エネルギー・インフラ業界の選考|案内から流れを読む
この業界の選考でまず分けるのは「どの分野か」と「技術系か事務系か」です。技術系は電気・機械・化学・土木など専攻ごとに分かれることがあります。そして制度の枠組みがある事業であり、制度の情報は資源エネルギー庁などの公的機関で公表されています。設備を24時間運転する職場では交替の勤務があることがあり、勤務地と転勤の範囲とあわせて、募集要項で必ず確認してください。
エネルギー・インフラの選考では、「どの分野か」と「技術系か事務系か」を先に分けます。
電力、ガス、石油、再生可能エネルギー——分野によって事業の性質が違います。
そして制度の枠組みがある事業です。制度が変われば事業の形も変わります。
この記事では、この業界の選考の特徴を整理し、案内の読み方、準備、当日の確認まで通しで扱います。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界の選考の特徴
第2部 案内の読み方と準備
第3部 情報の集め方
第4部 当日と確認|やらないこと
第1部 この業界の選考の特徴
01この業界の選考の特徴
まずこの点を確認してください。
先に分ける2軸。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 技術系と事務系で分かれる | 技術系はさらに専攻ごとに分かれることがある |
| 地域ごとに会社が分かれる分野がある | 電力やガスでは地域の会社がある |
| 制度の枠組みがある | 制度が変われば事業の形も変わる |
| 設備を持つ事業 | 建てて、動かして、直す仕事が常にある |
| 交替勤務がある職場がある | 24時間運転する設備がある |
| 災害時の対応がある | 止まったときに復旧する役割を担う |
時期は会社ごとに違います
区分ごとに進み方が違うことがあります。届いた案内で確認してください。
本記事では通過の基準を扱いません
何が評価されるか、倍率はどうかといった話は会社ごとに違い、外からは分かりません。
業界と職種の理解が前提になります
業界の構造はエネルギー・インフラ業界とは|全体像と分野の調べ方、職種はエネルギー・インフラ業界の職種|仕事内容の調べ方で整理しています。
02分野を分ける
同じ「エネルギー」でも、事業の性質が違います。
電力は「つくる・送る・売る」で仕事が違います
発電の設備を運転する仕事、送配電の設備を維持する仕事、契約を扱う仕事——それぞれ別の職場です。
制度の見直しによって、会社の形が変わってきた分野でもあります。
地域ごとに会社が分かれることがあります
電力やガスでは地域を単位とする会社があります。その地域に根ざして働くことになります。
再生可能エネルギーは事業のつくり方が違います
用地を探し、地域と合意をつくり、設備を建て、運営する——一連の流れを担う仕事があります。
設備を建てる会社、直す会社があります
エネルギーの会社だけでなく、設備の建設や保守を専門とする会社があります。選択肢が広がります。
商社や機械メーカーも関わります
資源の調達や設備の供給では、商社やメーカーも同じ領域にいます。業界を広く見るときの候補です。
03制度の枠組みを理解する
制度が変われば事業の形も変わる分野です。
細かく覚える必要はありません
制度の細部を暗記する必要はありません。ただし制度の枠組みがある事業だという理解はあったほうがいいでしょう。
制度は改正されます
うろ覚えで語るのは避けてください。公的機関の一次の情報で確認するのが確実です。
各社がどう対応しているかを見てください
制度の変化に対して、その会社が何をしようとしているか。中期経営計画に書かれています。
環境に関する取り組みも見てください
多くの会社が環境に関する目標や取り組みを公表しています。会社の方向を知る材料になります。
「自由化」という言葉だけで語らない
制度の見直しは分野ごとに内容が違います。言葉だけで語ると中身が伴いません。
04勤務の条件を確認する
生活に直結します。
設備のある場所で働くことがあります
発電所、工場、供給の拠点——設備のある場所が職場になることがあります。都市部とは限りません。
交替勤務がある職場があります
24時間運転する設備では交替の勤務があることがあります。募集要項で確認し、説明会で実際の運用を聞いてください。
災害時の役割があります
止まったときに復旧にあたる役割を担うことがあります。その体制がどうなっているかは説明会で聞ける内容です。
地域に根ざして働く分野があります
地域を単位とする会社では、その地域の中での異動が中心になることがあります。
住まいの制度を見てください
転勤や設備のある地域での勤務がある場合、社宅や家賃補助の制度は生活費に直結します。
05この業界で聞かれやすいこと
会社によって違いますが、傾向はあります。
「社会を支えたい」の先へ
エネルギーは止まると生活が成り立たない仕組みです。維持するとは具体的に何をすることか。
設備を運転するのか、保守の計画を立てるのか、制度の変化に対応するのか。ここまで降りてください。
「環境に貢献したい」だけでは足りません
その会社がいま何をしているかを踏まえて話せると、調べたことが伝わります。
技術系では学んできたことを聞かれます
何を学び、何が面白かったか。直結していなくても、考え方の説明はできます。
長く続く仕事への考えを用意してください
設備は長い期間使われます。短期で結果が出る仕事ばかりではありません。
第2部 案内の読み方と準備
06採用の案内はどこを読むか
会社が出している案内が、いちばん確実な情報です。
就活サイトの一般論と、個別の案内は別です
「一般的にはこの時期」という説明は目安にすぎません。個別の会社に当てはまるとは限りません。
実際の日程は、各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
技術系と事務系で分かれることが多い業界です
設備や運転を扱う技術系と、営業や企画を担う事務系で募集が分かれることが多くなります。
技術系はさらに専攻ごとに分かれることがあります。
記載がないことは推測で埋めないでください
案内に書かれていないことは、説明会や問い合わせで確認してください。推測で動くと、行き違いが起こります。
募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで詳しく扱っています。
07提出書類の準備
何を出すかは会社によって違います。
証明書は早めに手配してください
大学の証明書は発行に日数がかかることがあります。締切の直前に慌てないよう、早めに確認してください。
技術系では専攻を書く欄があります
学んできた分野を記入する欄が設けられることがあります。案内で確認してください。
設問に答えているかを確認してください
書きたいことを書くのではなく、聞かれたことに答える——これが基本です。
書いたあと、設問をもう一度読んで、答えになっているか確かめてください。
08適性検査と筆記の考え方
形式は会社によって違います。案内で確認してください。
| 確認すること | どこで分かるか |
|---|---|
| どんな形式か(能力・性格・記述など) | 届いた案内、採用ページ |
| 受検の方法(自宅・会場・オンライン) | 届いた案内 |
| 受検の期限 | 届いた案内 |
| 使える道具(電卓・メモなど) | 届いた案内の注意事項 |
| 結果の扱い | 記載がある場合はその記載 |
案内の注意事項を必ず読んでください
受検の環境、使える道具、やり直しの可否——案内に書かれた条件を守ってください。
不正と受け取られる行為は、その会社の選考だけでなく信頼にも関わります。
区分によって形式が違うことがあります
技術系と事務系で選考の形式が違うことがあります。届いた案内で確認してください。
性格に関する検査は正直に答えてください
よく見せようとして矛盾した回答になると、かえって不自然になります。自分の考えに沿って答えるのが基本です。
早めに受けられる準備をしてください
期限の直前は混み合うことがあります。通信の環境や時間の確保を含めて、余裕をもって受検してください。
09日程と締切の管理
複数の会社を受けると、必ず抜けが出ます。
1枚にまとめてください
上の5つを1枚の表にしておけば、出し忘れは防げます。形式は紙でも表計算でも構いません。
地域ごとに会社が分かれる分野があります
電力やガスでは地域ごとに会社が分かれていることがあります。応募先を正確に記録してください。
連絡の手段を確認してください
メール、マイページ、電話——どこに連絡が来るかを確認し、見落とさないようにしてください。
迷惑メールの振り分けにも注意が必要です。
管理の仕方は別記事で
具体的な管理の方法は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
第3部 情報の集め方
10説明会で何を聞くか
聞く側になってください。
「やりがい」は聞いても情報が少ない
抽象的な質問には抽象的な答えが返ります。具体的な事実を聞くほうが、判断の材料になります。
この業界で聞いておきたいこと
初任配属の考え方、交替勤務の有無、災害時の対応——このあたりは説明会で聞けます。
聞いたことはその場でメモしてください
複数の会社の説明会に出ると、どこで何を聞いたか分からなくなります。会社ごとにメモを残してください。
1社の話を業界全体だと思わないでください
説明会で語られるのはその会社の話です。業界の共通事項かどうかは、他社も見ないと分かりません。
11OB・OG訪問の使い方
資料では分からないことを聞くための機会です。
複数の人に聞いてください
1人の話はその人の経験です。職種や配属先が違えば話も変わります。
技術系と事務系の両方に聞いてください
同じ会社でも区分によって仕事がまったく違います。
準備をしてから会ってください
調べれば分かることを聞くと、時間がもったいなくなります。資料を読んだうえで、そこに書いていないことを聞いてください。
進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
12一次資料で会社を確かめる
採用向けではない資料も見てください。
志望動機の材料になります
会社が自分で書いていることなので、外れません。とくに中期経営計画は、なぜこの会社かを書く材料になります。
公的機関が制度と統計を公表しています
エネルギーに関する制度と統計は資源エネルギー庁などから公表されています。
上場していない会社の場合
有価証券報告書がない場合は、会社サイトの会社概要、沿革、事業の説明、プレスリリースが情報源になります。
足りない部分は説明会で直接聞いてください。会社の調べ方は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
132社を比べて違いを見つける
1社だけ見ても、その会社の特徴は分かりません。
違いが志望動機になります
同じ業界の2社を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
同じ分野どうしで比べてください
電力とガスと石油では前提が違います。同じ分野で比べると違いが見えます。
書いたあとの確認
志望動機を書いたら、会社名を別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。
志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
第4部 当日と確認|やらないこと
14面接当日に気をつけること
準備したことを、落ち着いて話せる状態をつくってください。
準備した話をそのまま言わないでください
面接は対話です。聞かれたことに答え、追加で聞かれたら答える——この往復が基本です。
「支える」の中身を用意してください
止まらないことが前提の仕組みです。それを維持するとは何をすることかまで降りてください。
オンラインの場合
通信の環境、背景、音声——事前に確認してください。案内に指定があれば、その指定に従ってください。
終わったら記録してください
何を聞かれ、どう答えたか、何を言われたか——記録が次の会社の準備になります。
15選考で確認しておくこと
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
労働条件は聞いても失礼になりません
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。
記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認してください
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
交替勤務の有無を確認してください
設備を24時間運転する職場では交替の勤務があることがあります。
疑問があるときは相談してください
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。次の章で相談先を挙げます。
16相談できる窓口
一人で抱えないでください。
技術系は学科とのつながりが強い分野です
電気、機械、化学、土木——専攻に応じた区分で募集されることがあります。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈は弁護士にご相談ください。
就職活動の進め方に迷ったとき
大学のキャリアセンターは過去の応募の状況を持っていることがあります。推薦の仕組みがある場合の手続きも、ここで確認できます。
17やらない方がいいこと
この業界の選考でとくに起きやすい失敗です。
設備の建設・保守の会社も見てください
エネルギーの会社だけでなく、つくる会社、直す会社があります。選択肢が広がります。
1社の説明会を業界全体だと思わない
分野と区分によって前提が違います。最低2社は比べてください。
18よくある質問
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、年度によっても変わります。技術系と事務系で選考の進み方が違うこともあります。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
分野はどう違いますか?
電力はつくる・送る・売るでそれぞれ別の仕事があり、ガスは調達して届けるところと設備の保守が中心、石油は調達・精製・販売に加えて化学品も扱い、再生可能エネルギーは用地の確保から運営までを担います。資源の開発や、設備の建設・保守を専門とする会社もあります。
技術系と事務系はどう違いますか?
技術系は設備や運転を扱い、電気・機械・化学・土木など専攻ごとに分かれることがあります。事務系は営業、企画、管理部門を担います。募集の区分も選考の形式も違うことがあるため、募集要項のコース欄で確認してください。
制度について知っておくべきですか?
細部を暗記する必要はありませんが、制度の枠組みがある事業だという理解はあったほうがいいでしょう。制度は改正されるため、うろ覚えで語るのは避け、資源エネルギー庁などの公的機関の一次の情報で確認してください。「自由化」という言葉だけで語ると中身が伴いません。
勤務地はどうなりますか?
発電所、工場、供給の拠点など、設備のある場所が職場になることがあります。都市部とは限りません。地域を単位とする会社では、その地域の中での異動が中心になることがあります。募集要項の勤務地欄で確認してください。
交替勤務はありますか?
24時間運転する設備では交替の勤務があることがあります。募集要項で確認し、説明会で実際の運用を聞いてください。生活に直結する項目です。
災害時の対応もあるのですか?
止まったときに復旧にあたる役割を担うことがあります。その体制がどうなっているか、入社後にどう関わるかは説明会で聞ける内容です。
志望動機は何を材料にすればいいですか?
その会社がどの分野に重心を置き、制度の変化に対して何をしようとしているかを見てください。中期経営計画と決算説明資料が材料になります。多くの会社が環境に関する目標や取り組みを公表しており、会社の方向を知る材料になります。
「環境に貢献したい」は志望動機になりますか?
動機として自然ですが、それだけでは会社を選んだ理由になりません。その会社がいま何をしているかを踏まえて話せると、調べたことが伝わります。分野と区分まで降りてください。
文系でも応募できますか?
事務系の区分では専攻を問わない募集が多くなります。技術系については募集要項で応募の条件を確認してください。制度や事業の仕組みを理解する力は、文系の学びとつながる部分があります。
設備の建設・保守の会社とは何ですか?
発電所や供給設備をつくり、直すことを専門とする会社があります。エネルギーの会社だけを見ると、この選択肢を落とします。資源の調達や設備の供給では、商社やメーカーも同じ領域にいます。
まず何から始めればいいですか?
どの分野に関心があるかを分け、技術系と事務系のどちらかを決め、志望する会社の中期経営計画と募集要項で勤務の条件を確認するのが早道です。
19まとめ|分野と区分、制度と勤務条件
- この業界の選考でまず分けるのは「どの分野か」と「技術系か事務系か」です。
- 電力、ガス、石油、再生可能エネルギー。分野によって事業の性質が違います。
- 制度の枠組みがある事業です。細部の暗記は要りませんが、枠組みの理解はあったほうがいいでしょう。
- 制度は改正されます。公的機関の一次の情報で確認してください。
- 設備のある場所が職場になることがあります。勤務地と交替勤務の有無を確認してください。
- 設備の建設・保守の会社も見てください。選択肢が広がります。
最後に。選考の流れ・時期・方式は会社ごとに異なり、年度によっても変わります。実際の日程と内容は各社の採用ページと届いた案内でご確認ください。
・エネルギー・インフラ業界とは|全体像と分野の調べ方
・エネルギー・インフラ業界の職種|仕事内容の調べ方
・建設・ゼネコン業界とは|全体像と分野の調べ方
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
・選考管理の作り方|進み具合を一覧にする
・就活・キャリアの記事一覧