コールセンターのバイト|受信と発信の違い・話し方
コールセンターは「受信か発信か」で向き不向きが大きく分かれます。受信は問い合わせに答える仕事で、台本と検索できる資料を使いながら対応します。発信は案内や営業の電話をかける仕事で、断られることが前提になります。どちらも研修と上位の担当者への引き継ぎの仕組みがあるので、困った電話を一人で抱える必要はありません。応募前に受信か発信か、扱う商材、研修の長さ、数値目標の有無を確認して…
コールセンターのバイトは「座って働ける」「服装が自由」で選ばれやすい仕事です。
一方で、「電話が怖い」「クレームがつらそう」というイメージから避ける人もいます。実際には、受信(かかってくる電話を受ける)と発信(こちらからかける)で、仕事の性質がまったく違います。
そして多くの職場では、話す内容の台本(トークスクリプト)と研修が用意されています。ゼロから自分で考えて話す場面は、思っているより少ないことが多いものです。
この記事では、受信と発信の違い、話し方と聞き方の基本、そしてつらい電話に一人で向き合わないための仕組みを整理します。
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1 / 701コールセンターの特徴
「声だけで対応する」仕事です。
| 項目 | コールセンター | 店舗の接客 |
|---|---|---|
| 姿勢 | 座り仕事 | 立ち仕事 |
| 相手 | 顔が見えない | 対面 |
| 服装 | 自由なことが多い | 制服・規定あり |
| 手元の資料 | 画面で確認できる | 暗記が中心 |
| 体の負担 | 小さい | 足腰に負担 |
| 気持ちの負担 | 電話の内容による | 客による |
コールセンターの大きな利点は、体への負担が小さいことです。座って働けるため、立ち仕事で足が痛くなる心配がありません。また、画面に表示される資料や台本を見ながら対応できるので、すべてを暗記する必要がない職場が多くあります。
その一方で、相手の表情が見えないため、声の調子や言葉だけで意図をくみ取る必要があります。対面なら身ぶりで伝わることも、電話では言葉にしなければ伝わりません。これが、電話ならではの難しさです。
02受信の仕事
かかってくる電話を受けて対応します。
受信の仕事では、相手に何らかの用件があって電話がかかってきます。そのため、「何を聞きたいのか」を正しく把握し、答えを資料から探して伝えることが中心になります。
扱う商材によって、難しさは大きく変わります。通販の注文受付のように手順が決まっているものは覚えやすく、機器の操作説明のように専門的な知識が必要なものは研修が長くなりがちです。初めての人は、扱う内容が比較的単純な窓口を選ぶと始めやすいでしょう。
03発信の仕事
こちらから電話をかけて案内します。
発信の仕事では、相手は電話を待っていたわけではありません。忙しいときにかかってきた電話に対して、すぐに切られる、冷たい対応をされる、ということは日常的に起こります。「断られることが前提」と理解しておくことが大切です。
営業の発信では、成約やアポイントの件数に目標が設けられていることがあります。一方、申し込み内容の確認など、営業を伴わない発信もあります。同じ「発信」でも中身は大きく違うため、募集内容で確認してください。
04受信と発信の違い
向き不向きが分かれるポイントです。
| 項目 | 受信 | 発信 |
|---|---|---|
| 相手の状態 | 用件がある | 待っていない |
| 主な難しさ | 質問に正しく答える | 断られる |
| 苦情 | 受けることがある | 迷惑がられることがある |
| 知識 | 商材の知識が必要 | 台本中心のことが多い |
| 数値の目標 | 対応件数・時間など | 成約・獲得件数など |
| 向いている人 | 調べて説明するのが得意 | 断られても切り替えられる |
「電話は苦手だが、聞かれたことに丁寧に答えるのはできる」という人は受信の方が合いやすく、「知識を覚えるのは苦手だが、断られても気にしない」という人は発信の方が合いやすい傾向があります。
どちらを選ぶかで、働いてからの感じ方は大きく変わります。「コールセンター」とだけ書かれた募集に応募する前に、受信か発信かを必ず確認してください。
05電話一件の流れ
多くのセンターで、流れの型が決まっています。
| 順 | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 名乗る | 決められた第一声 |
| 2 | 本人確認 | 決められた項目を確認 |
| 3 | 用件を聞く | 何に困っているか |
| 4 | 調べる・案内する | 資料を見て答える |
| 5 | 確認する | 理解してもらえたか |
| 6 | 締める | 決められた結びの言葉 |
| 7 | 記録する | 対応内容を入力 |
最初と最後の言葉は台本で決まっていることが多く、最初に覚える部分です。本人確認の手順も決まっており、確認が取れない相手には情報を伝えない、といったルールがあります。
電話を切った後の記録も大切な仕事です。次に同じ相手から電話があったとき、別の担当者が状況を把握できるようにするためです。電話が続く時間帯は記録の時間が短くなるので、要点を短くまとめる力が求められます。
06トークスクリプト
話す内容の台本が用意されていることが多くあります。
台本があることで、未経験でも一定の対応ができるようになっています。「何を話せばいいかわからない」という不安は、台本によってかなり軽くなります。
ただし、台本を読み上げるだけでは相手に伝わりにくいこともあります。慣れてきたら、相手の言葉に合わせて言い回しを少し変える、間を取る、といった工夫ができるようになります。台本から外れてよい範囲は職場によって違うので、最初は台本どおりに話してください。
07話し方の基本
電話では「声」がすべてです。
緊張すると、話す速さが上がりがちです。自分では普通の速さのつもりでも、電話越しには速く聞こえることがあります。意識してゆっくり話すくらいで、ちょうどよくなります。
調べ物をするときに無言の時間が続くと、相手は「聞こえているのか」と不安になります。「確認いたしますので、少々お待ちください」と伝えてから保留にする、長くなりそうなら途中で一度声をかける、といった配慮が大切です。
08聞き方とメモ
話すことより、聞くことの方が大切な場面が多くあります。
数字や日時、名前の聞き間違いは、大きな問題につながります。「〇月〇日の〇時でよろしいでしょうか」のように、必ず復唱して確認してください。電話では「いち」と「しち」など、聞き間違えやすい言葉もあります。
相手が話している途中で「それはこういうことですね」と先回りすると、相手は話を遮られたと感じることがあります。まずは最後まで聞き、そのうえで確認するのが基本です。
09パソコンの操作
話しながら画面を操作します。
文字の入力が必要なため、キーボードの操作にある程度慣れていると楽になります。ただし、大学のレポートを書ける程度であれば、多くの場合は問題ありません。研修で使う画面の操作を教わり、慣れるにつれて速くなっていきます。
最初は「話しながら入力する」ことが難しく感じられます。無理に同時に行おうとせず、要点を手元の紙にメモしておき、電話を切った後に入力する、という方法でも構いません。職場のやり方に合わせてください。
10苦情への対応
一人で抱え込まない仕組みがあります。
多くのコールセンターでは、アルバイトが対応しきれない電話を、リーダーやスーパーバイザーと呼ばれる上位の担当者に引き継ぐ仕組みがあります。「自分で何とかしなければ」と抱え込む必要はありません。引き継ぐべき場面は、研修で教わります。
顧客からの著しい迷惑行為から従業員を守る取り組みは、社会的にも求められるようになっています。暴言や脅しを受けた場合にどう対応を終えるか、職場の決まりを確認しておいてください。つらい電話の後は、一人で我慢せずリーダーに伝えてください。
11個人情報の扱い
コールセンターは、個人情報を多く扱う職場です。
スマートフォンなどの私物は、ロッカーに預けてから作業場に入る職場が多くあります。休憩時間以外は連絡が取れなくなるので、家族などに伝えておくと安心です。
業務で知った情報は、たとえ友人との雑談でも話してはいけません。SNSに職場の様子を投稿することも、情報の流出につながるおそれがあります。入社時に守秘に関する誓約を求められることも多いので、内容をよく読んでください。
12研修の内容
電話に出る前に、研修期間があるのが一般的です。
研修の長さは、扱う商材の難しさによって大きく変わります。数日で終わるものもあれば、専門的な窓口では長めになることもあります。研修期間中の時給や、研修だけで辞めた場合の扱いも、事前に確認しておきましょう。
電話に出始めた後も、しばらくは先輩やリーダーがそばでフォローしてくれる職場が多くあります。わからない質問が来たら、手を挙げて呼ぶ、保留にして確認する、といった方法が用意されています。
13数値の目標
対応の件数や時間を見られることがあります。
数値の目標があると、プレッシャーを感じる人もいます。ただし、新人のうちから高い数字を求められることは少なく、まずは正確な案内ができることが優先されます。
営業の発信で厳しい目標が設けられ、達成できないことで強い叱責を受けるような環境は、負担が大きくなります。応募前に、数値の目標があるか、未達成の場合にどう扱われるかを確認しておくと安心です。
14シフトと時間帯
センターの営業時間によって、入れる時間が変わります。
平日の日中しか営業していない窓口では、授業のある学生は入りにくくなります。夜まで営業しているセンターや、土日も営業しているセンターの方が、大学生には選びやすいでしょう。
最低勤務日数や、1回あたりの勤務時間が決まっていることもあります。研修期間は平日の日中に集中して行われることもあるので、研修の日程が自分の時間割と合うかも確認してください。
繁忙期がある窓口もあります。通販の窓口ならセールの時期、手続きの窓口なら年度の変わり目など、電話が集中する時期には、勤務の回数を増やしてほしいと頼まれることがあります。入れる範囲を事前に伝えておくと、無理な依頼を断りやすくなります。
15時給と待遇
条件は書面で確認してください。
コールセンターは、座り仕事の中では時給が比較的高めに設定されていることがあります。専門的な知識が必要な窓口や、夜間の時間帯では、さらに手当がつくこともあります。
成果に応じた報酬がある場合は、基本の時給がいくらなのかを必ず確認してください。成果が出なかった月に収入が大きく下がることのないよう、固定の部分を把握しておくことが大切です。最低賃金は地域ごとに定められ、改定されるので、最新の金額は厚生労働省の情報を確認してください。
16服装と職場の環境
見た目の自由度が高い職場が多くあります。
客と顔を合わせないため、髪色やネイルの規定がゆるい職場が多いのは、コールセンターの利点の一つです。ただし、企業のオフィスの中にある窓口などでは、服装の決まりがある場合もあります。
長時間座って話し続けるため、のどの乾燥や肩こりが起こりやすくなります。飲み物を席に持ち込めるか、休憩の取り方がどうなっているかも確認しておくと、働きやすさの判断材料になります。
17大変と言われる理由
理由を分けて見てください。
大変さの中身は、受信か発信か、そして扱う商材によって大きく変わります。「コールセンターはつらい」という話を聞いたとき、それがどんな窓口の話なのかを確かめると、自分に当てはまるかどうかが判断しやすくなります。
電話が途切れない時間帯は、一件ごとに気持ちを切り替える余裕がありません。つらい電話の直後でも次の電話に出る必要がある職場では、気持ちの負担が積み重なりやすくなります。
18良い点
店舗のバイトにない利点があります。
コールセンターで身につく、敬語を使った説明の力や、相手の話を聞いて要点をつかむ力は、ほかの場面でも役立ちます。電話対応に慣れておくことは、社会に出てからも無駄になりません。
ただし、それだけを理由に無理をして続ける必要はありません。合わないと感じたら、別の職種を選ぶこともできます。
19向いている人
受信と発信で分けて考えてください。
「電話が苦手」という人でも、実際に研修を受けて台本に沿って話してみると、思ったより対応できたという声もあります。苦手意識の中身が「何を話せばいいかわからない」なら、台本で解消されることが多いものです。
一方で、強い言葉を受けると長く引きずってしまう人は、苦情の多い窓口や営業の発信は負担が大きくなりやすいので、案内中心の窓口を選ぶなどの工夫が必要です。
20募集内容で確認する点
応募前にここを読んでください。
「簡単なお仕事」「話すだけで高収入」といった表現だけで、仕事の中身が書かれていない募集には注意してください。どの会社の、どんな商品・サービスについての電話なのかがわからない場合は、応募前に確認してください。
営業の発信で、事実と異なる説明をするよう指示されたり、相手が断っているのに勧誘を続けるよう求められたりした場合は、法令やルールに照らして問題がある可能性があります。疑問を感じたら、応じる前に相談窓口で確認してください。
21学業との両立
シフトの組み方で両立しやすさが変わります。
座り仕事で体の疲れが少ないため、授業の後に入っても翌日に響きにくいのは利点です。ただし、話し続けることによる気持ちの疲れはあります。つらい電話が続いた日は、課題に集中できないこともあるので、無理のない回数にしてください。
22気持ちがつらくなったら
我慢を続けないでください。
顔の見えない相手からの強い言葉は、思っている以上に心に残ることがあります。「自分の対応が悪かったのでは」と責め続ける必要はありません。つらい電話の後は、リーダーに状況を伝え、少し時間を置いてから次の電話に出られるか相談してください。
眠れない、食欲がない、バイトの前になると体調が悪くなる、といった状態が続く場合は、バイトを続けることより自分の体を優先してください。大学の学生相談室や保健管理センターでは、こうした悩みの相談を受け付けています。
23他の職種と比べる
座り仕事どうしで比べます。
座って働きたいが、電話で話し続けるのは負担が大きい——という場合は、事務やデータ入力の仕事も候補になります。詳しくは事務・オフィスワークのバイトの記事で扱っています。
24応募前の最終確認
この6点を確認してください。
特に「受信か発信か」は最初に確認してください。この一点で、働いてからの感じ方が大きく変わります。
25よくある質問
電話が苦手でもできますか?
苦手意識の中身によります。「何を話せばいいかわからない」という不安なら、台本と研修でかなり軽くなります。多くの職場では、第一声や結びの言葉、よくある質問への答えが用意されています。一方で、顔の見えない相手と話すこと自体に強い抵抗がある場合は、事務やデータ入力など別の座り仕事も検討してください。
受信と発信、どちらが楽ですか?
人によって違います。受信は相手に用件があるため、断られることは少ない代わりに、質問に正しく答える知識が必要です。発信は台本中心のことが多い代わりに、断られることが前提です。調べて説明するのが得意なら受信、断られても気にしないなら発信が合いやすい傾向があります。
クレームの電話が怖いです。
多くのコールセンターには、対応しきれない電話を上位の担当者に引き継ぐ仕組みがあります。アルバイトが一人で最後まで対応しなければならないわけではありません。引き継ぐべき場面は研修で教わります。暴言や脅しを受けた場合の対応の終え方も、職場の決まりを確認しておいてください。
敬語に自信がありません。
研修で、電話で使う言葉遣いを教わることが一般的です。台本にも決まった言い回しが書かれています。最初から完璧である必要はなく、働きながら身につけていく人がほとんどです。
パソコンが得意でなくても大丈夫ですか?
大学のレポートを書ける程度の文字入力ができれば、多くの場合は対応できます。使う画面の操作は研修で教わります。最初は話しながら入力するのが難しいので、要点をメモして電話の後に入力するなど、職場のやり方に合わせて慣れていってください。
スマートフォンは持ち込めますか?
個人情報を扱うため、作業場への持ち込みが禁止されている職場が多くあります。ロッカーに預けて、休憩時間に確認する形が一般的です。家族などに、勤務中は連絡が取れないことを伝えておくと安心です。
髪色やネイルは自由ですか?
客と顔を合わせないため、規定がゆるい職場が多い傾向があります。ただし、企業のオフィスの中にある窓口などでは服装の決まりがあることもあるので、募集内容や面接で確認してください。
営業の電話をするのは抵抗があります。
受信の窓口や、申し込み内容の確認など営業を伴わない発信を選べば、営業をせずに働くことができます。募集内容で「受信」「問い合わせ対応」などと書かれているものを選んでください。営業の発信で、事実と異なる説明や、断っている相手への勧誘の継続を指示された場合は、応じる前に相談窓口で確認してください。
研修だけで辞めてもいいですか?
合わないと感じたら、辞めること自体は可能です。ただし、研修期間中の給与の扱いや、辞める際の手続きは職場によって違うので、事前に確認してください。研修中に合わないと感じた理由を伝えると、別の窓口を提案されることもあります。
つらい電話が頭から離れません。
一人で抱え込まず、まずリーダーに伝えてください。自分の対応を責め続ける必要はありません。眠れない、食欲がない、バイトの前に体調が悪くなる、といった状態が続く場合は、大学の学生相談室や保健管理センター、医療機関に相談してください。バイトを続けることより、自分の心と体を優先してください。
26まとめ|受信か発信かで、まったく別の仕事になる
コールセンターは、座って働けて服装も自由なことが多い仕事です。画面の資料を見ながら対応でき、台本と研修も用意されているため、未経験からでも始めやすい環境が整っています。
ただし受信と発信では、仕事の性質がまったく違います。受信は質問に正しく答える仕事、発信は断られることが前提の仕事です。応募前に必ずどちらかを確認してください。
話し方の基本は、ゆっくり、語尾まではっきり、結論から。聞き方の基本は、最後まで聞き、数字や日時は必ず復唱することです。
苦情の電話を一人で抱える必要はありません。上位の担当者に引き継ぐ仕組みがあります。暴言や脅しを受けたときの対応の終え方も、職場の決まりを確認しておきましょう。
最後に。つらい電話が続いて眠れない、体調が悪い——そんなときは、バイトより自分を優先してください。リーダー、大学の学生相談室、公的な相談窓口と、頼れる先はあります。
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