コンサル・シンクタンク業界の調べ方|一次情報の集め方
この業界を調べるなら「公開されているレポート」「サービスの紹介ページ」「組織の成り立ち」の3つから始めてください。レポートを読めば、その組織がどんなテーマを扱い、誰が書いているかが直接分かります。サービスの紹介ページではどの領域に力を入れているかが見えます。成り立ち——金融機関から生まれた、監査の分野から広がった、独立してできた——が性質に表れます。
この業界は、会社が書いたものを直接読めます。
公開されているレポートを読めば、どんなテーマを扱う組織かが分かります。
そして成り立ちが性質に表れます。どこから生まれた組織かを調べてください。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
この業界の3つの情報源。
会社が書いたものが直接読めます
他の業界にはあまりない特徴です。この材料を使ってください。
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02レポートを読む
この業界ならではの材料です。
シンクタンクは調査を公表しています
自らテーマを決めて調べ、まとめて公表する活動があります。読めば何を扱う組織かが分かります。
コンサル会社も資料を出していることがあります
調査や考え方をまとめた資料を公開している会社があります。
論の組み立て方を見てください
どう課題を立て、どう筋道をつけているか。組織の考え方が表れます。
面接で触れられます
「このレポートを読みました」と言えると、調べたことが伝わります。
ただし読んで何を考えたかまで言えるようにしてください。
著者から組織を辿れます
読んだレポートを誰が書いたかを見ると、その人が所属する組織が分かります。
書いた組織の立場を踏まえて読んでください
成り立ちや立場が内容に影響することがあります。複数の組織のレポートを読むと偏りが減ります。
03サービスの紹介と領域
会社の重心が分かります。
サービスの一覧で領域が分かります
戦略、業務、システム、人事・組織、公共——どこに力を入れているかが見えます。
業種ごとの紹介も見てください
どの業種の顧客に向けたサービスを持っているかが分かります。
事例が紹介されていることがあります
どんな仕事をしたかが公表されていることがあります。ただし詳細は伏せられることが多くなります。
採用ページで部門の構成を確認してください
どんな区分で募集しているかが分かります。領域ごとに仕事が違います。
上場している会社なら有価証券報告書も
事業の構成と収益の内訳が分かります。どの領域が大きいかが見えます。
上場していない会社も多い業界です
その場合はレポートとサービスの紹介が中心の材料になります。
04組織の成り立ちを調べる
性質に表れます。
沿革のページを読んでください
どう成り立ってきたかが会社のサイトに書かれています。
調査と助言の比重が違います
自らテーマを決めて調べる活動が中心の組織と、依頼を受けて助言する仕事が中心の組織があります。
公共の領域を扱う組織があります
官公庁や自治体の課題を扱う組織があります。委託した調査の報告書が公的機関のサイトで公開されることがあります。
グループの一員である場合があります
金融や情報のグループに属する組織があります。グループの構成も確認してください。
成り立ちで働き方も変わることがあります
研究に近い働き方をする部門がある組織もあります。採用ページで確認してください。
2社を並べてください
同じ領域を扱う組織でも、成り立ちが違えば性質が違います。その違いが志望動機になります。
05公的機関の資料を使う
この業界を知る材料にもなります。
委託した調査の報告書が公開されます
官公庁が外部に委託した調査の報告書が公開されることがあります。誰が請け負ったかも分かります。
公共の領域の仕事が見えます
報告書を見ると、どんな調査が行われているかが具体的に分かります。
審議会などの資料も読めます
検討の経過が資料として公開されることがあります。委員として関わる人の所属も分かります。
白書と統計は仕事の材料でもあります
この業界の仕事では公的な資料を使います。読み慣れておくと役に立ちます。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を使うと信頼を損ないます。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
公開されているレポートが最大の材料です
その会社の人が書いたものが直接読めます。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
提出書類がない組織もあります
この業界では、有価証券報告書を読めない組織が少なくありません。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
力を入れる領域が書かれます
上場している会社では計画が公表されていることがあります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
領域ごとの紹介を読んでください
戦略、業務、システム、公共——領域によって仕事が違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
官公庁の委託した調査の報告書があります
公的機関のサイトで調査の報告書が公開されることがあります。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
関連する団体があります
調査や研究に関わる団体や機関があります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
レポートの著者から会社を辿れます
読んだレポートを誰が書いたかを見ると、会社が分かります。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ領域どうしで比べてください
戦略とシステムでは前提が違います。同じ領域にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
レポートの立場を踏まえて読んでください
書いた組織の立場や成り立ちが内容に影響することがあります。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
領域ごとに記録を分けてください
戦略、業務、システム、公共、調査——領域ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
読んだレポートについて考えを持ってください
内容を要約するだけでなく、自分がどう思ったかまで用意してください。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
探し方そのものが力になります
必要な資料を自分で探せるかは、この業界で求められる基本の力です。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
公開されているレポート、サービスの紹介ページ、組織の成り立ちの3つです。この業界は会社が書いたものを直接読めるのが特徴なので、この材料を使ってください。
レポートでは何が分かりますか?
扱っているテーマ、書いている人、論の組み立て方、使っているデータ、発行の頻度です。シンクタンクは自らテーマを決めて調べ、まとめて公表する活動があります。コンサル会社も調査や考え方をまとめた資料を公開していることがあります。
レポートはどう読めばいいですか?
どう課題を立て、どう筋道をつけているかを見てください。組織の考え方が表れます。ただし成り立ちや立場が内容に影響することがあるため、複数の組織のレポートを読むと偏りが減ります。
面接でレポートの話をしてもいいですか?
「このレポートを読みました」と言えると調べたことが伝わります。ただし内容を要約するだけでは読んだことの証明にしかなりません。読んで何を考えたかまで用意してください。
サービスの紹介ページでは何が分かりますか?
戦略、業務、システム、人事・組織、公共のどこに力を入れているかが見えます。業種ごとの紹介からはどの業種に強いかが分かり、事例が紹介されていることもあります。
成り立ちはなぜ調べるのですか?
金融機関から生まれた組織、監査の分野から広がった組織、独立してできた会社、情報システムの分野から来た組織、官公庁との関わりが深い組織——成り立ちが性質に表れます。沿革のページに書かれています。
公共の領域の仕事はどう調べますか?
官公庁が外部に委託した調査の報告書が公開されることがあり、誰が請け負ったかも分かります。どんな調査が行われているかが具体的に見えます。審議会などの資料からは、委員として関わる人の所属も分かります。
上場していない会社はどう調べますか?
この業界には上場していない会社も多くあります。その場合はレポートとサービスの紹介が中心の材料になります。採用ページの部門の構成も手がかりです。
白書や統計も読むべきですか?
この業界の仕事では公的な資料を使います。読み慣れておくと役に立ちます。必要な資料を自分で探せるかは、この業界で求められる基本の力でもあります。
知らない組織はどう探せばいいですか?
読んだレポートを誰が書いたかを見ると、その人が所属する組織が分かります。官公庁の委託した調査の報告書からも、請け負った組織が分かります。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
レポートの扱うテーマ、サービスの一覧、成り立ち、採用ページです。上場している会社なら事業の構成と収益の内訳も見られます。戦略とシステムでは前提が違うので、同じ領域にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
読んだレポートについて自分の考えを持ってください。どの領域の、どんなテーマに関わりたいかまで降ろすと話が具体になります。調べても分からなかったことは、説明会で聞くべきことになります。
19まとめ|レポート・サービス・成り立ちの3つから
この業界を調べるなら、公開されているレポート、サービスの紹介ページ、組織の成り立ちの3つから始めてください。
- 会社が書いたものを直接読めます。他の業界にはあまりない材料です。
- 論の組み立て方に組織の考え方が表れます。複数の組織を読んでください。
- 成り立ちが性質に表れます。沿革のページを読んでください。
- 官公庁の委託した調査の報告書も使えます。公共の領域の仕事が見えます。
- 探し方そのものが力になります。この業界で求められる基本の力です。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
・コンサル・シンクタンク業界とは|全体像と分野の調べ方
・コンサル・シンクタンク業界の職種|仕事内容の調べ方
・コンサル・シンクタンク業界の選考|案内から流れを読む
・コンサル・シンクタンク業界の求人票|確認する項目
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
・就活・キャリアの記事一覧