食品・飲料業界の調べ方|一次情報の集め方
食品・飲料業界を調べるなら「店で商品を見る」「分野ごとの業界団体」「会社の商品の一覧」の3つから始めてください。商品が身近なため、店に行けば各社の商品が並んでいます。パッケージから会社を辿ることもできます。業界団体は飲料、製菓、製粉、乳製品、調味料など分野ごとにあります。食に関する統計は複数の省庁から出ているため、目的に応じて出どころを選んでください。
食品・飲料業界は、商品を実際に見られる業界です。
店に行けば各社の商品が並んでいます。パッケージから会社を辿ることもできます。
そして分野ごとに業界団体があります。飲料、製菓、製粉、乳製品——それぞれ別です。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
食品・飲料業界の3つの情報源。
実際に見られる業界です
店に行けば各社の商品が並んでいます。この強みを使ってください。
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業界の構造は食品・飲料業界とは|全体像と分野の調べ方、職種は食品・飲料業界の職種|仕事内容の調べ方、選考は食品・飲料業界の選考|案内から流れを読む、条件は食品・飲料業界の求人票|確認する項目で整理しています。
02店で商品を見る
この業界の強みです。
パッケージから会社を辿れます
表示には会社名が書かれています。知らない会社を見つける手がかりになります。
つくる会社と売る会社が違うことがあります
製造を受託する会社がつくっている場合があります。表示を見ると分かることがあります。
業態によって置いている商品が違います
大型の店と小型の店、専門の店——それぞれ品揃えが変わります。
売場は季節で変わります
時期によって並ぶ商品が入れ替わります。何度か行くと変化が見えます。
家庭向け以外の商品もあります
飲食店や工場向けの商品は店に並びません。会社のサイトで確認してください。
見たことを記録してください
何を見て、何を感じたか。自分の目で見たことは誰も否定できない材料です。
03分野ごとの業界団体
分野ごとに別の団体があります。
名簿から知らない会社が見つかります
店で名前を見る会社だけでなく、原料や中間の商品をつくる会社があります。
統計は分野ごとに出ています
飲料の統計と製菓の統計は別です。何を知りたいかを決めてから探してください。
食に関する取り組みを紹介しています
業界団体が分野としての取り組みを公表していることがあります。
制度に関する説明があることがあります
表示や衛生に関する決まりについて、団体が解説していることがあります。ただし制度そのものは公的機関で確認してください。
展示会を主催する団体があります
食に関する展示会が開かれることがあります。業務用の商品を見る機会になります。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
04公的機関の資料
食に関する統計は複数の省庁から出ています。
目的によって出どころが違います
つくられた量、買われた量、輸入された量——それぞれ別の統計です。
家計に関する統計も使えます
家庭が何にお金を使っているかの統計があります。消費の動きを知る材料になります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
衛生や表示に関する制度は改正されることがあります。一次の情報で確認してください。
なお本記事は就職活動のための案内であり、食品の安全や栄養に関する内容ではありません。
白書は全体像をつかむのに向きます
食料や農林水産の分野を扱う白書があります。いま何が課題とされているかが整理されています。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
05工場の見学と会社の資料
見学を受け入れている会社が多い業界です。
工場の見学を受け入れている会社があります
申し込みの方法は会社のサイトで確認してください。予約が必要なことが多くなります。
見学ではつくられ方が分かります
どんな工程を通るのか、衛生にどう配慮しているか——資料では分からないことが見えます。
商品の一覧を見てください
会社のサイトに商品の一覧があることがあります。店に並んでいない商品も分かります。
セグメント情報で事業の広がりが分かります
食品だけでなく他の事業を持つ会社もあります。会社の全体像を知ってください。
設備の状況で拠点が分かります
工場と研究所がどこにあるか。勤務地を考える材料にもなります。
会社の歴史のページも読んでください
どんな商品から始まり、どう広がってきたか。会社の考え方が表れます。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
商品の一覧を見てください
その会社がどんな商品を持っているかは、サイトで一覧になっていることがあります。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
セグメント情報で事業の広がりが分かります
食品だけでなく他の事業を持つ会社もあります。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
海外や新しい分野への取り組みが書かれます
国内の市場だけでなく、どこに向かうかが分かります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
営業・工場・研究の紹介を読んでください
職種によって働く場所も勤務の形も違います。複数の紹介を読んでください。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
食に関する統計は複数の省庁から出ています
生産に関するもの、消費に関するもの——目的によって出どころが違います。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
商品の分野ごとに団体があります
飲料、製菓、製粉、乳製品、調味料——分野ごとに別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
商品の表示から会社を辿れます
パッケージに会社名が書かれています。そこから調べられます。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ商品分野どうしで比べてください
飲料と調味料では前提が違います。同じ分野にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
健康や栄養の話は公的機関で確認してください
食に関する情報は正確さが求められます。一次の情報で確認してください。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
商品分野ごとに記録を分けてください
飲料、菓子、調味料、加工食品——分野ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
店で見たことを材料にしてください
売場で何を見たか。自分の目で見たことは強い材料です。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 商品を知っているから分かったつもりになる | 商品を知ることと会社を知ることは別 |
| 家庭向けの商品だけを見る | 飲食店や工場向けの商品もある |
| 原料や中間の会社を見ない | 団体の名簿から探せば選択肢が広がる |
| 健康や栄養の話をうろ覚えで語る | 正確さが求められる分野 |
| 古い統計を使う | いつの情報かを確認していない |
| 店に行かずに志望する | 実際に見られる業界の強みを使っていない |
工場の見学に行ってみてください
つくられ方は資料では分かりません。受け入れている会社が多い業界です。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
店で商品を見ること、分野ごとの業界団体、会社の商品の一覧の3つです。商品が身近なので、店に行けば各社の商品が並んでいます。この強みを使ってください。
店では何を見ればいいですか?
売場の並び、商品の種類、パッケージの表示、新しい商品、店の業態による違いです。表示には会社名が書かれているので、知らない会社を見つける手がかりになります。売場は季節で変わるため、何度か行くと変化が見えます。
つくる会社と売る会社が違うことがありますか?
製造を受託する会社がつくっている場合があります。表示を見ると分かることがあります。この分野の会社は店で名前を見ることが少ないため、業界団体の名簿から探すと見つかります。
家庭向け以外の商品はどう調べますか?
飲食店や工場向けの商品は店に並びません。会社のサイトの商品の一覧で確認してください。食に関する展示会では業務用の商品を見る機会があります。
業界団体はどこを見ればいいですか?
食品産業全体の団体のほか、飲料、製菓・製パン、製粉・製糖、乳製品、食肉、調味料など分野ごとの団体があります。統計も分野ごとに出ているので、何を知りたいかを決めてから探してください。
統計はどこで探せばいいですか?
食料の生産や需給に関する資料は農林水産を所管する省庁、家計の支出に関する統計は統計を所管する機関から出ています。つくられた量、買われた量、輸入された量はそれぞれ別の統計なので、目的に応じて選んでください。
制度について調べるときは?
食品の衛生や表示に関する制度は所管する省庁や機関から公表されています。制度は改正されることがあるため一次の情報で確認してください。なお本記事は就職活動のための案内であり、食品の安全や栄養に関する内容ではありません。
工場の見学はできますか?
受け入れている会社が多い業界です。申し込みの方法は会社のサイトで確認してください。予約が必要なことが多くなります。どんな工程を通るのか、衛生にどう配慮しているかなど、資料では分からないことが見えます。
会社の資料はどこを読めばいいですか?
商品の一覧、セグメント情報、設備の状況、会社の歴史のページです。食品だけでなく他の事業を持つ会社もあるため、セグメント情報で会社の全体像を知ってください。設備の状況では工場と研究所の場所が分かります。
商品を知っていれば会社のことは分かりますか?
商品を知ることと会社を知ることは別です。その会社がどんな事業の構成を持ち、どこに拠点があり、どこに向かおうとしているかは資料を読まないと分かりません。中期経営計画には海外や新しい分野への取り組みが書かれます。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
セグメント情報、中期経営計画、事業等のリスク、拠点の一覧、採用ページです。飲料と調味料のように分野が違うと比べにくいので、同じ商品分野にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
売場で何を見たかは強い材料になります。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。見たことと、それを見て考えたことを記録しておいてください。
19まとめ|店・団体・商品の一覧の3つから
食品・飲料業界を調べるなら、店で商品を見ること、分野ごとの業界団体、会社の商品の一覧の3つから始めてください。
- 実際に見られる業界です。店に行けば各社の商品が並んでいます。
- パッケージから会社を辿れます。知らない会社を見つける手がかりです。
- 家庭向け以外の商品もあります。飲食店や工場向けは店に並びません。
- 工場の見学を受け入れている会社が多い業界です。つくられ方が分かります。
- 食に関する統計は複数の省庁から出ています。目的に応じて選んでください。
最後に。本記事は就職活動のための案内であり、食品の安全や栄養に関する内容ではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
・食品・飲料業界とは|全体像と分野の調べ方
・食品・飲料業界の職種|仕事内容の調べ方
・食品・飲料業界の選考|案内から流れを読む
・食品・飲料業界の求人票|確認する項目
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
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