文献・論文の探し方|CiNii・Google Scholar・大学図書館の使い方
資料を探す順番は、①事典・入門書で全体をつかむ ②教科書や授業資料の参考文献をたどる ③蔵書検索で本を探す ④データベースで論文を探す ⑤なければ取り寄せるです。いきなり論文から入ると、前提知識が足りず読み進められません。信頼性の目安は学術論文>専門書>公的機関の資料>一般のウェブページ。検索のコツは言葉を変えて試すことと、見つけた1件から芋づる式にたどることです。そして最…
検索窓にテーマを入れて、出てきたページを読む。それでレポートを書いている。
多くの学生がこの方法で止まっています。しかし大学のレポートで求められるのは、誰が書いたか分かり、検証できる資料です。一般のウェブページだけを根拠にした文章は、どれだけ長くても評価されません。
そして、大学生には専用の探し方があります。学術論文のデータベース、図書館の蔵書検索、他大学からの取り寄せ——在学中だからこそ使える仕組みが揃っています。
この記事では、資料の種類と信頼性、探す順番、代表的な検索手段、検索のコツ、そして手に入らないときの対処を整理します。
この記事を7枚で
1 / 701なぜ探し方が重要か
資料の質が、レポートの質を決めます。
レポートの評価は、どんな資料を使ったかで大きく変わります。同じ主張でも、根拠が学術論文か一般のウェブページかで説得力が違います。
探し方を知っていると、時間も節約できます。やみくもに検索するより、順番を知っている方が早く必要な資料に届きます。
そして、この技術は卒業論文で必ず使います。1・2年のうちに身につけておくと、後の学年が楽になります。
探し方を知らないまま卒業する学生は少なくありません。しかしこの技術は、在学中だけでなく卒業後の調べ物にも使えます。情報の出所を確かめる習慣は、どの仕事でも役立ちます。
資料を探す力は、レポートの評価に直接現れます。同じ時間をかけても、良い資料に当たった方が内容は充実します。
02資料の種類と信頼性
目安となる順序があります。
資料の信頼性には、おおよその目安があります。学術論文や専門書は、専門家の検討を経ているため根拠として強くなります。
公的機関の統計や調査は、一次資料として価値があります。数値を扱う場合は、元の資料にあたるのが基本です。
一般のウェブページは、誰が書いたか分からないものが多く、根拠としては弱くなります。入口として使うのは構いませんが、そこで止まらないでください。
信頼性の順序は絶対的なものではありません。テーマによっては、企業の発表や業界の資料が一次情報として重要になることもあります。何を根拠にするかは、問いの性質によって変わります。
一次資料と二次資料の区別も意識してください。統計そのものが一次資料で、それを紹介した記事は二次資料です。可能な限り一次資料にあたってください。
03探す順番
広いところから狭いところへ。
- 1事典・入門書で全体をつかむ
- 2教科書・資料の参考文献をたどる
- 3蔵書検索で本を探す
- 4データベースで論文を探す
- 5なければ取り寄せる
資料探しは、広いところから狭いところへ進むのが効率的です。いきなり専門的な論文から入ると、前提知識が足りず読めません。
まず全体像をつかむことで、何が論点なのか、どんな用語が使われているかが分かります。この段階を経ると、検索の精度が上がります。
この順番を守るだけで、探す時間は大幅に短縮されます。やみくもに検索して時間を使うより、はるかに確実です。
この順番は、時間がないときほど守る価値があります。焦って論文から探すと、前提が分からず読む時間だけを消費することになります。
各段階で得られるものが違います。事典では全体像、参考文献では基本文献、データベースでは最新の議論——目的に応じて使い分けてください。
資料が揃えば、レポートは半分書けたようなものです。
04①事典・入門書から
まず全体像をつかみます。
最初にやるべきは、その分野の事典や入門書で全体像をつかむことです。図書館の参考図書のコーナーに、分野ごとの事典があります。
ここで得たいのは、キーワードと主要な論者です。その分野で何が論点になっていて、誰が重要な研究をしているかが分かります。
この情報があると、次の検索が的確になります。適切なキーワードを知らないまま検索しても、必要な資料には届きません。
事典は、図書館の参考図書のコーナーに置かれています。貸出できないことが多いので、必要な部分を複写するか、その場で読んでください。
入門書を読む時間は無駄になりません。全体像が分かると、その後の検索が的確になり、結果的に時間の節約になります。
05②参考文献をたどる
最も効率のよい方法です。
意外に見落とされているのが、教科書や授業資料の参考文献をたどる方法です。これが最も効率的なことが多くあります。
理由は明確で、教員がその分野で重要だと判断した文献が挙げられているからです。検索で探すより確実です。
入門書には「さらに学びたい人へ」といった文献案内が付いていることもあります。こうした案内は、初学者向けに選ばれているため使いやすいものです。
参考文献をたどる方法は、時間の節約にもなります。検索のキーワードを考える手間が省けるためです。
参考文献に挙げられている資料が図書館にない場合もあります。その場合は取り寄せを検討してください。
06③蔵書検索で本を探す
大学図書館の基本機能です。
大学図書館の蔵書検索は、本を探す基本の手段です。館内の端末からも、自宅からも使えます。
有効なのが、1冊見つけたらその「件名」や「分類」をたどる方法です。同じ主題の資料がまとめて見つかります。
そして実際に棚を見ることも重要です。請求記号は主題順に並んでいるため、目当ての本の隣に有用な資料があることがよくあります。図書館の使い方は大学図書館の使い方|貸出・取り寄せ・学習スペースの活用で扱っています。
蔵書検索では、キーワードだけでなく目次の情報まで検索できる場合があります。本の一部だけが該当する場合にも見つけられます。
蔵書検索で見つからなくても、他大学の所蔵を確認できる仕組みがあります。図書館のカウンターで相談してください。
07④データベースで論文を探す
最新の議論が見つかります。
論文を探すには、専用のデータベースを使います。書籍よりも新しい議論が見つかるのが特徴です。
使えるデータベースは大学の契約によって異なります。図書館のサイトに一覧が掲載されているので、確認してください。
本文がその場で読めるものもあれば、書誌情報だけ分かるものもあります。読めない場合は、次の取り寄せの手順に進みます。
論文を探すときは、まず書誌情報だけを集めて、後からまとめて入手するという進め方も効率的です。読む前に取捨選択できます。
論文の要旨だけを読んで、本文を読むかどうかを判断すると効率的です。すべてを読む必要はありません。
08⑤取り寄せる
自分の大学になくても手に入ります。
自分の大学に所蔵がない資料でも、他大学から取り寄せられます。これは大学図書館の大きな利点です。
論文の場合は、雑誌そのものではなく該当部分の複写を取り寄せるのが一般的です。手元に残るので返却も不要です。
ただし費用と日数がかかります。締切の直前では間に合わないので、早めに動いてください。
取り寄せの申し込みには、正確な書誌情報が必要です。データベースの画面から転記すると間違いがありません。
取り寄せには時間がかかるため、レポートの計画に組み込んでおいてください。締切の1〜2週間前には申し込む必要があります。
取り寄せた資料は、返却期限が通常より短いことがあります。届いたら早めに読んでください。
09代表的なデータベース
分野によって使い分けます。
データベースには種類があり、分野や目的によって使い分けます。国内の論文を探すもの、海外の文献を探すもの、新聞記事を探すものなどです。
どれが使えるかは大学の契約次第なので、図書館のサイトで確認してください。学内からのみ使えるものもあります。
使い方が分からない場合は、図書館で講習会が開かれていることもあります。参加すると効率が大きく上がります。
データベースによって収録されている範囲が違います。一つで見つからなくても、別のものでは見つかることがあります。
データベースの検索結果は保存できることが多いものです。後から見返せるようにしておくと便利です。
10学外からのアクセス
自宅から使える場合があります。
多くの大学では、学外からもデータベースを使える仕組みを提供しています。自宅で作業するときに便利です。
利用には大学のアカウントでの認証が必要です。設定方法は図書館のサイトで案内されています。
注意点として、IDやパスワードを他人に渡すことは契約違反にあたります。大学全体の利用が停止されることもあるため、絶対に避けてください。
学外からのアクセスは、設定に手間がかかることもあります。初回は時間に余裕があるときに試しておいてください。
設定が分からない場合は、図書館の窓口で教えてもらえます。
11検索のコツ
一度で見つからないのが普通です。
検索は、一度でうまくいくことの方が少ないものです。何度か言葉を変えて試すのが前提だと考えてください。
- 始めるときは広めの言葉から。件数を見ながら絞り込んでいくと、適切な範囲が見つかります。
- うまくいった検索語は記録しておいてください。同じテーマで探すときに再利用できます。
- 検索は試行錯誤が前提です。一度で見つからないことを失敗だと思わないでください。
検索にかける時間は、あらかじめ決めておくと区切りがつきます。一定時間で見つからなければ、相談に切り替えてください。
12言葉を変えて試す
用語が違うと見つかりません。
検索で見つからない最大の原因が、使っている言葉が資料と違うことです。同じ内容でも、専門用語と日常語では表現が異なります。
事典や入門書でその分野の用語を確認しておくと、この問題を避けられます。最初の段階が効いてくる場面です。
また、上位の概念と下位の概念を試すのも有効です。狭すぎて見つからないなら広く、広すぎて絞れないなら狭くします。
分野によっては、同じ概念に複数の呼び方があります。事典で確認しておくと、検索の幅が広がります。
検索語を記録しておくと、同じテーマで再度探すときに使えます。卒業論文の準備にもつながります。
13芋づる式にたどる
1件見つかれば広がります。
関連する資料が1件見つかれば、そこから芋づる式にたどれます。これが最も効率的な方法です。
最も基本的なのが引用文献をたどることです。その論文が参照している資料は、同じテーマの重要な文献である可能性が高くなります。
同じ著者の他の研究、同じ掲載誌の他の論文——いくつもの方向にたどれます。1件を大切に使ってください。
たどる作業を続けると、その分野で繰り返し引用される文献が見えてきます。それが基本文献である可能性が高いものです。
引用文献をたどると、その分野の議論の流れが見えてきます。誰がどの主張に応答しているかが分かります。
14絞り込みの使い方
件数が多すぎるときに使います。
検索結果が多すぎる場合は、絞り込みの機能を使ってください。多くのデータベースに用意されています。
よく使うのが発行年です。新しい議論を知りたいなら最近のものに限り、古典的な研究を探すなら年代を広げます。
ただし絞りすぎに注意してください。条件を厳しくしすぎると、重要な資料が除外されることがあります。
絞り込みの条件は、後から外すこともできます。まず絞ってみて、少なすぎたら広げるという進め方が効率的です。
絞り込みの条件を変えるだけで、結果が大きく変わることがあります。いくつか試してみてください。
15見つからないとき
原因を切り分けてください。
見つからないときは、原因を切り分けてください。言葉の問題か、テーマの設定の問題か、手段の問題かで対処が変わります。
テーマが狭すぎる場合は、範囲を広げて関連分野から探すという方法もあります。直接扱った研究がなくても、周辺の研究は参考になります。
それでも見つからないなら、図書館で相談してください。探し方そのものを一緒に考えてもらえます。
見つからない理由が分からない場合は、その状態のまま相談してください。何を試したかを伝えれば、次の手を提案してもらえます。
研究が少ないテーマの場合、関連分野の知見を応用するという方向もあります。指導教員に相談してみてください。
16資料の信頼性を見分ける
いくつかの手がかりがあります。
資料の信頼性を判断する手がかりは、著者・年・出典・発行元です。この4つを確認してください。
特に重要なのが「出典が示されているか」です。主張の根拠が示されている文章は、それ自体が検証可能です。
学術論文の場合、査読を経ているかどうかも目安になります。専門家の検討を経た論文は、信頼性が高くなります。
信頼性の判断は、慣れるまで時間がかかります。判断に迷う資料は、教員に確認するのが確実です。
出版された年が古くても、価値がないとは限りません。古典的な研究は、今も参照され続けています。
17ウェブの情報の扱い
使えないわけではありません。
ウェブの情報がすべて使えないわけではありません。公的機関や学術機関が公開している資料は、根拠として使えます。
問題になるのは、著者が不明で出典もない情報です。誰がどんな根拠で書いたか分からないため、検証できません。
また、ウェブの情報は変更・削除されることがあります。引用する場合は閲覧日を記載してください。書き方は参考文献の書き方|引用の作法と代表的な書式で扱っています。
ウェブの情報を使う場合は、その情報の元になった資料を探してみてください。一次資料にたどり着ければ、根拠が強くなります。
ウェブの情報を引用する場合は、閲覧日を必ず記録してください。後から内容が変わることがあります。
18見つけた資料の記録
その場で記録してください。
見つけた資料は、その場で情報を記録してください。後から探し直すのは非常に時間がかかります。
特に書誌情報とページ番号は必須です。参考文献リストを作るときに必要になります。
あわせてどう探したか(検索語やデータベース)も記録しておくと、関連資料を探すときに再利用できます。
記録の形式は、自分が続けられるものを選んでください。表計算でも、メモでも構いません。
記録する習慣は、卒業論文の段階で大きな差になります。1年生のうちから始めてください。
19図書館で相談する
最も効果が大きい手段です。
図書館のカウンターでは、資料の探し方そのものを相談できます。司書が一緒に考えてくれます。
多くの学生がこの仕組みを知らないまま卒業します。自分で何時間も探すより、5分相談した方が早いことは珍しくありません。
「テーマだけ決まっていて、何から探せばいいか分からない」——この段階でも相談できます。遠慮する必要はありません。
相談するときは、何を調べたいかを一言でも説明できると話が早く進みます。整理されていなくても構いません。
図書館の相談は、混み合う時期を避けると落ち着いて話せます。試験期間やレポートの締切前は混雑します。
20相談できる窓口
内容によって使い分けます。
探し方については図書館が最も詳しく、具体的な手順を教えてもらえます。
そのテーマで何を読むべきかは、担当教員に聞くのが確実です。「この分野で基本になる文献は何か」という質問は自然なものです。
ゼミに所属しているなら、指導教員に分野の基本文献を尋ねてください。卒業論文の準備にもつながります。
複数の窓口を使い分けると、それぞれの専門性を活かせます。一つの窓口ですべてを解決しようとしないでください。
相談した内容を記録しておくと、次に似た場面が来たときに自分で対応できます。
21よくある質問
どこから探し始めればいいですか?
①事典・入門書で全体をつかむ ②教科書や授業資料の参考文献をたどる ③蔵書検索で本を探す ④データベースで論文を探す ⑤なければ取り寄せる、の順です。いきなり論文から入ると前提知識が足りず読み進められません。
ウェブで調べるだけではだめですか?
一般のウェブページは著者が不明なものが多く、根拠としては弱くなります。ただし公的機関や学術機関が公開している資料は使えます。入口として使うのは構いませんが、そこで止まらず書籍や論文にも当たってください。
検索しても見つかりません。
原因を切り分けてください。使っている言葉が資料と違う、テーマが狭すぎる、データベースが違う、そもそも研究が少ない——対処が変わります。事典で用語を確認するか、図書館で相談するのが早道です。
効率よく探すコツはありますか?
1件見つかったら芋づる式にたどることです。その論文の引用文献、同じ著者の他の研究、同じ件名の資料、同じ掲載誌の論文——いくつもの方向に広げられます。教科書の参考文献をたどるのも効率的です。
論文はどこで探せますか?
専用のデータベースを使います。使えるものは大学の契約によって異なるので、図書館のサイトで一覧を確認してください。学内からのみ使えるものもあります。使い方の講習会が開かれていることもあります。
自宅からデータベースを使えますか?
学外からアクセスできる仕組みを提供している大学が多くあります。大学のアカウントでの認証が必要で、設定方法は図書館のサイトで案内されています。IDやパスワードを他人に渡すことは契約違反なので絶対に避けてください。
大学にない資料はあきらめるしかないですか?
他大学から取り寄せられます。書籍なら借り受け、論文なら該当部分の複写を取り寄せる形が一般的です。ただし費用と日数(数日〜2週間程度)がかかるので、締切から逆算して早めに動いてください。
資料の信頼性はどう判断しますか?
著者は誰か、いつのものか、出典が示されているか、どこから出たか——この4つを確認してください。特に「出典が示されているか」は重要で、根拠が示されている文章はそれ自体が検証可能です。
見つけた資料はどう記録しますか?
その場で書誌情報(著者・年・書名・出版社)とページ番号を記録してください。後から探し直すのは非常に時間がかかります。あわせて、どう探したか(検索語やデータベース)も記録すると再利用できます。
図書館に相談してもいいのでしょうか?
まったく問題ありません。資料の探し方そのものを相談できる仕組みがあり、司書が一緒に考えてくれます。「テーマだけ決まっていて何から探せばいいか分からない」という段階でも相談できます。自分で何時間も探すより早いことが多いものです。
22まとめ|順番を知れば、早く届く
探し方を身につけると、調べること自体が面白くなります。手がかりをたどる作業には、発見の楽しさがあります。
探す順番は、広いところから狭いところへ。事典・入門書で全体をつかみ、参考文献をたどり、蔵書検索で本を探し、データベースで論文を探す。
最も効率的なのは、教科書や授業資料の参考文献をたどることです。教員が重要だと判断した文献が挙げられています。
1件見つかったら、芋づる式に広げてください。引用文献、同じ著者、同じ件名、同じ掲載誌——いくつもの方向にたどれます。
自分の大学になくても取り寄せられます。ただし費用と日数がかかるので、締切から逆算して早めに動いてください。
最後に。図書館のカウンターで相談してください。探し方そのものを教えてもらえます。多くの学生が知らないまま卒業する、最ももったいない仕組みです。