不動産・住宅業界の調べ方|一次情報の集め方
不動産・住宅業界を調べるなら「街を歩いて見る」「業態ごとの業界団体」「会社が手がけた物件の一覧」の3つから始めてください。建物も建設中の現場も店舗もすべて目に見えます。看板から会社の名前が分かります。業界団体は開発、仲介、住宅、管理と業態ごとにあります。土地や住宅に関する統計は国土交通省などの公的機関から公表されています。
不動産・住宅業界は、街を歩けば調べられる業界です。
建物も、建設中の現場も、店舗もすべて目に見えます。
そして業態ごとに業界団体があります。開発、仲介、住宅、管理——それぞれ別です。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
不動産・住宅業界の3つの情報源。
街を歩けば調べられる業界です
建物も現場も店舗も目に見えます。この強みを使ってください。
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02街を歩いて見る
この業界の強みです。
現場の表示から会社が分かります
建設中の現場には表示が出ています。建てる会社と施工する会社の名前が分かります。
建物の入口を見てください
管理する会社の名前が掲示されていることがあります。管理の分野の会社を知る手がかりです。
仲介の店舗を見てください
窓に貼られた物件の情報から、どんな物件を扱っているかが分かります。
住宅の展示場に行ってみてください
各社の住宅が並んでいます。見せ方の違いが分かります。
ただし購入を前提としない見学であることは伝えたほうが親切です。
街の変化を見てください
どこで何が建てられているか。その地域の動きが見えます。
見たことを記録してください
何を見て、何を感じたか。自分の目で見たことは誰も否定できない材料です。
03会社が手がけた物件を調べる
会社の得意な領域が分かります。
開発する会社は一覧を公開していることがあります
手がけた建物が写真とともに並んでいることがあります。会社の性格が分かります。
用途の内訳を見てください
住宅が中心か、事務所や商業が中心か——会社によって違います。
地域の内訳を見てください
都心に集中しているか、各地で手がけているか——会社の足場が見えます。
持ち続けている物件があるか
建てて売る会社と、建てて持ち続ける会社があります。事業の性質が変わります。
街づくりの取り組みを見てください
一つの建物ではなく、広い範囲を手がけた事例があります。会社の考え方が表れます。
住宅の会社は商品の一覧を見てください
どんな住宅を提案しているか。商品のページで分かります。
04公的機関と業界団体
統計と制度が整理されています。
統計が整っている分野です
住宅の着工や土地の価格に関する資料が公的機関から公表されています。
なお本記事は就職活動のための案内であり、不動産の取引や投資についての助言ではありません。
取引に関する制度があります
不動産の取引には制度上の決まりがあります。所管する省庁で公表されています。
資格の情報は公的機関で確認してください
業務に関わる資格の要件は公表されています。制度は改正されることがあります。
業態ごとに団体があります
開発、仲介、住宅、管理——それぞれ別の団体があります。名簿から会社が探せます。
団体が統計を出していることがあります
分野ごとの動きについて団体が調査を公表していることがあります。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
05会社の資料の読みどころ
業態の構成を見てください。
セグメント情報で業態の構成が分かります
一つの会社が複数の業態を持つことがあります。どれが大きいかを確認してください。
保有する物件に関する記述を見てください
持ち続けている建物があるかどうかで、事業の性質が変わります。
中期経営計画を読んでください
どの地域、どの用途に力を入れるか。会社の向かう先が分かります。
事業等のリスクを読んでください
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。
店舗や拠点の一覧を見てください
どこで事業をしているか。勤務地を考える材料にもなります。
2社を並べてください
同じ業態の会社でも、手がける用途や地域が違います。その違いが志望動機になります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
手がけた物件の一覧を見てください
開発する会社では手がけた建物の一覧が公開されていることがあります。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
セグメント情報で業態の構成が分かります
開発、仲介、管理、賃貸——どの業態が大きいかが分かります。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
どの地域や用途に力を入れるかが書かれます
都心か地方か、住宅か事務所か商業か——会社の向かう先が分かります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
業態ごとの職種の紹介を読んでください
開発と仲介と管理では仕事がまったく違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
土地や住宅に関する統計があります
着工や土地の価格に関する統計が所管する省庁から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
業態ごとに団体があります
開発、仲介、住宅、管理——業態ごとに別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
街を歩いて看板を見てください
建設中の物件や店舗の看板から会社の名前が分かります。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ業態どうしで比べてください
開発する会社と仲介する会社では前提が違います。同じ業態にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
価格や相場の話は扱いに注意してください
本記事は不動産の取引や投資についての助言ではありません。統計は公的機関で確認してください。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
業態ごとに記録を分けてください
開発、仲介、住宅、管理——業態ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
街で見たことを材料にしてください
自分が歩いて見た建物や街の様子は自分の言葉で話せる材料です。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
本記事は投資や取引の助言ではありません
就職活動のための案内です。取引や投資に関することは、専門の窓口にご相談ください。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
街を歩いて見ること、業態ごとの業界団体、会社が手がけた物件の一覧の3つです。建物も建設中の現場も店舗も目に見えるので、この強みを使ってください。
街では何を見ればいいですか?
建設中の現場の表示には建てる会社と施工する会社の名前が出ています。建物の入口には管理する会社の名前が掲示されていることがあります。仲介の店舗の窓に貼られた物件の情報からは、どんな物件を扱っているかが分かります。
住宅の展示場には行けますか?
各社の住宅が並んでおり、見せ方の違いが分かります。ただし購入を前提としない見学であることは伝えたほうが親切です。見たことと感じたことは記録してください。
会社が手がけた物件はどこで分かりますか?
開発する会社では手がけた建物の一覧が写真とともに公開されていることがあります。用途の内訳で住宅か事務所か商業か、地域の内訳でどの地域に強いかが分かります。街づくりの取り組みとして広い範囲を手がけた事例が紹介されていることもあります。
業態によって調べ方は変わりますか?
開発、仲介、住宅、管理は別の仕事です。業態ごとに団体があり、名簿から会社が探せます。セグメント情報を見ると、一つの会社が複数の業態を持つ場合にどれが大きいかが分かります。
統計はどこで探せばいいですか?
住宅の着工に関する統計や土地の価格に関する資料が所管する省庁から公表されています。いつの統計かは必ず確認してください。なお本記事は就職活動のための案内であり、不動産の取引や投資についての助言ではありません。
制度について調べるときは?
不動産の取引には制度上の決まりがあり、所管する省庁で公表されています。業務に関わる資格の要件も公表されています。制度は改正されることがあるため、一次の情報で確認してください。
建てて売る会社と持ち続ける会社の違いは?
保有する物件に関する記述で分かります。持ち続けている建物があるかどうかで事業の性質が変わります。有価証券報告書やセグメント情報で確認してください。
管理の分野はどう調べますか?
建物の入口に管理する会社の名前が掲示されていることがあります。管理に関する業界団体もあり、名簿から会社が探せます。建物は建てたあとも使われ続けるため、この分野には継続的な仕事があります。
価格や相場の話をしてもいいですか?
就職活動の場で扱う話ではありません。本記事も不動産の取引や投資についての助言ではありません。統計を材料にする場合は公的機関の資料で確認し、数字を断定的に語らないでください。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
セグメント情報、中期経営計画、事業等のリスク、店舗や拠点の一覧、採用ページです。開発する会社と仲介する会社では前提が違うので、同じ業態にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
自分が歩いて見た建物や街の様子は、自分の言葉で話せる材料になります。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。見たことと、それを見て考えたことを記録しておいてください。
19まとめ|街・団体・物件の一覧の3つから
不動産・住宅業界を調べるなら、街を歩いて見ること、業態ごとの業界団体、会社が手がけた物件の一覧の3つから始めてください。
- 建物も現場も店舗も目に見えます。看板や表示から会社の名前が分かります。
- 手がけた物件の一覧で会社の性格が分かります。用途と地域の内訳を見てください。
- 業態ごとに団体があります。開発、仲介、住宅、管理はそれぞれ別の仕事です。
- 統計と制度は公的機関で確認してください。改正されることがあります。
- 街で見たことは自分の言葉で話せる材料です。記録しておいてください。
最後に。本記事は就職活動のための案内であり、不動産の取引や投資についての助言ではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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・不動産・住宅業界の職種|仕事内容の調べ方
・不動産・住宅業界の選考|案内から流れを読む
・不動産・住宅業界の求人票|確認する項目
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
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