コンサル・シンクタンク業界とは|全体像と分野の調べ方
この業界は6つの分野に分かれています。①戦略系(全社や事業の方針を扱う)、②総合系(アクセンチュア・デロイト トーマツ・アビームコンサルティングなど、構想から実行まで扱う)、③IT・システム系、④シンクタンク(野村総合研究所・三菱総合研究所・日本総合研究所)、⑤専門特化(人事・財務・医療など)、⑥会計系のアドバイザリー。いちばん大事な違いは「構想だけか、実行まで担うか」です…
コンサルタントは、答えを持っている人ではありません。
顧客の会社のほうが、その事業には詳しいのが普通です。それでも依頼されるのは、課題を整理し、根拠を集め、判断できる形にするからです。
つまり売っているのは考え方と、それを支える作業です。ここを理解しないまま志望すると、面接で話が浅くなります。
この記事では、コンサル・シンクタンク業界を6つの分野に分けたうえで、仕事の進み方、職種、選考、働き方まで通しで整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 どんな会社があるか|6つの分野と仕事の中身
- コンサルタントは何をしているか
- 業界の地図|6つの分野
- ①戦略系と②総合系の違い
- ④シンクタンクという分野
- ⑥会計系のアドバイザリー
- プロジェクトという働き方
- 会社の見分け方|レポートを読む
- どの大学から何人入っているか
第2部 どんな仕事があるか|職種・選考・働き方
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
第1部 どんな会社があるか|6つの分野と仕事の中身
01コンサルタントは何をしているか
「経営の課題を解決する」では、まだ説明になっていません。
コンサルティングの仕事の流れ。
決めるのは顧客です
コンサルタントは判断の材料と選択肢を示します。決めるのは顧客の経営者です。
この前提を理解していないと、「自分が会社を変える」という話になり、実際の役割とずれます。
作業量は多い仕事です
資料を読む、データを整える、図表をつくる、説明の資料を書く——地道な作業が積み重なります。
「頭を使う仕事」と言われますが、手を動かす時間が長いのが実際です。
プロジェクト単位で動きます
期間を区切ってチームを組み、終われば解散します。数か月単位のことも、年単位のこともあります。
だから扱うテーマも顧客も変わり続けます。これがこの仕事の特徴です。
02業界の地図|6つの分野
分野によって、扱う課題と関わり方が違います。
| 分野 | 主に扱う課題 | 例 |
|---|---|---|
| ①戦略系 | 全社や事業の方針、新しい事業の方向 | 外資系の戦略ファーム各社 |
| ②総合系 | 方針から業務の設計、システムの導入、実行まで | アクセンチュア、デロイト トーマツ コンサルティング、アビームコンサルティング、ベイカレント・コンサルティング |
| ③IT・システム系 | システムの構想、導入、業務のデジタル化 | 各社、システム会社のコンサル部門 |
| ④シンクタンク | 官公庁向けの調査研究、政策の検討、経済の調査 | 野村総合研究所、三菱総合研究所、日本総合研究所、大和総研 |
| ⑤専門特化 | 人事、財務、医療、環境など特定の領域 | 各分野の専門ファーム |
| ⑥会計系アドバイザリー | 会計、税務、企業の再編に関する助言 | 監査法人のグループ会社 |
「構想だけか、実行まで担うか」
これがいちばん大きな違いです。方針を描いて終わるのか、システムを入れ、業務を変えるところまで関わるのか。
関わる期間も、必要な知識も変わります。
シンクタンクは別の性格を持ちます
シンクタンクの柱の一つは官公庁からの受託による調査研究です。民間企業向けのコンサルティングとは、進め方も成果物も違います。
詳しくは4章で扱います。
上場していない会社が多くあります
この業界には非上場の会社が数多くあります。その場合は有価証券報告書がないため、会社サイトと公開レポートが主な情報源になります。
03①戦略系と②総合系の違い
扱う範囲と、関わる期間が違います。
| 戦略系 | 総合系 | |
|---|---|---|
| 扱う課題 | 方針、事業の選択、新しい方向 | 方針から業務・システム・実行まで |
| 関わる相手 | 経営層が中心 | 経営層から現場まで |
| 期間 | 数か月の案件が中心のことが多い | 年単位の案件もある |
| 組織の規模 | 比較的小さいことが多い | 大きい組織が多い |
| 必要な知識 | 論の組み立て、事業の構造 | 加えて業務、システム、業界の知識 |
総合系は「実行」に強みがあります
方針を決めても、実際に業務が変わらなければ意味がありません。システムを入れ、手順を変え、人が動くところまで関わる——ここが総合系の役割です。
そのためIT・ソフトウェア業界と重なる部分があります。全体像はIT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
戦略系は組織が小さいことが多い
採用の人数も限られることがあります。募集の規模は会社によって大きく違います。
境目は曖昧になっています
戦略系が実行を担うことも、総合系が方針を描くこともあります。分類は目安として使ってください。
実際の中身は、各社の公開レポートと採用ページで確かめてください。
04④シンクタンクという分野
調査と研究が柱にあります。
公共に関わる仕事があります
制度の検討、社会課題の調査、地域の計画——民間企業の利益とは別の軸で動く仕事があります。
「社会の仕組みに関わりたい」という関心があるなら、この分野は選択肢になります。
成果物は報告書です
調査研究では報告書が成果になります。根拠を示し、論を組み立てて書く——この作業が中心になります。
研究で論文を書いた経験がある人には、進め方が近く感じられるはずです。
システムの事業を持つ会社があります
シンクタンクの中にはシステムの開発・運用が事業の大きな柱になっている会社があります。「シンクタンク」という名前だけで判断しないでください。
事業の構成はセグメント情報や会社サイトで確認できます。
公開されている調査を読んでください
各シンクタンクはレポートや調査結果を公開しています。どんなテーマを扱っているかが具体的に分かります。
05⑥会計系のアドバイザリー
監査法人のグループにコンサルティングの会社があります。
監査と助言は別の業務です
監査は法令に基づく業務で、独立性が求められます。コンサルティングとは役割が分かれています。
グループの中でも、どの法人・会社が何を担うかは分かれています。募集要項で確認してください。
買収に関わる調査という仕事
企業を買うとき、相手の財務や事業に問題がないかを調べる業務があります。会計や財務の知識が直接生きる領域です。
会計の資格が関わります
監査の業務には公認会計士の資格が関わります。コンサルティングでは必須とは限りませんが、会計の知識は役に立ちます。
資格の制度は改正されることがあるため、最新の情報は実施団体や公的機関の情報で確認してください。
新卒の募集があります
会計系のグループでも新卒でコンサルティングの職に応募できることがあります。募集要項の区分を確認してください。
06プロジェクトという働き方
この業界の働き方を決めているのは、この仕組みです。
担当は選べないことがあります
どの案件に入るかは会社の割り当てで決まることがあります。関心のある業界に必ず入れるとは限りません。
希望がどの程度考慮されるかは、説明会で聞いてよい質問です。
知らない業界を短期間で学びます
案件が変われば、その業界を短期間で理解する必要があります。調べる力と、要点をつかむ力が求められます。
これを面白いと感じるか、落ち着かないと感じるかは人によります。
働く場所が変わります
案件によって顧客の職場で働くことがあります。自社のオフィスに毎日通うとは限りません。
忙しさは案件によります
働き方は会社と案件によって差が大きいのが実際です。本記事では特定の会社について判断していません。
実際のところは、働いている人に聞くのがいちばん確かです。
07会社の見分け方|レポートを読む
この業界は、公開レポートが最良の資料です。
レポートを2〜3本読んでください
その会社がどんなテーマを扱い、どう論を立てるかが具体的に分かります。会社案内より正直な情報です。
面接で「御社の◯◯というレポートを読みました」と言えると、話が具体的になります。
非上場の会社が多い業界です
有価証券報告書がない場合、会社サイトと公開レポート、採用ページが情報源になります。
足りない部分は説明会で直接聞いてください。
組織の規模を確かめてください
数十人の会社もあれば、数千人の会社もあります。規模によって仕事の進み方も育て方も変わります。
会社の調べ方全般は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
08どの大学から何人入っているか
これは公表されている場合があります。
この数字の使い方
「この大学からは入れる/入れない」という判断には使わないでください。年度によって変わりますし、人数は採用の規模にも左右されます。
使い道はOB・OGがいるかを確かめる材料です。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
選考の進み方を聞いてください
この業界は選考の形式が独特です。ケース面接がある場合、どんな流れだったかを聞けると準備がしやすくなります。
理系の進路も見てください
データを扱う職種やシステムに関わる職種では、理系の学生が進んでいることがあります。研究科の進路資料も確認してください。
第2部 どんな仕事があるか|職種・選考・働き方
09職種と役割の段階
この業界では、役割が段階で定められていることが一般的です。
職種の分かれ方もあります
新卒はまず分析と資料作成から
最初は調べる、整える、つくるという作業が中心になります。ここで基礎を身につけます。
「最初から経営者と議論する」ことは多くありません。この前提を持ってください。
呼び名は会社によって違います
段階の名前も昇進の考え方も会社ごとに違います。募集要項と説明会で確認してください。
10一日の仕事はどう進むか
会議と作業の繰り返しです。
「直す」時間が長い
作った資料は何度も見直され、書き直されます。これは品質を上げるための工程です。
指摘を受けて直すことが続くため、フィードバックを受け止められるかが働きやすさに関わります。
事実に基づくことが求められます
「たぶんこうだと思います」は通りません。どの資料の、どの数字に基づくのかを示す必要があります。
研究で根拠を示して論を立てた経験は、そのまま生きます。
チームで進めます
一人で完結する仕事ではありません。役割を分け、持ち寄り、議論する——この進め方が基本です。
11ケース面接という選考
この業界に特有の選考の形式です。
その場で課題が与えられ、考え方を口頭で組み立てて説明する形式が行われることがあります。
正解を当てる場ではありません
唯一の正解がある問題は多くありません。見られているのは考える過程です。
だから黙り込まずに、考えていることを声に出すことが大切だとよく言われます。
指摘されたら修正してよい
面接官から指摘が入ることがあります。これは議論の一部です。頑なに自説を守るより、受け止めて考え直すほうが自然です。
準備の仕方
身近な題材で「もし自分ならどう分けて考えるか」を練習しておくと、当日落ち着いて臨めます。
練習できる相手がいるなら、声に出して説明する練習をしてください。頭の中だけでは分からない詰まり方が見えます。
会社によって形式が違います
ケース面接がない会社もあります。選考の流れは各社の採用ページで確認してください。
12働き方と評価
会社によって差が大きい部分です。
「激務」という言葉で判断しないでください
働き方は会社と案件によって差があります。近年は働き方の見直しに取り組む会社もあります。
本記事では特定の会社について判断していません。実際に働いている人に聞くのがいちばん確かです。
評価の仕組みを確認してください
役割の段階が定められ、一定の期間ごとに評価される仕組みが一般的です。昇進の考え方は会社によって違います。
これは働き方にも関わるため、説明会で聞いてよい質問です。
研修の仕組みを見てください
入社後に分析や資料作成の基礎を学ぶ研修を用意している会社があります。未経験からどう育てるかは、会社の姿勢が表れる部分です。
転職が多い業界だと言われますが
人の動きについては本記事では判断していません。その会社で何を身につけられるかを自分で確かめてください。
13専攻と職種の関係
専攻を問わない募集が多い業界です。
研究の進め方が直接生きます
問いを立て、資料を集め、根拠を示して論を組み立てる——研究でやってきたことと、この仕事の進め方は近い部分があります。
テーマが一致している必要はありません。進め方を説明できるかが重要です。
理系の専門が生きる案件があります
製造業、エネルギー、医療、データ——専門の知識が必要な案件があります。専門を持っていることは強みになり得ます。
学びの整理の仕方
何を調べ、どう詰まり、どう解いたか——この流れを言葉にしておいてください。整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
14年収を自分で調べる方法
就活サイトの年収ランキングではなく、会社が出している数字を見てください。
| 知りたいこと | どこに載っているか |
|---|---|
| 全従業員の平均年収 | 有価証券報告書【企業の概況】「従業員の状況」の平均年間給与 |
| 初任給 | 各社の募集要項・採用ページ |
| 賞与の回数・時期 | 募集要項 |
| 諸手当 | 募集要項の手当欄 |
| 昇給の時期 | 募集要項 |
平均年間給与の注意点
これは全従業員の平均です。新卒の初任給ではありません。また年齢構成や職種構成で変わります。平均年齢が高い会社は高く出やすく、若い会社は低く出やすい——それだけのことです。
同じ欄に平均年齢と平均勤続年数も載っています。3つをセットで見ると、数字の意味が分かります。
評価と昇進の仕組みを確認してください
この業界では役割の段階(アナリスト、コンサルタント、マネージャーなど)が定められていることが一般的です。段階によって役割も処遇も変わります。
仕組みは会社によって違うため、説明会や募集要項で確認してください。
持株会社の数字に注意してください
持株会社(ホールディングス)の有価証券報告書に載る平均年間給与は、持株会社に所属する社員だけの数字であることがあります。実際に働く事業会社とは別です。誰の数字を見ているのかを、従業員数と合わせて確認してください。
手取りは額面と違います
提示される金額は額面です。ここから税と社会保険料が引かれます。額面だけで生活設計をすると、想定より少なくて驚くことになります。募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
15有価証券報告書の使い方
この業界を調べるときの、いちばん確実な資料です。
上場企業が年に1回、法律に基づいて出す書類です。金融庁のEDINETで誰でも無料で読めます。各社のサイトのIR(投資家向け情報)にも置かれています。
コンサル・シンクタンク業界では、ここを重点的に見てください
①事業の内容——コンサルティング、システム、調査研究——どの事業で成り立っているかが分かります。上場していない会社も多いため、その場合は会社サイトで確認します。
②セグメント情報——上場している会社では、コンサルとシステムの比重などが分かります。
③従業員の状況——従業員数と平均年齢が分かります。組織の規模感をつかむ材料になります。
全部読む必要はありません
最初から通読しようとすると挫折します。上の数か所だけを、志望する2〜3社で読み比べる——これで十分に差が見えます。章の名前や構成は年度・会社によって異なることがあるので、目次から探してください。
16決算説明資料・中期経営計画
有価証券報告書より読みやすく、会社の考えが出ます。
| 資料 | 何が書いてあるか | どこにあるか |
|---|---|---|
| 決算説明資料 | 直近の業績と、その理由の説明 | 会社サイトのIR |
| 中期経営計画 | 数年先に何をやろうとしているか | 会社サイトのIR |
| 統合報告書 | 事業の考え方、人材、環境への取り組み | 会社サイトのIR |
| 質疑応答の要旨 | 投資家が何を気にしているか | IRに掲載される場合がある |
中期経営計画が志望動機の材料になります
ここには「これから何に力を入れるか」が書かれています。同じ分野の2社の計画を読み比べると、重点の置き方の違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。会社が自分で書いていることなので、外れません。
図が多いので入りやすい
決算説明資料はスライド形式で、図表が中心です。専門用語の解説が付いていることもあり、業界用語を覚える教材としても使えます。まず決算説明資料を読み、興味が出たら有価証券報告書で裏を取る——この順番が効率的です。
非上場の会社の場合
非上場だと有価証券報告書がありません。その場合は会社サイトの会社概要、採用ページ、プレスリリースが主な情報源になります。情報が少ない会社では、説明会や面接で直接聞くのが確実です。聞いて失礼になる内容ではありません。
17業界団体と官庁の資料
業界全体の話を確かめたいときに使います。
使い方は「裏取り」です
就活で統計を暗記する必要はありません。使うのはニュースや説明会で聞いた話が本当かを確かめるときです。面接で業界の話をするときも、出どころを言える情報のほうが強くなります。「ニュースで見た」より「協会の資料で見た」のほうが確かです。
公開レポートがいちばんの情報源です
コンサルティング会社やシンクタンクはレポートや調査を公開しています。会社案内より、その会社が何を考えているかがよく分かります。
志望する会社のレポートを2〜3本読んでください。扱うテーマと、論の組み立て方が見えます。
ニュースの読み方
記事の出どころ(誰が発表したか)をたどる癖をつけてください。発表元の資料に当たれば、記事で省かれた条件や前提が分かります。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。
18業界用語|最低限これだけ
説明会や選考で前提として使われる言葉です。
言葉を使うより、中身を説明できることです
面接で専門用語を並べる必要はありません。自分の言葉で説明できるかが見られます。
用語は、相手の話を理解するために知っておけば十分です。
19公開レポートの読み方
この業界を調べるいちばん実用的な方法です。
2社のレポートを比べてください
同じテーマでも、扱い方が違うことがあります。その違いに、その会社の考え方が表れます。
これが「なぜこの会社か」の材料になります。
シンクタンクの報告書も読めます
官公庁向けの調査は公開されていることがあります。どんな調査をしているかが具体的に分かります。
読み方の練習にもなります
レポートを読むことは、そのまま選考の準備になります。論の立て方、図表の使い方——仕事で求められる形がそこにあります。
ニュースの読み方も変わります
出どころをたどる癖がつくと、情報の扱い方が変わります。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
20インターンシップの探し方
分野によって、探す場所が変わります。
選考の時期が早いことがあります
この業界では早い時期に選考が行われることがあります。関心があるなら、早い段階で各社のサイトを確認してください。
ケース面接という選考があります
その場で与えられた課題について、考え方を口頭で組み立てる形式の選考が行われることがあります。詳しくは11章で扱います。
シンクタンクは別の準備が要ります
官公庁向けの調査研究を柱とするシンクタンクでは、調査や分析の関心が見られることがあります。コンサルとは準備の仕方が変わります。
参加できなくても不利になるとは限りません
インターンと選考の関係は会社によって違い、案内に記載がある場合はその記載が基準です。記載のないことを推測で補わないでください。選び方はインターンの選び方|条件で絞るで扱っています。
21志望動機の材料を集める
材料が足りないまま書こうとするから、書けません。
同じ分野の2社を読み比べてください
1社だけ読んでも、その会社の特徴は分かりません。同じ分野の2社の中期経営計画を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
「成長したい」だけでは足りません
この業界の志望動機で最も多い型です。ただ、それは会社を選んだ理由になりません。
一段具体的にするには、その会社がどの領域に強く、どんなテーマのレポートを出しているかまで降りてください。公開レポートを読めば分かります。
書いたあとの確認
会社名を同じ分野の別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
22選考で確認すること
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
確認事項は事前に書き出しておく
説明会や面接の場で思い出そうとしても出てきません。会社ごとに確認事項をメモしておくと、聞きそびれが減ります。
聞いても失礼にならない質問です
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。遠慮せず確認してください。記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認する
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
23選考の時期の考え方
会社ごとに違い、年度によっても変わります。
就活サイトに載っているスケジュールは一般的な目安であり、個別の会社に当てはまるとは限りません。
職種・部門別に募集されることがあります
戦略、業務、IT、データ、人事——領域ごとに募集を分ける会社があります。部門によって仕事も選考も違います。
併願が可能かどうかも含め、募集要項で確認してください。
締切は一覧で管理してください
複数の分野・複数の会社に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、応募した日、次の予定、締切の4つを1枚にまとめておけば、出し忘れは防げます。管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
24向き不向きの考え方
性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。
「成長できるから」は動機になりません
成長はどの仕事でもできます。何を身につけたいのか、そのためになぜこの仕事か——ここまで言葉にしてください。
手を動かす時間が長い仕事です
戦略を描く仕事という印象がありますが、資料を読み、数字を整え、図表をつくる時間が相当あります。
この作業を面白いと感じられるかが、実際の適性に近い問いです。
本記事では向き不向きの判断はしていません
上の表は仕事の性質を整理したものであり、適性の診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
25他の業界と迷ったとき
「課題を解く」仕事は、他にもあります。
「助言する側」か「実行する側」か
コンサルタントは支える立場です。自分で決めて動かしたいなら、事業会社や商社のほうが近いかもしれません。
商社業界は商社業界とは|全体像と分野の調べ方、IT・ソフトウェア業界はIT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
比べる項目を先に決めてください
項目が多すぎると決まりません。自分が譲れない項目を3つに絞ると判断しやすくなります。比べ方は志望企業の絞り方|条件を言葉にしてから選ぶで扱っています。
26やらない方がいいこと
この業界の選考でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 「成長したい」で止める | 会社を選んだ理由にならない |
| 「経営者になりたいから」と言う | 手段としてしか見ていないと受け取られることがある |
| 公開レポートを読まない | その会社が何を考えているか分からないまま話すことになる |
| 分野の違いを知らない | 戦略・総合・シンクタンクでは仕事が違う |
| ケース面接で黙り込む | 考える過程が見られている。沈黙は伝わらない |
| 根拠のない断定をする | 事実に基づくことが求められる仕事である |
「将来独立したい」は言い方に注意
率直に話すこと自体は悪くありませんが、その会社で何をしたいかが抜けると、動機として弱くなります。
1社の説明会を業界全体の話だと思わない
説明会で語られるのはその会社の話です。分野が違えば前提が違います。最低2社は比べてください。
27相談できる窓口
一人で抱えないでください。
ゼミの先輩が進んでいることがあります
経済・経営・法律のゼミでは、この業界に進んだ先輩がいることがあります。選考の進み方を聞ける相手として貴重です。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。
28よくある質問
コンサルタントは具体的に何をするのですか?
課題を定め、事実とデータを集め、整理し、選択肢を示し、資料にまとめて説明します。決めるのは顧客の経営者で、コンサルタントは判断の材料と選択肢を示す立場です。資料を読み、数字を整え、図表をつくるという手を動かす作業が仕事の相当部分を占めます。
戦略系と総合系はどう違いますか?
扱う範囲と期間が違います。戦略系は全社や事業の方針を扱い、経営層が中心の相手になります。総合系は方針から業務の設計、システムの導入、実行まで関わり、現場とも接します。ただし境目は曖昧になっており、分類は目安として使ってください。
シンクタンクとコンサルは何が違いますか?
シンクタンクの柱の一つは官公庁などから受託する調査研究で、成果物は報告書です。制度の検討支援や経済の調査を行います。民間企業向けのコンサルティングとは進め方も成果物も異なります。なおシンクタンクの中にはシステムの事業が大きい会社もあるので、事業構成を確認してください。
ケース面接とは何ですか?
その場で課題が与えられ、考え方を口頭で組み立てて説明する形式の選考です。唯一の正解を当てる場ではなく、課題の捉え方、論点の分け方、根拠のある前提の置き方、指摘を受けて修正できるかが見られます。黙り込まず、考えていることを声に出すことが大切だとよく言われます。会社によっては行われないこともあります。
文系でも大丈夫ですか?
専攻を問わない募集が多い業界です。ただし数字を扱い、根拠を示して論を組み立てる必要があります。ゼミや研究で問いを立て、資料を集め、結論を導いた経験があるなら、それがそのまま材料になります。
理系でも入れますか?
入れます。データ分析やシステムに関わる職種があり、製造業・エネルギー・医療など専門の知識が必要な案件もあります。研究の進め方(問いを立て、検証し、結論を出す)はこの仕事と近い部分があります。
激務だと聞きますが本当ですか?
働き方は会社と案件によって差があり、本記事では特定の会社について判断していません。近年は働き方の見直しに取り組む会社もあります。勤務時間の仕組みは募集要項で確認し、実際のところは働いている人に聞くのが確かです。
未経験でも入社後にやっていけますか?
新卒はまず調査、分析、資料作成という基礎から始めるのが一般的です。入社後の研修を用意している会社もあります。研修の内容と期間は採用ページで確認してください。未経験からどう育てるかは、会社の姿勢が表れる部分です。
どの業界の案件に入れますか?
案件への割り当ては会社が決めることが多く、関心のある業界に必ず入れるとは限りません。希望がどの程度考慮されるかは説明会で聞いてよい質問です。逆に、案件ごとに業界が変わるため、幅広い業界に触れられるという面もあります。
公認会計士の資格は必要ですか?
監査の業務には公認会計士の資格が関わりますが、コンサルティングでは必須とは限りません。会計や財務の知識は役に立ちます。資格の制度は改正されることがあるため、最新の情報は実施団体や公的機関の情報で確認してください。
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、この業界では早い時期に選考が行われることがあります。部門別に募集される場合は部門ごとに進み方が違うこともあります。関心があるなら早めに各社の採用ページを確認してください。
まず何から読めばいいですか?
志望する会社の公開レポートを2〜3本読むのが早道です。扱うテーマと論の組み立て方が具体的に分かります。非上場の会社が多いため、会社サイトと採用ページも主要な情報源になります。
この記事に載っていない会社もありますか?
あります。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、網羅した一覧ではありません。また推奨や順位付けでもありません。特定の領域に強い専門のファームや、規模の小さい会社も数多くあります。
29まとめ|分野を決めて、レポートを読む
この業界は6つの分野に分かれています。①戦略系、②総合系、③IT・システム系、④シンクタンク、⑤専門特化、⑥会計系アドバイザリー。
いちばん大きな違いは「構想だけか、実行まで担うか」です。関わる期間も必要な知識も変わります。
決めるのは顧客です。コンサルタントは判断の材料と選択肢を示す立場です。この前提を理解してください。
手を動かす時間が長い仕事です。資料を読み、数字を整え、図表をつくり、何度も直す。ここに時間がかかります。
プロジェクト単位で動きます。テーマも顧客も変わり続けます。知らない分野を短期間で学ぶ力が要ります。
シンクタンクは別の性格を持ちます。官公庁向けの調査研究が柱で、成果物は報告書です。
公開レポートを読んでください。その会社が何を考えているかが、いちばん具体的に分かる資料です。
最後に。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。網羅した一覧でもありません。働き方や処遇は会社によって大きく異なるため、各社の募集要項と説明会でご確認ください。売上・年収などの数値と企業の将来性、向き不向きは扱っていません。
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・商社業界とは|全体像と分野の調べ方
・銀行業界とは|全体像と分野の調べ方
・業界の調べ方|全体像をつかむ順番
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