大学の教科書の買い方|生協・書店・中古・電子でいくら違う?
教科書の買い方は「生協・書店・ネット通販・中古・電子版」の5択。生協は割引があり確実に在庫があるのが強みで、中古は最も安いが版に注意が必要です。判断の軸は「その本を本当に使うか」。指定されてもほとんど開かない教科書は実際にあるので、初回の授業で使用頻度を確認してから買うのが最も無駄がありません。図書館で借りる、先輩から譲り受けるという手もあります。
大学の授業が始まると、教員から「この教科書を用意してください」と指示されます。指定された本をメモして、さて買おうとした瞬間に気づくのが、1冊3,000円、専門書なら5,000円超えという価格です。
それが5科目分あれば、それだけで2万円近く。教科書代は、大学生の出費として想像以上に重いものです。しかも半期ごとに繰り返される。
この記事では、大学の教科書をどこで買うかを整理します。生協、書店、ネット通販、中古、電子版——それぞれの価格と手間を比較し、どういう本をどこで買うべきかの基準を示します。そして、買わずに済ませる方法にも触れます。
この記事を7枚で
1 / 701買う場所は5つある
大学の教科書を入手する方法を並べます。
| 入手先 | 価格 | 手間 | 確実性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 大学生協 | 割引あり | ◎ 学内 | ◎ 在庫あり | 組合員は割引価格で買える |
| 書店 | 定価 | ○ | △ 取り寄せも | 実物を見て選べる |
| ネット通販 | 定価〜 | ◎ 家に届く | ○ | ポイント還元がある場合も |
| 中古 | 最も安い | △ 探す手間 | △ 版に注意 | 状態と版の確認が必要 |
| 電子版 | 紙より安いことも | ◎ すぐ読める | △ 対応書籍のみ | 持ち運びが楽 |
それぞれに向き不向きがあります。1つに決める必要はなく、本によって使い分けるのが現実的です。
たとえば、4年間使う専門分野の基本書は新品で、1学期しか使わない教養科目の教科書は中古で、といった具合です。
02大学生協で買う
多くの大学で、いちばん現実的な選択肢が大学生協です。
利点。
割引がある。生協の組合員なら、書籍を割引価格で購入できるのが一般的です。教科書は冊数が多いので、この差は積み重なると大きくなります。
在庫が確実。大学生協は、その大学の授業で使われる教科書を把握しています。指定された本が確実に置いてあるのは大きな安心材料です。
教科書販売の期間がある。学期の始めに、教科書販売コーナーが設置されます。科目名で探せるようになっていることが多く、間違えにくい。
- すぐ手に入る。学内なので、授業の合間に買えます。
- 難点。
- 混雑する。学期始めは長い行列ができます。時間帯を外すのがコツです。
組合員になる必要がある。出資金を払って加入する形です。卒業時に返還されるのが一般的ですが、入学時にまとまった額が必要になります。
売り切れることがある。人気の科目や、履修者が想定より多い場合、在庫が切れることがあります。早めに行くほうが安全です。
生協については、大学生協の記事でも扱っています。
03書店・ネット通販で買う
大型書店は、大学の近くにあれば選択肢になります。特に専門書に強い書店なら、指定教科書が置いてあることも多い。
利点は、実物を確認できることです。中身を見て、自分に合うかどうかを判断できます。同じ分野の別の本と比較することもできます。
難点は、定価で買うことになるのと、取り寄せに時間がかかる場合があることです。
ネット通販は、家に届くのが最大の利点です。重い専門書を運ばなくて済むのは地味に助かります。
ポイント還元やセールを使えば、実質的に安くなることもあります。ただし配送に数日かかるので、授業に間に合わない可能性があります。
また、ネット通販では版を間違えやすい点に注意してください。同じタイトルで複数の版が並んでいることがあります。次章で詳しく書きます。
04中古で買う
費用を抑えたいなら、中古がいちばん効きます。
入手先はいくつかあります。
- 大学生協の中古教科書コーナー:大学によっては用意されている
- 大学近くの古書店:専門書に強い店がある
- フリマアプリ:品数が多い。学期始めに出品が増える
- ネット通販の中古出品:状態表示を確認できる
- 先輩から譲り受ける:無料になることも
中古の利点は明快で、安いことです。定価の半額以下で買えることも珍しくありません。
ただし、注意すべき点が3つあります。
① 版が違う可能性。これが最大の落とし穴です。教科書は改訂されるため、古い版では内容やページ番号が違うことがあります。授業で「◯ページを開いて」と言われたときに困ります。
② 書き込みがある。前の持ち主の書き込みが多いと、読みにくくなります。逆に要点に線が引いてあって助かるという人もいますが、それは運次第です。
③ 付属品が欠けている。CDやアクセスコード(オンライン教材のログイン権)が付属する教科書は要注意です。アクセスコードは1回しか使えないため、中古では使えません。語学の教科書に多いパターンです。
この3点を確認できるなら、中古は非常に合理的な選択です。特に1学期しか使わない教養科目の教科書には向いています。
05電子版という選択
教科書によっては、電子版が用意されています。
利点。持ち運びが楽(重い専門書を持ち歩かなくていい)、検索できる、場所を取らない、紙より安い場合がある。ノートPCやタブレットで授業を受ける人には相性がいい。
難点。すべての教科書に電子版があるわけではない。試験で紙の教科書の持ち込みが許可されている場合、電子版では持ち込めないことがあります。また、売れないので使い終わってから現金化できません。
判断のポイントは、その科目の試験形式です。持ち込み可の試験がある科目なら、紙のほうが安全です。初回の授業で試験形式を確認してから買うのが確実でしょう。
また、書き込みのしやすさも人によります。紙に直接書き込みたい人、タブレットのペンで書ければいい人。自分の勉強スタイルに合うほうを選んでください。
06そもそも買わない方法
意外と見落とされるのが、買わないという選択肢です。
図書館で借りる。大学図書館には、授業で使われる教科書が置いてあることがあります。「指定図書」として貸出制限つきで用意されている大学もあります。
難点は、貸出期間が限られることと、他の履修者と取り合いになること。試験前は特に借りにくくなります。毎回使う教科書には向きませんが、たまに参照する程度なら十分です。
先輩から譲り受ける。同じ学部・学科の先輩が持っている可能性があります。サークルやゼミのつながりで聞いてみると、譲ってもらえることがあります。版が同じかだけ確認してください。
友人と共有する。同じ授業を取る友人と1冊を共有するという方法。ただし試験前に取り合いになるのと、書き込みができないという難点があります。
買わずに様子を見る。これが実は最も有効です。初回の授業に出てから買う。教員が「毎回使います」と言うなら買い、「参考程度」と言うなら見送る。次章で詳しく書きます。
07いつ買うか
タイミングを間違えると、使わない本にお金を払うことになります。
| タイミング | 利点 | 難点 |
|---|---|---|
| 履修登録の直後 | 在庫が豊富 | 履修を変えると無駄になる |
| 初回の授業のあと | 使用頻度がわかる | 在庫が減っている可能性 |
| 2〜3回目の授業のあと | 本当に必要か確信できる | 授業についていけない |
| 試験前 | — | 間に合わない |
おすすめは「初回の授業のあと」です。理由は3つあります。
① 履修を確定してから買える。履修登録は変更できます。初回の授業を受けて「思っていたのと違う」と感じて他の科目に変える人は多い。買う前に確定させるほうが無駄がありません。
② 使用頻度がわかる。初回の授業で、教員が教科書の扱いを説明することがほとんどです。「毎回持ってきてください」なのか「参考文献です」なのか。ここで判断できます。
③ 試験形式がわかる。持ち込み可なら紙で買う、といった判断ができます。
難点は、在庫が減っている可能性です。人気科目では初回後に売り切れることもあるので、その場合は早めに手を打つ必要があります。
08版とISBNの確認
教科書を買うときにいちばん多いミスが「版違い」です。
教科書は改訂されます。第2版、第3版、改訂版、新版——同じタイトルでも中身が違います。ページ番号がずれる、章の構成が変わる、内容が追加される。授業で「第3章の◯ページ」と言われたときに、版が違うと該当箇所が見つかりません。
確実に防ぐ方法はISBNで確認することです。ISBNは本ごとに固有の番号で、版が違えば番号も違います。
シラバスや教員の指示にISBNが記載されていることが多いので、その番号で検索して買えば間違えません。記載がなければ、出版社名・著者名・版数を確認してください。
特に中古やフリマアプリで買う場合は要注意です。出品写真だけでは版がわからないことがあるので、出品者に確認するか、ISBNの記載があるものを選んでください。
ただし、版が違っても問題ない科目もあります。教員が「どの版でも構いません」と言う場合です。初回の授業で確認すれば、安い古い版を選ぶという選択もできます。
09本当に使う教科書の見分け方
正直に書きます。指定されたのにほとんど開かない教科書は、実際に存在します。
見分けるポイントを挙げます。
| 教員の説明 | 読み取れること | 判断 |
|---|---|---|
| 「毎回持ってきてください」 | 授業で開く | 買う |
| 「教科書に沿って進めます」 | 授業の骨格になる | 買う |
| 「試験は教科書から出します」 | 試験対策に必須 | 買う |
| 「参考文献です」 | 読まなくても進む可能性 | 様子を見る |
| 「余裕があれば読んでください」 | 必須ではない | 図書館で足りる |
| 「私が作ったレジュメで進めます」 | 教科書は補助 | 見送りも可 |
| 教科書に触れずに授業が進む | 使わない可能性 | 2回目まで様子見 |
「参考文献」「参考書」と表現された本は、買わなくても単位が取れることが多いのが実情です。もちろん理解を深めるには読んだほうがいいのですが、予算が限られているなら優先度は下がります。
判断に迷ったら、先輩に聞くのが確実です。同じ科目を取った先輩なら、「あの教科書は使う」「使わなかった」を知っています。サークルやゼミのつながりを活かしてください。
10専門書は高い
学年が上がると、教科書は専門書になります。そして専門書は高い。
1冊5,000円を超えるものも珍しくなく、理系の専門書や法律の基本書では1万円近いものもあります。
なぜ高いのか。部数が少ないからです。一般書と違い、専門書は限られた読者しかいません。少ない部数で制作費を回収するため、単価が上がります。
対策としては、次のような考え方があります。
「長く使う本」には投資する。専攻の基本書は、卒業まで、あるいは社会人になっても参照することがあります。そういう本は新品で買って書き込む価値があります。
「1学期だけの本」は抑える。教養科目や、選択科目で一度きりの授業なら、中古や図書館で十分です。
図書館を使い倒す。大学図書館には専門書が揃っています。試験前だけ借りるという使い方もできます。
研究室・ゼミの本棚。3年生以降なら、研究室に本が置いてあることがあります。先生や先輩に聞いてみてください。
専門書が高い問題については、別記事でも詳しく扱っています。
11半期でいくらかかるか
実際の負担感を把握しておきましょう。
教科書の価格は1冊2,000円〜5,000円程度が中心で、専門書ではそれ以上になります。履修科目数によりますが、半期で1万〜3万円程度を見ておくことが多いようです。
これが年2回、4年間続きます。単純計算でも、大学生活を通じてかなりの額になります。
この出費を抑える方法をまとめると、次のようになります。
- 生協の割引を使う:組合員なら割引価格で買える
- 初回の授業後に買う:使わない本を買わずに済む
- 中古を活用する:1学期だけの科目に有効
- 図書館で借りる:参考文献レベルなら十分
- 先輩から譲り受ける:同じ学科なら可能性がある
- 使い終わった本を売る:次の学期の教科書代に充てる
最後の「使い終わった本を売る」は、意外と効きます。半期ごとにサイクルを回せば、教科書代の一部を自分で賄えるようになります。
お金の管理全般については、生活費の記事も参考にしてください。
12使い終わったら
学期が終わったら、教科書の行き先を考えます。
残す。専攻の基本書や、今後も参照する本は手元に置きます。
売る。1学期しか使わなかった本、二度と開かない本は売ることができます。状態がよく、版が新しいうちが高いのは受験参考書と同じです。
後輩に譲る。同じ学科の後輩なら、次の年に同じ科目を取る可能性があります。サークルやゼミで声をかけてみると喜ばれます。
捨てる。書き込みが多く売れない、版が古い場合は資源ごみへ。
ポイントは、学期末ごとに判断することです。「そのうち整理しよう」と溜めていくと、4年後に大量の本を抱えて引っ越すことになります。半期ごとに振り分ければ、負担は小さくて済みます。
本の減らし方については、別記事でも扱っています。
13よくある質問
教科書はどこで買うのがいちばん安いですか?
中古が最も安く、定価の半額以下になることもあります。ただし版が違う可能性、書き込み、付属品(CDやアクセスコード)の欠落に注意が必要です。新品なら大学生協が割引価格で買えることが多く、在庫も確実です。本によって使い分けるのが現実的です。
教科書はいつ買えばいいですか?
初回の授業のあとがおすすめです。履修を変更する可能性がありますし、初回で教員が教科書の使い方(毎回使うのか参考程度か)を説明することがほとんどだからです。試験形式(持ち込み可かどうか)もわかります。ただし人気科目は在庫が減るので、その場合は早めに動いてください。
中古で買うときの注意点は?
3つあります。①版が違わないかISBNで確認する ②書き込みの量を確認する ③付属品(CD・アクセスコード)が必要かを確認する。特にアクセスコードは1回しか使えないため、中古では使えません。語学の教科書に多いパターンなので注意してください。
指定された教科書は必ず買うべきですか?
必ずしもそうではありません。「参考文献です」「余裕があれば読んでください」と説明される本は、買わなくても単位が取れることが多いのが実情です。一方「毎回持ってきてください」「試験は教科書から出します」と言われたら買ってください。初回の授業での説明を聞いて判断するのが確実です。
図書館で借りるのはアリですか?
アリです。大学図書館には授業で使う教科書が置いてあることがあり、「指定図書」として用意されている大学もあります。ただし貸出期間が限られ、他の履修者と取り合いになります。毎回使う教科書には向きませんが、たまに参照する程度なら十分です。
電子版と紙、どちらがいいですか?
その科目の試験形式によります。持ち込み可の試験がある場合、電子版は持ち込めないことがあるため紙が安全です。電子版は持ち運びが楽で検索もできますが、使い終わったあとに売ることはできません。自分の勉強スタイル(紙に書き込みたいか)でも変わります。
先輩から譲ってもらうのは失礼ではないですか?
失礼ではありません。むしろ先輩側も処分に困っていることが多いので、喜ばれることがあります。サークルやゼミのつながりで聞いてみてください。ただし版が同じかは必ず確認を。また、譲ってもらったら一言お礼を伝えるのがマナーです。
半期でいくらくらいかかりますか?
履修科目数によりますが、1万〜3万円程度を見ておくことが多いようです。1冊2,000〜5,000円程度が中心で、専門書はそれ以上になります。生協の割引、初回授業後に買う、中古の活用、図書館の利用、使い終わった本の売却——これらを組み合わせると、負担はかなり減らせます。
14まとめ|初回の授業を聞いてから買う
教科書の買い方は「生協・書店・ネット通販・中古・電子版」の5択。本によって使い分けるのが現実的で、長く使う専門書は新品、1学期だけの科目は中古や図書館という振り分けが効率的です。
そして最も無駄を減らすのが、初回の授業を聞いてから買うこと。履修を確定でき、使用頻度も試験形式もわかります。「参考文献です」と言われた本は、買わなくても済むことが多いのが実情です。
買うときはISBNで版を確認してください。特に中古では、版違いがいちばん多いミスです。
そして、学期末ごとに使い終わった本を振り分ける。売れば次の学期の教科書代の足しになりますし、溜め込まずに済みます。