五月病とは?大学生の落ち込みの乗り越え方
「五月病」は俗称であり、医学的な診断名ではありません。入学や進級から1〜2か月が経った頃に気力が落ちる——そうした状態を指す言い方です。背景として言われるのは環境の急な変化、緊張が続いた後の反動、生活リズムの乱れ、目標を達成した後の空白など。ただし、原因を自分で特定する必要はありません。まずできるのは①睡眠の時間を戻す ②食事を抜かない ③予定を減らす ④誰かに話すという生…
入学から1〜2か月、気力が落ちることがあります。
大学生活が始まって少し経った頃、やる気が出ない、朝起きられない、大学に行く気にならない——そう感じることがあります。
こうした状態は、俗に「五月病」と呼ばれます。ただし、これは医学的な病名ではありません。
この記事では、言葉の意味、背景として考えられること、生活面でできること、相談すべきタイミングを整理します。
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1 / 701「五月病」とは
俗称です。
- 「五月病」は、入学や就職から1〜2か月経った頃の気力の低下を指す言い方です。
- 広く使われている言葉ですが、明確な定義があるわけではありません。
- 指している状態も人によって違い、幅のある言葉として使われています。
この言葉が広く使われている理由のひとつは、状態を説明する言葉として便利だからです。「なんとなく調子が出ない」と言うより、一言で伝わります。ただし、便利であることと、正確であることは別です。実際には、まったく違う背景を持つ状態が同じ言葉でまとめられている可能性があります。
また、この言葉には「一時的なもの」という響きがあります。実際に時間とともに落ち着くこともありますが、そうでない場合もあります。時間が解決するという前提で待ち続けると、対応が遅れることがあります。
なお、同じ言葉が就職した人にも使われます。環境が大きく変わった後に気力が落ちるという点が共通しているためです。大学生に限った現象として語られているわけではありません。
言葉としては定着していますが、公的な統計や定義に基づくものではありません。この記事でも、確認できる範囲のことだけを書いています。
02病名ではありません
ここは押さえてください。
- 「五月病」は医学的な診断名ではありません。
- そのため、「五月病だから大丈夫」と自己判断することは適切ではありません。
- 体調に関する判断は、医師などの専門家が行うものです。気になる状態があれば相談してください。
言葉が広く使われているぶん、「よくあること」として片づけられやすい面もあります。しかし、続く状態を軽く扱うと、対応が遅れることがあります。名前がついているから安心、という判断はしないでください。
周囲から「五月病でしょ」と言われることもあるかもしれませんが、それは診断ではありません。周囲の見立てで自分の状態を決めないでください。
自己判断を避けるべき理由は、別の要因が背景にある可能性を見落とさないためです。睡眠や食欲の変化、気分の落ち込みには、さまざまな背景があり得ます。判断は専門家に委ねてください。
本記事で扱えるのは、一般に言われていることと、生活面でできることまでです。状態そのものの評価はできません。判断が必要な場面では、専門家に相談してください。
03起きやすい時期
区切りの後です。
- 言葉のとおり、5月頃に話題になることが多くあります。
- 入学から1〜2か月、連休を挟んだ後——区切りのタイミングと重なります。
- ただし、時期は人によって違います。5月に限った話ではありません。
連休のように、日常が一度止まる期間があると、それまでの疲れに気づくことがあります。動き続けているうちは意識されなかったものが、止まった時点で表に出るという形です。
なお、時期にかかわらず調子を崩すことはあります。5月でなければ違う、ということはありません。
入学の時期は、周囲も同じように環境が変わっています。そのため、相談しにくいと感じることもありますが、同じ状況の人が多い時期でもあります。
進級のタイミングでも、環境は変わります。学年が上がって専門科目が増える、ゼミが始まる——こうした変化も負担になり得ます。
04背景として言われること
特定はできません。
- 背景として言われることは、いくつかあります。
- ただし、原因を自分で特定する必要はありません。複数が重なることもあります。
- 原因が分からなくても、できる対処はあります。
背景を知っておくことには意味がありますが、それを特定しようとして考え続けると、かえって負担になります。分からないまま生活を整える、という進め方で構いません。
背景として挙げられるものは、いずれも一般に言われていることであり、個人に当てはまるとは限りません。参考程度に読んでください。
原因が分からないことに不安を感じる必要はありません。対処は、原因が特定できなくても進められます。
05環境の変化
変わる要素が多い時期です。
- 入学の時期は、変わる要素が非常に多くなります。
- 住まい、人間関係、学び方、生活の管理——これらが同時に変わります。
- 変化が多いほど、適応に使う力も大きくなります。疲れるのは自然なことです。
特に、ひとり暮らしを始めた場合は、生活の管理がすべて自分の役目になります。食事、洗濯、掃除、金銭——これまで誰かが担っていた部分が加わります。この負担は、慣れるまで一定の力を使います。
通学の時間や経路が変わったことも、負担の一因になります。片道の移動が長い場合、その分だけ使える時間が減り、疲れも蓄積します。
加えて、金銭の管理も自分で行うことになります。仕送りやアルバイトの収入をどう配分するか——これも新しく担う負担のひとつです。
高校までと違い、大学では日々の予定を自分で組み立てます。授業の合間の時間をどう使うか、何を優先するか——こうした判断が毎日発生します。慣れるまでは、それ自体が負担になります。
06緊張の後の反動
張り詰めた後に来ます。
- 入学直後は緊張していて、疲れに気づきにくい状態です。
- 慣れてきて緊張が解けると、それまでの疲れが出ることがあります。
- 特に連休など動きが止まったときに、感じやすくなります。
緊張しているときは、疲れを感じにくくなります。そのため、無理をしていることに気づかないまま進んでしまうことがあります。緊張が解けてから疲れが出るのは、そうした経過によるものと言われます。
入学直後に予定を詰め込んだ場合、その反動が大きくなることがあります。最初の数か月は、余裕を持った予定にしておく方が無理が生じにくくなります。
新歓の時期は予定が集中します。誘いに応じ続けると、休む時間が取れなくなります。参加を選ぶことは、必要な調整です。
休む日を予定に入れておくことも有効です。空けておく日を決めておけば、詰め込みすぎを防げます。
07目標のあとの空白
次が見えない時期です。
- 受験までは、明確な目標がありました。
- 入学後は、何を目指すかも自分で決めることになります。
- この空白が、気力の低下として感じられることがあると言われます。
目標がない状態が続くと、何をしてよいか分からなくなることがあります。ただし、大学生活では目標を急いで決める必要はありません。授業を受けながら考える期間があります。
目標が見つからないこと自体は、問題ではありません。授業を受けるなかで関心が出てくることもあります。時間をかけて構いません。
周囲が進路を決めているように見えても、実際には多くの人が途中です。急いで決める必要はありません。
08生活リズムの乱れ
崩れやすい環境です。
- 大学では、時間割が日によって違います。
- 1限がない日が続くと、起きる時間がずれていきます。
- 生活リズムは自分で管理するしかありません。崩れやすい環境だと理解しておいてください。
生活リズムが崩れると、起きる時間だけでなく、食事や活動の時間もずれていきます。ひとつが崩れると連鎖する性質があるため、戻すなら起床時間から取り組む方が扱いやすくなります。
アルバイトのシフトが夜遅い場合、翌日の授業に影響します。無理のない範囲で組んでください。
1限がある日とない日で起床が2時間以上ずれると、体感としての負担が大きくなります。可能な範囲で幅を狭めてください。
時間割を組む段階で、生活リズムを考慮することもできます。1限を避ける、曜日を偏らせないといった調整です。
09よく言われる状態
個人差があります。
- こうした状態が語られることがあります。ただし、感じ方には大きな個人差があります。
- 本記事は、これらの状態が特定の疾患を意味することを示すものではありません。
- 続く場合は、学生相談室・保健管理センター・医療機関に相談してください。
これらの状態は、単独で現れることも、複数が重なることもあります。また、まったく別の要因による場合もあります。自分で判断せず、続くようなら相談してください。
状態を記録しておくと、相談するときに伝えやすくなります。いつから、どの程度か——簡単なメモで構いません。
なお、これらの状態があるからといって、必ず何かの疾患であるという意味ではありません。一方で、続く場合に放置してよいという意味でもありません。
体調の変化に気づいたら、早い段階で記録しておいてください。後から振り返るときの材料になります。
10まずできること
生活面の調整です。
- まずできるのは、生活面の調整です。
- 睡眠、食事、予定の量——土台になる部分を整えてください。
- ただし、これで解決すると保証するものではありません。続く場合は相談してください。
できることから始めてください。4つすべてに同時に取り組む必要はありません。ひとつだけでも変えると、他の部分が動きやすくなることがあります。
完璧にやろうとしないでください。できない日があっても、翌日にまた戻せば十分です。
生活面の調整は、状態を良くすると保証するものではありません。あくまで、取り組める範囲の対処です。続く場合は相談してください。
調整の効果には個人差があります。合わないと感じたら、無理に続けないでください。
11睡眠を戻す
起きる時間を固定してください。
- 生活リズムを整えるなら、起きる時間を固定する方が取り組みやすくなります。
- 授業がない日も同じ時間に起きると、ずれが広がりにくくなります。
- ただし、眠れない日が続く場合は相談してください。自己判断で対処しないでください。
寝る時間を早めようとするより、起きる時間を固定する方が取り組みやすくなります。起床が定まれば、夜の眠気も自然に前倒しされやすくなります。
昼寝が長くなると、夜の睡眠に影響することがあります。取る場合は短めにしてください。
朝に光を浴びることが生活リズムに関係すると言われますが、効果の程度には個人差があります。無理のない範囲で試してください。
寝る前に画面を見る時間が長いと、眠りにくくなることがあります。減らせる範囲で調整してください。
12食事を抜かない
回数を保ってください。
- 食事は、内容より回数を保つことを優先してください。
- 作り込む必要はありません。学食や手軽なもので構いません。
- 食欲がない状態が続く場合は相談してください。
食事の時間が不規則になると、生活全体のリズムにも影響します。だいたいの時間を決めておくだけでも、区切りになります。
食べる量が減っている場合、まずは回数を保つことを優先してください。少量でも構いません。
自炊が負担であれば、学食や買ってきたもので構いません。用意する手間を減らすことも調整のひとつです。
13予定を減らす
詰めすぎないでください。
- 予定が詰まっていると、回復する時間がありません。
- サークル、アルバイト、誘い——減らせるものを減らしてください。
- 何も入れない日を作ることも、有効な調整です。
予定を減らすことに罪悪感を覚えるかもしれませんが、回復のための時間を確保することは必要な調整です。断ることは失礼ではありません。
予定を減らしたことで周囲に何か言われても、気にしなくて構いません。自分の状態を優先してください。
すべてを減らす必要はありません。負担に感じているものから順に調整してください。
長期休みまで待たず、日々のなかで休む時間を作ってください。まとめて休むより、こまめに取る方が回復しやすい場合があります。
14誰かに話す
整理につながります。
- 話すことで、状況が整理されることがあります。
- うまく説明できなくても構いません。話しながら整理すれば十分です。
- 身近に話せる相手がいない場合は、学生相談室が窓口になります。
- 話す相手は、解決策を持っている必要はありません。聞いてもらうだけでも、状況の整理につながります。
- 家族に心配をかけたくないと考える人もいますが、状況を伝えておくことは対応の助けになります。
話すことで気持ちが整理されないこともあります。その場合でも、状況を知っている人がいること自体が支えになります。
学生相談室では、話す内容が決まっていなくても利用できます。何を相談すればよいか分からない、という状態でも構いません。
15自分を責めない
怠けているわけではありません。
- 気力が出ないことを、怠けだと決めつけないでください。
- 環境が大きく変わった時期には、適応に力を使います。
- 自分を責めても状態は変わりません。生活面を整えることに向けてください。
周囲ができているように見えても、見えていない部分があります。同じように調子を崩している人も多くいます。
できていないことを数えると、状態が実際より悪く見えます。できたことに目を向けてください。
調子が落ちること自体は、多くの人に起こります。特別なことではありません。
16授業に行けない日
1日で終わらせてください。
- 授業に行けない日があっても、次の日に行けば戻せます。
- 連続すると戻りにくくなるため、1日で区切ることを意識してください。
- 行けない日が続く場合は、早めに相談してください。
出席できた日を数えるようにすると、前に進んでいる感覚が持ちやすくなります。できなかった日ばかりを見ないでください。
課題の提出だけでも間に合わせておくと、戻りやすくなります。全部を諦めないでください。
欠席が続いた場合、教員に事情を伝えておくと対応してもらえることもあります。黙って休み続けるより、伝えておく方が選択肢が残ります。
授業に出られた日は、それだけで進んでいます。小さく区切って考えてください。
17単位への影響
早めに確認してください。
- 欠席が続くと、単位に影響することがあります。
- 出席の基準や課題の期限は、シラバスで確認してください。
- 体調が理由の場合、配慮の制度がある大学もあります。学生課や教員に相談してください。
- 早い段階で相談すれば、選べる対応も多くなります。期限を過ぎてからでは、できることが限られます。
休学や履修の変更といった制度がある大学もあります。選択肢を知っておくだけでも、判断がしやすくなります。
制度の詳細は大学によって違うため、学生課で確認してください。
18相談すべきとき
迷ったら相談してください。
気分の落ち込みが続く、眠れない、食べられない、大学に行けない日が続く——こうした場合は相談してください。
「相談するほどではない」と自分で判断しなくて構いません。迷う時点で相談してよい状況です。
本記事は医学的な助言を行うものではありません。判断は専門家に委ねてください。
相談することで状態が悪化することはありません。話すこと自体が負担になる場合は、その旨を伝えて構いません。
- 相談は一度で終わるものではありません。継続して利用できる場合もあります。
- 窓口では、まず状況を聞かれます。答えられる範囲で構いません。
- 家族に伝えることが難しい場合でも、大学の窓口は利用できます。ひとりで判断しないでください。
19相談できる窓口
複数あります。
大学には学生相談室や保健管理センターがあります。
受診が必要と判断される場合は、医療機関を案内されることもあります。
窓口の全体像は大学の学生課・教務課の使い方|どんな相談ができる?で扱っています。早めに相談してください。
予約が必要な場合もあるため、利用方法を事前に確認してください。大学の案内やWebページに記載があります。
相談内容が本人の同意なく外部に伝えられることは、通常ありません。不安があれば確認してください。
窓口に行く時間が取れない場合は、メールで相談できる大学もあります。方法を確認してください。
20考え方の基本
整えて、相談してください。
- 「五月病」は俗称であり、診断名ではありません。自己判断で片づけないでください。
- まずできるのは、睡眠・食事・予定という生活面の調整です。
- そして、状態が続く場合は相談してください。判断は専門家に委ねてください。
- そして、時間が経てば変わることもあります。今の状態が続くと決まっているわけではありません。
- ひとりで抱えないでください。窓口は、そのためにあります。
状態が続く場合、早めに相談する方が対応しやすくなります。時間が経つほど、動きにくくなることがあります。
21よくある質問
五月病とは何ですか?
入学や進級から1〜2か月経った頃の気力の低下を指す俗称です。医学的な診断名ではなく、明確な定義もありません。指している状態も人によって違います。
五月病は病気ですか?
「五月病」は医学的な診断名ではありません。そのため、「五月病だから大丈夫」と自己判断することは適切ではありません。体調に関する判断は医師などの専門家が行うものです。気になる状態があれば相談してください。
なぜ起きるのですか?
環境の急な変化、緊張が続いた後の反動、生活リズムの乱れ、目標を達成した後の空白——こうしたことが背景として言われます。ただし、原因を自分で特定する必要はありません。複数が重なることもあります。
5月以外にも起きますか?
時期は人によって違います。5月に限った話ではなく、進級後や区切りがついた後など、環境が変わったタイミングで語られることがあります。
まず何をすればいいですか?
生活面の調整です。①睡眠の時間を戻す ②食事を抜かない ③予定を減らす ④誰かに話す——この4つが取り組みやすい部分です。ただし、これで解決すると保証するものではありません。続く場合は相談してください。
生活リズムはどう戻しますか?
起きる時間を固定する方が取り組みやすくなります。授業がない日も同じ時間に起きると、ずれが広がりにくくなります。ただし、眠れない日が続く場合は自己判断せず相談してください。
やる気が出ないのは怠けですか?
そうとは限りません。環境が大きく変わった時期には、適応に力を使います。自分を責めても状態は変わりません。生活面を整えることに向けてください。
授業に行けない日があります。
1日で区切ることを意識してください。連続すると戻りにくくなります。全部が無理でも、1つだけ出るという形でも構いません。行けない日が続く場合は、早めに相談してください。
欠席が単位に影響しませんか?
影響することがあります。出席の基準や課題の期限はシラバスで確認してください。体調が理由の場合、配慮の制度がある大学もあります。学生課や教員に相談してください。
いつ相談すればいいですか?
気分の落ち込みが続く、眠れない、食べられない、大学に行けない日が続く——こうした場合は相談してください。「相談するほどではない」と自分で判断しなくて構いません。迷う時点で相談してよい状況です。大学の学生相談室・保健管理センター、または医療機関が窓口です。
22まとめ|自己判断せず相談してください
「五月病」は俗称であり、医学的な診断名ではありません。自己判断で片づけないでください。
原因を特定する必要はありません。環境の変化、緊張の反動、生活リズム、目標の空白——複数が重なることもあります。
まずできるのは生活面の調整です。睡眠の時間を戻す、食事を抜かない、予定を減らす、誰かに話す。
自分を責めないでください。環境が大きく変わった時期には、適応に力を使います。
最後に。状態が続く場合は、学生相談室・保健管理センター・医療機関に相談してください。本記事は医学的な助言を行うものではありません。判断は専門家に委ねてください。
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