電機・電子業界の調べ方|一次情報の集め方
電機・電子業界を調べるなら「会社のセグメント情報」「分野ごとの業界団体」「製品を実際に見る」の3つから始めてください。この業界の会社は複数の事業を持つため、セグメント情報を読まないと何をしている会社か分かりません。業界団体は電機、電子部品、半導体、情報と分野ごとに分かれています。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報で確認してください。
電機・電子業界は、会社が複数の事業を持っています。
そのためセグメント情報を読まないと、その会社が何をしているかが分かりません。
そして分野ごとに別の業界団体があります。探している情報で見る先が変わります。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
電機・電子業界の3つの情報源。
「何の会社か」が資料を読まないと分かりません
同じ会社の中にまったく性質の違う事業があります。セグメント情報が出発点になります。
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02セグメント情報の読み方
この業界ではここが出発点です。
会社によって区分の仕方が違います
同じような事業でも、会社によってまとめ方が違います。その分け方自体が会社の考え方を表します。
従業員数を見てください
どの事業に人を置いているかが分かります。配属先の可能性を考える材料になります。
過去の資料と比べてください
セグメントの区分が変わっていたら、事業の組み替えがあったということです。
関係会社の一覧も見てください
どんな会社を持っているかが分かります。グループの広がりが見えます。
2社のセグメントを並べてください
同じ業界の会社でも、手がけている領域が違います。その違いが志望動機になります。
03分野ごとの業界団体
探している情報で見る先が変わります。
名簿は会社探しに使えます
完成品の会社は知っていても、部品や材料の会社は知らないことが多いはずです。名簿から探してください。
統計は分野ごとに出ています
電機全体の統計と、特定の製品分野の統計は別です。何を知りたいかを決めてから探してください。
用語の解説がある場合があります
技術の言葉が分からないと資料が読めません。解説のページがあれば先に読んでください。
展示会を主催する団体があります
分野ごとの展示会を団体が主催していることがあります。学生が入れる催しもあります。
団体名は自分で確認してください
団体の名称や公表している資料は変わることがあります。検索して最新のものを確認してください。
04公的機関の資料
業界全体の輪郭が分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
製品の安全や環境に関する制度は改正されることがあります。一次の情報で確認してください。
白書は全体像をつかむのに向きます
ものづくりや情報の分野を扱う白書があります。いま何が課題とされているかが整理されています。
概要版から読んでください
本文が長い資料では、概要版が出ていることがあります。そこから入ると読みやすくなります。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
研究に関する公表資料もあります
公的な研究機関が技術分野の報告を出していることがあります。
05製品を見る・触れる
見える製品と見えない製品があります。
家庭向けの製品は店頭で見られます
どう並べられ、何を前面に出しているか。会社の考え方が表れます。
産業向けの製品は見えにくくなります
工場で使われる機器や、機械の中に入る部品は目に触れません。会社のサイトの製品紹介で補ってください。
展示会は産業向けの製品を見る機会です
分野ごとの展示会があります。学生が入れる催しもあります。開催の情報は団体や主催者のサイトで確認してください。
展示施設がある会社があります
沿革や技術を紹介する施設を持つ会社があります。会社の考え方を知る材料になります。
見えない領域のほうが大きいことがあります
社会インフラや産業向けの事業は目に触れないぶん、規模が大きいことがあります。セグメント情報で確認してください。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
事業が多い会社ほどセグメント情報が効きます
複数の事業を持つ会社では、どの事業が大きいかをここで確かめてください。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
人数の偏りに目を向けてください
収益の大きさと人の多さは一致しないことがあります。そのずれ自体が読みどころです。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
事業の入れ替えについて書かれることがあります
伸ばす事業と見直す事業。会社の方向がはっきり出るところです。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
事業ごとの紹介があることがあります
事業領域が広い会社では、事業ごとの説明が置かれていることがあります。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
機械や電子に関する統計があります
生産や出荷に関する統計が産業を所管する省庁から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
分野ごとに団体が分かれています
電機、電子部品、半導体、情報——分野ごとに別の団体があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
部品や材料の会社は団体の名簿から探せます
完成品の会社は知っていても、部品や材料の会社は知らないことが多いはずです。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ事業領域どうしで比べてください
家庭向けと社会インフラでは前提が違います。同じ領域で比べてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
技術の見通しは出どころを確認してください
新しい技術についての記事には見通しを含むことがあります。会社や公的機関の資料で確かめてください。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
事業領域ごとに記録を分けてください
家庭向け、産業向け、社会インフラ、電子部品——領域ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
製品を使った経験も材料になります
実際に使って感じたことは自分の言葉で話せる材料です。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
知らない会社を見つける道具として使ってください
調べる目的は理解だけではありません。候補を増やすことにも使えます。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
会社のセグメント情報、分野ごとの業界団体、製品を実際に見ることの3つです。この業界の会社は複数の事業を持つため、セグメント情報を読まないと何をしている会社か分かりません。
セグメント情報はどう読めばいいですか?
セグメントの区分、セグメントごとの収益、セグメントごとの従業員数を見てください。会社によって区分の仕方が違い、その分け方自体が会社の考え方を表します。過去の資料と比べて区分が変わっていたら、事業の組み替えがあったということです。
業界団体はどこを見ればいいですか?
電機・電子、電子部品、半導体、情報サービスと分野ごとに団体が分かれています。探している情報がどの分野のものかで見る先が変わります。名簿は部品や材料の会社を探すのに使え、用語の解説が置かれていることもあります。
統計はどこで探せばいいですか?
生産や出荷に関する統計は産業を所管する省庁から公表されています。電機全体の統計と特定の製品分野の統計は別なので、何を知りたいかを決めてから探してください。いつの統計かは必ず確認してください。
産業向けの製品はどう調べればいいですか?
工場で使われる機器や機械の中に入る部品は目に触れません。会社のサイトの製品紹介で補ってください。分野ごとの展示会があり、学生が入れる催しもあります。開催の情報は団体や主催者のサイトで確認してください。
店頭で見るだけでは足りませんか?
家庭向けの製品は店頭で見られ、どう並べられ何を前面に出しているかで会社の考え方が表れます。ただし社会インフラや産業向けの事業は目に触れないぶん規模が大きいことがあります。セグメント情報で確認してください。
部品や材料の会社はどう探せばいいですか?
電子部品に関する業界団体の名簿から探せます。完成品の会社は知っていても部品や材料の会社は知らないことが多いので、名簿は選択肢を広げる道具になります。
中期経営計画では何が分かりますか?
伸ばす事業と見直す事業が書かれることがあります。事業の入れ替えについての記述は、会社の方向がはっきり出るところです。2社の計画を並べると力を入れている領域の違いが見えます。
新しい技術の話はどう調べればいいですか?
記事には見通しを含むことがあります。各社の中期経営計画や決算説明資料で、その会社が何に投資しようとしているかを確認してください。公的な研究機関が技術分野の報告を出していることもあります。
制度について調べるときは?
製品の安全や環境に関する制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、所管する省庁のサイトで一次の情報を確認してください。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
セグメント情報、中期経営計画、事業等のリスク、拠点の一覧、採用ページです。家庭向けと社会インフラのように事業領域が違うと比べにくいので、同じ領域にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。それを読んで自分が何を考えたかまで言えると話が変わります。製品を実際に使って感じたことも、自分の言葉で話せる材料になります。
19まとめ|セグメント・団体・製品の3つから
電機・電子業界を調べるなら、会社のセグメント情報、分野ごとの業界団体、製品を実際に見ることの3つから始めてください。
- この業界の会社は複数の事業を持っています。セグメント情報が出発点になります。
- セグメントごとの従業員数を見てください。どこに人を置いているかが分かります。
- 業界団体は分野ごとに分かれています。探している情報で見る先が変わります。
- 見えない領域のほうが大きいことがあります。家庭向けの製品だけで判断しないでください。
- 部品や材料の会社は団体の名簿から探せます。選択肢が広がります。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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