、繰り返されていることが明らかになります。

11記録の書き方の例

このような形で残しておくと、相談のときに役立ちます。

項目 記入例
日時 〇月〇日(土)18時ごろ
場所 店のレジの横
相手 〇〇さん(社員・シフトリーダー)
内容 釣り銭を間違えたとき、客のいる前で「何回言ったらわかるんだ、頭おかしいんじゃないか」と大声で言われた。約5分続いた。
見ていた人 〇〇さん(アルバイト)
影響 その夜眠れなかった。次のシフトの前に腹痛があった。

自分のミスがきっかけだった場合も、それを隠さず書いておいてかまいません。ミスがあったことと、それに対する言動が適切だったかどうかは、別に判断されるものだからです。

記録は、自分だけが見られる場所に保管してください。職場の共有のパソコンやロッカーには置かないようにしましょう。

12残しておきたいもの

記録のほかに、手元に残しておくと役立つものです。

1メッセージ・メールの画面言葉がそのまま残る
2シフト表・勤務の記録シフトを減らされた経緯などがわかる
3給与明細不当な天引きの確認
4医療機関の受診の記録けがや体調への影響
5相談した記録誰にいつ相談したか

職場の連絡用のメッセージや個人的なメッセージで問題のある言葉が送られてきた場合は、画面を保存しておきましょう。相手が後から送信を取り消すこともあるので、受け取った時点で保存しておくと安心です。

ハラスメントが原因で体調を崩し、医療機関を受診した場合は、受診した日や診断の内容も記録しておいてください。店長や会社に相談した場合も、いつ、誰に、何を伝え、どう答えられたかを記録しておくと、その後の対応を考えるときに役立ちます。

13録音について

考えておきたい点があります。

1自分が当事者の会話記録の手段として使われることがある
2職場の決まり録音機器の持ち込みの制限がある職場も
3客の個人情報客の会話や情報が入らないよう注意
4自分の安全気づかれて状況が悪化しないか
5使い方SNSなどに公開しない

自分が参加している会話を録音したものが、ハラスメントの状況を示す記録として使われることがあります。ただし、職場の決まりや状況によって扱いが変わる場合もあり、録音したことが相手に知られて状況が悪化するおそれもあります。

録音を考えている場合は、判断に迷ったら先に相談窓口で確認してください。録音したものをSNSに公開すると、自分が責任を問われるおそれがあるので、公開は避けてください。

14職場の中の相談先

まず職場に相談できるかを考えます。

相談先 向いている場合
店長・責任者 店長以外の人からの言動
別の店舗の責任者・エリアの担当者 店長が関わっている
会社の本部の相談窓口 店の中で相談しにくい
派遣会社の担当者 派遣で働いている場合

事業主には、ハラスメントについての相談窓口を設けることが求められています。チェーン店などでは、本部に相談窓口が用意されていることが多いので、社内の掲示や、入社時にもらった書類を確認してみてください。

店長自身が行為者である場合や、店長に相談しても取り合ってもらえない場合は、店の外の窓口を使ってください。派遣で働いている場合は、派遣元の会社にも相談できます。

15大学の相談先

学生にとって、身近で頼りやすい相談先です。

1学生相談室気持ちの整理・今後どうするか
2学生課バイト先のトラブル全般
3キャリアセンターアルバイトの労働条件の相談
4ハラスメント相談窓口設けている大学もある
5保健管理センター心身の不調

大学の学生相談室や学生課は、学内のことだけでなく、アルバイト先のトラブルについても相談を受け付けていることが多くあります。何から始めればよいかわからないときは、まず大学の窓口に話を聞いてもらうのも一つの方法です。

大学によっては、学外の労働の相談窓口や、弁護士への相談につないでくれることもあります。相談の内容は、本人の了解なく職場に伝えられることは通常ありませんが、心配な場合は相談の最初に確認してください。

16公的な相談窓口

職場の外の、公的な相談先です。

窓口 内容
総合労働相談コーナー 各都道府県の労働局や労働基準監督署などに設置・ハラスメントを含む職場のトラブル全般
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室) パワハラ・セクハラの防止措置に関する相談
法テラス 法的なトラブルの解決に役立つ情報や窓口の案内
自治体の労働相談 都道府県などが設けている場合がある

総合労働相談コーナーは、アルバイトも含め、働く人なら誰でも無料で相談できる公的な窓口です。職場のいじめや嫌がらせ、ハラスメントについて相談でき、状況に応じて、都道府県労働局による助言・指導や、話し合いによる解決を手伝う制度の案内を受けられることもあります。

窓口の場所や連絡先、受付の時間は、厚生労働省や各都道府県労働局の案内で確認してください。厚生労働省は、ハラスメント対策に関する情報や相談先をまとめて案内しています。

17警察などに相談すべき場面

職場の問題として扱うだけでは足りない場面があります。

場面 相談先
今まさに危険がある 110番
暴力を受けた・脅された 警察
緊急ではないが警察に相談したい 警察相談専用電話(#9110)
性暴力の被害 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891)・警察
待ち伏せ・つきまとい 警察

叩かれた、蹴られた、「殺すぞ」と脅された、体を触られた、店の外で待ち伏せされた——こうした行為は、職場のハラスメントであると同時に、犯罪にあたる可能性があります。職場の対応を待たず、警察に相談してください。

性暴力の被害を受けた場合は、ワンストップ支援センターで、医療的な支援や相談、警察への届け出の支援などを受けられます。一人で抱え込まず、連絡してください。番号や受付の時間は各機関の案内で確認してください。

18相談のときの伝え方

うまく話せなくても大丈夫です。

1自分の立場学生・アルバイト・働いている期間
2相手の立場店長・先輩・客など
3何があったか記録を見ながら
4いつから・何回くらい繰り返されているか
5自分への影響体調・欠勤など
6どうしたいか決まっていなければ「わからない」でいい

相談の場で、順序立てて話せなくても問題ありません。記録を持参し、それを見ながら話せば、伝えたいことが抜けにくくなります。

「どうしたいか」が決まっていなくてもかまいません。「やめてほしい」「職場を変えたい」「謝ってほしい」「まずは話を聞いてほしい」——相談しながら、自分の希望を整理していけばよいのです。

19相談したことによる不利益

相談したことを理由に、不利益な扱いをしてはいけません。

1解雇相談したことを理由に辞めさせる
2シフトの削減相談したことを理由に減らす
3嫌がらせ相談したことを理由にさらに攻撃する

パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントについて相談したこと、事業主の調査に協力したことを理由として、解雇やその他の不利益な取扱いをすることは、法律で禁止されています。

それでも、相談した後にシフトを減らされた、さらに嫌がらせを受けた、という場合は、その経緯も記録し、公的な相談窓口に相談してください。

20その場で身を守る

安全を最優先にしてください。

1怒鳴られ続けている「一度失礼します」と離れる・別の責任者を呼ぶ
2体に触られたその場を離れる・ほかの人のいる場所へ
3二人きりにされそう理由をつけて避ける
4暴力をふるわれそう逃げる・助けを呼ぶ・110番
5帰り道が不安一人で帰らない・家族や友人に連絡

その場で相手に言い返したり、「やめてください」とはっきり伝えたりできればよいのですが、恐怖で体が固まってしまうこともあります。それは自然な反応で、あなたの責任ではありません。

できる範囲で、その場を離れる、ほかの人がいる場所に移動する、別の責任者を呼ぶ、といった行動を取ってください。仕事を途中で離れることになっても、自分の安全の方が大切です。

21休む・辞めるという選択

相談と、職場を離れることは、同時に考えられます。

1しばらく休む休む連絡を入れ、心と体を回復させる
2シフトや配置を変えてもらう行為者と会わない形にする
3辞める自分を守るための判断
4辞めた後も相談する未払いの給与や被害について

ハラスメントを受けている職場に、無理をして通い続ける必要はありません。辞めることは、逃げではなく、自分を守るための正当な判断です。辞める理由を詳しく説明する必要もありません。

出勤すること自体がつらい場合は、電話やメールで辞める意思を伝えることも考えてください。辞めた後でも、受けた被害や、未払いの給与について相談窓口に相談することはできます。辞めることを引き止められて辞められない場合も、公的な相談窓口に相談してください。

22心と体のケア

被害を受けた後の自分を、大切にしてください。

1眠れない・悪夢を見る学生相談室・医療機関
2出来事を何度も思い出す学生相談室・医療機関
3職場の近くを通るのが怖い学生相談室
4自分を責め続けてしまう学生相談室・信頼できる人
5授業に出られない学生課・保健管理センター

ハラスメントを受けた後、眠れない、出来事を何度も思い出す、自分を責め続けてしまう、といった状態が続くことがあります。これは、つらい出来事を経験した人に起こり得る反応で、弱いからではありません。

大学の学生相談室や保健管理センター、医療機関に相談してください。授業に出られない状態が続く場合は、学生課に相談すると、学業面での配慮について案内を受けられることもあります。

23友人が被害を受けていたら

話を聞くことが、最初の支えになります。

したいこと 避けたいこと
最後まで話を聞く 「気にしすぎ」と言う
「話してくれてありがとう」と伝える 「なんで断らなかったの」と責める
記録を残すよう勧める 本人の了解なく職場に乗り込む
相談窓口の情報を伝える SNSで広める
本人の決定を尊重する 「辞めるべき」と決めつける

友人からバイト先でのハラスメントの相談を受けたら、まずは否定せずに最後まで話を聞いてください。「なんで断らなかったの」「気にしすぎだよ」といった言葉は、本人をさらに傷つけ、相談をためらわせてしまいます。

どう動くかを決めるのは本人です。記録を残すことや相談窓口があることを伝えつつ、本人のペースを尊重してください。身の危険がある場合は、警察などへの相談を一緒に考えてください。

24避けたい対応

自分を守るために、避けておきたいことです。

対応 理由
SNSで相手や職場を名指しで公開する 名誉毀損などで責任を問われるおそれ
仕返しをする 自分が加害者として扱われるおそれ
記録を残さないまま時間が経つ 後で状況を説明しにくくなる
一人で限界まで我慢する 心と体を壊す

つらい思いをSNSで訴えたくなる気持ちは自然なものですが、相手や職場を特定できる形で公開すると、内容が事実であっても責任を問われるおそれがあります。気持ちは信頼できる人や相談窓口に伝え、対応は相談しながら進めてください。

そして何より避けてほしいのは、誰にも言わずに我慢し続けることです。人間関係全般の悩みについては、バイト先の人間関係が合わないときでも扱っています。

25よくある質問

アルバイトでもハラスメントの相談はできますか?

できます。事業主がハラスメントを防ぐために講じるべき措置の対象には、正社員だけでなくアルバイトやパートも含まれます。職場の相談窓口のほか、大学の学生相談室や学生課、総合労働相談コーナーなどの公的な窓口も、アルバイトの学生が利用できます。

証拠がないと相談できませんか?

証拠がなくても相談はできます。まずは相談し、あわせて今日から記録を残し始めてください。日時、場所、相手、言われた言葉やされたこと、見ていた人、自分への影響を、できるだけその日のうちに書いておくと、後で状況を説明しやすくなります。

厳しい指導とパワハラの違いは何ですか?

職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、働く環境が害されるもの、と整理されています。ミスの内容と直し方を伝えることは、口調が厳しくても指導の範囲と考えられることが多い一方、人格の否定、さらし者にする、暴力、無視などは、範囲を超えている可能性があります。迷う場合は相談窓口で確認してください。

客から体を触られました。

その場を離れ、責任者に報告してください。客からの性的な言動も、職場で対応を求めることができます。体を触る行為は犯罪にあたる可能性もあるため、警察への相談も考えてください。店の外で待ち伏せされるなどの不安がある場合は、一人で帰らず、職場と警察に相談してください。

店長がハラスメントをしています。誰に相談すればいいですか?

会社の本部の相談窓口、エリアの担当者、派遣で働いている場合は派遣元の会社に相談できます。職場の中で相談しにくい場合は、大学の学生相談室や学生課、総合労働相談コーナーなどの外部の窓口を利用してください。

相談したら、シフトを減らされないか心配です。

ハラスメントについて相談したことを理由に、解雇やシフトの削減などの不利益な取扱いをすることは、法律で禁止されています。それでも不利益な扱いを受けた場合は、その経緯も記録し、総合労働相談コーナーなどに相談してください。

相談したら、会社に連絡されてしまいますか?

大学や公的な窓口では、話を聞いたうえで選択肢を一緒に考えることが多く、本人の了解なく職場に連絡されることは通常ありません。心配な場合は、相談の最初に「職場には伝えないでほしい」と伝え、どう扱われるかを確認してください。

録音してもいいですか?

自分が参加している会話の録音が、状況を示す記録として使われることはあります。ただし、職場の決まりや状況によって扱いが変わる場合があり、相手に知られて状況が悪化するおそれもあります。判断に迷う場合は、先に相談窓口で確認してください。録音をSNSで公開することは避けてください。

もう辞めたのですが、今からでも相談できますか?

相談できます。辞めた後でも、受けた被害や、未払いの給与、心身への影響について、総合労働相談コーナーや大学の窓口、必要に応じて法律の専門家に相談することができます。記録や手元に残っているメッセージ、給与明細などがあれば保管しておいてください。

自分が悪かったのではと考えてしまいます。

仕事でミスをしたことがあっても、それを理由に人格を否定されたり、暴力や性的な言動を受けたりしてよいことにはなりません。その場で断れなかった、言い返せなかったことも、あなたの責任ではありません。自分を責め続けてしまう場合は、大学の学生相談室などで話を聞いてもらってください。

26まとめ|記録を残し、一人で抱えず相談する

アルバイトも、ハラスメントから守られる立場です。事業主には、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントを防ぐための措置を講じることが法律で求められています。

パワーハラスメントは、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、働く環境を害する言動です。セクシュアルハラスメントは、意に反する性的な言動で、客からの言動も含まれ得ます。迷っている段階でも、相談してかまいません。

記録を残してください。日時、場所、相手、言われた言葉はそのまま、見ていた人、自分への影響。メッセージの画面や受診の記録も保管しておきましょう。

相談先は複数あります。会社の相談窓口、大学の学生相談室や学生課、総合労働相談コーナー。暴力や性暴力、身の危険があるときは、警察やワンストップ支援センターへ。相談したことを理由とする不利益な扱いは禁止されています。

最後に。自分を守ることを最優先にしてください。その場を離れること、休むこと、辞めることは、どれも正当な選択です。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言・医学的な助言ではありません。個別のケースがハラスメントにあたるかどうかは、状況によって判断が分かれることがあります。職場のパワーハラスメント・セクシュアルハラスメントの定義、事業主の措置義務、相談したことを理由とする不利益な取扱いの禁止、顧客等からの著しい迷惑行為への対応などの制度は変更されることがあります。必ず厚生労働省および都道府県労働局の最新の情報をご確認ください。相談窓口の名称・連絡先・受付時間は各機関の案内でご確認ください。今まさに危険がある場合は110番に通報してください。暴力・性暴力・つきまといなどの被害については、警察や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにご相談ください。心身の不調が続く場合は、在籍する大学の学生相談室・保健管理センター、または医療機関にご相談ください。