大学生がプログラミングを始めるには?独学の順番
独学の順番は①作りたいものを決める ②言語を1つに絞る ③環境を作る ④動くものを最短で1つ作る ⑤壊して直す ⑥少しずつ広げるです。多くの人は「文法を全部覚えてから作る」としますが、これが挫折の最大の原因——使わない知識は定着せず、進んでいる実感も得られません。正しくは「作りながら覚える」。そして最初の壁は環境構築です。ここで止まる人が多いので、環境構築が簡単な方法から始…
プログラミングを始めようと調べ始めると、最初の壁は「何から手をつけるか」です。
言語が何十種類もあり、それぞれに「初心者向け」と書かれている。教材も無数にある。そして、どれを選んでも「まずこれを覚えましょう」と文法から始まる。
その結果、多くの人が文法を少し学んで止まります。覚えたはずのことも、使わないので忘れる。
この記事では、独学で進める順番を扱います。なぜ挫折するのか、その構造から説明し、どこで詰まるか、どう抜けるかまで整理します。
この記事を7枚で
1 / 701なぜ挫折するのか
原因を構造から理解してください。気合いの問題ではありません。
最初の2つが特に大きいので、詳しく説明します。
① 環境構築で止まる。
プログラミングを始めるには、まずPCに開発環境を用意する必要があります。ソフトのインストール、設定、パスの通し方。
ここでエラーが出ると、まだ何も作っていないのに詰まります。そして「自分には向いていない」と感じる。これは非常にもったいない。
② 文法から入る。
多くの教材は「変数とは」「条件分岐とは」から始まります。順番としては自然ですが、問題は「使う場面がない」ことです。
覚えても使わないので忘れる。そして何も作れていないので、進んでいる実感がない。
この2つを避ける設計が、次章以降の内容です。
02正しい順番
この記事の核です。
| 順 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 作りたいものを決める | 学ぶ理由を作る |
| ② | 言語を1つに絞る | 迷わない |
| ③ | 環境を作る | 最初の壁を越える |
| ④ | 最短で動くものを作る | 「動いた」を体験する |
| ⑤ | 壊して直す | 仕組みを理解する |
| ⑥ | 少しずつ広げる | 必要な知識を足す |
従来の順番と何が違うかを比べます。
「必要になったら学ぶ」という発想が重要です。
先に全部覚えようとすると、量に圧倒されます。そして使わない知識は定着しません。
作っている途中で「これができない」と気づき、そこで調べて学ぶ。この順序なら、学んだことがすぐ使われるので定着します。
03①作りたいものを決める
最初にやるべきことです。ここが決まらないと、すべてがぼやけます。
ただし、大それたものである必要はありません。
| 規模 | 例 | 備考 |
|---|---|---|
| 非常に小さい | 計算を自動化する、ファイルの名前を一括で変える | ここから始める |
| 小さい | 簡単なゲーム、データを集計する | 次の段階 |
| 中くらい | 簡単なWebページ、アプリの原型 | 慣れてから |
| 大きい | 本格的なサービス | 最初は目指さない |
「非常に小さいもの」から始めてください。
目的は「完成させること」ではなく「動くものを作る体験」です。小さければ小さいほど、早くその体験ができます。
決め方のヒントを挙げます。
- 自分が面倒だと思っていることを自動化する
- レポートや研究で使えるもの:データの整理など
- 興味のある分野に関係するもの
- 教材の例を自分向けに変える:まずはこれでもいい
- 身近な問題を解く
- 「自分が面倒だと思っていること」から探すのがおすすめです。
- 解決したい問題があると、動機が続きます。そして完成したときに実際に使えるので、達成感もある。
- 「特に作りたいものがない」という場合。
それでも構いませんが、教材の例をそのままなぞるのではなく、少し変えてみてください。数字を変える、表示を変える。「自分でいじった」という経験が、理解を深めます。
04②言語を1つに絞る
言語選びで悩みすぎないでください。
この記事では「この言語を選ぶべき」とは書きません。作りたいものによって適した言語が違い、また状況も変わるためです。
そのかわり、選ぶときの考え方を示します。
「作りたいものに使えるか」が最優先です。
Webサイトを作りたいのか、データを扱いたいのか、アプリを作りたいのか。目的によって適した言語が違います。
そして、「大学の授業で使うか」という視点。
専攻で使う言語があるなら、それを選ぶのが効率的です。授業と独学の相乗効果があり、周りに聞ける人もいます。
重要なのは「1つに絞る」ことです。
- 複数を並行しない:混乱する
- 途中で変えない:一貫して続ける
- 「もっといい言語があるのでは」と考えない
- 最初の1つで基礎を作る:2つ目は速い
- 比較記事を読み続けない
「比較記事を読み続ける」のは、よくある時間の使い方です。
どの言語を選んでも、基礎的な考え方は共通する部分があります。1つ習得すれば、2つ目は速い。だから最初の選択に時間をかけすぎないでください。
05③環境を作る
最初の壁です。ここで止まる人が多い。
「環境構築」とは、PCでプログラムを書いて動かせる状態にすることです。
対策を挙げます。
① ブラウザ上で動く環境から始める。
インストール不要で、ブラウザだけでプログラムを書いて実行できるサービスがあります。環境構築という壁を、いったん飛ばせます。
「まず動かす体験をする」ことが目的なら、これで十分です。本格的な環境は、続けると決めてから作ればいい。
- ② 手順を1つに絞る。
- 複数のサイトの手順を混ぜると、矛盾して詰まります。1つの手順を最後まで通すのが基本です。
- ③ エラーが出たら、そのまま検索する。
エラーメッセージをそのままコピーして検索してください。同じ問題に遭遇した人の記録が見つかることが多い。
④ 環境構築で時間を使いすぎない。
数時間試して進まないなら、別の方法に切り替える。ここで消耗するのは本末転倒です。
06④最短で動くものを作る
この段階が最も重要です。
目的は「動いた」という体験を得ること。内容は何でも構いません。
- 1画面に何か表示させる
- 2計算させる
- 3入力を受け取って処理する
- 4条件で動きを変える
- 5繰り返し処理をする
- 6これらを組み合わせる
- 「画面に何か表示させる」——これが最初のゴールです。
- あまりに小さく見えますが、ここに到達した人と、していない人の差は大きい。
- 自分が書いたものが、PCの上で動いた。この体験が、次に進む動機になります。
- そして、「最短で」という点。
- 理解しきらなくていい:まず動かす
- 写経でいい:教材のとおりに打つ
- 意味は後から分かる:先に体験する
- 完璧を目指さない:動けば正解
- 飛ばしていい部分もある
- 「理解してから進む」としないでください。
- 先に動かして、後から理解するほうが速い。動いているものを見ながらのほうが、説明も頭に入ります。
- この段階で、「プログラミングってこういうものか」という感覚が得られれば十分です。
07⑤壊して直す
最も効果的な学習方法だと考えています。
動いているコードを、わざと変えてみてください。
「1行消してみる」が特に効きます。
消したら動かなくなった——その行が何をしていたかがわかります。説明を読むより、実感として理解できる。
そして、「わざと間違える」という練習。
エラーメッセージを読む練習になります。エラーは怖いものではなく、情報源です。
- どこでエラーが出たか:行番号が出ることが多い
- 何が問題か:メッセージに書かれている
- どう直せばいいか:検索すればわかる
- 同じエラーは繰り返し出る:慣れる
- エラーが出ないほうが不安なこともある
「壊しても大丈夫」という感覚が重要です。
プログラムは、壊れても元に戻せます。コピーを取っておけば、失敗しても問題ない。だから思い切って試せます。
この「試す」姿勢が、独学の速度を決めます。
08⑥少しずつ広げる
ここからが本格的な学習です。
方法は単純。作りたいものに向けて、足りない知識を足していく。
- この繰り返しです。「必要になったら学ぶ」という原則。
- そして、「小さく進む」という点。
- 一度にたくさん書かないでください。1つ機能を足したら、動くか確認する。
- 1つ足すごとに動作を確認:どこで壊れたかわかる
- まとめて書かない:エラーの原因が特定できなくなる
- 動いた状態を保存する:戻れるようにする
- 完璧を目指さない:まず動かす、後で整える
- 詰まったら休む:時間を置くと解決することも
「動いた状態を保存する」のは重要な習慣です。
変更して動かなくなったとき、戻れる状態があると安心です。ファイルをコピーしておくだけでも構いません。
そして、「詰まったら休む」。
何時間も同じところで悩むより、いったん離れるほうが効率的なことがあります。翌日見ると、あっさり解決することも珍しくありません。
09エラーとの付き合い方
プログラミングの大半は、エラーとの対話です。
エラーが出るのは失敗ではありません。普通のことです。
- 1落ち着いてエラーを読む
- 2どこで起きたか確認(行番号)
- 3何が問題か読み取る
- 4エラーメッセージをそのまま検索
- 5解決策を試す
- 6直らなければ、直前の変更を戻す
- 「エラーメッセージをそのまま検索」——これが最も効きます。
- 同じエラーに遭遇した人が、必ずいます。そして、その解決策が公開されていることが多い。
- ただし、注意点があります。
- 自分の環境と同じか確認:バージョンなど
- 情報の日付を見る:古いと当てはまらないことも
- 公式のドキュメントも見る:一次情報
- コピーする前に理解しようとする:何をしているコードか
- 複数の情報を照合する
「コピーする前に理解しようとする」——ここが分かれ目です。
意味がわからないままコピーしても、次に同じ問題が起きたときにまた詰まります。「なぜこれで直るのか」を、ざっくりでいいので理解しようとしてください。
そして、初心者がよく出すエラーには傾向があります。
- 綴りの間違い:1文字違うだけで動かない
- 記号の閉じ忘れ:括弧、引用符
- 大文字と小文字の違い
- 全角と半角の混在:見た目が似ている
- 行の終わりの記号
「動かない」ときは、まずこれらを疑ってください。難しい問題より、単純なミスであることが多い。
10調べ方が学習速度を決める
独学の成否を分けるスキルです。
「英語で検索する」という選択肢を持ってください。
プログラミングの情報は、英語のほうが圧倒的に多い。日本語で見つからなくても、英語なら見つかることがあります。
- 読めなくても構いません。翻訳しながらでもいい。コードの部分は言語に関係なく読めます。
- そして、「公式ドキュメント」。
- 最初は難しく感じますが、最も正確な情報源です。慣れてくると、ここを見るのが最も速いとわかります。
- 質問するときのコツも挙げておきます。
- 何をしようとしているか:目的を書く
- 何をしたか:試したこと
- 何が起きたか:エラーメッセージをそのまま
- 環境:言語のバージョンなど
- 調べたこと:何を試したか
「動きません」だけでは、誰も答えられません。状況を言語化する力が、そのまま解決速度になります。
ここで文章力が効いてきます。スキルの記事で書いたとおり、土台が専門を支えます。
11教材の選び方
教材選びで迷いすぎないでください。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Web上の学習サービス | 環境構築不要のものも | 最初の一歩 |
| 書籍 | 体系的。手元に残る | 基礎を固める |
| 動画教材 | 手順が見える | 環境構築など |
| 公式ドキュメント | 最も正確 | 慣れてから |
| 大学の授業 | 質問できる | 使えるなら最優先 |
| スクール | 費用がかかる | 後述 |
選び方の原則を3つ挙げます。
① 1つを最後までやる。複数を並行すると、どれも中途半端になります。
② 難しすぎたらレベルを下げる。理解できない教材を続けても意味がありません。「わかる」ものから始めてください。
③ 情報の新しさを確認する。プログラミングの情報は古くなると使えないことがあります。いつの情報かを確認してください。
そして、「大学の授業を使えるなら最優先」という点。
- 質問できる:これが最大の利点
- 体系的:順序が設計されている
- 費用がかからない:すでに払っている
- 単位にもなる:一石二鳥
- 同じことをやっている人がいる
「質問できる」環境は、独学より圧倒的に速い。詰まったときに聞ける相手がいるかどうかで、学習速度がまったく変わります。
12どれくらい時間がかかるか
正直に書きます。個人差が非常に大きいことを前提に読んでください。
「思ったより時間がかかる」——これが率直なところです。
そして、この事実を知らないまま始めると、挫折します。「1ヶ月でできるようになる」と期待していると、1ヶ月経って何もできない自分に失望する。
正確な期待値を持ってください。
- 短期間で劇的には変わらない
- 最初の数週間は特に進まない感覚
- ある時期から急に理解が進むことがある
- できるようになるほど、できないことも見える
- 比較しない:他人の進度は関係ない
「ある時期から急に理解が進む」という現象があるとされます。
それまでバラバラだった知識が、あるとき繋がる。だから、進んでいる実感がない時期に止めてしまうのが最ももったいない。
時間がかかると知ったうえで、早く始める——これが正しい対応です。1〜2年生のうちに始めるほど有利です。
13詰まりやすい場所
先に知っておくと、乗り越えやすくなります。
| 段階 | 詰まる内容 | 対処 |
|---|---|---|
| 最初 | 環境構築 | ブラウザ上の環境から始める |
| 初期 | エラーが読めない | そのまま検索する |
| 初期 | 用語がわからない | その都度調べる。全部覚えない |
| 中期 | 「作りたいもの」が作れない | もっと小さく分解する |
| 中期 | 写経はできるが自分で書けない | 少し変える練習 |
| 中期 | 進んでいる実感がない | 記録を残す |
| 後期 | 設計がわからない | まず動かす。整えるのは後 |
- 「写経はできるが自分で書けない」——これは多くの人が通る壁です。
- 教材のとおりに打てば動く。しかし、自分で1から書こうとすると手が止まる。
- 対処は「少しずつ変える練習」です。
- 教材のコードの数字を変える
- 表示する内容を変える
- 条件を変えてみる
- 機能を1つ足してみる
- 2つの例を組み合わせてみる
ゼロから書くのではなく、あるものを変える。この段階を挟むと、徐々に自分で書けるようになります。
そして、「作りたいものが作れない」という壁。
もっと小さく分解してください。「アプリを作る」ではなく「画面に文字を出す」「ボタンを押したら反応する」と分けていく。小さな部品なら作れます。
14続けるための工夫
技術より、続けることのほうが難しいかもしれません。
「毎日少しでも触る」が最も効きます。
1週間空けると、前にやったことを忘れています。そして思い出すところから始めることになり、進みません。
1日10分でも、触っていれば感覚が保たれます。
そして、「作ったものを保存する」。
最初に作った拙いコードも、捨てずに残してください。数ヶ月後に見返すと、自分の成長が見えます。これは大きなモチベーションになります。
「仲間を作る」のも有効です。
- 大学のサークルや勉強会
- 授業で同じことをやっている人
- 研究室の先輩
- オンラインのコミュニティ
- 友人を誘って一緒に始める
一人だと、詰まったときに止まります。聞ける相手がいるだけで、続く確率が大きく変わります。
15PCは何が必要か
始めるためのPCについて整理します。
「まず始める」だけなら、多くの場合、手持ちのPCで足ります。
新しいPCを買ってから始める必要はありません。そして、PCを買ったことで満足して始めない——これはよくある失敗です。
確認すべきことを挙げます。
- 今のPCで始められるか:まず試す
- 大学のPCが使えるか:情報教室など
- ブラウザ上の環境で足りるか:最初は十分なことも
- 本当に性能が必要になってから買う
- 買うなら用途を明確に
「大学のPCが使えるか」という選択肢も確認してください。情報教室に開発環境が入っていることもあります。
そして、スマホやタブレットだけでは難しいという点。
プログラミングは基本的にPCで行います。入力の量が多く、画面も広いほうがいい。PCへのアクセスは確保してください。
16大学の授業をどう使うか
最も活用されていない資源かもしれません。
- 「質問できる相手がいる」——これが独学との最大の違いです。
- 詰まったときに聞けるだけで、学習速度がまったく変わります。そしてこれは無料で使える資源です。
- 活用の仕方を挙げます。
- 関連する授業を履修する:単位にもなる
- 教員に質問する:授業後、オフィスアワー
- 研究室の先輩に聞く:所属していれば
- 情報教室を使う:環境が整っている
- 同じ授業の人と勉強する
- 大学の図書館の書籍を使う
「教員に質問する」を遠慮しないでください。
質問されるのは教員の仕事の一部ですし、意欲的な学生は歓迎されることが多い。使わないのはもったいない。
そして、授業と独学を組み合わせると効率的です。授業で基礎を学び、独学で作りたいものに向かう。相乗効果があります。
17独学かスクールか
判断の考え方を示します。詳しくはスクールの記事で扱いますが、基本的な整理をしておきます。
| 独学 | スクール | |
|---|---|---|
| 費用 | 抑えられる | かかる |
| 質問 | 自分で調べる | 聞ける |
| 強制力 | ない | ある |
| 順序 | 自分で決める | 設計されている |
| 調べる力 | 身につく | 依存する可能性 |
| 挫折率 | 高いとされる | — |
- この記事の立場を書きます。
- まず独学で試してください。理由は3つ。
- ① 費用がかからない。合わなかった場合の損失が小さい。
- ② 適性がわかる。そもそも自分に向いているかは、やってみないとわかりません。
- ③ 大学の資源がある。授業、教員、先輩、情報教室。使えるものを先に使ってください。
- そのうえで、スクールを検討する基準を挙げます。
- 独学で始めたが、環境構築で詰まった
- エラーが解決できず進めない
- 一人だと続かないと自覚している
- 質問できる相手が周りにいない
- 期限がある(就活など)
「独学で詰まった場所」がわかってから検討するほうが、選ぶ基準も明確になります。
いきなりスクールを検討しないでください。まず自分で触ってみる。それからでも遅くありません。
18形になった後の話
1つ作れるようになったら、次はどうするか。
「作ったものを公開する」ことをおすすめします。
ポートフォリオとして残りますし、就活でも語れる材料になります。詳しくはポートフォリオの記事で扱っています。
そして、「研究や授業に使う」という方向。
データの整理、集計、可視化。プログラミングは研究の道具としても使えます。実用の場があると、続きます。
「稼ぐ」ことについては、慎重に考えてください。
- 時間がかかる:仕事にできる水準までは長い
- 実績が必要:作ったものがあるか
- 最初は単価が低いことが多い
- 学生のうちは投資期間と考える
- 就活での材料としても価値がある
「稼ぐこと」を最初の目的にすると、続きにくいという問題があります。すぐには結果が出ないため、「意味がない」と感じて止まる。
まず「作れるようになる」を目標にしてください。それができれば、次の選択肢は自然に広がります。
19よくある質問
何から始めればいいですか?
「作りたいものを決める」ことからです。ただし大それたものでなくて構いません——自分が面倒だと思っていることを自動化する、レポートで使うデータを整理する、といった小さなもので十分です。目的があると、必要な知識を調べる動機が生まれます。目的なく文法を学んでも続きません。
なぜ文法から始めてはいけないのですか?
使う場面がないため定着せず、何も作れていないので進んでいる実感も得られないからです。「変数とは」「条件分岐とは」を順に学んでも、使わなければ忘れます。正しくは「作りながら覚える」——作っている途中で「これができない」と気づき、そこで調べて学ぶ。この順序なら、学んだことがすぐ使われるので定着します。
環境構築で詰まりました。
まずブラウザ上で動く環境から始めることをおすすめします。インストール不要でプログラムを書いて実行できるサービスがあり、環境構築という壁をいったん飛ばせます。「まず動かす体験をする」ことが目的なら、これで十分です。数時間試して進まないなら、別の方法に切り替えてください。ここで消耗するのは本末転倒です。
どの言語を選べばいいですか?
「作りたいものに使えるか」が最優先です。次に環境構築が簡単か、日本語の情報が多いか、大学の授業で使うか。専攻で使う言語があるなら、それを選ぶのが効率的です。授業との相乗効果があり、周りに聞ける人もいます。重要なのは1つに絞ること。比較記事を読み続けるのは時間の無駄になりがちです。
エラーが出ると不安になります。
エラーが出るのは失敗ではなく普通のことです。手順は、落ち着いて読む→どこで起きたか確認→何が問題か読み取る→エラーメッセージをそのまま検索、です。同じエラーに遭遇した人は必ずいて、解決策が公開されていることが多い。なお初心者のエラーは、綴りの間違い・記号の閉じ忘れ・全角と半角の混在など単純なミスが多いので、まずそこを疑ってください。
写経はできますが、自分で書けません。
多くの人が通る壁です。対処は「少しずつ変える練習」——教材のコードの数字を変える、表示内容を変える、条件を変える、機能を1つ足す、2つの例を組み合わせる。ゼロから書くのではなく、あるものを変える段階を挟むと、徐々に自分で書けるようになります。
どれくらいで作れるようになりますか?
個人差が非常に大きいですが、小さいものを自分で作れるまでに数ヶ月、実用的なものは年単位のこともあります。「思ったより時間がかかる」のが率直なところで、これを知らないまま始めると挫折します。ただし、ある時期から急に理解が進むことがあるとされるので、進んでいる実感がない時期に止めるのが最ももったいない。
独学とスクール、どちらがいいですか?
まず独学で試してください。費用がかからず、合わなかった場合の損失が小さく、そもそも自分に向いているかはやってみないとわかりません。また大学には授業・教員・先輩・情報教室という資源があります。そのうえで「環境構築で詰まった」「一人だと続かないと自覚している」なら、スクールを検討する意味が出てきます。
PCは買い替えるべきですか?
「まず始める」だけなら、多くの場合は手持ちのPCで足ります。新しいPCを買ってから始める必要はありませんし、買ったことで満足して始めないのはよくある失敗です。大学の情報教室が使えるかも確認してください。ただしスマホやタブレットだけでは難しいので、PCへのアクセスは確保してください。
続けるコツはありますか?
「毎日少しでも触る」ことです。1週間空けると前にやったことを忘れ、思い出すところから始めることになります。1日10分でも感覚が保たれます。あわせて記録を残す(進捗が見える)、作ったものを保存する(成長がわかる)、そして可能なら聞ける相手を作ってください。一人だと詰まったときに止まります。
20まとめ|作りながら覚える
独学の順番は①作りたいものを決める ②言語を1つに絞る ③環境を作る ④最短で動くものを作る ⑤壊して直す ⑥少しずつ広げるです。
多くの人が挫折するのは、「文法を全部覚えてから作る」としているから。使わない知識は定着せず、進んでいる実感も得られません。
正しくは「作りながら覚える」。作っている途中で「これができない」と気づき、そこで調べる。この順序なら、学んだことがすぐ使われます。
そして、最初の壁は環境構築です。ここで止まる人が多い。ブラウザ上で動く環境から始めて、この壁をいったん飛ばしてください。
エラーは失敗ではありません。そのまま検索すれば、同じ問題に遭遇した人の記録が見つかります。調べ方が学習速度を決めます。
最後に。大学の資源を使ってください。授業、教員、先輩、情報教室。質問できる相手がいるかどうかで、学習速度はまったく変わります。そしてこれは無料で使えます。
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