広告・メディア業界の調べ方|一次情報の集め方
広告・メディア業界を調べるなら「つくられたものを実際に見る」「媒体ごとの業界団体」「会社の事業の構成」の3つから始めてください。広告も番組も記事も世に出ています。実際に見て何を感じたかが材料になります。業界団体は広告、放送、新聞、出版と媒体ごとにあります。放送局や出版社は複数の事業を持つため、セグメント情報で全体像を確かめてください。
広告・メディア業界は、つくられたものが公開されている業界です。
広告も番組も記事も実際に見られます。これが最も確かな材料になります。
そして媒体ごとに業界団体があります。広告、放送、新聞、出版——それぞれ別です。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
広告・メディア業界の3つの情報源。
つくられたものが公開されています
他の業界にはない強みです。実際に見て感じたことが材料になります。
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02つくられたものを見る
この業界の強みです。
実際に見てから資料を読んでください
つくられたものを知らずに会社の資料を読んでも、ぴんと来ません。
なぜ良いと思ったかまで考えてください
褒めるだけでは足りません。何が良いと感じ、なぜそう思ったか。ここが志望動機の中心になります。
クレジットから会社を辿れます
番組や映像の最後に制作に関わった会社が表示されることがあります。知らない会社が見つかります。
広告は出し手も見てください
その広告をどの企業が出しているか。広告会社がどんな業種と仕事をしているかの手がかりになります。
受賞や発表の記録を見てください
どんな仕事が評価されているかが公表されていることがあります。
記録してください
何を見て、何を感じたか。面接で使える材料になります。
03媒体ごとの業界団体
媒体ごとに別の団体があります。
会員の一覧から会社が探せます
とくに制作会社は一般に知られていないことが多く、名簿が役に立ちます。
広告に関する統計があります
広告の費用に関する統計を公表していることがあります。分野の動きを知る材料になります。
表現に関する指針があります
広告や放送には表現に関する決まりや指針があります。団体が公表していることがあります。
用語の解説がある場合があります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。解説のページがあれば先に読んでください。
団体の立場を意識してください
団体の資料はその業界の立場から書かれています。公的機関の資料と合わせて読むとよいでしょう。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
04公的機関の資料
分野の整理と制度が分かります。
白書はメディアの分野の整理に向きます
情報通信の分野を扱う白書に、メディアに関する整理が含まれることがあります。
放送には制度の枠組みがあります
放送に関する決まりは所管する省庁で公表されています。制度は改正されることがあります。
広告に関わる制度もあります
表示に関する決まりなど、広告に関わる制度があります。所管する機関で確認してください。
著作権に関する制度も関わります
つくったものの権利に関する決まりがあります。この業界の仕事に直接関わります。
概要版から読んでください
本文が長い資料では、概要版が出ていることがあります。そこから入ると読みやすくなります。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。この分野は変化が速いとされます。
05会社の資料の読みどころ
本業以外の事業も見てください。
放送局や出版社は複数の事業を持ちます
番組や紙面だけでなく、イベント、不動産、配信、権利の活用などの事業があることがあります。
セグメント情報で全体像が分かります
何で成り立っている会社か。本業以外の比重を確かめてください。
広告会社はクライアントの業種を見てください
どんな業種の広告主と仕事をしているか。会社の得意な領域が分かります。
中期経営計画を読んでください
配信やイベント、権利の活用——どこを伸ばそうとしているかが分かります。
制作会社は資料が少ないことがあります
その場合は会社のサイトと制作の実績が中心の材料になります。
2社を並べてください
同じ種類の会社でも、つくるものの傾向が違います。その違いが志望動機になります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
つくられたものが公開されています
広告も番組も記事も世に出ています。実際に見るのが最も確かな材料です。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
セグメント情報で本業以外の事業が分かります
放送局や出版社は複数の事業を持っていることがあります。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
伸ばす領域が書かれます
配信、イベント、権利の活用——会社の向かう先が分かります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
職種ごとの紹介を読んでください
営業と制作では仕事がまったく違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
情報通信に関する白書と統計があります
メディアの分野の整理が所管する省庁から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
媒体ごとに団体があります
広告、放送、新聞、出版——媒体ごとに別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
クレジットから会社を辿れます
番組や映像の制作に関わった会社が表示されることがあります。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ種類の会社どうしで比べてください
広告会社と放送局では前提が違います。同じ種類にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
評判や話題の話は出どころを確認してください
何が話題かという情報は出どころによって変わります。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
媒体ごとに記録を分けてください
広告、放送、新聞、出版、インターネット——媒体ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
見たものについて考えを持ってください
何を見て、なぜ良いと思ったか。ここまで言えると話が深くなります。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| つくられたものを見ずに資料を読む | ぴんと来ないまま読むことになる |
| 「好きです」で止める | なぜ良いと思ったかまで考える |
| 本業以外の事業を見ない | 会社の全体像を外す |
| 制作会社を見ない | 名簿やクレジットから探せる |
| 話題かどうかで判断する | 出どころによって変わる情報 |
| 古い統計を使う | この分野は変化が速いとされる |
クレジットを見る癖をつけてください
番組や映像に制作に関わった会社が表示されることがあります。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
つくられたものを実際に見ること、媒体ごとの業界団体、会社の事業の構成の3つです。広告も番組も記事も世に出ているので、まず見てから資料を読んでください。
つくられたものを見るときは何を考えますか?
広告なら何を伝えようとしているか、番組なら誰に向けてつくられているか、記事なら何を取り上げているかです。褒めるだけでは足りず、何が良いと感じ、なぜそう思ったかまで考えてください。ここが志望動機の中心になります。
制作会社はどう探せばいいですか?
番組や映像の最後に制作に関わった会社が表示されることがあります。制作の分野の業界団体に名簿があることもあります。一般に知られていない会社が多いので、名簿やクレジットが役に立ちます。
広告会社はどう調べますか?
その広告をどの企業が出しているかを見ると、広告会社がどんな業種と仕事をしているかの手がかりになります。受賞や発表の記録が公表されていることもあります。会社のサイトの実績のページも見てください。
業界団体はどこを見ればいいですか?
広告、放送、新聞、出版、制作、インターネット広告と媒体ごとに団体があります。会員の一覧から会社が探せ、広告の費用に関する統計を公表していることもあります。表現に関する決まりや指針が公表されていることもあります。
公的機関ではどんな情報が得られますか?
情報通信の分野を扱う白書にメディアに関する整理が含まれることがあります。放送に関する制度は所管する省庁、広告の表示に関わる制度は所管する機関、著作権に関する制度は所管する機関で公表されています。
著作権についても知っておくべきですか?
つくったものの権利に関する決まりがあり、この業界の仕事に直接関わります。細部を覚える必要はありませんが、枠組みがあるという理解はあったほうがいいでしょう。制度は所管する機関で確認してください。
本業以外の事業とは何ですか?
放送局や出版社は、番組や紙面だけでなくイベント、不動産、配信、権利の活用などの事業を持っていることがあります。セグメント情報で何で成り立っている会社かを確かめてください。
制作会社は資料が少ないのですが?
上場していない会社も多く、その場合は会社のサイトと制作の実績が中心の材料になります。クレジットから辿って会社のサイトを見るのが現実的な方法です。
話題かどうかで判断してはいけませんか?
何が話題かという情報は出どころによって変わります。自分が実際に見て感じたことのほうが、面接では話しやすい材料になります。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
つくられたものの傾向、セグメント情報、中期経営計画、事業等のリスク、採用ページです。広告会社と放送局では前提が違うので、同じ種類にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
何を見て、なぜ良いと思ったかまで言えると話が深くなります。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。見たものについての考えを記録しておいてください。
19まとめ|つくられたもの・団体・事業の構成
広告・メディア業界を調べるなら、つくられたものを実際に見ること、媒体ごとの業界団体、会社の事業の構成の3つから始めてください。
- つくられたものが公開されています。他の業界にはない強みです。
- なぜ良いと思ったかまで考えてください。そこが志望動機の中心になります。
- クレジットから会社を辿れます。制作会社を見つける手がかりです。
- 放送局や出版社は複数の事業を持ちます。セグメント情報で全体像を確かめてください。
- 媒体ごとに団体があります。会員の一覧から会社が探せます。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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