バイト・お金 更新 2026.09.11 この記事にはPRを含みます

バイト中にけがをしたら|労災という仕組みと相談先

結論

労災保険は、アルバイトを含む雇われて働く人が、仕事中や通勤中にけがや病気をしたときの国の保険です。保険料は雇う側が負担します。けがをしたら、まず職場に報告し、医療機関を受診するときに「仕事中(通勤中)のけが」と伝えてください。労災の場合は原則として自分の健康保険は使いません。治療の給付、休んだ日の補償などを受けられることがあります。請求は本人でもでき、職場が協力しない場合で…

19分読み終わるまで
23章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.11
ADVERTISEMENT

包丁で指を切った。重い荷物を運んで腰を痛めた。バイトに向かう途中で自転車で転んだ。

こうしたけがをしたとき、「アルバイトだから自分の健康保険で病院に行くしかない」と考える学生は少なくありません。

けれど、仕事中や通勤中のけがや病気には、「労災保険」という国の保険の仕組みがあります。アルバイトも対象で、治療費の負担がなくなる、休んだ分の補償が受けられるといった給付があります。

この記事では、労災保険の対象になる場合、けがをしたときにまずすること、受けられる給付の種類、そして職場が手続きに協力してくれないときの対処を整理します。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言・医学的な助言ではありません。労災にあたるかどうかの判断は、労働基準監督署が個別の状況をもとに行います。給付の内容や手続きは変更されることがあるため、必ず厚生労働省や労働基準監督署の最新情報をご確認ください。けがや体調の異変があるときは、まず医療機関を受診してください。

この記事を7枚で

1 / 7
労災保険とはアルバイトも対象…仕事中のけが(業…通勤中のけが(通…寄り道をしたとき…この記事

この記事の流れ

バイト中にけがをしたら

労災保険は、アルバイトを含む雇われて働く人が、仕事中や通勤中にけがや病気をしたときの国の保険です。

1
正式な名前労働者災害補償保険
2
対象仕事中や通勤中のけが・病気・障害・死亡
3
保険料雇う側が負担する
4
手続きの窓口労働基準監督署

労災保険とは

仕事や通勤でのけがや病気に備える、国の保険です。

労災保険は、正式には労働者災害補償保険といい、働く人が仕事中や通勤中にけがをしたり病気になったりした場合に、治療の費用や、仕事を休んだ間の補償などの給付を行う国の保険です。

1
アルバイト・パート対象
2
学生のアルバイト対象
3
週1日・短時間の勤務対象
4
単発・短期の仕事対象

アルバイトも対象になる

雇用形態や勤務日数は関係ありません。

労災保険は、正社員だけでなく、アルバイト、パート、学生のアルバイト、週1日や短時間の勤務、単発の仕事など、雇われて働くすべての人が対象です。「アルバイトだから労災は使えない」ということはありません。

1
調理中に包丁で指を切った業務災害にあたり得る
2
品出し中に荷物を落として足をけがした業務災害にあたり得る
3
引っ越しの作業で腰を痛めた業務災害にあたり得る
4
休憩中に職場の設備の不具合でけがをした業務災害にあたる場合がある

仕事中のけが(業務災害)

仕事が原因のけがは、業務災害にあたり得ます。

業務災害とは、仕事が原因で起きたけがや病気のことです。調理中に包丁で指を切った、品出しで荷物を落として足をけがした、引っ越しの作業で腰を痛めた、といった場合は、業務災害にあたり得ます。

1
通勤とは住まいと職場の間の往復など
2
経路と方法合理的な経路・方法であること
3
例バイトに向かう途中で自転車で転んだ
4
判断が分かれる例大学から直接バイト先に向かう途中など

通勤中のけが(通勤災害)

通勤の途中のけがも、対象になることがあります。

通勤災害とは、住まいと職場の間を、合理的な経路と方法で往復している途中に起きたけがなどのことです。

1
帰りに友人と遊びに行った寄り道の間とその後は通勤と認められないことが多い
2
帰りに日用品を買いに寄った日常生活に必要な行為として、元の経路に戻った後は通勤と扱われることがある
3
駅の売店で飲み物を買ったささいな行為として通勤の範囲に含まれることがある

寄り道をしたときの考え方

寄り道の内容によって、扱いが変わります。

通勤の途中で、通勤と関係のない目的で経路を外れたり、途中で別の行為をしたりした場合、その間とその後は、原則として通勤とは認められません。帰りに友人と遊びに行った場合などがこれにあたります。

1
仕事や通勤でのけがや病気に備える、国の保険です。労災保険とは
2
雇用形態や勤務日数は関係ありません。アルバイトも対象になる
3
仕事が原因のけがは、業務災害にあたり得ます。仕事中のけが(業務災害)
4
通勤の途中のけがも、対象になることがあります。通勤中のけが(通勤災害)

まとめ

この記事の要点

保険料は雇う側が負担します。けがをしたら、まず職場に報告し、医療機関を受診するときに「仕事中(通勤中)のけが」と伝えてください。労災の場合は原則として自分の健康保険は使いません。

記事を読む

01労災保険とは

仕事や通勤でのけがや病気に備える、国の保険です。

1正式な名前労働者災害補償保険
2対象仕事中や通勤中のけが・病気・障害・死亡
3保険料雇う側が負担する
4手続きの窓口労働基準監督署
5給付治療・休業の補償など

労災保険は、正式には労働者災害補償保険といい、働く人が仕事中や通勤中にけがをしたり病気になったりした場合に、治療の費用や、仕事を休んだ間の補償などの給付を行う国の保険です。

保険料は雇う側が負担しているので、働く人が保険料を払う必要はありません。働く人を一人でも雇っている事業は、原則として労災保険の適用を受けることになっています。

02アルバイトも対象になる

雇用形態や勤務日数は関係ありません。

1アルバイト・パート対象
2学生のアルバイト対象
3週1日・短時間の勤務対象
4単発・短期の仕事対象
5業務委託(雇用でない)原則として対象外(実態による)

労災保険は、正社員だけでなく、アルバイト、パート、学生のアルバイト、週1日や短時間の勤務、単発の仕事など、雇われて働くすべての人が対象です。「アルバイトだから労災は使えない」ということはありません。

雇う側が労災保険の手続きをしていなかった場合でも、働く人が労災保険の給付を受けられないわけではありません。雇用契約ではなく業務委託として働く場合は、原則として対象外ですが、実態が雇用であれば労働者として扱われることもあります。

03仕事中のけが(業務災害)

仕事が原因のけがは、業務災害にあたり得ます。

場面の例 考え方
調理中に包丁で指を切った 業務災害にあたり得る
品出し中に荷物を落として足をけがした 業務災害にあたり得る
引っ越しの作業で腰を痛めた 業務災害にあたり得る
休憩中に職場の設備の不具合でけがをした 業務災害にあたる場合がある
仕事と関係のない私的な行為でのけが 業務災害にあたらないことがある

業務災害とは、仕事が原因で起きたけがや病気のことです。調理中に包丁で指を切った、品出しで荷物を落として足をけがした、引っ越しの作業で腰を痛めた、といった場合は、業務災害にあたり得ます。

休憩中のけがでも、職場の設備の不具合が原因であれば業務災害にあたる場合があります。一方、勤務中でも仕事と関係のない私的な行為によるけがは、業務災害にあたらないことがあります。判断は、労働基準監督署が個別の状況をもとに行います。

04通勤中のけが(通勤災害)

通勤の途中のけがも、対象になることがあります。

1通勤とは住まいと職場の間の往復など
2経路と方法合理的な経路・方法であること
3例バイトに向かう途中で自転車で転んだ
4判断が分かれる例大学から直接バイト先に向かう途中など

通勤災害とは、住まいと職場の間を、合理的な経路と方法で往復している途中に起きたけがなどのことです。自宅からバイト先に向かう途中で自転車で転んだ、帰り道に駅の階段で足をくじいた、といった場合は、通勤災害にあたり得ます。

大学から直接バイト先に向かう途中のけがなど、通勤災害にあたるかどうかの判断が分かれる場合もあります。自分のケースがあたるかどうかわからない場合は、労働基準監督署に確認してください。

05寄り道をしたときの考え方

寄り道の内容によって、扱いが変わります。

寄り道の例 考え方の目安
帰りに友人と遊びに行った 寄り道の間とその後は通勤と認められないことが多い
帰りに日用品を買いに寄った 日常生活に必要な行為として、元の経路に戻った後は通勤と扱われることがある
駅の売店で飲み物を買った ささいな行為として通勤の範囲に含まれることがある

通勤の途中で、通勤と関係のない目的で経路を外れたり、途中で別の行為をしたりした場合、その間とその後は、原則として通勤とは認められません。帰りに友人と遊びに行った場合などがこれにあたります。

ただし、日用品の買い物など、日常生活に必要な行為のためにやむを得ず寄り道をした場合は、元の経路に戻った後は通勤として扱われることがあります。駅の売店で飲み物を買うようなささいな行為は、通勤の範囲に含まれると考えられることもあります。判断は個別の状況によるので、労働基準監督署に確認してください。

06仕事が原因の病気

けがだけでなく、病気も対象になることがあります。

例 考え方
暑い倉庫での作業中の熱中症 業務が原因の病気にあたり得る
重い物を繰り返し運ぶことによる腰痛 状況によって対象になり得る
強いストレスによる心の病気 認定の基準に照らして判断される

労災保険の対象には、けがだけでなく、仕事が原因の病気も含まれます。暑い倉庫や屋外のイベントでの作業中に熱中症になった場合などは、業務が原因の病気にあたり得ます。

腰痛や、仕事上の強いストレスによる心の病気なども、認定の基準に照らして判断されます。仕事が原因かもしれない体調の変化があれば、自分で判断せず、医療機関を受診したうえで、労働基準監督署に相談してください。

07けがをしたらまずすること

小さなけがでも、報告と受診を。

  1. 1作業を止めて安全を確保する
  2. 2その場で責任者に報告する
  3. 3必要なら応急手当・救急車
  4. 4医療機関を受診する
  5. 5いつ・どこで・どうけがをしたかを記録する

仕事中にけがをしたら、まず作業を止めて安全を確保し、その場で責任者に報告してください。「迷惑をかけたくない」「大したことはない」と黙っていると、後から痛みが悪化したときに、仕事中のけがだと説明しにくくなります。

出血がひどい、意識がない、動けないといった場合は、ためらわず救急車を呼んでください。小さなけがに見えても、痛みや腫れが続く場合は医療機関を受診し、いつ、どこで、どのようにけがをしたかを、その日のうちに記録しておきましょう。

報告するときは、「〇時ごろ、〇〇の作業中に△△してけがをしました」と、時間と作業の内容を具体的に伝えてください。責任者が状況を正確に把握でき、その後の手続きもスムーズになります。

08病院での伝え方

受付で、仕事や通勤でのけがだと伝えます。

1受付「バイト中のけがなので、労災でお願いします」
2通勤中の場合「バイトに向かう途中のけがです」
3診察けがをした状況を具体的に説明する
4書類がまだない「書類は後日提出します」と伝える

医療機関を受診するときは、受付で「バイト中のけがなので、労災でお願いします」と伝えてください。労災保険の指定を受けている医療機関であれば、所定の書類を提出することで、原則として窓口で治療費を支払わずに治療を受けられます。

その場で書類がそろっていない場合は、「書類は後日提出します」と伝え、医療機関の指示に従ってください。一時的に治療費を立て替えるよう求められることもあります。その場合は、領収書を必ず保管しておきましょう。

09健康保険は使わない

仕事や通勤でのけがに、原則として健康保険は使えません。

けがの原因 使う保険
仕事中のけが 労災保険
通勤中のけが 労災保険
仕事や通勤と関係のないけが・病気 健康保険

仕事中や通勤中のけがや病気は労災保険の対象で、原則として健康保険を使って治療を受けることはできません。「保険証を持っているから」と健康保険で受診してしまうと、後で手続きの切り替えが必要になります。

学生の場合、家族の健康保険の被扶養者になっていることが多く、健康保険を使うと家族の加入している保険の手続きにも関わります。仕事や通勤でのけがだとわかっている場合は、最初から労災で受診してください。

10健康保険を使ってしまったら

後から切り替えの手続きができます。

1受診した医療機関に伝えられる医療機関で労災への切り替えができないか相談
2切り替えが難しい健康保険の保険者と労働基準監督署に相談
3手続きがわからない労働基準監督署に相談

仕事や通勤でのけがなのに、健康保険で受診してしまった場合は、まず受診した医療機関に連絡し、労災保険への切り替えができないか相談してください。医療機関で切り替えができる場合もあります。

切り替えが難しい場合は、加入している健康保険の保険者に連絡したうえで、労災保険の手続きを行うことになります。手続きの流れは状況によって違うので、労働基準監督署に相談してください。

11受けられる給付の種類

けがや病気の状況に応じて、さまざまな給付があります。

1療養(補償)給付治療の費用
2休業(補償)給付仕事を休んで賃金を受けられない間の補償
3障害(補償)給付障害が残った場合
4遺族(補償)給付亡くなった場合の遺族への給付
5そのほか介護・葬祭などの給付

労災保険には、治療の費用を給付する療養(補償)給付、仕事を休んで賃金を受けられない間の補償である休業(補償)給付のほか、障害が残った場合や亡くなった場合の給付など、さまざまな給付があります。

学生のアルバイトで多いのは、治療の給付と、休んだ日の補償です。業務災害の場合は「補償給付」、通勤災害の場合は「給付」と呼び名が少し違いますが、内容はおおむね同じです。

どの給付を受けられるかは、けがの程度や休んだ日数によって変わります。自分がどの給付の対象になりそうかわからない場合は、労働基準監督署に状況を伝えて確認してください。

12治療の給付

治療の費用の負担がなくなります。

1労災保険の指定医療機関所定の書類を提出し、原則として窓口での支払いなし
2指定医療機関以外いったん立て替え、後で請求して払い戻しを受ける
3薬局指定を受けている薬局で同様の扱い
4通院の交通費一定の条件で支給される場合がある

労災保険の療養(補償)給付では、けがや病気が治るまでの治療の費用が給付されます。労災保険の指定を受けた医療機関で受診すれば、所定の書類を提出することで、原則として窓口で治療費を支払う必要はありません。

指定を受けていない医療機関で受診した場合は、いったん治療費を立て替え、後で労働基準監督署に請求して払い戻しを受けます。立て替えた場合は、領収書を必ず保管しておいてください。

13休んだ日の補償

けがで働けない間の、収入の補償があります。

1対象けがや病気で働けず、賃金を受けられない日
2支給が始まる日休業の4日目から
3最初の3日間(業務災害)雇う側が補償することとされている
4金額の目安1日あたりの賃金をもとにした額の一定割合

けがや病気の治療のために働けず、賃金を受けられない場合は、休業(補償)給付を受けられることがあります。この給付は、休業の4日目から支給されます。業務災害の場合、最初の3日間は、雇う側が補償を行うこととされています。

給付の金額は、けがをする前の賃金をもとに計算した1日あたりの額の一定割合で、特別支給金とあわせて支給されます。シフト制のアルバイトで、けがのために決まっていたシフトに入れなかった場合なども対象になり得ます。詳しい金額の計算は、労働基準監督署に確認してください。

14請求の流れ

所定の書類を、労働基準監督署などに提出します。

  1. 1職場に報告し、労災の手続きを依頼する
  2. 2給付の種類に応じた請求書を用意する
  3. 3職場に事業主の証明の欄を記入してもらう
  4. 4医療機関や労働基準監督署に提出する
  5. 5労働基準監督署が調査・判断し、給付が決まる

労災保険の給付を受けるには、給付の種類に応じた請求書を、医療機関や労働基準監督署に提出します。請求書には、けがの状況などを証明する事業主の証明の欄があり、職場に記入してもらうのが一般的です。

多くの職場では、けがを報告すると、担当者が手続きを進めてくれます。請求書の様式は厚生労働省のウェブサイトなどで入手できます。提出の後、労働基準監督署が状況を調査し、労災にあたるかどうかと給付の内容を判断します。

15本人でも請求できる

職場が手続きしてくれなくても、あきらめないでください。

状況 対応
職場が手続きを進めてくれない 本人が請求書を提出できる
事業主の証明を拒まれた その事情を伝えて労働基準監督署に相談
職場が労災保険に加入していなかった 給付を受けられる場合がある
辞めた後にけがの影響が出た 辞めた後でも請求できる

労災保険の請求は、職場が行うものと思われがちですが、本来は、けがをした本人が行うことができます。職場が手続きを進めてくれない場合でも、本人が請求書を労働基準監督署に提出することができます。

事業主の証明の欄への記入を拒まれた場合も、その事情を伝えて労働基準監督署に相談してください。職場が労災保険の手続きをしていなかった場合や、バイトを辞めた後であっても、給付を受けられる場合があります。

16「労災は使わないで」と言われたら

労災を隠すことは、問題になる行為です。

言われること 考え方
「健康保険で病院に行って」 仕事中のけがに健康保険は原則使えない
「治療費はこちらで払うから労災にしないで」 休業の補償などを受けられなくなるおそれ
「自分の不注意だから労災にならない」 不注意があっても対象になり得る
「アルバイトは労災が使えない」 アルバイトも対象

職場から「健康保険で病院に行って」「治療費は払うから労災にしないで」と言われることがあります。しかし、仕事中のけがに健康保険は原則使えず、労災にしないと、休んだ日の補償や、後遺症が残った場合の給付などを受けられなくなるおそれがあります。

仕事中のけがで働く人が休んだ場合などには、雇う側が労働基準監督署に報告する義務があり、報告をしない、あるいは虚偽の報告をする「労災隠し」は、法律で問題になる行為です。「自分の不注意だから」と言われても、働く人に不注意があったことだけで対象外になるわけではありません。こうしたことを言われたら、労働基準監督署に相談してください。

17労災を使ったことによる不利益

けがの療養中は、解雇が制限されています。

扱いの例 考え方
仕事中のけがで休んでいる間の解雇 療養のための休業期間とその後30日間は原則として解雇が制限される
労災を使ったらシフトを減らされた 記録して相談
嫌味を言われる 記録して相談

労働基準法では、仕事中のけがや病気の療養のために休業している期間と、その後30日間は、原則として解雇してはならないと定めています。けがで休んでいることを理由に、辞めさせられることはありません。

労災保険を使ったことで、シフトを減らされる、嫌味を言われるといった扱いを受けた場合は、日時と内容を記録し、労働基準監督署や総合労働相談コーナー、大学の学生課に相談してください。

18記録と証拠を残す

けがの状況を、できるだけ早く記録します。

1日時と場所仕事中・通勤中であることを示す
2けがをした状況何をしていてどうなったか
3見ていた人・報告した相手状況を確認できる人
4けがの写真けがの程度
5受診の記録・領収書治療の内容と費用
6シフト表・休んだ日休業の補償の確認

けがをしたら、日時と場所、何をしていてどうけがをしたか、見ていた人、報告した相手を、その日のうちに記録してください。通勤中のけがの場合は、どの経路を通っていたかも書いておきます。

けがの写真、受診の記録、立て替えた治療費の領収書、けがのために休んだシフトの記録も保管しておきましょう。職場が手続きに協力してくれない場合や、後から痛みが悪化した場合に、状況を説明する材料になります。

19請求の時効

給付の種類ごとに、請求できる期間が決まっています。

1治療の給付・休業の補償2年
2障害・遺族の給付5年
3数え始め給付の種類ごとに定められている

労災保険の給付の請求には時効があり、治療の費用の払い戻しや休業の補償などは2年、障害や遺族の給付は5年とされています。時効の数え始めは、給付の種類ごとに定められています。

「小さなけがだから」と手続きをしないまま時間がたつと、請求できなくなることがあります。けがをしたら早めに手続きを進め、わからないことは労働基準監督署に確認してください。

20けがを防ぐために

職場の安全の決まりを守ることが、一番の予防です。

1飲食店包丁・熱い油・濡れた床
2倉庫・軽作業重い物の持ち方・フォークリフトの通路
3引っ越し腰の使い方・階段
4イベント・屋外熱中症・人混み
5通勤自転車の運転・夜道

けがを防ぐためには、職場の安全の決まりを守ることが何より大切です。包丁の扱い方、重い物の持ち方、決められた通路を歩くことなど、研修で教わった手順を省かないでください。

体調が悪いまま働くと、けがや熱中症の危険が高まります。無理をせず、体調の異変を感じたら早めに責任者に伝えましょう。職種ごとの安全の注意点は、倉庫・軽作業バイトの実際|仕事内容と体力の負担や引っ越しバイトの実際|体力・時給・向いている人の記事でも扱っています。

21相談できる窓口

労災のことは、労働基準監督署が窓口です。

1労災にあたるか知りたい労働基準監督署
2手続きの方法がわからない労働基準監督署
3職場が協力してくれない労働基準監督署・総合労働相談コーナー
4労災を使ったら不利に扱われた総合労働相談コーナー・大学の学生課
5けがや体調の治療医療機関・大学の保健管理センター

労災保険の手続きや、労災にあたるかどうかの確認は、職場の所在地を管轄する労働基準監督署が窓口です。職場が手続きに協力してくれない場合も、労働基準監督署に相談してください。場所や受付の時間は、厚生労働省の案内で確認できます。

どこに相談すればいいかわからない場合は、まず大学の学生課に相談するのも一つの方法です。相談するときは、けがの記録、受診の記録、シフト表などを持っていくと、状況を正確に伝えられます。

22よくある質問

アルバイトでも労災保険は使えますか?

使えます。労災保険は、アルバイト、パート、学生のアルバイト、週1日や短時間の勤務、単発の仕事など、雇われて働くすべての人が対象です。保険料は雇う側が負担しているので、働く人が保険料を払う必要もありません。

バイトに向かう途中のけがも労災になりますか?

住まいと職場の間を、合理的な経路と方法で往復している途中のけがは、通勤災害にあたり得ます。ただし、通勤と関係のない寄り道をした場合や、大学から直接バイト先に向かう途中など、判断が分かれる場合もあります。自分のケースがあたるかどうかは、労働基準監督署に確認してください。

仕事中のけがで、自分の健康保険を使ってもいいですか?

仕事中や通勤中のけがや病気は労災保険の対象で、原則として健康保険は使えません。受診するときは、受付で「バイト中のけがなので、労災でお願いします」と伝えてください。健康保険で受診してしまった場合は、医療機関や労働基準監督署に切り替えの手続きを相談してください。

店長に「健康保険で病院に行って」と言われました。

仕事中のけがに健康保険は原則使えず、労災にしないと休業の補償などを受けられなくなるおそれがあります。職場が労災の報告をしない、あるいは虚偽の報告をする「労災隠し」は、法律で問題になる行為です。労災として手続きしてほしいと伝え、応じてもらえなければ労働基準監督署に相談してください。

自分の不注意でけがをした場合も労災になりますか?

働く人に不注意があったことだけで、労災保険の対象外になるわけではありません。仕事が原因のけがであれば、業務災害にあたり得ます。判断は労働基準監督署が個別の状況をもとに行うので、自分で判断せず手続きを進めてください。

けがで休んだ間の給料はもらえますか?

けがや病気の治療のために働けず、賃金を受けられない場合は、休業(補償)給付を受けられることがあります。休業の4日目から支給され、業務災害の場合、最初の3日間は雇う側が補償することとされています。金額は、けがをする前の賃金をもとに計算されます。

職場が労災の手続きをしてくれません。

労災保険の請求は、けがをした本人が行うことができます。職場が手続きを進めてくれない場合や、事業主の証明の欄への記入を拒まれた場合でも、その事情を伝えて労働基準監督署に相談してください。職場が労災保険の手続きをしていなかった場合でも、給付を受けられる場合があります。

小さなけがでも報告したほうがいいですか?

報告してください。小さなけがに見えても、後から痛みが悪化したり、治療が長引いたりすることがあります。その場で報告しておけば、仕事中のけがだと説明しやすくなります。日時、場所、状況を記録しておくことも大切です。

バイトを辞めた後でも、労災の請求はできますか?

できます。辞めた後であっても、在職中の仕事や通勤によるけがや病気であれば、労災保険の給付を請求できる場合があります。ただし、給付の種類ごとに時効があるので、早めに労働基準監督署に相談してください。

暑い倉庫で熱中症になりました。労災になりますか?

仕事中の熱中症は、業務が原因の病気として労災保険の対象にあたり得ます。まず医療機関を受診し、職場に報告してください。判断は労働基準監督署が個別の状況をもとに行います。

23まとめ|報告して、労災で受診し、協力がなければ監督署へ

労災保険は、仕事中や通勤中のけがや病気に備える国の保険で、アルバイトも対象です。保険料は雇う側が負担しています。

けがをしたら、まず作業を止めて責任者に報告し、医療機関で「仕事中(通勤中)のけが」と伝えてください。仕事や通勤でのけがに、原則として健康保険は使いません。

治療の給付で費用の負担がなくなり、働けない間は休業の補償を受けられることがあります。日時、場所、状況、受診の記録を残しておきましょう。

請求は本人でもできます。職場が手続きに協力しない場合や、「労災は使わないで」と言われた場合は、労働基準監督署に相談してください。労災隠しは法律で問題になる行為です。

最後に。給付の請求には時効があります。小さなけがでも、辞めた後でも、早めに相談しましょう。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言・医学的な助言ではありません。業務災害・通勤災害にあたるかどうかの判断は、労働基準監督署が個別の状況をもとに行います。給付の種類・金額・支給の開始日、健康保険との関係、請求の手続き、療養中の解雇の制限、時効などは変更されることがあります。必ず厚生労働省および労働基準監督署の最新の情報をご確認ください。けがや体調の異変があるときは、まず医療機関を受診してください。緊急の場合は119番に通報してください。手続きや職場の対応に関する疑問は、労働基準監督署、総合労働相談コーナー、在籍する大学の学生課などにご相談ください。