就活・キャリア 更新 2026.09.23 この記事にはPRを含みます

銀行業界とは|全体像と分野の調べ方

結論

銀行業界は6つの分野に分かれています。①メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ・三井住友フィナンシャルグループ・みずほフィナンシャルグループ)、②信託銀行、③地方銀行、④信用金庫・信用組合、⑤ネット銀行、⑥政府系金融機関(日本政策金融公庫など)。どの分野かで、顧客も仕事も転勤の範囲も変わります。そして銀行の収益は①貸して得る利息、②サービスの手数料、③市場での運用の…

34分読み終わるまで
32章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.23
ADVERTISEMENT

銀行の仕事は、お金を預かって貸すことです。

これだけ聞くと単純に思えます。しかし実際には、貸してよい相手かを見極め、条件を決め、返ってくるまで見届ける——という判断の連続です。

そしてこの業界は制度の上に成り立っています。何ができて何ができないかが、法令で決まっています。

この記事では、銀行業界を6つの分野に分けたうえで、収益の仕組み、部門と職種、資格、働き方、選考での確認事項まで通しで整理します。

この記事について:本記事は就職活動のための業界の案内で、金融商品を勧めるものではありません。出てくる名称は「その分野にこういう金融機関がある」という例で、順位付けでも推奨でもありません。売上・シェア・年収などの数値は書いていません。(詳しい注記は記事の最後にあります)

この記事を7枚で

1 / 7
業界の地図|6つの…銀行はどこで収益…融資の判断という…法人と個人|顧客…③地方銀行/④信用…この記事

この記事の流れ

銀行業界とは

銀行業界は6つの分野に分かれています。

1
「銀行」と一括りにできませんメガバンクと信用金庫では、顧客も、扱う金額も、転勤の範囲も違います。
2
ほかにも金融機関がありますゆうちょ銀行、農林中央金庫、労働金庫など、それぞれ成り立ちと役割の違う機関…
3
持株会社と銀行を区別してくださいメガバンクは持株会社(フィナンシャルグループ)の下に、銀行、信託銀行、証券…

業界の地図|6つの分野

まずこの表を頭に入れてください。

メガバンクと信用金庫では、顧客も、扱う金額も、転勤の範囲も違います。同じ「銀行員」という言葉でも、日々の仕事は別物です。ゆうちょ銀行、農林中央金庫、労働金庫など、それぞれ成り立ちと役割の違う機関があります。

1
金利の動きが業績に影響します①は金利の水準に左右されます。金利が動けば、貸出と預金の利息の差も変わりま…
2
手数料の比重を高める動きがあります各行は②の手数料による収益を増やす方針を掲げることがあります。
3
「どこで稼いでいるか」を確かめてください各行のディスクロージャー誌や決算説明資料には、収益の内訳が示されています。

銀行はどこで収益を得ているか

ここを知らないと、志望動機が書けません。

①は金利の水準に左右されます。金利が動けば、貸出と預金の利息の差も変わります。ただし、将来の金利については誰にも断言できません。その銀行が環境の変化にどう備えているかを、中期経営計画で読んでください。

1
営業と審査は分かれています貸したい営業と、慎重に見る審査——この2つが分かれているのが銀行の仕組みで…
2
決算書が読めるようになります企業の決算書を読み、お金の流れを理解する——これは銀行の仕事の基本です。
3
貸すだけが仕事ではありません企業の相談は資金だけではありません。事業の承継、販路の紹介、経営の課題——…

融資の判断という中核業務

銀行の仕事の中心は「貸してよいかを判断すること」です。

貸したい営業と、慎重に見る審査——この2つが分かれているのが銀行の仕組みです。一人の判断で決まりません。この仕組みがあるから、根拠を示して説明する力が求められます。

1
法人向けは「相手の事業を知る」仕事です融資の判断にはその会社が何で稼いでいるかの理解が要ります。
2
個人向けは制度の正確さが要ります個人のお客様への説明には、法令上の決まりがあります。
3
どちらに配属されるかは会社によります入社後の配属は会社の方針によります。どちらの可能性もあるのが一般的です。

法人と個人|顧客が違えば仕事が違う

銀行の仕事は、大きくこの2つに分かれます。

融資の判断にはその会社が何で稼いでいるかの理解が要ります。だから業界の知識が必要になり、幅広い産業に触れることになります。「いろいろな業界を見たい」という動機の人には、この点が合います。

1
地元で働きたい人の選択肢です全国転勤がない、または範囲が限られる——これは生活の形に直結する違いです。
2
取引先との距離が近い地域の金融機関では、経営者と直接やりとりする機会が多くなります。
3
地域経済とともにあります地域の産業が元気なら金融機関も業務が広がり、そうでなければ課題が生まれます。

③地方銀行/④信用金庫|地域と結びつく

地域に根ざした金融機関です。

全国転勤がない、または範囲が限られる——これは生活の形に直結する違いです。地元で働き続けたいなら、大きな要素になります。ただし異動の範囲は機関によって違うので、募集要項で確認してください。

1
まずこの表を頭に入れてください。業界の地図|6つの分野
2
ここを知らないと、志望動機が書けません。銀行はどこで収益を得ているか
3
銀行の仕事の中心は「貸してよいかを判断すること」です。融資の判断という中核業務
4
銀行の仕事は、大きくこの2つに分かれます。法人と個人|顧客が違えば仕事が違う

まとめ

この記事の要点

①メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ・三井住友フィナンシャルグループ・みずほフィナンシャルグループ)、②信託銀行、③地方銀行、④信用金庫・信用組合、⑤ネット銀行、⑥政府系金融機関(日本政…

記事を読む

第1部 どんな銀行があるか|6つの分野と収益の仕組み

就活の相談先をお探しなら
PR就活エージェント
UZUZ 新卒(就職エージェント)
こんな人に一人で就活を進めるのが不安で、ES・面接まで個別に相談したい人
無料で就活相談を予約 →

01業界の地図|6つの分野

まずこの表を頭に入れてください。

分野 特徴 例
①メガバンク 全国・海外に展開。大企業から個人まで幅広く扱う 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ
②信託銀行 銀行業務に加え、資産の管理・承継・不動産などを扱う 三井住友トラスト・ホールディングス、三菱UFJ信託銀行
③地方銀行 特定の地域を基盤とする。地元企業との関係が深い 各県の地方銀行
④信用金庫・信用組合 地域の中小企業・個人が中心。会員・組合員制 各地の信用金庫・信用組合
⑤ネット銀行 店舗を持たず、インターネットで取引する 住信SBIネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行、auじぶん銀行
⑥政府系金融機関 政策に基づく金融を担う 日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫、国際協力銀行

「銀行」と一括りにできません

メガバンクと信用金庫では、顧客も、扱う金額も、転勤の範囲も違います。同じ「銀行員」という言葉でも、日々の仕事は別物です。

ほかにも金融機関があります

ゆうちょ銀行、農林中央金庫、労働金庫など、それぞれ成り立ちと役割の違う機関があります。銀行を志望するなら、これらも選択肢に入ります。

持株会社と銀行を区別してください

メガバンクは持株会社(フィナンシャルグループ)の下に、銀行、信託銀行、証券会社などが並ぶ形です。

どの会社が採用の主体かは、採用ページと募集要項で確認してください。グループ一括の採用か、会社ごとかで応募先が変わります。

02銀行はどこで収益を得ているか

ここを知らないと、志望動機が書けません。

預ける人借りる人・企業銀行預金を受け入れる収益の3本柱①貸して得る利息と預金の利息の差②サービスの手数料③市場での運用

銀行の基本の仕組み。収益は3つの流れからできている。

収益の柱 中身
①資金利益 貸出などで受け取る利息と、預金などで支払う利息の差
②役務取引等収益 送金、投資信託や保険の販売、法人向けの各種サービスなどの手数料
③市場部門の収益 国債などの有価証券の運用、為替や金利の取引

金利の動きが業績に影響します

①は金利の水準に左右されます。金利が動けば、貸出と預金の利息の差も変わります。

ただし、将来の金利については誰にも断言できません。その銀行が環境の変化にどう備えているかを、中期経営計画で読んでください。

手数料の比重を高める動きがあります

各行は②の手数料による収益を増やす方針を掲げることがあります。法人向けの各種サービス、資産に関する相談などが含まれます。

この方針は仕事の中身に直結します。どんなサービスに力を入れるかで、日々の仕事が変わるからです。

「どこで稼いでいるか」を確かめてください

各行のディスクロージャー誌や決算説明資料には、収益の内訳が示されています。志望する銀行がどの柱に重心を置いているかを確認してください。

これが分かると、志望動機が具体的になります。

03融資の判断という中核業務

銀行の仕事の中心は「貸してよいかを判断すること」です。

1①相談を受ける企業から資金の必要性と使いみちを聞く
2②調べる決算書、事業の内容、業界の状況、資金の流れを確認する
3③組み立てる金額、期間、返済の方法、条件を検討する
4④審査営業の担当とは別に、審査の部門が判断する
5⑤実行契約を結び、資金を提供する
6⑥管理その後の業況を確認し、必要に応じて対応する

営業と審査は分かれています

貸したい営業と、慎重に見る審査——この2つが分かれているのが銀行の仕組みです。一人の判断で決まりません。

この仕組みがあるから、根拠を示して説明する力が求められます。「この会社は大丈夫だと思います」では通りません。

決算書が読めるようになります

企業の決算書を読み、お金の流れを理解する——これは銀行の仕事の基本です。入社後の研修で学ぶのが一般的です。

簿記の知識があると理解が早くなります。ただし入社前に必須ではありません。

貸すだけが仕事ではありません

企業の相談は資金だけではありません。事業の承継、販路の紹介、経営の課題——こうした相談に応じる業務も広がっています。

各行がどんな支援に力を入れているかは、ディスクロージャー誌や中期経営計画に書かれています。

04法人と個人|顧客が違えば仕事が違う

銀行の仕事は、大きくこの2つに分かれます。

法人向け 個人向け
相手 企業、事業者、官公庁 個人のお客様
主な内容 融資、決済、資金管理、各種の相談 預金、住宅の資金、資産に関する相談
求められること 事業と数字の理解、提案の組み立て 制度の正確な説明、事情の聞き取り
1件の規模 大きい。関わる期間が長い 件数が多い

法人向けは「相手の事業を知る」仕事です

融資の判断にはその会社が何で稼いでいるかの理解が要ります。だから業界の知識が必要になり、幅広い産業に触れることになります。

「いろいろな業界を見たい」という動機の人には、この点が合います。

個人向けは制度の正確さが要ります

個人のお客様への説明には、法令上の決まりがあります。とくに資産に関する商品では、説明すべき事項が定められています。

なお本記事は個別の商品を勧めるものではありません。制度の詳細は公的機関の情報で確認してください。

どちらに配属されるかは会社によります

入社後の配属は会社の方針によります。どちらの可能性もあるのが一般的です。希望がどの程度考慮されるかは、説明会で聞いてよい質問です。

05③地方銀行/④信用金庫|地域と結びつく

地域に根ざした金融機関です。

地方銀行 信用金庫・信用組合
成り立ち 株式会社 会員・組合員による組織
主な取引先 地域の企業と個人 地域の中小企業と個人
営業の範囲 基盤とする地域が中心 定められた地区が中心
転勤 基盤地域の中での異動が中心 地区内の異動が中心

地元で働きたい人の選択肢です

全国転勤がない、または範囲が限られる——これは生活の形に直結する違いです。地元で働き続けたいなら、大きな要素になります。

ただし異動の範囲は機関によって違うので、募集要項で確認してください。

取引先との距離が近い

地域の金融機関では、経営者と直接やりとりする機会が多くなります。会社の歴史も家族の事情も含めて相談を受けることがあります。

「人と深く関わりたい」という動機なら、この点が合うかもしれません。

地域経済とともにあります

地域の産業が元気なら金融機関も業務が広がり、そうでなければ課題が生まれます。地域の状況と一体の事業です。

志望するなら、その地域にどんな産業があるかを調べてください。ディスクロージャー誌に取引先の業種の構成が示されていることがあります。

06⑤ネット銀行/⑥政府系金融機関

成り立ちが違う金融機関です。

分野 特徴 例
ネット銀行 店舗を持たず、システムとサービスの設計が事業の中心 住信SBIネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行、auじぶん銀行
政府系金融機関 政策に基づく金融を担う。民間を補う役割 日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫、国際協力銀行

ネット銀行は「つくる」仕事の比重が高い

窓口がないぶん、サービスの設計、システム、データの活用が仕事の中心になります。情報系の学生にとって入口になる分野です。

異業種から生まれた銀行もあり、グループの事業と結びついたサービスを展開していることがあります。

政府系は役割が定められています

政府系の金融機関は、法令で役割が定められています。創業期の支援、災害時の対応、大きな事業への長期の資金——民間だけでは対応しにくい部分を担います。

「公共性のある仕事がしたい」という動機なら、検討する価値があります。

採用の枠は限られることがあります

政府系の機関は採用の人数が限られることがあります。募集の時期や方法も一般の企業と異なる場合があるため、各機関のサイトで確認してください。

求められることが違います

民間の銀行とは判断の基準が違う部分があります。何を重視する機関かは、各機関が公表している資料に書かれています。

07規制とコンプライアンス|この業界の前提

銀行は、法令の上で動いています。

1業務の範囲銀行が行える業務は法令で定められている
2健全性自己資本などについて基準が定められている
3説明義務顧客への説明について決まりがある
4不正の防止取引の確認や記録に関する決まりがある
5個人情報顧客情報の取り扱いに関する決まりがある

「決まりを守る」が仕事の一部です

手続きが多い、書類が厳密——と言われることがありますが、これはお金と情報を扱うことの裏返しです。

この前提に納得できるかどうかは、向き不向きに関わります。

専門の部門があります

法令への対応を担うコンプライアンスやリスク管理の部門があります。専門性の高い仕事で、法律を学んだ人が生きる分野です。

制度は改正されます

金融に関する制度は見直されることがあります。数年前の書籍の説明が現状と合っていないことがあるため、金融庁などの公的機関の情報で確認してください。

面接で制度の話をするときの注意

うろ覚えの制度の話は避けてください。正確でない説明は、かえって印象を悪くします。触れるなら出どころを言える範囲にとどめてください。

08銀行を支えるシステム

銀行は、巨大な情報システムの上で動いています。

預金の記録、振込、引き落とし、ATM——すべてがシステムで処理されています。止まると社会が困る仕組みです。

1基幹のシステム口座と取引を管理する中核の仕組み
2決済の仕組み銀行間の資金のやりとりを担う
3アプリ・オンライン顧客が使う画面とサービス
4データの活用取引の情報を分析し、業務に生かす
5セキュリティ不正や障害から守る

情報系の学生の入口です

銀行にはシステム部門があり、情報系の専攻を生かせます。募集で「システムコース」などの区分を設けている会社があります。

また、銀行のシステムを手がけるグループのIT会社が採用を行っていることもあります。

「止めない」ことが最優先です

銀行のシステムは社会の基盤です。だから新しさより確実さが重視され、手順と検証が徹底されます。

この文化を理解しておくと、面接での受け答えがずれません。

デジタル化の取り組み

各行がアプリの改善、手続きの電子化、データの活用に取り組んでいます。何に力を入れているかは中期経営計画に書かれています。

志望動機の材料として、具体的に読んでください。

09店舗と働き方の変化

銀行の店舗のあり方は見直しが進められています。

1店舗の見直し店舗の数や機能を再編する
2手続きの電子化来店しなくてもできる手続きを増やす
3相談機能の強化窓口を相談の場として位置づける
4業務の効率化事務をまとめる、自動化する

仕事の中身が変わりつつあります

事務の比重が下がり、相談や提案の比重が上がる方向が各行の資料で語られています。

これは求められることが変わるということでもあります。志望する銀行がどんな方針かを、中期経営計画で確認してください。

採用の人数や区分も見直されることがあります

各行が採用の方針を見直すことがあります。過去の情報をそのまま前提にしないでください。最新の募集要項を見るのが確実です。

本記事では見通しを判断しません

この業界の将来や採用の見通しについて、本記事では判断していません。会社が何を課題とし、どう備えているかを、会社自身の資料で読んでください。

店舗に行ってみてください

志望する銀行の店舗に入ると、どんな窓口があり、どんな案内が置かれているかが分かります。会社の方針が形になっている場所です。

10再編の歴史とグループの見方

銀行の名前は、統合の結果です。

いまの銀行の多くは複数の銀行が統合してできています。名前が長かったり、複数の地名が入っていたりするのはこのためです。

1どの銀行が統合してできたか会社サイトの「沿革」
2グループにどんな会社があるか会社サイトのグループ構成
3採用の主体はどの法人か採用ページ、募集要項
4基盤とする地域ディスクロージャー誌、店舗一覧

グループには銀行以外の会社があります

証券会社、信託銀行、リース会社、カード会社、コンサルティング会社——グループ内にさまざまな機能があることがあります。

「銀行に入る」といっても、グループのどの会社かで仕事が変わります。

地域の金融機関も再編があります

地方銀行や信用金庫でも統合や提携が行われることがあります。最新の状況は各行のサイトで確認してください。

沿革は志望動機の材料になります

その銀行がどんな経緯でいまの形になったかを知ると、地域や顧客との関係が見えてきます。会社の調べ方全般は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。

11どの大学から何人入っているか

これは公表されている場合があります。

1大学の就職実績自分の大学から、どの金融機関に何人就職しているか
2学部ごとの進路資料文系・理系それぞれの進路先
3キャリアセンターの資料過去の応募状況、OB・OG名簿

この数字の使い方

「この大学からは入れる/入れない」という判断には使わないでください。年度によって変わりますし、人数は採用の規模にも左右されます。

使い道はOB・OGがいるかを確かめる材料です。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。

地域の金融機関は地元の大学に実績があります

地方銀行や信用金庫は、その地域の大学から多く採用していることがあります。地元の大学に通っているなら、キャリアセンターに情報が集まっている可能性があります。

先輩に聞くべきこと

初任配属がどう決まったか、いまどんな仕事をしているか、資格をいつ取ったか——資料では分からないことを聞いてください。

第2部 どんな仕事があるか|部門・職種・働き方

12部門と職種の全体像

銀行の仕事は、支店だけではありません。

1法人営業企業の相談に応じ、融資や各種のサービスを提案する
2個人営業・窓口個人のお客様の相談に応じ、手続きを行う
3審査融資の可否と条件を判断する
4市場部門有価証券の運用、為替・金利の取引を行う
5投資銀行業務企業の資金調達や事業の再編に関わる業務
6リスク管理与信・市場・業務のリスクを管理する
7コンプライアンス法令の遵守の体制を整える
8システム基幹のシステムやサービスを設計・運用する
9事務・オペレーション取引の処理を正確に行う仕組みを回す
10企画・管理経営の計画、財務、人事、広報
11海外海外拠点での業務、国際的な取引

多くの人が支店から始まります

新卒では支店に配属されることが多いのが一般的です。そこで顧客と接し、業務の基本を学びます。

その後、本部や専門の部門に移る道があります。どんなキャリアの進み方があるかは、採用ページのキャリアパスの項目で確認できます。

コース別の採用があります

総合職、地域限定、専門分野——コースを分けて募集する銀行があります。コースによって転勤の範囲や仕事の幅が変わります。

この違いは生活にも関わるため、募集要項のコース区分を必ず確認してください。

13支店の仕事の実際

支店は、銀行の顧客と接する場所です。

1訪問取引先を訪ね、事業の状況や資金の予定を聞く
2提案の準備決算書を読み、条件を検討し、稟議の資料をつくる
3社内の手続き審査部門に説明し、承認を得る
4実行・手続き契約と資金の手続きを正確に行う
5窓口対応来店したお客様の手続きや相談に応じる
6管理取引先の状況を継続的に確認する

「調べて、書いて、説明する」仕事です

訪問して話を聞くだけではありません。社内で承認を得るための資料をつくる時間が相当あります。

この点を知らずに「人と話す仕事」と思って入ると、ギャップが生まれます。

数字を扱います

決算書を読み、資金の流れを追い、条件を計算する——数字の仕事です。文系出身者が多い業界ですが、数字を避ける業界ではありません。

正確さが最優先です

お金を扱うため、間違いが許されない手続きがあります。確認の手順が定められているのはこのためです。

丁寧に確認することが苦にならないかどうかは、向き不向きに関わります。

14資格|入社後に取るものが多い

金融機関では、業務に関わる資格が多くあります。

資格 どんな場面で関わるか
証券外務員 有価証券に関する業務を行う際に必要とされる
ファイナンシャル・プランニング関連 個人のお客様の相談に関わる知識
簿記 決算書を読むための基礎
銀行業務に関する検定 融資、法務、税務などの業務知識
宅地建物取引士 不動産に関わる業務で生きる場合がある

入社後に取得するのが一般的です

多くの銀行では入社後に計画的に資格を取得します。研修や受験費用の補助を設けている会社があります。

制度の有無は採用ページの研修・福利厚生の欄で確認できます。

学生のうちに取るなら

必須ではありませんが、簿記やファイナンシャル・プランニング関連の知識は、業界の理解を助けます。

資格名を並べるより、なぜその勉強をしたのかを説明できるかが大切です。

入社後の勉強は続きます

制度が変われば知識の更新が必要になります。学び続けることが前提の業界だと考えてください。

この点は、面接で聞かれたときの答えにも使えます。

15勤務地と転勤

分野とコースで、動き方が大きく変わります。

1メガバンク(総合職)全国、海外の可能性がある
2メガバンク(地域限定)コースで定められた範囲
3地方銀行基盤とする地域の中での異動が中心
4信用金庫・信用組合定められた地区の中での異動が中心
5ネット銀行・政府系拠点の配置による

コースの違いを必ず確認してください

同じ銀行でも、コースによって転勤の範囲が違います。これは生活の形に直結します。

コース間の変更ができるかどうかも、会社によって違います。募集要項と説明会で確認してください。

住まいの制度を見てください

転勤がある場合、社宅や家賃補助の制度は生活費に直結します。福利厚生のページと募集要項で確認してください。

海外で働く道

メガバンクや政府系の機関には海外の拠点があります。海外で働く機会があるかは、拠点の配置と会社の方針によります。

語学の要否や、どんな人が海外に行くかは、説明会で聞いてよい質問です。

16専攻と職種の関係

文系・理系の両方に入口があります。

1経済・経営・商法人営業、審査、市場、企画
2法律コンプライアンス、法務、審査、事業承継に関わる業務
3情報システム、データの活用、サービスの設計
4数学・統計市場部門、リスク管理、データ分析
5理工系システム、リスク管理、法人営業(技術の理解が生きる)
6その他の文系営業、企画、管理部門

理系の学生にも道があります

システム、リスク管理、市場部門——数理やITの知識が生きる領域があります。専門のコースを設けている銀行があります。

また、技術のある企業を相手にする法人営業では、理系の知識が理解を助けます。

専攻を問わない募集が多い

この業界は専攻を問わない募集が多くあります。ただし入社後に法令、会計、金融の知識を学ぶ必要があります。

学びの整理の仕方

ゼミや研究で何を調べ、どう考えたかは材料になります。整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。

第3部 自分で調べる|一次資料と年収

17年収を自分で調べる方法

就活サイトの年収ランキングではなく、会社が出している数字を見てください。

知りたいこと どこに載っているか
全従業員の平均年収 有価証券報告書【企業の概況】「従業員の状況」の平均年間給与
初任給 各社の募集要項・採用ページ
賞与の回数・時期 募集要項
諸手当 募集要項の手当欄
昇給の時期 募集要項

平均年間給与の注意点

これは全従業員の平均です。新卒の初任給ではありません。また年齢構成や職種構成で変わります。平均年齢が高い会社は高く出やすく、若い会社は低く出やすい——それだけのことです。

同じ欄に平均年齢と平均勤続年数も載っています。3つをセットで見ると、数字の意味が分かります。

資格手当のある会社があります

金融機関では資格の取得を求められることが多く、取得時の手当や受験費用の補助を設けている会社があります。

制度の有無は、採用ページの研修・福利厚生の欄で確認できます。

持株会社の数字に注意してください

持株会社(ホールディングス)の有価証券報告書に載る平均年間給与は、持株会社に所属する社員だけの数字であることがあります。実際に働く事業会社とは別です。誰の数字を見ているのかを、従業員数と合わせて確認してください。

手取りは額面と違います

提示される金額は額面です。ここから税と社会保険料が引かれます。額面だけで生活設計をすると、想定より少なくて驚くことになります。募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。

18有価証券報告書の使い方

この業界を調べるときの、いちばん確実な資料です。

上場企業が年に1回、法律に基づいて出す書類です。金融庁のEDINETで誰でも無料で読めます。各社のサイトのIR(投資家向け情報)にも置かれています。

1【企業の概況】主要な経営指標数年分の売上・利益・従業員数の推移
2【企業の概況】従業員の状況従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与
3【事業の状況】事業の内容何をつくって(何を扱って)誰に売っているか
4【事業の状況】事業等のリスク会社自身が挙げているリスク
5【事業の状況】研究開発活動どの分野に開発の力を入れているか
6【設備の状況】事業所・工場の所在地と設備投資の計画
7【経理の状況】セグメント情報事業ごとの売上と利益

銀行業界では、ここを重点的に見てください

①セグメント情報——法人向け、個人向け、市場、海外——どの部門で稼いでいるかが分かります。銀行は部門ごとに仕事がまったく違うため、ここが重要です。

②事業等のリスク——金利、与信、システム、規制——会社自身が何をリスクと考えているかが書かれています。銀行の性質がここに表れます。

③従業員の状況——従業員数と平均年齢が分かります。店舗数の推移と合わせて見ると、事業の方向が見えます。

全部読む必要はありません

最初から通読しようとすると挫折します。上の数か所だけを、志望する2〜3社で読み比べる——これで十分に差が見えます。章の名前や構成は年度・会社によって異なることがあるので、目次から探してください。

19決算説明資料・中期経営計画

有価証券報告書より読みやすく、会社の考えが出ます。

資料 何が書いてあるか どこにあるか
決算説明資料 直近の業績と、その理由の説明 会社サイトのIR
中期経営計画 数年先に何をやろうとしているか 会社サイトのIR
統合報告書 事業の考え方、人材、環境への取り組み 会社サイトのIR
質疑応答の要旨 投資家が何を気にしているか IRに掲載される場合がある

中期経営計画が志望動機の材料になります

ここには「これから何に力を入れるか」が書かれています。同じ分野の2社の計画を読み比べると、重点の置き方の違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。会社が自分で書いていることなので、外れません。

図が多いので入りやすい

決算説明資料はスライド形式で、図表が中心です。専門用語の解説が付いていることもあり、業界用語を覚える教材としても使えます。まず決算説明資料を読み、興味が出たら有価証券報告書で裏を取る——この順番が効率的です。

非上場の会社の場合

非上場だと有価証券報告書がありません。その場合は会社サイトの会社概要、採用ページ、プレスリリースが主な情報源になります。情報が少ない会社では、説明会や面接で直接聞くのが確実です。聞いて失礼になる内容ではありません。

20業界団体と官庁の資料

業界全体の話を確かめたいときに使います。

発行元 分かること
金融庁 制度、監督の方針、金融機関に関する情報
日本銀行 金融に関する統計、金融システムに関する資料
全国銀行協会 銀行業界の資料、統計
全国地方銀行協会・第二地方銀行協会 地方銀行に関する資料
各行のディスクロージャー誌 個別の銀行の業務と財務の説明

使い方は「裏取り」です

就活で統計を暗記する必要はありません。使うのはニュースや説明会で聞いた話が本当かを確かめるときです。面接で業界の話をするときも、出どころを言える情報のほうが強くなります。「ニュースで見た」より「協会の資料で見た」のほうが確かです。

銀行には「ディスクロージャー誌」があります

銀行は法令に基づき、業務や財務の状況をまとめた資料を公表しています。ディスクロージャー誌と呼ばれ、各行のサイトに置かれています。

地方銀行など、決算説明資料が少ない場合でもこの資料は公表されていることがあります。志望する銀行の状況を知る材料として使ってください。

ニュースの読み方

記事の出どころ(誰が発表したか)をたどる癖をつけてください。発表元の資料に当たれば、記事で省かれた条件や前提が分かります。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。

21業界用語|最低限これだけ

説明会で前提として使われる言葉です。

1預金・貸出・為替銀行の基本となる3つの業務
2資金利益受け取る利息と支払う利息の差から生じる利益
3役務取引等収益手数料による収益
4与信信用を供与すること。融資などを指す
5審査融資の可否と条件を判断すること
6稟議社内で承認を得るための手続き
7担保・保証返済が難しくなった場合に備える仕組み
8リテール/ホールセール個人・中小企業向け/大企業・法人向け
9自己資本比率銀行の健全性を示す指標の一つ
10ALM資産と負債を総合的に管理すること
11事業承継経営者が次の世代へ事業を引き継ぐこと
12ディスクロージャー誌銀行が公表する業務と財務の説明資料

意味を言えるようにしておけば十分です

深く理解している必要はありません。説明会で言葉が出たときに話についていける——その程度で構いません。制度に関する言葉は、公的機関の説明で確認してください。

22ディスクロージャー誌の読み方

銀行を調べるときの、いちばん実用的な資料です。

銀行は法令に基づき、業務と財務の状況をまとめた資料を公表しています。各行のサイトに置かれています。

1業務の概況その銀行が何に力を入れているか
2収益の内訳資金利益と手数料の比重
3貸出金の内訳どんな業種・規模の先に貸しているか
4地域への取り組み地域の企業や産業への支援の内容
5店舗・従業員店舗の数と配置、従業員の状況
6健全性の指標自己資本比率など

貸出金の内訳を見てください

どんな業種に貸しているかが分かると、その銀行の顧客層が見えます。製造業が多いのか、不動産が多いのか、個人向けが多いのか。

地域の銀行なら、その地域の産業構造が反映されます。志望動機の材料になります。

中期経営計画と合わせて読む

いまの状況(ディスクロージャー誌)と、これからの方針(中期経営計画)を並べて読むと、その銀行が何を変えようとしているかが分かります。

2行を比べてください

同じ地域の2行、または同じ規模の2行を並べると、力を入れている分野の違いが見えます。その違いが「なぜこの銀行か」の答えになります。

第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項

23インターンシップの探し方

分野によって、探す場所が変わります。

1各社の採用ページいちばん確実。募集の詳細が載る
2大学のキャリアセンター大学宛に届く案内がある
3学科・研究室・ゼミ教員経由で案内が来ることがある
4就活サイト一覧で探せるが、掲載していない会社もある
5業界団体・展示会会員企業一覧や出展社一覧から会社を見つけられる

金融は業態を横断して見てください

「金融に関わりたい」なら、銀行だけでなく証券、保険、信託、リース、クレジット、政府系の機関——といった選択肢があります。

業態によって扱うものも規制も違います。まず自分が関心を持っているのがどの機能かを整理してから、インターンを選んでください。

店舗は誰でも見られます

銀行の店舗は実際に入れます。どんな窓口があり、どんな案内が置かれ、どんな人が来ているか——これは現場を知る材料になります。

参加できなくても不利になるとは限りません

インターンと選考の関係は会社によって違い、案内に記載がある場合はその記載が基準です。記載のないことを推測で補わないでください。選び方はインターンの選び方|条件で絞るで扱っています。

24志望動機の材料を集める

材料が足りないまま書こうとするから、書けません。

1どの分野の会社か有価証券報告書「事業の内容」、セグメント情報
2何に力を入れようとしているか中期経営計画、決算説明資料
3会社自身が挙げるリスク有価証券報告書「事業等のリスク」
4どんな職種があるか採用ページ、募集要項
5実際の仕事の進み方OB・OG訪問、社員インタビュー

同じ分野の2社を読み比べてください

1社だけ読んでも、その会社の特徴は分かりません。同じ分野の2社の中期経営計画を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。

「お金を通じて企業を支えたい」だけでは足りません

銀行の志望動機で最も多い型です。ただ、それはこの業界のほぼ全行に当てはまります。

一段具体的にするには、その銀行がどの顧客層に重心を置き、どの地域・どの分野に力を入れているかまで降りてください。ディスクロージャー誌や中期経営計画に書かれています。

書いたあとの確認

会社名を同じ分野の別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。

25選考で確認すること

聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。

1コースの区分と転勤の範囲募集要項のコース欄
2初任配属の考え方説明会での質問
3取得が求められる資格採用ページの研修欄
4職種別採用か一括採用か募集要項の職種欄
5転勤の有無と範囲募集要項
6研修の内容と期間採用ページ
7雇用元がどの法人か募集要項

確認事項は事前に書き出しておく

説明会や面接の場で思い出そうとしても出てきません。会社ごとに確認事項をメモしておくと、聞きそびれが減ります。

聞いても失礼にならない質問です

勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。遠慮せず確認してください。記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。

内定後に条件を確認する

内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。

26選考の時期の考え方

会社ごとに違い、年度によっても変わります。

就活サイトに載っているスケジュールは一般的な目安であり、個別の会社に当てはまるとは限りません。

1エントリーの締切各社の採用ページ、届いた案内
2選考の段階と回数案内、説明会
3提出物(研究概要など)募集要項
4推薦応募の有無大学の就職担当、学科・研究室

コース別に募集されることがあります

銀行では総合職、地域限定、特定の専門分野など、コースを分けて募集することがあります。コースによって転勤の範囲や仕事の幅が変わります。

募集要項のコース区分と、その違いを必ず確認してください。

締切は一覧で管理してください

複数の分野・複数の会社に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、応募した日、次の予定、締切の4つを1枚にまとめておけば、出し忘れは防げます。管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。

27向き不向きの考え方

性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。

1決まりを守って正確に処理する手順を守ることを面倒と感じにくい
2根拠を示して説明する資料をつくって人を納得させるのが苦にならない
3数字から事業を読む決算書や数値を見ることに抵抗がない
4継続的に学ぶ制度や知識の更新を続けられる
5断ることがある相手の希望に沿えないときも、理由を説明できる

「人の役に立ちたい」の中身を考えてください

銀行の仕事には断る場面があります。すべての希望に応えられるわけではありません。

そのときに理由を説明し、別の方法を一緒に考える——これも人の役に立つことの一つです。この理解があるかどうかで、面接の受け答えが変わります。

本記事では向き不向きの判断はしていません

上の表は仕事の性質を整理したものであり、適性の診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。

28他の業界と迷ったとき

金融には、銀行以外の入口が数多くあります。

1証券資金調達と投資に関わる。銀行グループにも証券会社がある
2保険リスクに備える仕組み。顧客と長く関わる点が近い
3信託資産の管理・承継、不動産などを扱う
4リース・クレジット設備の導入や決済を支える金融の機能
5政府系金融機関政策に基づく金融を担う
6事業会社の財務部門資金を調達し、管理する側に立つ

「どの機能に関心があるか」で選んでください

貸す、投資する、備える、決済する——金融の機能はいくつもあります。業態の名前ではなく、機能で考えると選びやすくなります。

事業会社という選択肢もあります

お金に関わる仕事は金融機関だけではありません。事業会社の財務・経理は、資金を使う側の立場です。

不動産・住宅業界は不動産・住宅業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。資金調達が事業の中心にある業界です。

比べる項目を先に決めてください

項目が多すぎると決まりません。自分が譲れない項目を3つに絞ると判断しやすくなります。比べ方は志望企業の絞り方|条件を言葉にしてから選ぶで扱っています。

29やらない方がいいこと

銀行の選考でとくに起きやすい失敗です。

やりがちなこと なぜ問題か
「お金を通じて支えたい」で止める ほぼ全志望者が言う。銀行を選んだ理由にならない
メガバンクと地方銀行を同じ志望動機で受ける 顧客も範囲も違う。使い回しはすぐ分かる
コースの違いを確認しない 転勤の範囲が変わる。生活に直結する
制度や金利の話をうろ覚えで語る 正確でない説明は印象を悪くする
数字が苦手だから金融、と考える 決算書を読み、条件を計算する仕事である
ディスクロージャー誌を見ない その銀行の顧客層と方針が分からないまま話すことになる

「安定している」を志望理由にしない

安定を求めること自体は自然ですが、志望理由として語ると、仕事への関心が伝わりません。

環境は変わります。各行が何を課題とし、どう変わろうとしているかを読んだうえで話してください。

1行の説明会を業界全体の話だと思わない

説明会で語られるのはその銀行の話です。分野が違えば前提が違います。最低2行は比べてください。

30相談できる窓口

一人で抱えないでください。

1大学のキャリアセンター応募の進め方、書類、過去の実績、推薦の手続き
2学科の就職担当・ゼミの教員専攻と職種のつながり、企業とのつながり
3新卒応援ハローワーク求人の相談(無料)
4労働局の総合労働相談コーナー労働条件の扱いに疑問があるとき(無料)
5弁護士法令の解釈が必要なとき

地域の金融機関は地元の情報が集まります

地方銀行や信用金庫を志望するなら、その地域の大学のキャリアセンターに情報が集まっていることがあります。地元での説明会や選考の情報を確認してください。

条件面で疑問があるとき

提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。

31よくある質問

文系でも大丈夫ですか?

この業界は文系出身者が多く働いています。ただし決算書を読み、資金の流れを追い、条件を計算する仕事です。数字を扱わない業界ではありません。入社後に会計や金融の知識を学ぶことが前提になります。

理系でも入れますか?

入れます。システム、リスク管理、市場部門では数理やITの知識が生きます。専門のコースを設けている銀行もあります。また、技術のある企業を相手にする法人営業では、理系の理解が役に立つ場面があります。応募できるかどうかは募集要項の応募資格欄で確認してください。

メガバンクと地方銀行はどう違いますか?

顧客の層、扱う金額、転勤の範囲が違います。メガバンクは全国・海外に展開し、大企業から個人まで幅広く扱います。地方銀行は特定の地域を基盤とし、地元の企業との関係が深くなります。転勤の範囲も基盤地域が中心になることが多く、生活の形が変わります。

転勤はどのくらいありますか?

分野とコースによります。メガバンクの総合職では全国や海外の可能性があり、地域限定のコースではコースで定められた範囲になります。地方銀行や信用金庫は基盤とする地域・地区の中での異動が中心です。募集要項のコース区分と転勤の記載を必ず確認してください。

ノルマは厳しいですか?

目標の設定や評価の仕組みは銀行によって違い、近年は見直しが行われることもあります。本記事では個別の会社について判断していません。評価の考え方は説明会で聞いてよい質問です。

資格は入社前に取るべきですか?

多くは入社後に会社の支援を受けて取得します。必須とされることは一般的ではありません。学生のうちに勉強するなら、簿記やファイナンシャル・プランニング関連の知識は業界の理解を助けます。資格名を並べるより、なぜ勉強したのかを説明できるほうが大切です。

銀行の仕事はなくなると聞きますが本当ですか?

将来の見通しについて本記事では判断していません。手続きの電子化や店舗の見直しが進められ、仕事の中身が変わりつつあることは各行の資料で語られています。事務の比重が下がり、相談や提案の比重が上がる方向が示されることがあります。志望する銀行がどんな方針かは、中期経営計画で確認してください。

ディスクロージャー誌とは何ですか?

銀行が法令に基づいて公表する、業務と財務の状況をまとめた資料です。各行のサイトにあります。収益の内訳、どんな業種に貸しているか、店舗と従業員の状況、地域への取り組みなどが分かります。決算説明資料が少ない銀行でも、この資料は公表されていることがあります。

信用金庫と銀行は何が違いますか?

成り立ちが違います。銀行は株式会社ですが、信用金庫は会員による組織で、主な取引先は地域の中小企業と個人です。営業する地区も定められています。地域との結びつきがより強いという特徴があります。

政府系金融機関に興味があります。

政策に基づく金融を担う機関で、創業期の支援、災害時の対応、大きな事業への長期の資金など、民間だけでは対応しにくい部分を担います。採用の人数が限られることがあり、募集の時期や方法も一般の企業と異なる場合があるため、各機関のサイトで確認してください。

選考はいつから始まりますか?

会社ごとに違い、年度によっても変わります。コース別に募集される場合、コースごとに選考の進み方が違うこともあります。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。

まず何から読めばいいですか?

志望する銀行のディスクロージャー誌と中期経営計画を読むのが早道です。ディスクロージャー誌でいまの姿(収益の内訳、貸出先の業種、店舗と人員)を知り、中期経営計画でこれからの方針を知る——この2つで志望動機の材料がそろいます。

この記事に載っていない金融機関もありますか?

あります。本記事の名称は各分野にどんな金融機関があるかを示す例であり、網羅した一覧ではありません。また推奨や順位付けでもありません。地域の金融機関、共同組織の金融機関、系統の金融機関など、さまざまな機関があります。

32まとめ|分野を決めて、資料で確かめる

銀行業界は6つの分野に分かれています。①メガバンク、②信託銀行、③地方銀行、④信用金庫・信用組合、⑤ネット銀行、⑥政府系金融機関。

収益は3つの柱でできています。貸して得る利息と預金の利息の差、サービスの手数料、市場での運用。この構造を知ると、各行の違いが見えます。

中核は「貸してよいかを判断する」ことです。営業と審査が分かれているため、根拠を示して説明する力が求められます。

顧客が法人か個人かで仕事が変わります。法人向けは事業と数字の理解、個人向けは制度の正確な説明が要ります。

コースの違いを必ず確認してください。転勤の範囲が変わり、生活の形が変わります。

制度の上に成り立つ業界です。できることとできないことが法令で決まっています。うろ覚えで語らないでください。

ディスクロージャー誌を読んでください。収益の内訳と貸出先の業種が分かる、いちばん実用的な資料です。

最後に。本記事は就職活動のための業界の案内であり、金融商品を勧めるものではありません。本記事の名称は各分野にどんな金融機関があるかを示す例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。制度に関することは金融庁・日本銀行などの公的機関の情報で、募集の条件は各社の募集要項でご確認ください。

この記事について:本記事は業界の構造と調べ方を整理するための一般的な案内です。登場する社名は各分野にどんな銀行・機関があるかを示す例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。また、網羅した一覧でもありません。売上、シェア、年収、従業員数などの数値と、企業の将来性については本記事では扱っていません。数値は各社の有価証券報告書・決算説明資料や業界団体・官庁の公表資料で、募集の内容は各社の募集要項でご確認ください。有価証券報告書の章構成は年度や会社によって異なることがあります。就職のしやすさ、採用の見通し、向き不向きについても判断していません。本記事は就職活動のための業界の案内であり、預金・融資・資産運用などの金融商品を勧めるものではありません。お金の運用や借り入れに関することは金融機関の窓口や専門家にご確認ください。金融に関する制度は改正されることがあるため、制度の内容は金融庁・日本銀行などの公的機関の情報でご確認ください。また、金融機関は再編や事業の見直しが行われることがあるため、最新の情報は各社のサイトでご確認ください。労働条件の取り扱いに疑問がある場合は労働局の総合労働相談コーナー(無料・全国・予約なしで利用できる場合があります)に、法令の解釈は弁護士にご相談ください。
この記事を読んだ人におすすめのサービス
PR就活エージェント
UZUZ 新卒(就職エージェント)
こんな人に一人で就活を進めるのが不安で、ES・面接まで個別に相談したい人
無料で就活相談を予約 →
PR逆求人・スカウト
OfferBox(オファー型就活)
こんな人にプロフィールを登録して、企業からのオファーを待ちたい人
無料で登録してオファーを受け取る →
就活サービスをまとめて比較する ›