食品・飲料業界とは|全体像と分野の調べ方
食品・飲料業界は7つの分野に分かれています。①総合食品(味の素・日清食品ホールディングス)、②飲料(アサヒグループホールディングス・キリンホールディングス・伊藤園)、③調味料・油脂(キッコーマン・日清オイリオグループ)、④製粉・製糖などの原料(日清製粉グループ本社・ニップン)、⑤乳業(明治・森永乳業・雪印メグミルク)、⑥水産・畜産(マルハニチロ・ニッスイ・日本ハム)、⑦菓子…
知っている商品の会社しか見ていないなら、半分も見えていません。
スーパーに並ぶ商品は、食品業界の一部です。レストランで使われる業務用の食材、コンビニ弁当の中身、飲料の中身をつくる会社——名前の出ない会社が数多くあります。
この記事では、食品・飲料業界を7つの分野に分けたうえで、家庭用と業務用の違い、職種、働く場所、年収の調べ方、選考での確認事項まで通しで整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 どんな会社があるか|7つの分野と2つの売り方
- 業界の地図|7つの分野
- 家庭用と業務用|この業界の最重要の軸
- ①総合食品|カテゴリを横断する
- ②飲料・酒類
- ③調味料・油脂/④製粉・製糖などの原料
- ⑤乳業/⑥水産・畜産|原料が生きものである分野
- ⑦菓子・パン|売り場との距離が近い
- 卸・小売との関係|食品業界の商流
- 食品安全|この業界の絶対の前提
- 原料調達と天候・為替
- 食品工場で働くということ
- 持株会社とブランドの関係
- どの大学から何人入っているか
第2部 どんな仕事があるか|職種と働く場所
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
第1部 どんな会社があるか|7つの分野と2つの売り方
01業界の地図|7つの分野
まずこの表を頭に入れてください。
| 分野 | 何をつくる会社か | 例 |
|---|---|---|
| ①総合食品 | 加工食品を幅広く手がける | 味の素、日清食品ホールディングス、ハウス食品グループ本社、キユーピー、ニチレイ |
| ②飲料・酒類 | 清涼飲料、コーヒー、茶、ビール・酒類 | アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、伊藤園、ヤクルト本社、サッポロホールディングス |
| ③調味料・油脂 | しょうゆ、みそ、食用油、うまみ調味料 | キッコーマン、味の素、日清オイリオグループ、不二製油グループ本社 |
| ④製粉・製糖などの原料 | 小麦粉、砂糖、でんぷんなど | 日清製粉グループ本社、ニップン、昭和産業 |
| ⑤乳業 | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイス | 明治、森永乳業、雪印メグミルク |
| ⑥水産・畜産 | 水産物、食肉、その加工品 | マルハニチロ、ニッスイ、日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングス |
| ⑦菓子・パン | 菓子、パン、シリアル | 山崎製パン、カルビー、江崎グリコ、森永製菓、亀田製菓 |
1社が複数の分野にまたがります
味の素は①でもあり③でもあります。明治は⑤でもあり⑦でもあり、医薬も手がけるグループです。会社名からカテゴリを決めつけないでください。
非上場の大手があります
この業界には非上場でも規模の大きい会社があります。有価証券報告書がないため情報は少なくなりますが、会社サイトと採用ページから調べられます。
だからセグメント情報を見てください
その会社がどの事業でいくら稼いでいるかは、有価証券報告書のセグメント情報に書かれています。読み方は21章で説明します。海外の比率もここで分かります。
02家庭用と業務用|この業界の最重要の軸
同じ会社の中に、まったく違う2つの商売があります。
家庭用と業務用では、届け方も相手も違う。
| 家庭用 | 業務用 | |
|---|---|---|
| 売る相手 | 卸を通じてスーパー・コンビニへ | 外食チェーン、中食、給食、ホテルなど |
| 買う人 | 消費者が棚から選ぶ | 事業者がまとめて仕入れる |
| 売れる理由 | ブランド、味、価格、棚の位置 | 調理のしやすさ、歩留まり、原価、安定供給 |
| 包装 | 小さい単位。デザインが重要 | 大きい単位。作業性が重要 |
| 会社の名前 | 商品に出る | 表に出ないことが多い |
業務用は「名前が出ない」だけです
外食チェーンのソース、コンビニ弁当の具材、給食の食材——どれかの会社がつくっています。ただしパッケージに名前が出ないので、消費者からは見えません。
業務用を手がける会社は採用でも目に入りにくいという特徴があります。知名度で会社を探すと、この領域を丸ごと落とします。
仕事の進み方が違います
家庭用ではブランドをつくり、棚を取ることが中心になります。業務用では顧客の厨房や工場の事情に合わせて商品を作り込むことが中心になります。
同じ「食品メーカーの営業」でも、日々やることが違うということです。
志望動機にも使えます
「どちらに関心があるか」を言えると、志望動機が一段具体的になります。会社の中でどちらの比重が大きいかは、セグメント情報や決算説明資料で確認できます。
03①総合食品|カテゴリを横断する
加工食品を幅広く手がける会社です。
食品以外の事業を持つ会社があります
味の素のように、調味料の技術から電子材料などの素材事業に広がった会社があります。「食品会社」という枠で見ていると、事業の一部しか見えません。
化学・素材業界との関係は化学・素材業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
海外の比率が高い会社があります
総合食品では、売上の相当部分を海外で上げている会社があります。この場合、海外拠点での勤務や、現地商品の開発に関わる可能性が高まります。
海外の比率はセグメント情報の地域別の区分で確認できます。
カテゴリごとに競争相手が違います
同じ会社でも、冷凍食品で競う相手と、調味料で競う相手は別です。だから「この会社の競合はどこですか」という問いには、カテゴリを添えないと答えが出ません。
04②飲料・酒類
つくる会社と、届ける仕組みが独特です。
| 分野 | 内容 | 会社の例 |
|---|---|---|
| 清涼飲料 | 茶、コーヒー、炭酸、水 | 伊藤園、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、ダイドードリンコ |
| ビール・酒類 | ビール、発泡酒、洋酒、ワイン | アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、サッポロホールディングス |
| 乳酸菌飲料 | 発酵を使った飲料 | ヤクルト本社 |
| ボトラー・販売 | 地域ごとに製造・配送・自販機を担う | コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス |
自動販売機という売り場があります
飲料には自販機、コンビニ、スーパー、外食という複数の売り場があります。売り場ごとに売れる商品も価格も違います。
自販機の運営は設置場所の確保、補充、メンテナンスまで含む仕事です。営業職の内容がこれに関わる会社もあります。
酒類は法令が関わります
酒類の製造・販売には免許が必要で、広告や販売方法についても決まりがあります。この業界特有の前提です。
季節と天候で売上が動きます
飲料は気温と天候の影響を受けやすい商品です。各社の決算説明資料で、天候に触れた説明がされることがあります。
この性質は生産計画にも影響します。需要を予測して作る量を決める仕事(需給計画)が重要になります。
05③調味料・油脂/④製粉・製糖などの原料
他の食品会社が顧客になる領域です。
| 分野 | 主な製品 | 会社の例 |
|---|---|---|
| 調味料 | しょうゆ、みそ、うまみ調味料、ソース | キッコーマン、味の素、ブルドックソース |
| 油脂 | 食用油、業務用油脂、チョコレート用油脂 | 日清オイリオグループ、不二製油グループ本社 |
| 製粉 | 小麦粉、プレミックス | 日清製粉グループ本社、ニップン、昭和産業 |
| 製糖・甘味料 | 砂糖、異性化糖など | DM三井製糖ホールディングス、日本甜菜製糖 |
| でんぷん・加工素材 | とろみ、食感、保存性を担う素材 | 各社 |
顧客は食品メーカーと外食です
この分野は企業向けの比重が大きい領域です。小麦粉も業務用の油も、まとめて買うのは食品工場やパン屋、外食チェーンです。
つまり「食品業界だが、仕事の進み方は素材メーカーに近いという面があります。顧客の製品に合わせて仕様を作り込む仕事です。
原料の価格と為替が影響します
小麦、大豆、砂糖の原料は海外から輸入されるものがあります。相場や為替が変わると、調達の条件が変わります。
各社の有価証券報告書の「事業等のリスク」に、原料価格や為替に関する記載があることがあります。業界の性質を知る材料になります。
技術で差がつく領域です
同じ小麦粉でも、パン用、麺用、菓子用で求められる性質が違います。顧客の用途に合わせて配合や製法を変える——ここに技術があります。
06⑤乳業/⑥水産・畜産|原料が生きものである分野
原料の供給に、人の都合が効きません。
| 分野 | 特徴 | 会社の例 |
|---|---|---|
| 乳業 | 生乳は毎日出る。保存がきかず、計画的に使い切る必要がある | 明治、森永乳業、雪印メグミルク |
| 水産 | 漁獲量が自然条件に左右される。海外調達も多い | マルハニチロ、ニッスイ、極洋 |
| 畜産・食肉 | 飼育から加工まで。相場と衛生管理が重要 | 日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングス、プリマハム |
原料を使い切る計画が仕事になります
生乳は毎日一定量が出て、止められません。だから牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター——どの製品にどれだけ振り分けるかを計画する仕事があります。
これは他の食品分野にはあまりない特徴です。需給の調整が事業の中心にあるということです。
調達の仕事が重い分野です
水産や畜産では、どこから、どの品質のものを、いくらで調達するかが利益を左右します。海外での買い付けに関わる職種があります。
衛生管理の要求が高い
生ものを扱うため、温度管理と衛生管理が厳格です。工場の管理も、物流の管理も、この前提で設計されています。
食品安全については9章で詳しく扱います。
07⑦菓子・パン|売り場との距離が近い
毎日つくって、毎日届ける商品があります。
| 分野 | 特徴 | 会社の例 |
|---|---|---|
| パン | 日持ちしない。毎日製造し、毎日配送する | 山崎製パン、敷島製パン、フジパングループ本社 |
| 菓子(スナック) | 原料(芋・穀物)の調達と鮮度が要点 | カルビー、湖池屋 |
| 菓子(チョコ・ビスケット) | ブランドと季節商品が重要 | 江崎グリコ、森永製菓、ブルボン、亀田製菓 |
| アイス・冷菓 | 気温に左右される。冷凍の物流が必要 | 各社 |
パンは「毎日」の商売です
パンは日持ちしません。だから工場は毎日稼働し、深夜から早朝に製造して、その日のうちに店に届きます。
この結果、工場の勤務時間が早朝・深夜にかかることがあります。これは生活に直結する条件なので、募集要項で確認してください。
新商品の入れ替わりが速い
菓子や飲料は季節商品や期間限定の商品が多く、商品開発の回転が速い分野です。短い期間で企画・試作・発売まで進みます。
この速さを面白いと感じるか、落ち着かないと感じるかは人によります。商品開発の仕事の進み方を、説明会で具体的に聞いてみてください。
売り場が仕事の現場になります
営業職は店舗の売り場を見て回ることがあります。陳列の位置、販促物、競合の商品——売り場で得た情報が次の提案になります。
08卸・小売との関係|食品業界の商流
メーカーは、多くの場合スーパーに直接売っていません。
間に卸(問屋)が入ります。全国の小売店に商品を届け、在庫と物流を担う役割です。
営業の相手は卸と小売の両方です
食品メーカーの営業は、卸の担当者と話し、小売の本部とも話します。どの商品をどれだけ置いてもらうか、どんな売り方をするかを決める仕事です。
この構造を知らないと、説明会での話が理解できません。「帳合」「特約店」「棚割」といった言葉が出てきます(24章の用語集を見てください)。
プライベートブランドという存在
小売が自社ブランドの商品を出すことがあります。これをプライベートブランドと呼びます。中身を製造するのは食品メーカーです。
つまり「メーカーの名前が出ない商品をつくる」仕事もあるということです。これも業務用と同じで、外からは見えにくい領域です。
小売・流通業界とつながっています
食品メーカーを理解するには、売り場をつくる側の事情も知っておくと有利です。小売・流通の業界も併せて見てください。
09食品安全|この業界の絶対の前提
食品は、人の口に入ります。
だからこの業界では、安全がすべての前提になっています。おいしさや価格より先に、安全が来ます。
衛生管理には決められた考え方があります
食品衛生の分野では、工程のどこに危険があるかを洗い出し、重要な点を継続的に管理するという考え方(HACCP)が用いられます。日本でも制度化されています。
制度の詳細は改正されることがあるため、厚生労働省などの公的機関の情報で確認してください。
表示は法令で決まっています
原材料名、アレルゲン、添加物、期限、栄養成分——何をどう書くかは法令で定められています。表示を担当する仕事があり、法令の知識が必要になります。
制度の内容は消費者庁の情報で確認してください。
記録が信頼を支えます
「確かめた」だけでは足りず、記録に残すことが求められます。地味に見えますが、これが食品の信頼を支えています。
10原料調達と天候・為替
食品会社は、自然と相場の影響を受けます。
調達の仕事があります
原料をどこから、いつ、いくらで買うかを決める職種です。商社と取引することもあれば、産地と直接やりとりすることもあります。
この仕事は会社の利益に直結します。食品業界の中でも専門性の高い領域です。
「事業等のリスク」を読んでください
有価証券報告書の「事業等のリスク」には、会社自身が何をリスクと考えているかが書かれています。食品会社では原料価格、天候、為替、食品事故などが挙げられることがあります。
ここを読むと、業界の性質がひととおり分かります。志望動機を書く前に目を通してください。
価格を変えることの難しさ
原料が上がったとき、すぐに商品の価格に反映できるとは限りません。小売との交渉が必要になるためです。各社の決算説明資料で、この点に触れた説明がされることがあります。
11食品工場で働くということ
清潔さと時間管理が徹底された現場です。
工場は全国に分散しています
食品は運ぶ距離が短いほうが有利な商品があります。だから工場が全国に分散し、地域ごとに生産する形が取られることがあります。
これは配属先の候補が全国にあるということです。有価証券報告書の「設備の状況」で所在地を確認してください。
勤務時間を必ず確認してください
パンや日配品のように毎日届ける商品では、深夜・早朝の勤務がある職場があります。すべての職種が該当するわけではなく、職種と配属先によります。
募集要項の勤務時間欄を確認し、記載がなければ説明会や面接で聞いてください。
生産技術・品質保証の仕事
ラインを安定して動かし、品質を保つ仕事です。機械の知識と衛生の知識の両方が必要になります。機械系の学生にも入口がある分野です。
12持株会社とブランドの関係
会社名と商品ブランドが一致しないことがあります。
| 確認したいこと | どこに書いてあるか |
|---|---|
| 持株会社か事業会社か | 会社サイトの会社概要、グループ構成 |
| どのブランドがどの会社のものか | 会社サイトの製品情報 |
| 採用の主体はどの法人か | 採用ページ、募集要項 |
| いつどの事業を統合したか | 会社サイトの「沿革」 |
採用の主体を確認してください
グループでは、持株会社が一括採用して配属で事業会社に行く形と、事業会社が独自に採用する形があります。どちらかで応募先も選考も変わります。
ブランドは移ることがあります
事業の売買や統合で、ブランドを持つ会社が変わることがあります。古い情報のまま志望動機を書くと、事実と食い違う可能性があります。
最新の情報は会社サイトの製品情報で確認してください。会社の調べ方全般は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
13どの大学から何人入っているか
これは公表されている場合があります。
この数字の使い方
「この大学からは入れる/入れない」という判断には使わないでください。年度によって変わりますし、人数は採用の規模にも左右されます。
使い道はOB・OGがいるかを確かめる材料です。実績のある会社なら、キャリアセンター経由で話を聞ける可能性があります。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
知らない会社を見つける材料にもなります
進路資料には、名前を知らない食品会社が並んでいることがあります。業務用や原料の会社であることが多く、調べる価値があります。
「聞いたことがない」は「良くない会社」という意味ではありません。消費者に直接売っていないだけです。
第2部 どんな仕事があるか|職種と働く場所
14職種の全体像
食品メーカーの職種は、つくる・考える・売る・支えるに分かれます。
| 職種 | やること | 主な職場 |
|---|---|---|
| 商品開発 | 新しい商品の企画と試作、配合を決める | 研究所、本社 |
| 研究(基礎・素材) | 原料・発酵・成分などを研究する | 研究所 |
| 生産技術 | 試作を工場で量産できる形にする | 工場、研究所 |
| 製造・工場管理 | ラインを動かし、品質と人員を管理する | 工場 |
| 品質保証 | 衛生・表示・規格を管理し、出荷を判断する | 工場、本社 |
| 営業(家庭用) | 卸・小売に提案し、売り場をつくる | 営業拠点 |
| 営業(業務用) | 外食・中食・給食に食材を提案する | 営業拠点、顧客先 |
| マーケティング | 商品の位置づけ、販促、価格の考え方を決める | 本社 |
| 原料調達 | 原料を確保し、価格と供給を管理する | 本社 |
| 生産管理・需給 | 需要を読み、つくる量と在庫を決める | 本社、工場 |
| 物流 | 温度帯を守って商品を届ける仕組みを回す | 本社、物流拠点 |
「商品開発」は人気ですが数は多くありません
食品業界を志望する理由として最も多いのが商品開発です。ただし会社全体で見れば、営業や生産に関わる人のほうが多いのが一般的です。
これは「諦めてください」という話ではありません。商品ができるまでに関わる職種は開発だけではないということです。
募集の区分を確認してください
職種別に募集する会社と、総合職としてまとめて募集し配属で決める会社があります。募集要項の職種欄を見れば、どちらの形かが分かります。
15商品開発という仕事の実際
味をつくるだけの仕事ではありません。
工場で作れないものは商品になりません
試作でおいしくても、高速で動くラインで同じ品質が出せなければ発売できません。だから開発は、生産技術や工場と何度もやりとりします。
この「橋渡し」の部分が、商品開発のいちばん大変で、いちばん技術的なところです。
原価の感覚が求められます
原料を1つ足せば原価が上がります。いくらで売る商品かが決まっていれば、使える原料の幅も決まります。おいしさと採算の両方を考える仕事です。
調べ方
各社の採用ページには商品開発職の社員インタビューが載っていることがあります。1日の流れや、どんな部署とやりとりするかが具体的に書かれていれば、実態に近い情報です。
16営業の中身|食品業界の主力職種
食品の営業は、商品を運ぶ仕事ではありません。
「棚を取る」という言葉
スーパーの棚は有限です。新商品を置いてもらうには、何かを外してもらう必要があります。だから営業は、売れる根拠を持って交渉します。
この交渉が食品営業の中心です。数字とデータを使う仕事でもあります。
業務用の営業は「調理」の話をします
外食チェーンに食材を売るとき、相手が気にするのは店の厨房で扱えるか、仕上がりが安定するか、原価が合うかです。
そのため調理の知識が役に立ちます。会社によっては調理の設備を持ち、提案の場で実際に作ってみせることがあります。
転勤の可能性があります
営業は全国の拠点に配属されることが多い職種です。転勤の有無と範囲は募集要項で確認してください。
17勤務地と配属
食品業界は、配属先が全国に広がります。
確認の手順
①有価証券報告書の「設備の状況」で工場・研究所の所在地を見る。②採用ページの「勤務地」欄を見る。③募集要項の転勤の有無を見る。この3つで、どこで働く可能性があるかはおおむね把握できます。
営業配属からのスタートが多い会社があります
総合職として採用し、まず営業を経験してから他の部署に移るという進め方の会社があります。これは採用ページの「キャリアパス」の項目に書かれていることがあります。
開発を志望していても最初は営業、という可能性があるなら、それを前提に志望するかどうかを考えてください。説明会で聞いてよい質問です。
寮・社宅の有無も見てください
転勤や工場配属の可能性がある場合、寮や社宅の有無、家賃補助の条件は生活費に直結します。福利厚生のページや募集要項に記載があることがあります。
18海外で働く道
食品は、現地の味に合わせる必要があります。
「日本の味をそのまま」ではありません
同じ商品でも、国によって味付けも容量も価格帯も変えることがあります。だから海外事業には、現地で開発する機能が置かれることがあります。
海外の比率は会社によって大きく違います
売上の相当部分を海外で上げている会社もあれば、国内中心の会社もあります。セグメント情報の地域別の区分で確認できます。
海外で働きたいなら、まずその会社に海外の事業があるかを数字で確かめてください。
規制と表示が国ごとに違います
食品には国ごとの規制と表示のルールがあります。輸出や現地生産では、この対応が必要になります。専門の仕事がある領域です。
19品質保証という仕事
食品会社でいちばん重い責任を持つ部署の一つです。
「止める」判断をする部署です
基準を満たさないと分かったとき、出荷を止める判断をします。売上より安全を優先する立場です。
この判断ができるのは、根拠を持っているからです。検査の結果と記録が、その根拠になります。
委託先の管理も仕事です
自社工場だけでなく、製造を委託している工場の管理も行います。会社の名前で売る以上、責任は自社にあるからです。
専攻とのつながり
微生物、分析化学、栄養、食品科学——研究で身につけた測る技術が直接生きる職種です。研究職以外の選択肢として検討する価値があります。
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
20年収を自分で調べる方法
就活サイトの年収ランキングではなく、会社が出している数字を見てください。
| 知りたいこと | どこに載っているか |
|---|---|
| 全従業員の平均年収 | 有価証券報告書【企業の概況】「従業員の状況」の平均年間給与 |
| 初任給 | 各社の募集要項・採用ページ |
| 賞与の回数・時期 | 募集要項 |
| 諸手当 | 募集要項の手当欄 |
| 昇給の時期 | 募集要項 |
平均年間給与の注意点
これは全従業員の平均です。新卒の初任給ではありません。また年齢構成や職種構成で変わります。平均年齢が高い会社は高く出やすく、若い会社は低く出やすい——それだけのことです。
同じ欄に平均年齢と平均勤続年数も載っています。3つをセットで見ると、数字の意味が分かります。
工場勤務の手当を見てください
食品工場では早朝勤務や交代勤務がある職場があります。それに伴う手当の有無は、募集要項の手当欄で確認できます。
持株会社の数字に注意してください
持株会社(ホールディングス)の有価証券報告書に載る平均年間給与は、持株会社に所属する社員だけの数字であることがあります。実際に働く事業会社とは別です。誰の数字を見ているのかを、従業員数と合わせて確認してください。
手取りは額面と違います
提示される金額は額面です。ここから税と社会保険料が引かれます。額面だけで生活設計をすると、想定より少なくて驚くことになります。募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
21有価証券報告書の使い方
この業界を調べるときの、いちばん確実な資料です。
上場企業が年に1回、法律に基づいて出す書類です。金融庁のEDINETで誰でも無料で読めます。各社のサイトのIR(投資家向け情報)にも置かれています。
食品・飲料業界では、ここを重点的に見てください
①セグメント情報——食品会社は1社が複数のカテゴリを持ちます。家庭用と業務用、国内と海外がどう分かれているかがここに出ます。
②事業等のリスク——原料価格、天候、為替、食品事故——会社自身が何をリスクと考えているかが書かれています。食品業界の性質がここに表れます。
③設備の状況——工場の所在地が分かります。食品工場は全国に分散していることが多く、配属の候補地を知るいちばん確実な方法です。
全部読む必要はありません
最初から通読しようとすると挫折します。上の数か所だけを、志望する2〜3社で読み比べる——これで十分に差が見えます。章の名前や構成は年度・会社によって異なることがあるので、目次から探してください。
22決算説明資料・中期経営計画
有価証券報告書より読みやすく、会社の考えが出ます。
| 資料 | 何が書いてあるか | どこにあるか |
|---|---|---|
| 決算説明資料 | 直近の業績と、その理由の説明 | 会社サイトのIR |
| 中期経営計画 | 数年先に何をやろうとしているか | 会社サイトのIR |
| 統合報告書 | 事業の考え方、人材、環境への取り組み | 会社サイトのIR |
| 質疑応答の要旨 | 投資家が何を気にしているか | IRに掲載される場合がある |
中期経営計画が志望動機の材料になります
ここには「これから何に力を入れるか」が書かれています。同じ分野の2社の計画を読み比べると、重点の置き方の違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。会社が自分で書いていることなので、外れません。
図が多いので入りやすい
決算説明資料はスライド形式で、図表が中心です。専門用語の解説が付いていることもあり、業界用語を覚える教材としても使えます。まず決算説明資料を読み、興味が出たら有価証券報告書で裏を取る——この順番が効率的です。
非上場の会社の場合
非上場だと有価証券報告書がありません。その場合は会社サイトの会社概要、採用ページ、プレスリリースが主な情報源になります。情報が少ない会社では、説明会や面接で直接聞くのが確実です。聞いて失礼になる内容ではありません。
23業界団体と官庁の資料
業界全体の話を確かめたいときに使います。
| 発行元 | 分かること |
|---|---|
| 農林水産省 | 食品産業に関する統計、食料自給率、制度の情報 |
| 消費者庁 | 食品表示に関する制度の情報 |
| 厚生労働省 | 食品衛生に関する制度の情報 |
| 日本冷凍食品協会 | 冷凍食品の生産・消費に関する統計 |
| 全国清涼飲料連合会 | 清涼飲料の生産に関する統計 |
| 日本乳業協会・ビール酒造組合など | 分野ごとの統計 |
使い方は「裏取り」です
就活で統計を暗記する必要はありません。使うのはニュースや説明会で聞いた話が本当かを確かめるときです。面接で業界の話をするときも、出どころを言える情報のほうが強くなります。「ニュースで見た」より「協会の資料で見た」のほうが確かです。
「家庭で食べるか、外で食べるか」で統計が分かれます
食品の統計では、家庭内で調理する(内食)、買って帰って食べる(中食)、店で食べる(外食)という分け方が使われます。
この3つは、どの会社の商品が売れるかに直結します。業界の話をするときの基本の枠組みなので、覚えておいてください。
ニュースの読み方
記事の出どころ(誰が発表したか)をたどる癖をつけてください。発表元の資料に当たれば、記事で省かれた条件や前提が分かります。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。
24業界用語|最低限これだけ
説明会で前提として使われる言葉です。
意味を言えるようにしておけば十分です
深く理解している必要はありません。説明会で言葉が出たときに話についていける——その程度で構いません。分からない言葉が出たら、その場で聞いてください。
25売り場で調べる|この業界だけの方法
他の業界にはない、いちばん手軽な一次情報があります。
食品は店に行けば実物が見られます。これは他の多くの業界ではできないことです。
「製造者」の表示を見てください
パッケージには製造者や販売者の表示があります。ここを見ると、自社で作っているのか、他社に委託しているのかの手がかりが得られます。
知らない社名が出てくることもあります。それが業務用や受託製造の会社である場合、志望先の候補になります。
面接で使える具体性になります
「御社の商品が好きです」より、「どの店の、どの棚で、どんな商品と並んでいたか」まで言えるほうが具体的です。
ただし売り場で見た印象だけで会社の全体を語らないでください。業務用や海外の事業が大きい会社もあります。数字はセグメント情報で確かめてください。
複数の店を見てください
1店舗だけ見て「置いていない」と判断しないでください。店の業態や地域で品揃えは変わります。コンビニ、スーパー、ドラッグストアで見比べると違いが分かります。
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
26インターンシップの探し方
分野によって、探す場所が変わります。
人気が集中しやすい業界です
食品は商品を知っている会社が多いため、応募が集まりやすい傾向があります。ただし、就職のしやすさについて本記事では判断しません。
大切なのは、知っている会社だけを見ないことです。業務用食品、原料、包材、食品機械——表に名前が出ない会社にも、食品に関わる仕事は数多くあります。
工場見学に行けるなら行ってください
食品工場は見学を受け入れている会社があります。衛生管理の徹底ぶり、ラインの速さ、人の配置——実際に見ると、働く場所の実感がつかめます。
参加できなくても不利になるとは限りません
インターンと選考の関係は会社によって違い、案内に記載がある場合はその記載が基準です。記載のないことを推測で補わないでください。選び方はインターンの選び方|条件で絞るで扱っています。
27志望動機の材料を集める
材料が足りないまま書こうとするから、書けません。
同じ分野の2社を読み比べてください
1社だけ読んでも、その会社の特徴は分かりません。同じ分野の2社の中期経営計画を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
「食が好き」だけでは足りません
食品業界の志望動機で最も多い型です。ただ、それはこの業界のほぼ全社に当てはまります。
一段具体的にするには、その会社がどのカテゴリで、どの売り場で、誰に向けて商品を出しているかまで降りてください。家庭用か業務用か、国内か海外か、という軸も使えます。
書いたあとの確認
会社名を同じ分野の別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
28選考で確認すること
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
| 確認したい項目 | どこで確認するか |
|---|---|
| 配属先の候補地(工場か本社か) | 募集要項、説明会での質問 |
| 早朝・交代勤務の有無 | 募集要項の勤務時間欄 |
| 職種別採用の有無(営業・開発など) | 募集要項の職種欄 |
| 職種別採用か一括採用か | 募集要項の職種欄 |
| 転勤の有無と範囲 | 募集要項 |
| 研修の内容と期間 | 採用ページ |
| 雇用元がどの法人か | 募集要項 |
確認事項は事前に書き出しておく
説明会や面接の場で思い出そうとしても出てきません。会社ごとに確認事項をメモしておくと、聞きそびれが減ります。
聞いても失礼にならない質問です
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。遠慮せず確認してください。記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認する
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
29選考の時期の考え方
会社ごとに違い、年度によっても変わります。
就活サイトに載っているスケジュールは一般的な目安であり、個別の会社に当てはまるとは限りません。
応募の前に商品を見てください
食品は店頭で実物を確かめられる数少ない業界です。志望する会社の商品が、どの売り場に、いくらで、どんな隣の商品と並んでいるか——これは面接で使える具体的な材料になります。
ただし、売り場で見た印象だけで会社の全体を語らないでください。業務用や海外の事業が大きい会社もあります。
締切は一覧で管理してください
複数の分野・複数の会社に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、応募した日、次の予定、締切の4つを1枚にまとめておけば、出し忘れは防げます。管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
30向き不向きの考え方
性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。
「食が好き」の中身を分解してください
食べるのが好きなのか、作るのが好きなのか、届けるのが好きなのかで向く職種が変わります。
食べるのが好きという理由だけでは、営業で数字を追う仕事や、工場で衛生を管理する仕事の説明がつきません。
本記事では向き不向きの判断はしていません
上の表は仕事の性質を整理したものであり、適性の診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
31他の業界と迷ったとき
食に関わる仕事は、食品メーカーだけではありません。
「食に関わりたい」なら入口は広い
食品メーカーだけを見ていると、包材、食品機械、物流、原料商社といった道を落とします。いずれも食が成り立つために必要な仕事です。
化学・素材業界は化学・素材業界とは|全体像と分野の調べ方、機械業界は機械・重工業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。同じ項目で比べてみてください。
比べる項目を先に決めてください
項目が多すぎると決まりません。自分が譲れない項目を3つに絞ると判断しやすくなります。比べ方は志望企業の絞り方|条件を言葉にしてから選ぶで扱っています。
32やらない方がいいこと
食品業界でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 知っている商品の会社しか見ない | 業務用・原料・受託の会社を丸ごと落とす |
| 「食が好き」で止める | ほぼ全志望者が言う。会社を選んだ理由にならない |
| 商品開発だけを志望する | 他の職種を知らないまま可能性を狭める |
| 売り場の印象だけで会社を語る | 業務用や海外の事業が見えていない |
| 勤務地・勤務時間を確認しない | 工場は全国に分散し、早朝・深夜の職場もある |
| 新商品の提案を思いつきで言う | 原価・工場・表示の制約を踏まえないと話が続かない |
商品の提案をするなら、制約も一緒に考えてください
面接で商品の提案を求められることがあります。そのとき「誰に、いくらで、どの売り場で」まで考えていると、話が具体的になります。
思いついた味を言うだけでは、工場で作れるか、原価が合うかという次の問いに答えられません。
1社の説明会を業界全体の話だと思わない
説明会で語られるのはその会社の話です。カテゴリが違えば、競合も売り方も違います。最低2社は比べてください。
33相談できる窓口
一人で抱えないでください。
食品の研究職は専攻のつながりが見えやすい
農学・食品科学・栄養系の専攻には、過去の進路が資料として残っていることがあります。どの会社にどの職種で進んだかが分かれば、そこから話を聞ける可能性があります。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。
34よくある質問
農学部や食品系の学部でないと入れませんか?
そうとは限りません。研究・商品開発では農学・食品科学・化学・生物系の専攻が生きますが、生産技術や設備では機械・電気系、営業やマーケティング、調達、管理部門では文系出身者が多く働いています。応募できるかどうかは募集要項の応募資格欄で確認してください。
商品開発に配属される可能性はどのくらいですか?
会社によります。職種別に採用する会社なら入社時点で決まり、総合職としてまとめて採用する会社なら配属で決まります。会社全体で見れば営業や生産に関わる人数のほうが多いのが一般的です。募集要項の職種欄と、採用ページのキャリアパスの記載を確認し、分からなければ説明会で聞いてください。
まず営業に配属されると聞きました。本当ですか?
会社によります。総合職採用で、最初に営業を経験してから他部署に移るという進め方をしている会社があります。これは採用ページの「キャリアパス」に書かれていることがあります。開発を志望していても最初は営業という可能性があるなら、それを前提に志望するかどうかを考えてください。説明会で聞いてよい質問です。
工場勤務は深夜や早朝になりますか?
商品と職種によります。パンや日配品のように毎日届ける商品では、深夜から早朝に製造する工場があります。すべての職種が該当するわけではありません。生活に直結する条件なので、募集要項の勤務時間欄を確認し、記載がなければ説明会や面接で聞いてください。
転勤はありますか?
営業職は全国の拠点に配属されることが多く、転勤がある会社が一般的です。工場や研究所も全国に分散していることがあります。転勤の有無と範囲は募集要項に記載されているので確認してください。記載がない場合は聞いて構いません。
「食が好き」以外に何を書けばいいですか?
その会社がどのカテゴリで、家庭用と業務用のどちらに力を入れ、国内と海外のどちらの比重が大きいかまで降りてください。そのうえで、中期経営計画で何に力を入れると言っているかに触れると、会社名を入れ替えても成立する文章にはなりません。
業務用の会社は、どうやって見つければいいですか?
商品のパッケージにある製造者の表示、大学の進路資料に出てくる知らない社名、業界団体の会員企業一覧——この3つが手がかりになります。外食チェーンのメニューや給食の食材にも、必ずどこかの会社が関わっています。消費者向けの商品がないだけで、事業としては大きい会社があります。
調理師免許や栄養士の資格は必要ですか?
募集要項に資格が明記されていない限り、必須ではありません。ただし業務用の営業やメニュー提案の仕事では、調理の知識が役に立つ場面があります。資格そのものより、なぜその知識を身につけたのか、どう使いたいのかを説明できるかが大切です。
食品業界は安定していると聞きますが本当ですか?
将来の見通しについては本記事では判断していません。食品は生活に必要なものですが、原料価格、天候、為替、人口の動きといった影響は受けます。会社が何をリスクと考えているかは、有価証券報告書の「事業等のリスク」に書かれています。印象ではなく、会社自身の説明を読んでください。
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、年度によっても変わります。就活サイトのスケジュール記事は一般的な目安であり、個別の会社に当てはまらないことがあります。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
まず何から読めばいいですか?
志望する会社の商品を実際に店で見て、そのあとで決算説明資料と有価証券報告書の「セグメント情報」を読むのが早道です。売り場で見た印象と、会社の数字(家庭用と業務用の比率、国内と海外の比率)を突き合わせると、その会社の姿がつかめます。
この記事に載っていない会社もありますか?
あります。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、網羅した一覧ではありません。また推奨や順位付けでもありません。とくに業務用・原料・受託製造の分野には、消費者に名前が知られていない会社が数多くあります。業界団体の会員企業一覧などから、自分で会社を洗い出してください。
35まとめ|家庭用か業務用かを、まず決める
食品・飲料業界は7つの分野に分かれています。①総合食品、②飲料・酒類、③調味料・油脂、④製粉・製糖などの原料、⑤乳業、⑥水産・畜産、⑦菓子・パン。
いちばん大事な軸は「家庭用か、業務用か」です。売る相手も、売れる理由も、仕事の進み方も違います。同じ会社の中に両方あります。
知っている商品の会社だけを見ないでください。業務用、原料、受託製造——名前が出ない会社にも、食品に関わる仕事は数多くあります。
商流に卸が入ります。メーカーの営業は卸と小売の両方と話します。この構造を知らないと、説明会の話が理解できません。
安全がすべての前提です。衛生管理、表示、期限、記録。おいしさや価格より先に安全が来る業界です。
原料と天候と為替の影響を受けます。会社が何をリスクと考えているかは「事業等のリスク」に書かれています。
売り場が一次情報になります。実物を見られる数少ない業界です。ただし売り場だけで会社の全体は分かりません。数字はセグメント情報で確かめてください。
最後に。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。網羅した一覧でもありません。売上・シェア・年収などの数値と企業の将来性、向き不向きは扱っていません。数値は各社の開示資料や業界団体・官庁の公表資料で、募集の条件は各社の募集要項で、食品の制度に関することは公的機関の情報でご確認ください。
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