ゼミの面接・志望理由の準備|人気ゼミに入るための動き方
ゼミ選考で見られているのは「この学生と2年間、研究の話ができるか」です。熱意の大きさではなく、そのゼミのテーマと自分の関心が実際に噛み合っているかが判断されます。準備の核は3つ——①そのゼミが何を扱っているかを具体的に把握する ②自分の関心を「なぜそれに興味を持ったか」まで言語化する ③両者の接点を示す。志望理由書で最も弱いのは「先生の話が面白かったから」だけで終わる形です…
希望者が定員の3倍。選考があると知ったのは、締切の2週間前だった。
ゼミの配属は、多くの大学で希望どおりにはなりません。人気の集まるゼミでは、志望理由書や面接による選考が行われます。
ところが、この選考に向けた準備の仕方は、どこでも教えてもらえません。就職活動の対策本はあっても、ゼミ選考の対策は共有されていないのが実情です。
この記事では、選考の実際の流れ、志望理由の組み立て方、面接で聞かれること、そして落ちたときの動き方までを整理します。
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1 / 701なぜ選考があるのか
受け入れ人数に限りがあります。
- ゼミに選考がある最大の理由は、教員1人が指導できる人数に限りがあることです。
- ゼミは講義と違い、一人ひとりの研究を個別に見る場です。人数が増えれば、指導の密度は保てません。
- また、2年間続く関係である点も重要です。短期の科目とは判断の基準が違います。
もう一つの理由が、ゼミは学生どうしの関係でも成り立つことです。互いの発表を聞き、議論し、検討し合う場である以上、集団としてのまとまりも意味を持ちます。教員が選考で見ているのは、個人の能力だけではありません。その集団に加わったときにどう機能するかも含まれます。
なお、選考があること自体を知らずに過ごしてしまうのが、最も避けたい事態です。要項が発表されるのは学部のポータルや掲示であり、個別に通知されるとは限りません。同級生の間で話題になってはじめて知り、そこから慌てて調べ始める——これでは準備の時間が足りません。2年次に入ったら、配属がいつ・どう決まるのかを自分から確認してください。
この前提を理解しておくと、準備の方向を間違えません。
02配属までの流れ
段階があります。
- 1配属要項の発表
- 2説明会・見学
- 3志望の登録
- 4選考(書類・面接)
- 5結果の発表
- 6二次募集
- 配属の流れは、おおむねこの6段階です。時期も方法も学部によって違います。
- 見落とされがちなのが⑥の二次募集です。第一志望に落ちた場合、ここで決まります。
- 要項が発表されたら、全体のスケジュールを先に把握してください。動ける期間が分かります。
なお、日程は学部によって大きく違います。2年次の秋に決まる学部もあれば、3年次の春という学部もあります。先輩の話をそのまま当てはめず、自分の学年の要項を確認してください。カリキュラムが改定されていれば、時期自体が変わっていることもあります。
なお、志望の登録をした後に変更できるかも要項で確認してください。登録後は変更不可という学部もあります。登録の前に候補を固めておく必要があります。
03いつから動くか
要項が出る前から始まっています。
実質的な準備は、要項が出る前から始まっています。
特に成績は、後から変えられません。要件がある場合、1年次の成績が効いてきます。
また、担当教員の授業を履修しているかも見られることがあります。関心があるなら、先に授業を受けておくのが自然です。
また、関心の方向は早く定まるものではありません。だからこそ、2年次前半のうちに幅広く授業を受け、どの分野に惹かれるかを確かめる期間が必要になります。締切間際に「どこを志望するか」から考え始めると、調べる時間が足りません。
なお、就職活動との重なりも意識してください。3年次にゼミが始まる学部では、後半から就職活動が並行します。そのゼミの負担がどの程度かを、在籍生に確認しておくと計画が立てやすくなります。
早く動いた分だけ、選べる余地が残ります。
04選考の方法
組み合わせで行われます。
- 選考の方法は、複数の組み合わせであることが一般的です。
- 最も多いのが志望理由書です。ここで絞り、面接を行うという形が典型です。
- ゼミによっては、小論文や事前課題を課すこともあります。要項を確認してください。
なお、選考の基準が公開されているとは限りません。「総合的に判断する」とだけ書かれていることもあります。その場合でも、志望理由書と面接が中心になることはほぼ確実です。準備の方向は変わりません。
なお、抽選が併用されるケースもあります。選考で差がつかない場合の最終手段として定められていることがあります。運の要素が残る点は、あらかじめ理解しておいてください。
05成績が要件の場合
後からは変えられません。
成績が要件となっているゼミでは、要項に基準が明記されていることがあります。
また、GPA全体より関連科目の成績が重視されることもあります。そのゼミの分野に近い科目です。
仕組みはGPAとは?計算方法と大学生活で効いてくる場面で扱っています。要件がある可能性を踏まえ、早めに確認してください。
なお、成績要件がないゼミの方が多いのも事実です。要件がある場合は要項に明記されるため、まずそこを確認してください。記載がなければ、志望理由と面接が中心と考えて準備を進めて構いません。
なお、不可がある場合も致命的とは限りません。関連科目がしっかり取れていれば、そちらが評価されることがあります。諦める前に要件を確認してください。
06ゼミを調べる
ここが準備の中心です。
- 選考準備の中心は、そのゼミを調べることです。ここが薄いと、志望理由が書けません。
- 最も有用なのが、大学サイトの教員情報です。研究分野、担当科目、業績が掲載されています。
- また、過去の卒業論文の題目が公開されている学部もあります。何が扱えるかの実例になります。
調べる際に有効なのが、教員が書いた論文や著書のタイトルを見ることです。中身をすべて読む必要はありません。タイトルを並べるだけで、その教員が何を追いかけてきたかの輪郭が見えます。志望理由書で言及できる材料にもなります。
なお、調べた内容はメモに残してください。複数のゼミを比較すると記憶が混ざります。ゼミごとにテーマ・方法論・進め方を書き出しておくと、志望理由を書くときに使えます。
07説明会・見学
必ず参加してください。
説明会や見学には、必ず参加してください。参加が応募の要件となっている場合もあります。
ここで得た情報は、志望理由書に直接使えます。「説明会で伺った◯◯という進め方に惹かれ」という形です。
また、自分に合うかを確かめる場でもあります。入ってから合わないと気づく方が、双方にとって不幸です。
なお、説明会に出られない場合は、その旨を早めに問い合わせてください。資料をもらえる、別の機会を設けてもらえるといった対応がある場合があります。黙って欠席するのが最も不利です。
なお、説明会では在籍生に話を聞けることがあります。教員からは聞きにくい、負担の実際や雰囲気について尋ねる機会になります。
08研究テーマを知る
扱える範囲があります。
重要なのが、そのゼミで扱える研究の範囲です。教員の専門から外れたテーマは、指導が難しくなります。
また、方法論も確認してください。文献を読む研究か、調査や実験を行う研究かで、2年間の過ごし方が変わります。
「やりたいことがある」なら、それがそのゼミで扱えるかを先に確かめてください。
なお、「やりたいことがない」状態でも問題ありません。その場合は、方法論や進め方から選ぶという考え方があります。文献を読むのが好きか、人に話を聞くのが好きか——そうした適性からでも、合うゼミは絞れます。
なお、卒業論文が必修かどうかも学部によります。必修であれば、そのゼミで書けるテーマかは重要な判断材料になります。
09自分の関心を言語化する
「なぜ」まで掘ってください。
志望理由を書く前に、自分の関心を言語化してください。ここが曖昧だと、何を書いても薄くなります。
ポイントは、「なぜそれに興味を持ったか」まで掘ることです。きっかけが具体的なほど、説得力が出ます。
そして、疑問の形にすると強くなります。「◯◯に興味がある」より「◯◯はなぜ△△なのかを知りたい」です。
なお、言語化は一度で終わりません。書いてみて、読み返して、削って——この作業を数回繰り返すと、自分でも気づいていなかった関心の核が見えてきます。締切ぎりぎりに書き始めると、この過程が持てません。
言語化のコツは、「誰かに説明するつもりで書く」ことです。自分の中だけで完結している関心は、言葉にすると曖昧さが残ります。友人に話してみて、質問された箇所が、そのまま説明の足りない箇所です。面接の練習にもなります。
10接点を示す
ここが評価の中心です。
選考で見られているのは、ゼミのテーマと自分の関心が噛み合っているかです。
熱意だけを書いても、接点が示されていなければ評価されません。教員が知りたいのは「この学生を指導できるか」です。
したがって、ゼミの理解と自分の関心の両方を示し、その重なりを述べる——これが基本構造です。
接点を示すときに有効なのが、「このゼミでなければできないこと」を一つ挙げることです。他のゼミでも成り立つ理由しか書けていないなら、まだ調べ足りていません。
なお、接点は無理に作らないでください。本当に噛み合っていないゼミに、言葉だけで接点をこしらえても、面接で掘られれば分かります。そして仮に通っても、2年間が苦しくなります。噛み合うゼミを探す方が先です。
ここを押さえられれば、他の要素は補えます。
11志望理由書の構成
4段構成が基本です。
- 1関心の所在と、そのきっかけ
- 2そこから生まれた具体的な問い
- 3なぜこのゼミなのか(接点)
- 42年間で取り組みたいこと
志望理由書は、この4段構成で組み立てると整理しやすくなります。
第3段落が最も重要です。ここで「なぜ他のゼミではなくこのゼミなのか」を示します。
第4段落は、見通しです。確定していなくても構いません。「◯◯の方向で考えている」と書けば十分です。
なお、指定の字数は必ず守ってください。字数制限がある場合、超過しただけで減点される可能性があります。短く収める作業は、内容を絞る作業でもあります。
なお、手書き指定の場合は下書きをしてから清書してください。書き直しが効かない形式では、構成を固めてから書く必要があります。
12弱い志望理由
これでは差がつきません。
最も多い弱い志望理由が、「先生の話が面白かったから」だけで終わる形です。
これは誰にでも書けてしまうため、差がつきません。必要なのは「どの回の、どの内容が、なぜ自分に刺さったか」です。
また、就職に有利だからという理由も、研究の動機としては弱くなります。書くなら別の形にしてください。
なお、これらを一切書いてはいけないという話ではありません。雰囲気が合うと感じたことは、書いても構いません。問題は、それだけで終わることです。研究の話が中心にあれば、補足として機能します。
なお、他のゼミにも出せる文章になっていないかを確認してください。ゼミ名を入れ替えても成立するなら、接点が書けていません。
13具体的に書く
固有名詞を入れてください。
志望理由書の質は、具体性で決まります。
「授業が面白かった」を、「◯◯の回で扱われた△△という論点に関心を持った」に変えるだけで、印象が変わります。
具体的に書けるかどうかは、調べた量に比例します。書けないなら、調べ足りていません。
なお、具体的に書くほど字数を使います。だからこそ、何を書かないかの判断が必要になります。抽象的な表現を削れば、その分の字数が具体的な記述に回せます。
なお、提出前に一晩置いて読み返してください。書いた直後は、自分の文章の穴が見えません。時間を置くと、抽象的なままの箇所や、論理が飛んでいる箇所に気づけます。
調べた量は、必ず文章に表れます。
14面接の形式
形式を確認してください。
面接の形式は、ゼミによって異なります。要項や説明会で確認してください。
就職活動の面接とは性質が違います。形式的な受け答えより、研究の話が中心になります。
在籍するゼミ生が同席することもあります。一緒に活動する相手として見られているという側面もあります。
なお、服装の指定がある場合は要項に記載されます。指定がなければ、清潔感のある服装で問題ありません。就職活動のようなスーツが必要とは限りません。
なお、時間は短いことがほとんどです。長く話すより、要点を先に述べる方が伝わります。
15聞かれること
定番があります。
面接で聞かれることには、定番があります。準備しておけば対応できます。
特に多いのが「何か読みましたか」です。関連する本や論文を1冊でも読んでおくと、答えられます。
また、「他にどのゼミを考えていますか」も聞かれます。正直に答えて構いませんが、志望の方向に一貫性があると説明しやすくなります。
なお、準備していない質問が来ることもあります。その場で考えて答えて構いません。むしろ、考える過程を見せることに意味がある場合もあります。
なお、志望理由書に書いた内容は必ず聞かれると考えてください。書いたことについて掘り下げられたとき、自分の言葉で説明できる状態にしておいてください。
定番を押さえておくだけで、当日の余裕が変わります。
16答え方の基本
分からないことは分からないと言ってください。
- 面接で最もまずいのが、知らないことを知っているように話すことです。
- 読んでいない本を挙げれば、内容を聞かれて詰まります。その方が印象を損ないます。
- 「まだ読めていませんが、◯◯に関心があります」で構いません。正直さの方が評価されます。
なお、沈黙を恐れないでください。少し考えてから答える方が、中身のある返答になります。即答することが評価されるわけではありません。
なお、緊張しても問題ありません。教員は学生が緊張することを前提にしています。流暢さではなく、中身が見られています。
17質問する機会
用意しておいてください。
- 面接の終わりに「何か質問は」と聞かれることがあります。用意しておいてください。
- 良い質問は、調べたうえでしか出てこないものです。それ自体が準備の証明になります。
- 「配属までに読んでおくとよい本はありますか」は、実用的かつ意欲も伝わる質問です。
なお、要項に書いてあることを聞くのは避けてください。調べていないことが分かってしまいます。読んだうえで残った疑問を聞いてください。
なお、質問が思いつかなければ無理に作らなくて構いません。「説明会で伺えたので大丈夫です」と答えれば十分です。
18落ちたとき
すぐ次に動いてください。
第一志望に落ちることは珍しくありません。重要なのは、すぐ次に動くことです。
二次募集の期限は短いことが多く、落ち込んでいる間に過ぎてしまいます。
また、志望理由書を使い回さないでください。別のゼミには別の接点があります。書き直す必要があります。
なお、落ちた理由は通常知らされません。倍率の問題である場合も多く、自分に非があったとは限りません。原因の詮索より、次の準備に時間を使ってください。
また、二次募集で決まったゼミが結果的に良かったという例も少なくありません。第一志望が最良とは限らないという事実は、頭の片隅に置いておいてください。
切り替えの速さが、そのまま次の結果につながります。
19第二志望の考え方
妥協ではありません。
第二志望以降を考えるとき、妥協と捉えないでください。
人気が集中するゼミが、自分にとって最良とは限りません。人数が少ないゼミの方が、指導を受けられる時間は長くなります。
また、知らないだけで合うゼミもあります。調べていない候補があるなら、今からでも見てください。
なお、入ってから合わないと分かることもあります。その場合の変更制度があるかは、学部によって異なります。要項で確認しておくと安心です。
なお、複数のゼミを並行して調べると、比較ができます。一つに絞ってから落ちるより、余裕が生まれます。
20相談できる窓口
情報は取りに行ってください。
配属の制度や日程は、学部事務室で確認できます。
研究内容について志望先の教員に直接質問することも、多くの場合は問題ありません。むしろ関心の表れと受け取られます。
志望理由書の書き方は、学修支援の窓口で相談できる大学もあります。ゼミの選び方はゼミの選び方|大学2・3年で後悔しない決め方で扱っています。
なお、先輩に聞く場合は複数人に聞いてください。一人の感想は、その人の経験に限られます。複数の話を聞くと、実態に近づきます。
なお、教員への質問は大学のメールアドレスから送ってください。本人確認の観点でも確実です。
21よくある質問
ゼミの選考では何が見られていますか?
そのゼミのテーマと自分の関心が噛み合っているかです。熱意の大きさではなく、教員が「この学生を2年間指導できるか」を判断しています。接点を具体的に示せるかが中心です。
いつから準備すればいいですか?
要項が出る前から実質的に始まっています。成績が要件のゼミでは1年次の成績が効き、担当教員の授業を履修しているかが見られることもあります。要項が出たら全体の日程をすぐ把握してください。
志望理由書には何を書けばいいですか?
①関心の所在ときっかけ ②そこから生まれた具体的な問い ③なぜこのゼミなのか ④2年間で取り組みたいこと、の4段構成が基本です。特に③が重要で、他のゼミではない理由を示します。
「先生の話が面白かった」では弱いですか?
それだけでは弱くなります。誰にでも書けてしまうためです。「どの回の、どの内容が、なぜ自分に刺さったか」まで具体化してください。固有名詞が入ると印象が変わります。
研究テーマが決まっていません。
確定していなくて構いません。「◯◯の方向で考えている」という見通しで十分です。ただし、関心の方向がまったく示せないと、指導できるかの判断ができません。分野と問いの形までは言語化してください。
面接では何を聞かれますか?
志望理由、関心のあるテーマ、読んだ本や論文、卒論で扱いたいこと、他に志望するゼミ、履修した科目——これらが定番です。特に「何か読みましたか」は多いため、関連書を1冊でも読んでおいてください。
読んでいない本を挙げてもいいですか?
やめてください。内容を聞かれて詰まる方が印象を損ないます。「まだ読めていませんが、◯◯に関心があります」で構いません。正直さの方が評価されます。
他のゼミも受けていると言っていいですか?
正直に答えて構いません。複数を検討するのは自然なことです。ただし志望する分野に一貫性があると、関心の方向が説明しやすくなります。
第一志望に落ちました。
すぐ二次募集を確認してください。期限が短いことが多く、落ち込んでいる間に過ぎます。志望理由書は使い回さず、そのゼミとの接点を新しく書いてください。
人気のないゼミは避けた方がいいですか?
そうとは限りません。人数が少ない分、指導を受けられる時間は長くなります。人気は知名度や時間割の都合で決まることもあり、内容の良し悪しとは別です。調べていない候補があるなら見てください。
22まとめ|接点を具体的に示す
見られているのは熱意ではなく接点です。そのゼミのテーマと自分の関心が噛み合っているかが判断されます。
準備の核は調べることです。シラバス、教員の研究紹介、過去の卒論題目、説明会——調べた量がそのまま具体性になります。
「話が面白かった」だけでは差がつきません。どの回のどの内容が、なぜ自分に刺さったか。固有名詞まで書いてください。
面接では正直に答えてください。読んでいない本を挙げる方が、印象を損ないます。関心の方向を示せば十分です。
最後に。落ちても、すぐ次に動いてください。二次募集の期限は短く、第二志望が自分に合うことも珍しくありません。