医薬・ヘルスケア業界の調べ方|一次情報の集め方
医薬・ヘルスケア業界を調べるなら「会社が公表する開発中の品目の一覧」「公的機関の公表情報」「立場ごとの業界団体」の3つから始めてください。多くの会社が開発の段階にあるものの一覧を公表しており、会社の先行きを知る材料になります。審査や安全に関する情報は公的な機関から公表されています。業界団体は製薬、医療機器、卸と立場ごとに分かれています。
医薬・ヘルスケア業界は、公表されている情報が多い分野です。
審査や安全に関する情報が公的な機関から公表され、会社も開発の状況を公表しています。
そしてその会社がどの役割か——自社で開発、受託、卸、医療機器——で読む場所が変わります。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
医薬・ヘルスケア業界の3つの情報源。
公表されている情報が多い分野です
制度として公表が求められる情報があります。調べる材料には困りません。
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02会社が公表する開発の状況
この業界ならではの資料です。
多くの会社が一覧を公表しています
いま何を開発しているかが一覧の形で示されることがあります。会社の先行きを知る材料になります。
領域に会社の考え方が表れます
どの疾患の領域を選んでいるか。会社ごとに違います。その違いが志望動機になります。
段階の呼び方を確認してください
開発には段階があります。呼び方の意味は公的機関や団体の解説で確認してください。
提携の発表も見てください
他の会社や研究機関とどう組んでいるかが分かります。会社の戦略が見えます。
効き目や安全の話は扱いに注意してください
本記事は就職活動のための案内であり、医療や医薬品についての助言ではありません。効き目や安全に関わる内容は、公的機関や会社の公表資料で確認してください。
医療機器の会社も製品の情報を公表します
どんな機器を手がけているか、製品紹介のページで確認できます。
03公的機関の公表情報
制度に関わる情報が多い分野です。
審査に関わる機関があります
医薬品や医療機器の審査に関わる公的な機関があり、情報を公表しています。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
医薬品や医療に関する制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく一次の情報で確認してください。
医療に関する統計があります
医療の提供や費用に関する統計が公表されています。業界の輪郭を知る材料になります。
白書は全体像をつかむのに向きます
厚生や労働の分野を扱う白書があります。いま何が課題とされているかが整理されています。
概要版から読んでください
本文が長い資料では、概要版が出ていることがあります。そこから入ると読みやすくなります。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
04立場ごとの業界団体
立場ごとに別の団体があります。
受託の会社は名簿から探せます
開発や製造、営業を受託する会社は知られていないことが多く、名簿が役に立ちます。
製薬と医療機器は別の分野です
扱うものも制度も違います。どちらに関心があるかを決めてから調べてください。
卸の分野も見てください
医薬品を医療機関や薬局に届ける役割です。流通に関する団体があります。
団体が制度の解説を出していることがあります
ただし制度そのものは公的機関で確認してください。
用語の解説がある場合があります
専門の言葉が分からないと資料が読めません。解説のページがあれば先に読んでください。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
05会社の資料の読みどころ
役割によって見る場所が変わります。
研究開発に関する記述を見てください
この業界は研究開発への投資が大きいのが特徴です。どれだけ投じているかに会社の姿勢が表れます。
設備の状況で拠点が分かります
研究所と工場がどこにあるか。勤務地を考える材料にもなります。
事業等のリスクを読んでください
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。この業界ならではの記述があります。
受託の会社は提供する業務の範囲を見てください
どこからどこまでを担うのか。会社によって違います。
医療機器の会社は保守の体制も見てください
機器は納めたあとも使われ続けます。保守に関わる職種があります。
2社を並べてください
同じ業界の会社でも、重点を置く領域が違います。その違いが志望動機になります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
開発中の品目の一覧を見てください
多くの会社が開発の段階にあるものの一覧を公表しています。会社の先行きを知る材料になります。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
研究開発に関する記述を見てください
この業界は研究開発への投資が大きいのが特徴です。会社の姿勢が表れます。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
重点を置く疾患の領域が書かれます
どの領域に力を入れるかは会社ごとに違います。志望動機の材料になります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
職種ごとの紹介を読んでください
営業、研究、開発、生産——働く場所も勤務の形も違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
医薬品の審査に関する機関があります
承認や安全に関する情報が公的な機関から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
医薬品と医療機器で団体が違います
製薬、医療機器、卸——立場ごとに別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
受託の会社は団体の名簿から探せます
開発や製造を受託する会社は知られていないことが多く、名簿が役に立ちます。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ役割どうしで比べてください
自社で開発する会社と受託する会社では前提が違います。同じ役割にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
医療に関する情報はとくに出どころが大事です
効き目や安全に関わる話は公的機関や会社の公表資料で確認してください。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
役割ごとに記録を分けてください
自社で開発、受託、卸、医療機器——役割ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
領域への関心を具体に降ろしてください
どの疾患の領域に関心があるか。そこまで言えると話が具体になります。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 効き目や安全の話を不確かなまま語る | 公的機関や会社の公表資料で確認する |
| 開発の状況を見ない | 会社の先行きを知る材料を使っていない |
| 自社で開発する会社しか見ない | 受託や卸、医療機器という選択肢を落とす |
| 制度をうろ覚えで語る | 改正されることがある |
| 古い統計を使う | いつの情報かを確認していない |
| 領域を言えないまま志望する | どの領域に関心があるかまで降ろす |
本記事は医療についての助言ではありません
就職活動のための案内です。医療や医薬品に関することは、医療機関や公的機関にご確認ください。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
会社が公表する開発中の品目の一覧、公的機関の公表情報、立場ごとの業界団体の3つです。この業界は制度として公表が求められる情報があるため、調べる材料には困りません。
開発中の品目の一覧とは何ですか?
いま何を開発しているかを一覧の形で示した資料です。多くの会社が公表しており、どの領域で何を開発し、どの段階まで進んでいるかが分かります。会社の先行きを知る材料になり、どの疾患の領域を選んでいるかに会社の考え方が表れます。
公的機関ではどんな情報が得られますか?
医薬品や医療機器の審査に関わる公的な機関があり、承認や安全に関する情報を公表しています。所管する省庁からは制度の情報、医療の提供や費用に関する統計、分野の白書が出ています。制度は改正されることがあるため一次の情報で確認してください。
業界団体はどこを見ればいいですか?
製薬、医療機器、卸、受託の分野、一般用医薬品と立場ごとに団体があります。製薬と医療機器は扱うものも制度も違うので、どちらに関心があるかを決めてから調べてください。受託の会社は知られていないことが多いため、名簿が役に立ちます。
会社の資料はどこを読めばいいですか?
役割によって変わります。自社で開発する会社は開発中の品目と重点を置く領域と研究開発費、開発を受託する会社は提供する業務の範囲、製造を受託する会社は工場の場所、卸す会社は取引先の構成と物流の拠点、医療機器の会社は手がけている機器の分野と保守の体制です。
研究開発に関する記述はなぜ重要ですか?
この業界は研究開発への投資が大きいのが特徴で、どれだけ投じているかに会社の姿勢が表れます。中期経営計画には、どの疾患の領域に重点を置くかが書かれます。会社ごとに違うため、志望動機の材料になります。
効き目や安全について話してもいいですか?
本記事は就職活動のための案内であり、医療や医薬品についての助言ではありません。効き目や安全に関わる内容は、公的機関や会社の公表資料で確認し、不確かなまま語らないでください。医療に関することは医療機関や公的機関にご確認ください。
開発の段階の呼び方が分かりません。
開発には段階があり、呼び方の意味は公的機関や業界団体の解説で確認できます。専門の言葉が分からないと資料が読めないので、用語の解説のページがあれば先に読んでください。
受託の会社はどう探せばいいですか?
受託の分野の業界団体の名簿から探せます。開発や製造、営業を受託する会社は知られていないことが多く、名簿が選択肢を広げる道具になります。
医療機器の会社はどう調べますか?
製品紹介のページでどんな機器を手がけているかが分かります。機器は納めたあとも使われ続けるため、保守の体制も見てください。保守に関わる職種があります。医療機器に関する業界団体もあります。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
開発中の品目、重点を置く領域、セグメント情報、事業等のリスク、拠点の一覧、採用ページです。自社で開発する会社と受託する会社では前提が違うので、同じ役割にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
どの疾患の領域に関心があるかまで降ろすと、話が具体になります。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。調べても分からなかったことは、説明会で聞くべきことになります。
19まとめ|開発の状況・公的機関・団体の3つから
医薬・ヘルスケア業界を調べるなら、会社が公表する開発中の品目の一覧、公的機関の公表情報、立場ごとの業界団体の3つから始めてください。
- 多くの会社が開発の状況を公表しています。会社の先行きを知る材料になります。
- どの領域を選んでいるかに会社の考え方が表れます。その違いが志望動機になります。
- 審査や安全に関する情報は公的な機関から公表されています。
- 自社で開発する会社だけではありません。受託、卸、医療機器という選択肢があります。
- 効き目や安全の話は不確かなまま語らないでください。公表資料で確認してください。
最後に。本記事は就職活動のための案内であり、医療や医薬品についての助言ではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
・医薬・ヘルスケア業界とは|全体像と分野の調べ方
・医薬・ヘルスケア業界の職種|仕事内容の調べ方
・医薬・ヘルスケア業界の選考|案内から流れを読む
・医薬・ヘルスケア業界の求人票|確認する項目
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
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