半導体業界の調べ方|一次情報の集め方
半導体業界を調べるなら「用語の解説」「業界団体の統計と名簿」「会社の設備投資に関する記述」の3つから始めてください。専門の言葉が多い分野のため、用語の意味を先につかまないと資料が読めません。業界団体は半導体そのものだけでなく、製造装置や材料にもあります。状況が変わりやすいとされる分野のため、情報はいつのものかを必ず確認してください。
半導体業界は、専門の言葉が多い分野です。
調べる前に用語の意味をつかんでおかないと、資料が読めません。
そしてその会社がどの役割か——設計、生産、装置、材料——で読む場所が変わります。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
半導体業界の3つの情報源。
言葉が壁になる分野です
工程の名前、装置の名前、製品の種類——用語を先につかんでから資料に入ってください。
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02用語をつかむ
ここを飛ばすと資料が読めません。
工程の流れから入ってください
どんな順番でつくられるのかが分かると、どの会社がどこを担っているかが見えてきます。
会社が解説を出していることがあります
装置や材料の会社が自社の製品がどの工程で使われるかを説明していることがあります。理解の助けになります。
略称に注意してください
この分野は略称が多く使われます。元の言葉を確認する癖をつけてください。
自分の言葉で言い直せるか
読んだ言葉を自分の言葉で説明できるかどうかで、理解の深さが分かります。
分からないことは説明会で聞いてください
調べても分からなかったことは、聞くべきことになります。
用語の解説は更新されます
技術が変われば言葉も変わります。いつの資料かを確認してください。
03業界団体の統計と名簿
分野ごとに団体があります。
名簿から知らない会社が見つかります
この分野には一般に知られていない会社が多くあります。名簿は選択肢を広げる道具です。
装置と材料は別の団体です
つくる機械をつくる会社と、使う薬品やガスをつくる会社は別の分野です。
統計は何の数字かを確認してください
出荷したものの数字か、使われたものの数字か——意味が違います。定義を確認してください。
展示会を主催する団体があります
分野ごとの展示会が開かれることがあります。学生が入れる催しもあります。
用語の解説を出している団体があります
専門の言葉を整理した資料が団体から出ていることがあります。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
04公的機関の資料
この分野は政策に関する資料が多くあります。
産業政策に関する資料があります
この分野については、国の方針や支援に関する資料が公表されていることがあります。
会社の計画と合わせて読むと、何が背景にあるかが見えます。
審議会などの資料も公開されます
検討の経過が資料として公開されることがあります。分野の課題が整理されています。
概要版から読んでください
本文が長い資料では、概要版が出ていることがあります。そこから入ると読みやすくなります。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。この分野は状況が変わりやすいとされます。
研究機関の資料もあります
公的な研究機関が技術分野の報告を出していることがあります。
05会社の資料の読みどころ
役割によって見る場所が変わります。
設備投資に関する記述を見てください
この分野は設備への投資が大きいのが特徴です。どこにいくら投じるかに会社の姿勢が表れます。
拠点の計画が勤務地に関わります
新しい生産の拠点や増強の計画が書かれることがあります。勤務地を考える材料になります。
装置の会社は手がけている工程を見てください
どの工程の装置をつくっているかで、会社の位置づけが分かります。
材料の会社はセグメント情報を見てください
化学の会社が半導体向けの材料を手がけていることがあります。その事業がどの位置かを確認してください。
決算説明資料は時期を追って読んでください
状況が変わりやすい分野です。直近の資料を読んでください。
事業等のリスクを読んでください
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
役割によって読む場所が変わります
設計、生産、装置、材料——その会社がどの役割かを先に確かめてください。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
設備投資に関する記述を見てください
この分野は設備への投資が大きいのが特徴です。会社の姿勢が表れます。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
生産の拠点の計画が書かれることがあります
新しい拠点や増強の計画は勤務地にも関わります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
技術の区分ごとに紹介があることがあります
回路、プロセス、装置、品質——区分ごとの説明を読むと違いが分かります。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
産業政策に関する資料が多い分野です
産業を所管する省庁がこの分野の戦略や支援に関する資料を公表していることがあります。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
装置と材料にも団体があります
半導体そのものだけでなく、製造装置や材料の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
装置や材料の会社は名簿から探せます
この分野は知られていない会社が多くあります。名簿が役に立ちます。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ役割どうしで比べてください
装置の会社と生産の会社では前提が違います。同じ役割にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
市況の話は時期を確認してください
この分野は状況が変わりやすいとされます。いつの情報かを必ず見てください。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
役割ごとに記録を分けてください
設計、生産、装置、材料——役割ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
用語を自分の言葉で説明できるように
専門の言葉を自分の言葉で言い直せるかどうかで、理解の深さが分かります。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 用語を飛ばして資料に入る | 言葉が分からないと読めない |
| 略称のまま理解したつもりになる | 元の言葉を確認していない |
| 古い情報で話す | 状況が変わりやすいとされる分野 |
| 有名な会社しか見ない | 装置や材料に知られていない会社がある |
| 役割を区別せずに比べる | 装置と生産では前提が違う |
| 資料の言葉をなぞる | 読んだことの証明にしかならない |
自分の言葉で言い直せるかを確かめてください
専門の言葉を使えることと、理解していることは別です。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
用語の解説、業界団体の統計と名簿、会社の設備投資に関する記述の3つです。専門の言葉が多い分野なので、用語の意味を先につかまないと資料が読めません。
用語はどうやってつかめばいいですか?
工程の流れから入ってください。どんな順番でつくられるのかが分かると、どの会社がどこを担っているかが見えてきます。装置や材料の会社が自社の製品がどの工程で使われるかを説明していることもあり、理解の助けになります。略称が多く使われるので、元の言葉を確認する癖をつけてください。
業界団体はどこを見ればいいですか?
半導体そのものの団体だけでなく、製造装置や材料の団体があります。つくる機械をつくる会社と、使う薬品やガスをつくる会社は別の分野です。名簿には一般に知られていない会社が多く載っており、選択肢を広げる道具になります。
統計を読むときの注意はありますか?
出荷したものの数字か使われたものの数字かで意味が違います。定義を確認してください。この分野は状況が変わりやすいとされるため、いつの統計かも必ず確認してください。
公的機関の資料には何がありますか?
この分野については、国の方針や支援に関する資料が公表されていることがあります。会社の計画と合わせて読むと何が背景にあるかが見えます。審議会などの検討の経過が資料として公開されることもあり、分野の課題が整理されています。
会社の資料はどこを読めばいいですか?
役割によって変わります。生産を担う会社は設備投資と拠点の場所、装置をつくる会社は手がけている工程と取引先の構成、材料をつくる会社はセグメント情報で半導体向けの位置を見てください。設計を担う会社は手がけている製品の分野と取引先です。
設備投資の記述はなぜ重要ですか?
この分野は設備への投資が大きいのが特徴で、どこにいくら投じるかに会社の姿勢が表れます。新しい生産の拠点や増強の計画は勤務地にも関わるため、就職先を考えるうえでも材料になります。
装置や材料の会社はどう探せばいいですか?
製造装置や材料の業界団体の名簿から探せます。この分野には一般に知られていない会社が多くあるため、名簿が役に立ちます。化学の会社が半導体向けの材料を手がけていることもあり、その場合はセグメント情報でその事業の位置を確認してください。
市況の話はどう扱えばいいですか?
この分野は状況が変わりやすいとされます。いつの情報かを必ず確認し、決算説明資料は直近のものを読んでください。古い情報のまま面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
展示会には行けますか?
分野ごとの展示会が開かれることがあり、学生が入れる催しもあります。開催の情報は団体や主催者のサイトで確認してください。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
同じ役割どうしで比べてください。装置の会社と生産の会社では前提が違いすぎます。そのうえで、セグメント情報、中期経営計画、事業等のリスク、拠点の一覧、採用ページを並べてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
専門の言葉を使えることと理解していることは別です。読んだ言葉を自分の言葉で言い直せるかを確かめてください。調べても分からなかったことは、説明会で聞くべきことになります。
19まとめ|用語・団体・設備投資の3つから
半導体業界を調べるなら、用語の解説、業界団体の統計と名簿、会社の設備投資に関する記述の3つから始めてください。
- 言葉が壁になる分野です。工程の流れから入ってください。
- 装置と材料にも団体があります。名簿から知らない会社が見つかります。
- 設備投資の記述に会社の姿勢が表れます。拠点の計画は勤務地にも関わります。
- 国の方針に関する資料が公表されていることがあります。会社の計画と合わせて読んでください。
- いつの情報かを必ず確認してください。状況が変わりやすいとされる分野です。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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・半導体業界の職種|仕事内容の調べ方
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