赤本・過去問の処分方法4つ|売る・譲る・捨てるの判断基準
赤本は「売る・譲る・残す・捨てる」の4択ですが、他の参考書と決定的に違うのが「毎年新版が出る」点です。そのため合格直後が最も価値が高く、1年経つと大きく下がります。書き込みが多くても買い取ってくれる業者はあるので、捨てる前に一度査定に出す価値はあります。記念に残すなら1冊だけ——第一志望の赤本など、意味のある1冊に絞れば、あとは手放しても後悔しません。
参考書のなかでも、赤本だけは扱いが特別です。表紙に大学名が入っていて、何度も解いた過去問には書き込みがびっしり。受験そのものを象徴する1冊だからこそ、処分の判断がつきにくい。
しかも赤本には、他の参考書と違う事情があります。毎年新しい版が出ること、大学ごとに需要が偏ること、そして合格した本人にはもう用がないこと。この3つが、赤本の処分を考えるうえでの前提になります。
この記事では、赤本・過去問の処分方法を4つに整理します。売る・譲る・残す・捨てる。それぞれの向き不向きと、どの赤本をどうすべきかの判断基準を示します。
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1 / 701赤本は他の参考書と何が違うか
処分を考える前に、赤本の性質を押さえておきます。ここを理解すると、判断が早くなります。
① 毎年新版が出る。赤本は大学入試の過去問集なので、毎年、最新年度の問題を加えた新版が発行されます。つまり、あなたが使った赤本は1年経てば「1年落ち」、2年経てば「2年落ち」になります。
これが価値に直結します。受験生は最新版を欲しがるので、古い版の需要は急速に落ちます。参考書全般に言えることですが、赤本は特に顕著です。
② 大学ごとに需要が違う。赤本は大学別に発行されています。受験者数の多い大学ほど需要があり、少ない大学は需要が限られます。同じ状態でも、大学によって買取価格に差が出るのはこのためです。
③ 書き込みが多くなりやすい。過去問は解いて、丸をつけて、解説を読み込む本です。まっさらな状態で残っていることのほうが珍しい。この点が、一般の参考書より処分の判断を難しくしています。
④ 合格した本人には用がない。これが最大の点です。合格した大学の赤本を、その後に使う場面はまずありません。役目を完全に終えた本だと言えます。
02処分の4つの選択肢
| 選択肢 | 向いている赤本 | 得られるもの | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 売る | 状態がよく、最新版に近いもの | 現金 | 時間が経つほど下がる |
| 譲る | 後輩が同じ大学を受ける場合 | 感謝・関係 | 相手が必要としているか確認 |
| 残す | 第一志望など思い入れのある1冊 | 記念 | 増やしすぎない |
| 捨てる | 書き込みが極端に多い・古い版 | スペース | 個人情報の確認 |
受験では複数の大学を受けるので、赤本は何冊も手元にあるのが普通です。5冊、10冊という人もいます。
だからこそ、すべてを同じ扱いにする必要はありません。第一志望の1冊は残し、状態のいいものは売り、書き込みだらけのものは捨てる。1冊ずつ振り分けるのが現実的な進め方です。
03売る|いつ、どこで
いつ売るか。結論は合格が決まったらすぐです。
理由は前述のとおり、毎年新版が出るから。3月に売るのと、翌年の3月に売るのとでは、1年分の版落ちが発生します。さらに翌々年になれば、ほぼ値が付かなくなります。
もうひとつの理由が需要期です。赤本を買う受験生が増えるのは、受験勉強が本格化する時期。買取業者もその需要に向けて在庫を確保したいので、需要期の前が高くなりやすいという構造があります。
どこで売るか。選択肢は次のとおりです。
- 参考書専門の買取業者:赤本を明示的に買取対象にしていることが多い。宅配で送るだけ
- 一般の古本チェーン:持ち込みで現金化できるが、赤本は値が付きにくいことも
- フリマアプリ:自分で値付けできる。人気大学の赤本なら需要がある
- 後輩に有償で譲る:知り合い同士なら成立することも
参考書専門の業者が向いているのは、冊数が多い場合です。赤本以外の参考書もまとめて送れるので、一度で片づきます。「10冊以上で送料無料」といった条件があることが多いので、まとめて出すほうが有利です。
フリマアプリは、人気大学の最新版なら高く売れる可能性があります。ただし1冊ずつ出品・梱包・発送する手間がかかるので、冊数が多いと現実的ではありません。
04書き込みがある赤本は売れるか
いちばん多い疑問がこれでしょう。「書き込みだらけだけど、売れるの?」
答えは「業者による」です。
一般の古本チェーンでは、書き込みがあると買取不可になることが少なくありません。しかし、参考書を専門に扱う業者は事情が違います。参考書や赤本は書き込まれて当然という前提があるため、書き込みがあっても買い取ると明示している業者があります。
ただし、程度によります。
ポイントは「隠さないこと」です。査定時にはわかりますし、書き込みがあっても買い取る業者を選べば問題ありません。「書き込みがあるから」と最初から諦めて捨てるほうが、もったいない判断です。
特に注意したいのが別冊の解答です。赤本には解答・解説が別冊になっているものがあり、これが欠けていると価値が大きく下がります。処分前に探してください。
05売れにくい赤本
正直に書いておきます。売れない赤本もあります。
古い版。数年前の赤本は、需要がほとんどありません。受験生は最新の傾向を知りたいので、古い年度版は選ばれにくい。
- 受験者数の少ない大学。需要そのものが小さいため、買取対象外になることがあります。
- 状態が悪い。破れ、水濡れ、カビ、大量の書き込み。
- 解答冊子がない。本体だけでは商品として成立しません。
- コピーしたもの。当然ながら売れません。
これらは譲るか、捨てるかという判断になります。ただし、「売れないだろう」と自己判断せず、まとめて査定に出すほうが結果的に得です。査定は無料のことが多く、思わぬものに値が付くこともあります。
買取不可だった場合の扱い(返送か処分か、送料はどちらが持つか)は、申込前に確認しておいてください。
06譲る|誰に渡すか
赤本は、譲る相手が明確な参考書です。次に同じ大学を受ける人にとって、これ以上ない教材だからです。
高校の後輩。部活の後輩、同じ塾に通っていた後輩。同じ大学を志望している後輩がいるなら、いちばん喜ばれる相手です。
兄弟姉妹。下に受験生がいるなら自然な流れです。ただし志望校が違えば使えません。押しつけにならないよう確認してください。
高校の進路指導室。高校によっては、卒業生から赤本を集めて後輩に貸し出しているところがあります。母校に問い合わせてみる価値はあります。書き込みがあっても受け入れてくれることが多い。
塾・予備校。通っていた塾に寄贈できる場合があります。こちらも問い合わせてから。
譲るときのマナーをひとつ。書き込みがあることは事前に伝えてください。「自分の解答が書いてあるけど大丈夫?」と一言添えるだけで、相手も判断できます。むしろ「先輩の解答が見られる」と喜ばれることもあります。
07残す|何冊まで
記念に残したいという気持ちは自然です。受験を象徴する本ですから。
ただ、全部残すのはおすすめしません。理由は3つあります。
場所を取る。赤本は厚い本です。5冊もあれば本棚のかなりの部分を占めます。これから読む本のためのスペースが減ります。
使う場面がない。合格した大学の赤本を、その後に開くことはまずありません。
時間が経つと処分しにくくなる。「そのうち」と置いておくと、卒業や引っ越しのときにまた同じ判断を迫られます。しかもそのときには売る価値がなくなっています。
おすすめは、1冊だけ残すことです。第一志望の赤本、いちばん使い込んだ1冊、あるいは合格した大学のもの。意味のある1冊を選べば、記念としては十分です。
選ぶときの基準を挙げておきます。
- 合格した大学のもの:これから通う大学の記録として
- いちばん使い込んだもの:努力の量が見える
- 第一志望のもの:たとえ不合格でも、そこに向かった記録として
08捨てる|個人情報に注意
- 売れず、譲る相手もいない赤本は、資源ごみとして処分します。
- 手順は単純ですが、1点だけ確認してほしいことがあります。個人情報です。
- 赤本には、次のようなものが挟まっていることがあります。
- 名前を書いたページ
- 模試の成績表
- 受験票のコピー
- 塾のプリント
- メモ書き(志望校のメモなど)
そのまま古紙回収に出すと、これらが人目に触れる可能性があります。パラパラとめくって確認してから出してください。
出し方は自治体のルールに従います。多くの地域では、紐で十字に縛って古紙回収という形です。赤本は重いので、一度に大量に出そうとせず、数回に分けるか家族に手伝ってもらってください。
09青本・黒本・過去問集はどうか
赤本以外の過去問集についても触れておきます。
青本(駿台文庫)。難関大学を中心に刊行されている過去問集です。解説が詳しいことで知られ、需要は一定数あります。赤本と同様、状態と版によって買取価格が決まります。
黒本(河合出版)。共通テスト対策の問題集です。共通テストは毎年出題傾向が変わるため、古い版の需要は落ちやすい。早めに処分するほうがいいでしょう。
予備校の直前予想問題集。その年限りの内容なので、翌年にはほぼ価値がなくなります。合格したらすぐに処分してください。
模試の過去問・解説冊子。これは一般に流通しないものなので、買取対象外のことがほとんどです。後輩に譲るか、捨てることになります。
いずれにせよ、「時事性が高いものほど早く手放す」のが原則です。共通テスト対策や予想問題集は、赤本以上に鮮度が重要になります。
10どれを選ぶかの判断表
手元の赤本を、次の表で振り分けてみてください。
意外な狙い目が「受けなかった大学の赤本」です。併願を検討して買ったものの、結局受験しなかった大学の赤本。ほとんど使っていないので状態がよく、高く売れる可能性があります。押し入れに眠っていないか確認してみてください。
11実際の進め方
手を動かす順番を示します。1時間もあれば終わります。
ステップ1:全部並べる。手元にある赤本・過去問集を、床に全部並べてください。何冊あるかを把握するところから始まります。
ステップ2:残す1冊を選ぶ。先に「残すもの」を決めます。1冊だけと決めておくと迷いません。
ステップ3:譲る相手がいるものを分ける。後輩や兄弟に渡すものがあれば、そこで抜き出します。事前に相手に確認してからのほうが確実です。
ステップ4:残りを状態で分ける。破れ・水濡れ・解答欠けは捨てる山へ。それ以外は売る山へ。書き込みは判断基準にしないでください(買い取ってくれる業者があるため)。
ステップ5:売る山をまとめて出す。他の参考書と一緒に段ボールに詰めて発送します。付属品(解答冊子)を忘れずに。
ステップ6:捨てる山を古紙に出す。個人情報を確認してから、紐で縛って回収へ。
この作業は、合格発表の直後、引っ越しの前にやるのが最適です。時間が経つほど価値は下がり、判断も面倒になります。処分全般の考え方は受験参考書の記事でも整理しています。
12よくある質問
赤本は売れますか?
売れます。参考書専門の買取業者では赤本を買取対象としているところが多く、次の受験生に向けて需要があります。ただし毎年新版が出るため、時間が経つほど価値が下がります。合格が決まったらすぐ、遅くとも1年以内には手放すのがおすすめです。
書き込みだらけでも売れますか?
業者によります。一般の古本チェーンでは買取不可になることが多いのですが、参考書を専門に扱う業者では「書き込みがあっても買取可」と明示しているところがあります。参考書は書き込まれて当然という前提があるためです。諦めて捨てる前に、一度査定に出してみてください。
解答冊子をなくしてしまいました。
大きく減額されるか、買取不可になる可能性が高いです。赤本は問題と解答がセットで価値を持つため、別冊が欠けていると商品として成立しにくくなります。処分前にもう一度探してみてください。見つからない場合は、後輩に譲るか資源ごみとして処分することになります。
合格した大学の赤本は記念に取っておくべきですか?
好みの問題ですが、残すなら1冊だけにすることをおすすめします。赤本は厚く場所を取り、その後に開くことはまずありません。合格した大学のもの、いちばん使い込んだもの、第一志望のもの——意味のある1冊を選べば記念としては十分です。
受けなかった大学の赤本もありますが、どうすればいいですか?
売るのに最も向いています。併願を検討して買ったものの受験しなかった赤本は、ほとんど使われておらず状態がいいことが多いためです。押し入れに眠っていないか確認してみてください。最新版に近ければ、それなりの値が付く可能性があります。
共通テストの問題集(黒本など)はどうですか?
共通テストは毎年出題傾向が変わるため、古い版の需要は落ちやすい傾向があります。赤本以上に鮮度が重要なので、合格が決まったら早めに処分してください。予備校の直前予想問題集も、その年限りの内容なので翌年にはほぼ価値がなくなります。
後輩に譲るとき、書き込みは問題になりませんか?
事前に伝えておけば問題ありません。「自分の解答が書いてあるけど大丈夫?」と一言添えれば、相手が判断できます。むしろ「先輩がどう解いたかが見られる」と喜ばれることもあります。押しつけにならないよう、相手が必要としているか確認してから渡してください。
捨てるときに気をつけることはありますか?
個人情報です。名前を書いたページ、模試の成績表、受験票のコピー、メモ書きなどが挟まっていることがあります。そのまま古紙回収に出すと人目に触れる可能性があるので、パラパラとめくって確認してから出してください。また赤本は重いので、数回に分けて出すか家族に手伝ってもらいましょう。
13まとめ|合格直後に振り分ける
赤本の処分は「売る・譲る・残す・捨てる」の4択。ただし他の参考書と違い、毎年新版が出るため価値の下がり方が早い。合格が決まったらすぐ動くのが鉄則です。
書き込みがあっても諦めないでください。参考書専門の業者なら買い取ってくれることがあります。捨てる前に一度査定に出すほうが、結果的に得です。
記念に残すなら1冊だけ。合格した大学のもの、いちばん使い込んだもの——意味のある1冊に絞れば、あとは手放しても後悔しません。
そして、受けなかった大学の赤本が押し入れにないか確認してください。使っていないぶん状態がよく、いちばん高く売れる可能性があります。