大学・キャンパス 更新 2026.09.14 この記事にはPRを含みます

卒論発表・口頭試問の準備|スライドと想定質問の作り方

結論

発表で問われるのは「この研究が何をして、何が分かったか」を他人に伝えられるかです。凝ったスライドは不要で、構成が論文と同じ順序(問い→方法→結果→考察→結論)であることが最も重要です。スライドは1枚1メッセージ、文字は要点のみ——読み上げる原稿を貼らないでください。時間配分の目安は導入2割・方法2割・結果と考察5割・結論1割。そして準備の核は想定質問を10個作ることです。定…

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22章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.14
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書き終えた。しかし、まだ終わりではありません。

多くの大学では、卒業論文の提出後に発表会や口頭試問が待っています。ここまで1年かけた研究を、10分程度で説明し、質問に答える場です。

ところが、発表の準備は提出後の数日しかないことが多く、しかもプレゼンの作り方を教わる機会はほとんどありません。

この記事では、発表会と口頭試問の違い、スライドの構成、話し方、想定質問の作り方、そして答えられないときの対応を整理します。

この記事について:本記事は一般的な準備の整理です。発表会・口頭試問の有無、形式、時間、評価の観点、スライドの要否は、大学・学部・研究室によって大きく異なります。必ず在籍する大学の要項・指導教員の指示をご確認ください。本記事は特定の評価結果を保証するものではありません。

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発表会と口頭試問何が見られているか形式を確認するスライドの構成表紙と目次この記事

この記事の流れ

卒論発表・口頭試問の準備

発表で問われるのは「この研究が何をして、何が分かったか」を他人に伝えられるかです。

1
形式スライドで発表
2
参加者複数の学生・教員
3
時間10〜15分程度
4
目的研究の共有

発表会と口頭試問

別のものです。

発表会は、スライドを使って研究内容を説明する場です。複数の学生が順に発表します。口頭試問は、教員からの質問に答える場です。論文の内容を本当に理解しているかが確認されます。

1
研究の理解自分で説明できるか
2
論理の一貫性問いと結論が対応
3
方法の妥当性なぜその方法か
4
限界の自覚何が言えないか

何が見られているか

説明できるかどうかです。

発表で見られているのは、研究内容を自分の言葉で説明できるかです。論文は書けても、口頭で説明できない場合があります。そこで理解度が測られます。

1
発表時間何分か
2
質疑の時間別枠か
3
スライドの要否使うかどうか
4
配布資料必要か

形式を確認する

まずここからです。

準備の前に、形式を確認してください。時間が分からなければ、スライドの枚数も決まりません。また、配布資料が必要な場合もあります。当日に慌てないよう、事前に確認してください。

1
1表紙(題目・氏名)
2
2背景と問い
3
3先行研究と位置づけ
4
4方法

スライドの構成

論文と同じ順序です。

スライドの構成は、論文と同じ順序にしてください。独自の構成にする必要はありません。聞き手はこの順序を期待しています。順序が違うと、理解に余計な負荷がかかります。

1
題目論文と同じ
2
氏名・学籍番号指定に従う
3
所属学科・研究室
4
指導教員記載する場合

表紙と目次

簡潔にしてください。

表紙には、題目・氏名・所属を記載します。装飾は不要です。目次のスライドは、10分程度の発表では省いて構いません。限られた時間を内容に使ってください。

1
別のものです。発表会と口頭試問
2
説明できるかどうかです。何が見られているか
3
まずここからです。形式を確認する
4
論文と同じ順序です。スライドの構成

まとめ

この記事の要点

凝ったスライドは不要で、構成が論文と同じ順序(問い→方法→結果→考察→結論)であることが最も重要です。スライドは1枚1メッセージ、文字は要点のみ——読み上げる原稿を貼らないでください。

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01発表会と口頭試問

別のものです。

観点 発表会 口頭試問
形式 スライドで発表 質疑が中心
参加者 複数の学生・教員 個別のことが多い
時間 10〜15分程度 15〜30分程度
目的 研究の共有 理解度の確認
この章の要点
  • 発表会は、スライドを使って研究内容を説明する場です。複数の学生が順に発表します。
  • 口頭試問は、教員からの質問に答える場です。論文の内容を本当に理解しているかが確認されます。
  • 両方ある大学、片方だけの大学、どちらもない大学——制度はさまざまです。要項で確認してください。

なお、準備の考え方は両方で共通します。「研究を自分の言葉で説明できる状態にする」ことが核だからです。スライドの有無や時間の長短は、その説明をどう届けるかの違いにすぎません。どちらの形式でも、想定質問の準備が最も効きます。

もう一点、提出から発表までの期間が短いことも押さえておいてください。提出後に数日しかない大学もあります。そのため、発表の準備は論文を書き終えてから始めるのでは間に合いません。執筆が終盤に差しかかった段階で、スライドの構成だけでも考えておくと余裕が生まれます。

どちらの形式でも、準備の中心は変わりません。

02何が見られているか

説明できるかどうかです。

1研究の理解自分で説明できるか
2論理の一貫性問いと結論が対応
3方法の妥当性なぜその方法か
4限界の自覚何が言えないか
5質疑への対応考えて答えられるか
この章の要点
  • 発表で見られているのは、研究内容を自分の言葉で説明できるかです。
  • 論文は書けても、口頭で説明できない場合があります。そこで理解度が測られます。
  • また、限界の自覚も重要な観点です。「何が言えて、何が言えないか」を区別できているかが問われます。

なお、研究の出来そのものより、説明できるかが見られる面があります。結果が想定と違っていても、なぜそうなったかを説明できれば評価されます。逆に、良い結果が出ていても自分で説明できなければ、理解が疑われます。

なお、緊張していること自体は評価に影響しません。教員は学生が緊張することを前提にしています。言葉に詰まっても、内容が伝われば問題ありません。流暢さを目指すより、要点を確実に伝えることに集中してください。

説明できる状態を作ることが、準備のすべてです。

1年の成果を伝える場です。準備した分だけ、伝わります。

03形式を確認する

まずここからです。

1発表時間何分か
2質疑の時間別枠か
3スライドの要否使うかどうか
4配布資料必要か
5機材持参か備え付けか
6服装指定があるか
この章の要点
  • 準備の前に、形式を確認してください。時間が分からなければ、スライドの枚数も決まりません。
  • また、配布資料が必要な場合もあります。当日に慌てないよう、事前に確認してください。
  • 機材の確認も重要です。自分のパソコンを持ち込むのか、備え付けを使うのかで準備が変わります。

なお、発表の順番も確認しておくと安心です。最初の方であれば他の発表を参考にできませんが、後の方なら質問の傾向が見えます。順番が分かっていれば、心構えも変わります。

なお、評価の観点が公開されている場合もあります。要項に記載があれば、それに沿って準備できます。確認する価値があります。

形式が分かれば、準備の量も見えてきます。

形式の確認は、最初に済ませておいてください。

04スライドの構成

論文と同じ順序です。

  1. 1表紙(題目・氏名)
  2. 2背景と問い
  3. 3先行研究と位置づけ
  4. 4方法
  5. 5結果
  6. 6考察
  7. 7結論と限界
この章の要点
  • スライドの構成は、論文と同じ順序にしてください。独自の構成にする必要はありません。
  • 聞き手はこの順序を期待しています。順序が違うと、理解に余計な負荷がかかります。
  • 凝った構成を考える時間があるなら、各項目の中身を磨いてください。評価されるのはそちらです。

なお、研究の途中経過を時系列で話すのは避けてください。「まずこれをやって、うまくいかなかったので次にこれを」という話は、聞き手に負担をかけます。最終的に採用した方法と結果を、整理された形で示してください。

この構成には理由があります。研究の論理的な順序と一致しているためです。なぜその問いを立て、どう調べ、何が分かり、それが何を意味するか——この流れで説明されると、聞き手は途中で迷いません。逆に順序が入れ替わると、前提が分からないまま結果を聞くことになります。

構成が決まれば、あとは中身を磨くだけです。

05表紙と目次

簡潔にしてください。

1題目論文と同じ
2氏名・学籍番号指定に従う
3所属学科・研究室
4指導教員記載する場合
5目次短い発表では不要
この章の要点
  • 表紙には、題目・氏名・所属を記載します。装飾は不要です。
  • 目次のスライドは、10分程度の発表では省いて構いません。限られた時間を内容に使ってください。
  • なお、指定の様式がある場合はそれに従ってください。学科で統一されていることがあります。

なお、表紙は発表中ずっと映っている時間が長いスライドです。話し始める前の数十秒、聞き手はこれを見ています。題目が読みやすいかだけは確認してください。

なお、提出した論文と題目が一致しているかも確認してください。執筆の途中で題目を変えた場合、スライドが古いままということが起こります。細かい点ですが、確認されると気まずい箇所です。

06背景と問い

ここで関心を引きます。

1背景なぜこの問題が重要か
2先行研究何が分かっているか
3空白何が未解明か
4問い本研究が扱うこと
5目的何を明らかにするか
この章の要点
  • 導入部分では、「なぜこの研究をしたのか」を示します。
  • 流れは、背景→先行研究→空白→問い。この順序で説明すると、聞き手が納得します。
  • 最も重要なのが、問いを明確に示すことです。ここが曖昧だと、その後の説明がすべて伝わりません。

なお、背景の説明は短くしてください。分野の一般的な説明に時間を使うと、肝心の研究内容に辿り着けません。聞き手は教員であり、分野の基礎知識は持っています。

なお、問いは1枚に大きく示すと効果的です。発表の中心が何かが、聞き手に明確に伝わります。

導入で意識したいのが、聞き手はこの研究を知らないという前提です。指導教員は知っていますが、他の教員は初めて聞きます。前提知識なしで理解できる説明になっているかを、練習のときに確認してください。

07方法の説明

なぜその方法かを示します。

1何を対象にしたかデータ・資料
2どう集めたか収集の方法
3どう分析したか手法
4なぜその方法か選んだ理由
この章の要点
  • 方法の説明では、「なぜその方法を選んだか」まで触れてください。
  • 質疑で最も聞かれるのが、方法の妥当性です。先に説明しておけば、質問を減らせます。
  • ただし、細かい手順を全部説明する必要はありません。論文に書いてあります。要点だけで構いません。

なお、方法の限界も触れておくと質疑が楽になります。「この方法では◯◯は扱えない」と先に述べておけば、その点を指摘されても想定内です。

なお、手法の名前だけ言って終わらないでください。何をしたのかが分からなければ、結果も理解できません。

方法の説明が丁寧なほど、結果の説得力が上がります。

08結果の見せ方

図表が中心になります。

1図表で示す文字より伝わる
21枚に1つ詰め込まない
3何を見るか示す注目点を明示
4解釈は分ける事実と解釈

結果は、図表で示すのが基本です。数字の羅列より、はるかに伝わります。

重要なのが、「どこを見てほしいか」を示すことです。図を出しただけでは、聞き手は何を見ればいいか分かりません。

また、事実と解釈を分けてください。「この数値が出た」と「それが意味するのは」は、別の話です。

なお、結果をすべて見せる必要はありません。問いに答えるために必要な結果に絞ってください。詳細は論文に書いてあります。

なお、予想と違う結果が出た場合も、そのまま示してください。仮説と異なる結果は失敗ではありません。なぜそうなったかを考察できていれば、むしろ深い議論につながります。都合の良い結果だけを見せるのは、研究として不適切です。

ここが発表の中心になります。

09図表の作り方

見えることが最優先です。

1文字を大きく後ろの席から見える
2軸に説明単位も記載
3色は控えめに見分けられる範囲で
4不要な装飾を外す枠線・影など
5出典を入れる引用の場合
この章の要点
  • 図表で最も多い失敗が、文字が小さくて読めないことです。
  • 論文用に作った図をそのまま貼ると、スライドでは読めません。発表用に作り直してください。
  • 確認方法は簡単です。画面から離れて見て、読めるかどうか。読めなければ大きくしてください。

なお、色だけで区別しない方が安全です。見え方には個人差があり、投影環境によっても変わります。線の種類や記号も併用してください。

なお、図表には番号と表題を付けてください。質疑で「◯枚目の図について」と参照しやすくなります。

見えない図は、ないのと同じです。

10考察と結論

問いに答えてください。

1考察結果が何を意味するか
2先行研究との関係一致・相違
3結論問いへの答え
4限界何が言えないか
5今後残された課題

結論では、冒頭で立てた問いに答えてください。ここが対応していないと、発表全体が崩れます。

そして、限界にも必ず触れてください。「本研究では◯◯までしか言えない」と示すことは、減点ではありません。

むしろ、限界を自覚していないと質疑で指摘されます。先に述べておく方が印象も良くなります。

なお、結論は1枚にまとめると印象に残ります。箇条書きで3点程度。ここが発表で最後に残る内容になります。

なお、考察と感想は別物です。「面白かった」ではなく、結果から何が言えるかを論じてください。

問いと結論の対応を、最後に必ず確認してください。

11枚数と時間配分

目安があります。

1導入(背景・問い)2割
2方法2割
3結果・考察5割
4結論1割

時間配分の目安は、結果と考察に半分です。ここが研究の中心だからです。

枚数の目安は、1枚あたり1分程度。10分の発表なら10枚前後になります。

導入に時間をかけすぎるのが最も多い失敗です。背景の説明が長く、結果まで辿り着かないというパターンです。

なお、枚数が多すぎると必ず時間超過します。練習で時間内に収まらなければ、話す速度を上げるのではなく枚数を減らしてください。

なお、予備のスライドを用意しておくと質疑で役立ちます。本編には入れなかった詳細データを、質問されたときに示せます。

時間内に収まることが、まず前提になります。

なお、配分はあくまで目安です。分野や研究の性質によって、方法の説明に時間を要する場合もあります。指導教員に一度見てもらうと、適切な配分が分かります。

12スライドの作り方

読みやすさが最優先です。

11枚1メッセージ詰め込まない
2文字は要点のみ文章を貼らない
3文字サイズを大きく読める大きさ
4余白を残す詰めない
5装飾を抑える内容で勝負
この章の要点
  • スライドの原則は、1枚1メッセージです。複数の論点を詰め込まないでください。
  • そして、文章を貼らないこと。スライドは要点だけを示し、詳細は口頭で説明します。
  • 装飾に時間をかける必要はありません。評価されるのは内容です。凝ったデザインは加点になりません。
  • なお、テンプレートは既定のもので構いません。デザインを凝る時間があるなら、練習に使ってください。
  • なお、背景と文字のコントラストを確認してください。投影すると、画面で見るより見えにくくなります。
  • 内容が伝わることだけを基準にしてください。
  • 一度作れば、あとは練習で仕上げるだけです。

13やってはいけない作り方

これは避けてください。

1原稿を貼る読み上げになる
2文字が小さい読めない
3枚数が多すぎる時間が足りない
4図の使い回し論文用は読めない
5出典を書かない引用の作法
この章の要点
  • 最も多い失敗が、スライドに原稿をそのまま貼ることです。
  • 聞き手は読むか聞くかのどちらかしかできません。文章が並んでいると、話が耳に入りません。
  • また、引用した図表には出典を記載してください。論文と同じ作法が求められます。
  • なお、アニメーションの多用も避けてください。内容が伝わりにくくなり、操作の手間も増えます。
  • なお、読み上げ原稿を別に用意するのは構いません。問題はスライドに貼ることです。

これらの失敗は、どれも直前の確認で防げます。作り終えたら一度通して見直し、文字の大きさ、枚数、出典の有無をチェックしてください。数十分の作業で、当日の印象が変わります。

14話し方

伝わることが目的です。

1ゆっくり話す緊張すると速くなる
2聞き手を見る画面ばかり見ない
3区切る一文を短く
4専門用語は説明分野外の人もいる
5時間を守る超過は減点対象のことも
この章の要点
  • 発表では、緊張して早口になるのが普通です。意識してゆっくり話してください。
  • また、時間を守ることは重要です。超過すると、途中で止められることもあります。
  • 専門用語は、分野外の教員にも分かるように説明してください。発表会には他分野の教員もいます。

なお、原稿を読み上げるのは避けてください。顔が下を向き、声も届きにくくなります。要点をメモにして、見ながら話す程度にとどめてください。

なお、マイクを使う場合は距離に注意してください。近すぎても遠すぎても聞き取りにくくなります。

落ち着いて話せば、内容は伝わります。

15練習する

必ず声に出してください。

1声に出す頭の中では分からない
2時間を計る収まるか確認
3誰かに聞いてもらう伝わるか確認
4詰まる箇所を直す説明を見直す
5複数回1回では足りない
この章の要点
  • 練習は、必ず声に出して行ってください。頭の中で確認しただけでは、当日に言葉が出ません。
  • そして、時間を計ってください。想定より長くかかるのが普通です。
  • 可能なら、友人や先輩に聞いてもらってください。伝わらない箇所が分かります。

なお、本番と同じ環境で練習できるなら理想的です。教室が使えるなら、実際に投影して確認してください。

なお、練習は前日ではなく数日前から始めてください。直したい箇所が見つかっても、直す時間があります。

練習で確認すべきなのが、スライドの切り替えと話の対応です。話している内容と表示されているスライドがずれると、聞き手は混乱します。どのタイミングで次に進むかを、体で覚えておいてください。

なお、録音して聞き返す方法も有効です。自分の話し方の癖——早口になる箇所、言い淀む箇所——が客観的に分かります。

16想定質問を作る

準備の核心です。

110個作るまず数を出す
2弱点から考える突かれそうな箇所
3答えを用意口に出して確認
4先輩に聞く過去の質問
5教員に相談想定を確認

発表準備で最も効果があるのが、想定質問を作ることです。

まず10個作ってください。そして、それぞれに答えを用意します。

作り方のコツは、自分の研究の弱点から考えることです。「ここを突かれたら困る」という箇所こそ、聞かれます。

なお、想定質問は答えを暗記する必要はありません。考えておくだけで、本番での対応が変わります。

想定質問を作る具体的な方法として、自分の論文を他人の目で読み直すやり方があります。「ここは根拠が弱い」「この部分は説明が飛んでいる」と感じた箇所が、そのまま質問になります。書いた本人が気づく弱点は、読む側も気づきます。

なお、指導教員に想定質問を見てもらうのも有効です。実際に聞かれそうな点を知っている立場です。時間が取れるなら、発表の練習ごと見てもらってください。

なお、想定質問は本番でそのまま出なくても構いません。準備の過程で研究全体を見直すことになり、それが対応力につながります。どんな質問が来ても、材料は頭に入っている状態になります。

弱点を先に潰しておけば、質疑は怖くありません。

17定番の質問

これは必ず準備してください。

1なぜこのテーマか問題意識
2なぜこの方法か妥当性
3結果をどう解釈したか考察の根拠
4限界は何か自覚の有無
5先行研究との違いは位置づけ
6今後どう発展するか展望

口頭試問で聞かれる質問には、定番があります。

特に多いのが、「なぜこの方法を選んだのか」です。別の方法もあり得た中で、なぜこれかを説明できるようにしてください。

また、「限界は何か」も定番です。自覚していることを示せば、評価されます。

なお、「一言で言うとどういう研究か」と聞かれることもあります。短く説明できるよう準備しておいてください。

なお、分野外の教員からの質問もあります。基本的な用語の説明を求められることがあります。

定番を押さえておくだけで、当日の余裕が変わります。

18答え方の基本

落ち着いて答えてください。

1質問を確認する分からなければ聞き返す
2結論から答える要点を先に
3根拠を示すなぜそう言えるか
4簡潔に長々と話さない
5考える時間を取る即答しなくてよい
この章の要点
  • 質問の意図が分からなければ、聞き返して構いません。見当違いの答えをする方が問題です。
  • 答えるときは、結論から。「はい、◯◯です。理由は△△です」という順序が伝わります。
  • また、少し考えてから答えて構いません。即答が評価されるわけではありません。
  • なお、質問への感謝を述べる必要はありません。簡潔に答えることの方が大事です。
  • なお、反論されても否定と受け取らないでください。議論の場であり、批判ではありません。

なお、答えた後に「以上です」と区切ると、質問者が次に進みやすくなります。話が終わったのか続くのか分からない状態は、双方にとって進めにくくなります。

19答えられないとき

正直に言ってください。

1分からないと言う取り繕わない
2考えを述べる可能な範囲で
3今後の課題とする検討していない場合
4嘘をつかない最も避けるべき
この章の要点
  • 答えられない質問は、必ず出ます。すべてに答えられる学生はいません。
  • そのときは、「その点については検討できていません」と正直に答えてください。
  • 取り繕う方が印象を損ないます。曖昧な答えをすると、さらに突っ込まれて苦しくなります。
  • なお、「今後の課題としたい」という答え方も有効です。検討の余地があることを認める形になります。

なお、その場で考えて答えるのも有効です。「即座には分かりませんが、◯◯という可能性は考えられます」という形なら、考える姿勢が示せます。

正直さが、最も安全な対応です。

20当日の動き方

余裕を持ってください。

1早めに到着機材の確認
2データの準備予備も用意
3動作確認表示されるか
4他の発表を聞く質問の傾向が分かる
5論文を持参質疑で参照

当日は早めに到着し、機材の動作を確認してください。

データは、予備を用意しておくと安心です。ファイルが開かないという事態は起こり得ます。

また、自分の論文を持参してください。質疑で該当箇所を参照できます。進め方の全体は卒論のスケジュールの立て方|4年生の1年間の進め方で扱っています。

この章の要点
  • なお、他の学生の発表も聞いてください。どんな質問が出るかの傾向が分かります。
  • なお、発表が終わっても最後まで残ってください。他の学生の質疑からも学べることがあります。
  • 準備が整っていれば、当日は落ち着いて臨めます。

なお、発表が終わった後の指摘も記録しておいてください。修正版の提出を求められる場合、そこが修正箇所になります。

21よくある質問

発表会と口頭試問は何が違いますか?

発表会はスライドを使って研究内容を説明する場、口頭試問は教員からの質問に答える場です。両方ある大学、片方だけの大学、どちらもない大学があります。要項で確認してください。

スライドはどう構成すればいいですか?

論文と同じ順序です。表紙→背景と問い→先行研究→方法→結果→考察→結論と限界。聞き手はこの順序を期待しているため、独自の構成にすると理解に余計な負荷がかかります。

スライドは何枚くらいですか?

1枚あたり1分程度が目安です。10分の発表なら10枚前後になります。時間配分は導入2割・方法2割・結果と考察5割・結論1割。導入に時間をかけすぎるのが最も多い失敗です。

スライドに文章を書いてもいいですか?

避けてください。聞き手は読むか聞くかのどちらかしかできません。文章が並んでいると話が耳に入りません。スライドは要点だけを示し、詳細は口頭で説明してください。

論文の図をそのまま使えますか?

使えません。論文用の図は文字が小さく、スライドでは読めません。発表用に作り直してください。確認方法は、画面から離れて見て読めるかどうかです。

練習は必要ですか?

必ず声に出して練習してください。頭の中で確認しただけでは当日に言葉が出ません。時間も計ってください。想定より長くかかるのが普通です。友人に聞いてもらうと、伝わらない箇所が分かります。

どんな質問が来ますか?

定番は「なぜこのテーマか」「なぜこの方法か」「結果をどう解釈したか」「限界は何か」「先行研究との違いは」です。特に方法の妥当性はよく聞かれます。想定質問を10個作り、それぞれに答えを用意してください。

答えられない質問が来たらどうしますか?

正直に「その点については検討できていません」と答えてください。答えられない質問は必ず出ますし、すべてに答えられる学生はいません。取り繕う方が印象を損ない、さらに突っ込まれて苦しくなります。

限界を話すと減点されませんか?

されません。むしろ、限界を自覚していないと質疑で指摘されます。「本研究では◯◯までしか言えない」と先に示す方が、理解の深さを示せます。

当日は何を準備すればいいですか?

早めに到着して機材の動作を確認してください。データの予備も用意しておくと安心です。また、自分の論文を持参すると、質疑で該当箇所を参照できます。

22まとめ|構成と想定質問が9割

この章の要点
  • 構成は論文と同じ順序にしてください。問い→方法→結果→考察→結論。独自の構成は必要ありません。
  • スライドは1枚1メッセージ、文字は要点のみ。原稿を貼ると読み上げになり、話が伝わりません。
  • 時間配分は結果と考察に半分。導入が長くなるのが最も多い失敗です。

想定質問を10個作ってください。これが準備の核心です。自分の研究の弱点から考えると、実際に聞かれる質問が出てきます。

最後に。答えられない質問は、正直に答えて構いません。取り繕う方が印象を損ないます。限界の自覚は、むしろ評価されます。

この記事について:本記事は一般的な準備の整理です。発表会・口頭試問の有無、形式、時間、参加者、評価の観点、スライドや配布資料の要否、服装の指定は、大学・学部・研究室によって大きく異なります。必ず在籍する大学の要項・指導教員の指示をご確認ください。本記事は特定の評価結果を保証するものではありません。準備についてご不明な点は指導教員にご相談ください。