証券・資産運用業界の調べ方|一次情報の集め方
証券・資産運用業界を調べるなら「決算説明資料の部門ごとの収益」「証券と運用それぞれの業界団体」「金融を所管する機関の資料」の3つから始めてください。部門ごとの収益を見ればどこで稼いでいる会社かが分かります。業界団体は売買を仲介する側と資金を運用する側で別に分かれています。制度や監督の方針は金融庁などの公的機関から公表されています。
証券・資産運用業界は、公表されている資料が多い分野です。
会社の決算説明資料には部門ごとの収益が示されます。どこで稼いでいる会社かが分かります。
そして証券と運用で団体が違います。探している情報で見る先が変わります。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
証券・資産運用業界の3つの情報源。
部門ごとの構造が分かる業界です
どこで稼いでいるかが資料に示されます。会社の重心が見えます。
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業界の構造は証券・資産運用業界とは|全体像と分野の調べ方、職種は証券・資産運用業界の職種|仕事内容の調べ方、選考は証券・資産運用業界の選考|案内から流れを読む、条件は証券・資産運用業界の求人票|確認する項目で整理しています。
02部門ごとの収益を読む
この業界ならではの読みどころです。
決算説明資料に示されます
部門ごとの収益が資料に載っていることがあります。どこで稼いでいる会社かが分かります。
会社によって区分が違います
同じような業務でも、会社によってまとめ方が違います。その分け方自体が会社の考え方を表します。
2社を並べてください
部門ごとの構成を比べると、力を入れている領域の違いがはっきりします。
時期を追って読んでください
部門の比重は変わることがあります。複数の期を見ると動きが分かります。
運用会社は別の資料があります
預かった資金を運用する会社では、運用に関する報告が公表されています。
相場や商品の話は扱いに注意してください
本記事は就職活動のための案内であり、金融商品や資産運用についての助言ではありません。
03証券と運用の業界団体
立場ごとに別の団体があります。
会員の一覧から会社が探せます
この分野には知られていない会社が多くあります。一覧は選択肢を広げる道具です。
証券と運用は別の分野です
売買を仲介する仕事と、預かった資金を運用する仕事は違います。どちらに関心があるかを決めてください。
取引の場を運営する機関があります
取引に関する制度や統計が公表されています。業界の仕組みを知る材料になります。
団体が統計を出しています
分野ごとの動きについて団体が調査を公表していることがあります。
用語の解説がある場合があります
金融の言葉が分からないと資料が読めません。解説のページがあれば先に読んでください。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
04公的機関の資料
制度に関わる資料が多い分野です。
監督の方針が公表されています
金融を所管する機関が方針や考え方を公表しています。業界の課題が整理されています。
登録している会社の一覧があります
この分野の業務を行う会社は登録の仕組みがあります。一覧から会社が探せます。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
金融に関する制度は改正されることがあります。一次の情報で確認してください。
統計が公表されています
金融や資産に関する統計が公表されています。業界の輪郭を知る材料になります。
上場企業の提出書類が読めます
公的な情報開示の仕組みで有価証券報告書が読めます。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
05会社の資料の読みどころ
種類によって見る場所が変わります。
| 種類 | 読みどころ |
|---|---|
| 売買を仲介する会社 | 部門ごとの収益、支店の一覧 |
| 資金を運用する会社 | 運用に関する報告、手がける分野 |
| 信託に関わる会社 | 扱う業務の範囲 |
| インターネットを中心とする会社 | 提供する仕組み、拠点の置き方 |
| グループの会社 | グループの構成と各社の役割 |
支店の一覧を見てください
全国に支店を持つ会社では、どこに店があるかが転勤の範囲に関わります。
運用会社は手がける分野を見てください
どんな資産を運用しているか、どんな顧客の資金を預かっているか——会社によって違います。
グループの構成を確認してください
金融のグループには複数の会社があります。それぞれ扱う業務が違います。
中期経営計画を読んでください
どの部門に力を入れるか。会社の向かう先が分かります。
事業等のリスクを読んでください
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。
採用ページで部門を確認してください
部門ごとの紹介が置かれていることがあります。仕事の違いが分かります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
部門ごとの収益を見てください
決算説明資料には部門ごとの収益が示されます。どこで稼いでいる会社かが分かります。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
事業の内容で業務の範囲が分かります
会社によって手がけている業務の範囲が違います。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
力を入れる部門が書かれます
個人向けか法人向けか、運用か——会社の向かう先が分かります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
部門ごとの紹介を読んでください
同じ会社でも部門によって仕事がまったく違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
金融を所管する機関の資料があります
制度や監督の方針が公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
証券と運用で団体が違います
売買を仲介する側と、資金を運用する側で別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
団体の会員の一覧から会社が探せます
この分野は知られていない会社が多くあります。一覧が役に立ちます。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ種類の会社どうしで比べてください
証券会社と運用会社では前提が違います。同じ種類にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
相場や商品の話は扱いに注意してください
本記事は金融商品や資産運用についての助言ではありません。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
会社の種類ごとに記録を分けてください
証券、運用、信託——種類ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
関心のある部門まで降ろしてください
どの部門の仕事に関心があるか。そこまで言えると話が具体になります。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
本記事は資産運用の助言ではありません
就職活動のための案内です。金融商品に関することは、専門の窓口にご相談ください。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
決算説明資料の部門ごとの収益、証券と運用それぞれの業界団体、金融を所管する機関の資料の3つです。部門ごとの収益を見れば、どこで稼いでいる会社かが分かります。
部門ごとの収益はどこで分かりますか?
決算説明資料に載っていることがあります。個人のお客様に関わる部門、法人に関わる部門、市場に関わる部門、資産の運用に関わる部門など、会社によって区分が違います。その分け方自体が会社の考え方を表します。
証券会社と運用会社はどう違いますか?
売買を仲介する仕事と、預かった資金を運用する仕事は違います。業界団体も別に分かれています。どちらに関心があるかを決めてから調べてください。運用会社では運用に関する報告が公表されています。
知らない会社はどう探せばいいですか?
業界団体の会員の一覧から探せます。この分野の業務を行う会社は登録の仕組みがあり、金融を所管する機関に一覧があります。知られていない会社が多くあるので、一覧は選択肢を広げる道具になります。
公的機関ではどんな情報が得られますか?
金融を所管する機関が制度や監督の方針を公表しており、業界の課題が整理されています。金融や資産に関する統計も公表されています。制度は改正されることがあるため、一次の情報で確認してください。
取引の仕組みを知りたいときは?
取引の場を運営する機関が、取引に関する制度や統計を公表しています。業界の仕組みを知る材料になります。金融の言葉が分からない場合は、団体や機関の用語の解説を先に読んでください。
会社の資料はどこを読めばいいですか?
売買を仲介する会社は部門ごとの収益と支店の一覧、資金を運用する会社は運用に関する報告と手がける分野、インターネットを中心とする会社は提供する仕組みと拠点の置き方です。グループの構成も確認してください。
支店の一覧はなぜ見るのですか?
全国に支店を持つ会社では、どこに店があるかが転勤の範囲に関わります。募集要項の勤務地欄と合わせて読んでください。
相場や商品について話してもいいですか?
就職活動の場で扱う話ではありません。本記事も金融商品や資産運用についての助言ではありません。金融商品に関することは専門の窓口にご相談ください。
部門の比重は変わりますか?
変わることがあります。複数の期の資料を見ると動きが分かります。中期経営計画には、どの部門に力を入れるかが書かれます。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
部門ごとの収益の構成、中期経営計画、事業等のリスク、支店や拠点の一覧、採用ページです。証券会社と運用会社では前提が違うので、同じ種類にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
どの部門の仕事に関心があるかまで降ろすと、話が具体になります。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。調べても分からなかったことは、説明会で聞くべきことになります。
19まとめ|部門・団体・公的機関の3つから
証券・資産運用業界を調べるなら、決算説明資料の部門ごとの収益、証券と運用それぞれの業界団体、金融を所管する機関の資料の3つから始めてください。
- 部門ごとの収益で会社の重心が分かります。区分の仕方自体が会社の考え方を表します。
- 証券と運用は別の分野です。団体も分かれています。
- 登録の仕組みがあり、一覧から会社が探せます。知らない会社が見つかります。
- 制度と監督の方針は公的機関で確認してください。改正されることがあります。
- どの部門に関心があるかまで降ろしてください。話が具体になります。
最後に。本記事は就職活動のための案内であり、金融商品や資産運用についての助言ではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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