電機・電子業界の選考|案内から流れを読む
電機の選考でまず確認するのは「募集が事業部別か一括か」と「職種の区分」です。技術系は機械・電気・ソフトなどで分かれることがあり、学科によっては推薦の仕組みが関わります。そのうえで研究概要の提出、専門の筆記、勤務地を案内で確かめてください。そして志望動機では「会社の中のどの事業か」まで言えるようにしてください。
電機の選考では、「どの事業か」が最初の分かれ目です。
同じ会社の中に重電、電子部品、半導体関連、家電、計測・FA、社会システムがあります。事業が違えば、仕事も選考の話題も変わります。
そして会社によっては事業部ごとに募集が分かれることがあります。
この記事では、電機・電子業界の選考の特徴を整理し、案内の読み方、準備、当日の確認まで通しで扱います。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界の選考の特徴
第2部 案内の読み方と準備
第3部 情報の集め方
第4部 当日と確認|やらないこと
第1部 この業界の選考の特徴
01この業界の選考の特徴
まずこの点を確認してください。
電機の選考でまず確認する2点。
時期は会社ごとに違います
就活サイトのスケジュールは一般的な目安です。個別の会社に当てはまるとは限りません。
本記事では通過の基準を扱いません
何が評価されるか、倍率はどうかといった話は会社ごとに違い、外からは分かりません。
業界と職種の理解が前提になります
業界の構造は電機・電子業界とは|全体像と分野の調べ方、職種は電機・電子業界の職種|仕事内容の調べ方で整理しています。
02「どの事業か」を決めてから応募する
電機では、これが最初の作業になります。
会社名からは事業が分かりません
電機は1社が複数の分野を持ちます。家電のイメージで話すと、その会社の主力と食い違うことがあります。
セグメント情報でどの事業が大きいかを確かめてください。
募集が分野別かを確認してください
事業部ごとに募集が分かれる場合、入社時点で扱う製品が決まります。
一括採用の場合は配属で決まります。どちらかで準備の仕方も変わります。
事業をまたぐ異動があるか
電機では事業の再編が行われることがあります。入社した事業がずっと同じ形とは限りません。
異動の実態は説明会やOB・OG訪問で聞いてください。
志望動機は分野まで降ろす
「御社の技術に興味があります」では伝わりません。どの分野の、どんな技術かまで書いてください。
03職種の区分と専攻の対応
自分の専攻がどの区分に当たるかを確認してください。
区分は会社によって違います
細かく分ける会社もあれば、「技術職」としてまとめる会社もあります。募集要項の職種欄で確認してください。
応募資格を読んでください
専攻の指定がある場合は応募資格欄に書かれています。思い込みで諦めず、該当する区分を探してください。
併願の可否を確認してください
複数の区分に応募できるかは会社によって違います。記載がなければ説明会で聞いてください。
ハードとソフトの両方に触れる職種があります
いまの機器はソフトで性能が決まる部分が大きくなっています。どちらか一方に限らない募集もあります。
職種の中身は電機・電子業界の職種|仕事内容の調べ方で整理しています。
04研究概要と技術の説明
技術系では求められることがあります。
専門外の人が読んで分かる言葉で
読むのは必ずしも同じ専門の人ではありません。専門用語には簡単な説明を添えてください。
成果より進め方が見られます
研究が完成している必要はありません。どう課題を立て、どう確かめたかという進め方が重要です。
研究テーマは一致しなくて構いません
会社の製品と直接つながっている人は多くありません。使った手法、扱った現象、測定の工夫が接点になります。
面接で詳しく聞かれます
提出した内容について掘り下げて聞かれることがあります。書いたことは自分の言葉で説明できるようにしてください。
研究の整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。
05この業界で聞かれやすいこと
会社によって違いますが、傾向はあります。
家電のイメージだけで話さないでください
多くの会社で主力は企業向けの事業です。家電の話だけをすると、売上のごく一部の話をすることになります。
「御社の技術」では伝わりません
どの分野の、どんな技術か——具体名まで降ろしてください。中期経営計画や技術のページを読めば書けます。
チームの経験は具体的に
電機の仕事は機械・電気・ソフトの担当者との調整が伴います。だからチームでの経験がよく聞かれます。
「協力しました」ではなく、何が問題で、自分が何をしたかを話してください。
分からないことは分からないと言う
知らない技術の話が出たとき、知ったかぶりをしないほうが評価されます。
第2部 案内の読み方と準備
06採用の案内はどこを読むか
会社が出している案内が、いちばん確実な情報です。
就活サイトの一般論と、個別の案内は別です
「一般的にはこの時期」という説明は目安にすぎません。個別の会社に当てはまるとは限りません。
実際の日程は、各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
電機では「事業部別の募集」があることがあります
同じ会社でも事業分野ごとに募集が分かれることがあります。この場合、入社時点で扱う製品の分野が決まります。
分かれていない場合は配属で決まります。どちらかを募集要項で確認してください。
記載がないことは推測で埋めないでください
案内に書かれていないことは、説明会や問い合わせで確認してください。推測で動くと、行き違いが起こります。
募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで詳しく扱っています。
07提出書類の準備
何を出すかは会社によって違います。
証明書は早めに手配してください
大学の証明書は発行に日数がかかることがあります。締切の直前に慌てないよう、早めに確認してください。
研究概要を求められることがあります
技術系では研究の内容をまとめた書類の提出を求められることがあります。専門外の人が読んで分かる言葉で書いてください。
設問に答えているかを確認してください
書きたいことを書くのではなく、聞かれたことに答える——これが基本です。
書いたあと、設問をもう一度読んで、答えになっているか確かめてください。
08適性検査と筆記の考え方
形式は会社によって違います。案内で確認してください。
| 確認すること | どこで分かるか |
|---|---|
| どんな形式か(能力・性格・記述など) | 届いた案内、採用ページ |
| 受検の方法(自宅・会場・オンライン) | 届いた案内 |
| 受検の期限 | 届いた案内 |
| 使える道具(電卓・メモなど) | 届いた案内の注意事項 |
| 結果の扱い | 記載がある場合はその記載 |
案内の注意事項を必ず読んでください
受検の環境、使える道具、やり直しの可否——案内に書かれた条件を守ってください。
不正と受け取られる行為は、その会社の選考だけでなく信頼にも関わります。
技術系では専門の筆記がある場合があります
会社によっては専門分野に関する筆記が行われることがあります。あるかどうか、範囲はどこかは案内で確認してください。
性格に関する検査は正直に答えてください
よく見せようとして矛盾した回答になると、かえって不自然になります。自分の考えに沿って答えるのが基本です。
早めに受けられる準備をしてください
期限の直前は混み合うことがあります。通信の環境や時間の確保を含めて、余裕をもって受検してください。
09日程と締切の管理
複数の会社を受けると、必ず抜けが出ます。
1枚にまとめてください
上の5つを1枚の表にしておけば、出し忘れは防げます。形式は紙でも表計算でも構いません。
事業部別に応募する場合の管理
同じ会社でも事業部ごとに締切や選考が違うことがあります。会社名だけでなく、応募した事業部も記録してください。
連絡の手段を確認してください
メール、マイページ、電話——どこに連絡が来るかを確認し、見落とさないようにしてください。
迷惑メールの振り分けにも注意が必要です。
管理の仕方は別記事で
具体的な管理の方法は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
第3部 情報の集め方
10説明会で何を聞くか
聞く側になってください。
「やりがい」は聞いても情報が少ない
抽象的な質問には抽象的な答えが返ります。具体的な事実を聞くほうが、判断の材料になります。
電機で聞いておきたいこと
配属される可能性のある事業分野、事業をまたぐ異動があるか、顧客先での作業の有無——このあたりは説明会で聞ける内容です。
聞いたことはその場でメモしてください
複数の会社の説明会に出ると、どこで何を聞いたか分からなくなります。会社ごとにメモを残してください。
1社の話を業界全体だと思わないでください
説明会で語られるのはその会社の話です。業界の共通事項かどうかは、他社も見ないと分かりません。
11OB・OG訪問の使い方
資料では分からないことを聞くための機会です。
複数の人に聞いてください
1人の話はその人の経験です。職種や配属先が違えば話も変わります。
どの事業の人かを確認してください
電機は1社の中に性格の違う事業があります。重電と電子部品では仕事の進み方がまったく違います。複数の事業の人に聞けると理解が深まります。
準備をしてから会ってください
調べれば分かることを聞くと、時間がもったいなくなります。資料を読んだうえで、そこに書いていないことを聞いてください。
進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
12一次資料で会社を確かめる
採用向けではない資料も見てください。
志望動機の材料になります
会社が自分で書いていることなので、外れません。とくに中期経営計画は、なぜこの会社かを書く材料になります。
セグメント情報を必ず見てください
電機では会社名から事業が分かりません。セグメント情報でどの事業が大きいかを確かめてから志望動機を書いてください。
上場していない会社の場合
有価証券報告書がない場合は、会社サイトの会社概要、沿革、事業の説明、プレスリリースが情報源になります。
足りない部分は説明会で直接聞いてください。会社の調べ方は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
132社を比べて違いを見つける
1社だけ見ても、その会社の特徴は分かりません。
違いが志望動機になります
同じ業界の2社を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
同じ分野の2社を比べてください
電機は1社が複数の分野を持つため、会社全体で比べると違いが見えにくくなります。同じ分野の事業どうしを比べてください。
書いたあとの確認
志望動機を書いたら、会社名を別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。
志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
第4部 当日と確認|やらないこと
14面接当日に気をつけること
準備したことを、落ち着いて話せる状態をつくってください。
準備した話をそのまま言わないでください
面接は対話です。聞かれたことに答え、追加で聞かれたら答える——この往復が基本です。
「どの事業か」を言えるようにしてください
面接では会社の中のどの事業に関心があるかが問われます。家電のイメージだけで話すと、事業構成を理解していないと受け取られます。
オンラインの場合
通信の環境、背景、音声——事前に確認してください。案内に指定があれば、その指定に従ってください。
終わったら記録してください
何を聞かれ、どう答えたか、何を言われたか——記録が次の会社の準備になります。
15選考で確認しておくこと
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
労働条件は聞いても失礼になりません
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。
記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認してください
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
事業の再編の可能性を理解しておく
電機では事業の売却や統合が行われることがあります。入社した事業がずっと同じ形とは限らないという前提を持ってください。
疑問があるときは相談してください
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。次の章で相談先を挙げます。
16相談できる窓口
一人で抱えないでください。
電気・情報系は学科の就職担当に早めに相談を
推薦の仕組みがある場合、学内の手続きに期限があります。利用するかどうかで動き方が変わります。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈は弁護士にご相談ください。
就職活動の進め方に迷ったとき
大学のキャリアセンターは過去の応募の状況を持っていることがあります。推薦の仕組みがある場合の手続きも、ここで確認できます。
17やらない方がいいこと
電機の選考でとくに起きやすい失敗です。
会社全体で比べないでください
電機は1社が複数の分野を持ちます。会社全体で比べると違いが見えにくくなります。同じ分野の事業どうしを比べてください。
1社の説明会を業界全体だと思わない
説明会で語られるのはその会社の、その事業の話です。最低2社は比べてください。
18よくある質問
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、年度によっても変わります。就活サイトのスケジュール記事は一般的な目安であり、個別の会社に当てはまらないことがあります。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。推薦の仕組みを使う場合は、学内の締切が先にあることがあります。
事業部別の募集とは何ですか?
同じ会社でも、事業分野ごとに募集が分かれる形です。この場合、入社時点で扱う製品の分野が決まります。一括採用の場合は配属で決まります。どちらかは募集要項で分かるので、応募の前に確認してください。
志望動機に何を書けばいいですか?
「御社の技術に興味があります」では伝わりません。セグメント情報でその会社がどの事業で稼いでいるかを確認し、中期経営計画でどの領域に力を入れているかを読んでから、どの分野のどんな技術に関心があるかまで書いてください。
家電の話をするのは避けたほうがいいですか?
避ける必要はありませんが、多くの会社で主力は企業向けの事業です。家電の話だけをすると、売上のごく一部の話をすることになります。まずセグメント情報でその会社の事業構成を確認してください。
職種の区分はどう選べばいいですか?
自分の専攻がどの区分に当たるかを募集要項で確認してください。機械、電気、ソフト、生産技術、材料——区分は会社によって違います。応募資格に専攻の指定がある場合は明記されているので、思い込みで諦めず該当する区分を探してください。
推薦の仕組みはありますか?
大学・学科によってあることがあります。対象の会社、手続き、期限は大学ごとに違い、学内の締切が会社より早いことがあります。利用するかどうかで動き方が変わるため、早めに就職担当に確認してください。
研究概要には何を書けばいいですか?
何を課題とし、どう取り組み、何が分かり、どこで詰まり、今後どう進めるか——この流れで書いてください。読むのは必ずしも同じ専門の人ではないため、専門用語には説明を添えてください。成果より進め方が見られます。
専門の筆記試験はありますか?
会社によって行われることがあります。あるかどうか、範囲はどこかは届いた案内で確認してください。案内に記載がなければ、推測せずに問い合わせるか説明会で聞いてください。
文系でも電機メーカーを受けられますか?
受けられます。営業、調達、企画、管理部門があり、会社によっては技術営業に文系から就ける場合もあります。応募資格は募集要項で確認してください。なお製品の話が通じる必要があるため、事業の理解は求められます。
事業の再編が不安です。
電機では事業の売却や統合が行われることがあります。本記事では個別の会社について判断していません。会社が何を注力領域としているかは中期経営計画に書かれているので、自分で確認してください。事業をまたぐ異動の実態はOB・OG訪問で聞くのが確実です。
勤務地について聞いてもいいですか?
聞いて構いません。勤務地、転勤の有無、勤務時間は労働条件の基本です。電機では事業所に工場と開発拠点が併設されていることがあり、設計職でも地方勤務になる可能性があります。
まず何から始めればいいですか?
志望する会社のセグメント情報で事業構成を確認し、募集要項で募集の単位(事業部別か一括か)と職種の区分を確かめるのが早道です。推薦の仕組みがあるかは、早めに大学の就職担当に聞いてください。
19まとめ|事業と区分を先に確認する
- 電機の選考でまず確認するのは「募集の単位」と「職種の区分」です。
- 会社名からは事業が分かりません。セグメント情報で、どの事業が大きいかを確かめてください。
- 志望動機は分野まで降ろしてください。「御社の技術」では伝わりません。
- 家電のイメージだけで話さないでください。多くの会社で主力は企業向けの事業です。
- 研究概要は進め方を書いてください。成果より、どう課題を立て、どう確かめたかです。
- 勤務地を確認してください。事業所は工場と開発が併設で、地方にあることがあります。
- 時期は会社ごとに違います。一般論ではなく、届いた案内で判断してください。
最後に。選考の流れ・時期・方式は会社ごとに異なり、年度によっても変わります。本記事は一般的な整理であり、特定の会社の選考を示すものではありません。通過の基準や倍率についても扱っていません。実際の日程と内容は各社の採用ページと届いた案内でご確認ください。
・電機・電子業界とは|全体像と分野の調べ方
・電機・電子業界の職種|仕事内容の調べ方
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
・選考管理の作り方|進み具合を一覧にする
・会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法
・就活・キャリアの記事一覧