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業界地図INDUSTRY MAP 2026

出版の
業界地図【2026年版】

KADOKAWA・メディアドゥ・ゼンリン・文溪堂の4社を、有価証券報告書の数字だけで比べました。本や雑誌、電子書籍、地図、教材。上場している出版の会社の規模、年収、働き方を同じ物差しで並べています。

規模と給料の地図右ほど平均年収が高く、上ほど会社のもうけ(純利益)が大きい
01,000億 6008001,000 平均年収(万円)→ ↑ 純利益(円) KADOKAWA:純利益 13億円・平均年収 871.5万円 KADOKAWA メディアドゥ:純利益 18億円・平均年収 610.9万円 メディアドゥ ゼンリン:純利益 27億円・平均年収 601.3万円 ゼンリン 文溪堂:純利益 6億円・平均年収 638.6万円 文溪堂

有価証券報告書(2026年3月期。メディアドゥは2026年2月期)。平均年収は本社の全社員の平均(賞与込み)で、新卒の年収ではありません。

01

WHAT IS IT

出版とは、どんな業界?

ひとことで言うと

作家やマンガ家と一緒に作品を企画・編集し、本や電子書籍にして読者に届けるのが出版業界です。生まれた作品をアニメやゲームに広げて、一つの作品から何度も稼ぐ会社もあります。

出版業界とは、本や雑誌、マンガ、教材、地図などの作品や情報を企画・編集し、紙や電子書籍で読者に届ける業界です。お金を払うのは主に読者で、書店や電子書店を通じた販売代金が売上になります。作品をアニメやゲームに広げて稼ぐ会社や、学校向けの教材を売る会社もあります。

しくみを1枚の図で

身近なところに、出版

ふだん目にするお店・商品・サービスの後ろに、この業界の会社がいます。

動画サービス・Web事業ドワンゴ

KADOKAWA子会社(議決権の100%)

ゲーム会社フロム・ソフトウェア

KADOKAWA子会社(議決権の69.7%)

ゲーム会社スパイク・チュンソフト

KADOKAWA子会社(議決権の100%)

アニメ制作会社動画工房

KADOKAWA子会社(議決権の80.0%)

専門スクールバンタン

KADOKAWA子会社(議決権の100%)

アニメ配信ドコモ・アニメストア

KADOKAWAグループ会社(議決権の40.0%)

本の要約サービスflier(フライヤー)

メディアドゥ子会社 フライヤー(議決権の56.3%)

出典:各社の有価証券報告書(2026年3月期)「関係会社の状況」。割合は会社が持っている議決権の割合です。

お金の流れ

  1. 1本や電子書籍を売る

    KADOKAWAは書籍や雑誌、電子書籍を出版・販売しています。コミックやライトノベルなど、ジャンルごとの戦略で作品を生み出しています。

  2. 2作品をアニメ・ゲームへ

    KADOKAWAは、出版で生まれた作品(IP)をアニメ・実写映像やゲームに広げる「メディアミックス」を基本戦略にしています。一つの作品から何度も収益を得る形です。

  3. 3電子書籍を書店に届ける

    メディアドゥは、出版社から電子書籍を預かり、電子書店に届ける取次事業が中核です。ほぼ全ての出版社・電子書店と取引があると書いています。

  4. 4地図・教材という専門分野

    ゼンリンは住宅地図やカーナビ用の地図データを、文溪堂は小学校向けのテストやドリル、裁縫セットなどの教材をつくって販売しています。

この業界の主な仕事

編集者

作家と一緒に作品を企画し、原稿を仕上げて本や雑誌にまとめます。コミックやライトノベルでは、作品をアニメやゲームにつなぐ役割も担います。

ライツ(権利)・海外営業

作品の映像化やゲーム化、海外での出版の権利を他社と交渉します。日本の作品を海外の読者や視聴者へ広げる仕事です。

営業・販売促進

書店や電子書店に作品を売り込み、売り場やキャンペーンを企画します。教材の会社では学校や販売代理店が相手です。

エンジニア・データ担当

電子書籍の配信の仕組みや、地図データベースを開発・整備します。メディアドゥは出版社向けに販売データを分析するツールを開発しています。

この業界でよく出てくる言葉

IP

知的財産のこと。出版業界では、マンガや小説などの作品やキャラクターそのものを指して使います。

メディアミックス

一つの作品を、本だけでなくアニメ、映画、ゲームなど複数のメディアに展開することです。

取次

出版社と書店の間に入り、本や電子書籍を仕入れて書店に届ける卸売りの役割を担う会社です。

LTV

Life Time Valueの略。一つの作品や一人の顧客が、長い期間でもたらす収益の合計のことです。

02

IN 30 SECONDS

30秒でわかる出版

  1. どのくらい稼ぐ?

    0.0兆円

    4社の1年間のもうけ(純利益)の合計。1位はゼンリンの27億円。

  2. 平均年収は?

    601〜872万円

    社員全体の平均(賞与込み)。いちばん高いのはKADOKAWA。新卒の年収ではありません。

同じ「出版」でも、何で稼いでいるかは会社ごとにかなり違います。志望動機で聞かれる「なぜうちの会社?」に答えるには、まずこの違いを知るのが近道です。

03

FEATURES & TRENDS

出版の特徴と、最近の動き

特徴 1出版社でも稼ぎ頭は出版以外

KADOKAWAの事業ごとの利益は、ゲームが75億円で最も大きく、出版・IP創出は41億円です。出版を起点に、ゲームや教育、Webサービスへと事業が広がっています。

根拠:KADOKAWAの事業ごとの利益(有価証券報告書)
特徴 2紙が減り、電子が伸びる

KADOKAWAは国内の紙の出版が減り、資材費や物流費も上がっていると書いています。メディアドゥは、国内の電子書籍市場が2024年度に約6,700億円に達したと紹介しています。

根拠:KADOKAWA・メディアドゥ 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
特徴 3海外で日本のマンガが伸びる

KADOKAWAは、海外での日本発コミックの市場が長期的に成長していると書いています。メディアドゥも、アニメの世界配信で原作のマンガや小説への関心が世界で高まっていると見ています。

根拠:KADOKAWA・メディアドゥ 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
特徴 4少子化の影響を受ける分野も

文溪堂は、主な販売先の小学校・中学校で児童・生徒数が減るという構造的な課題を抱えていると書いています。売上高135億円の目標に対し、2026年3月期は121億円でした。

根拠:文溪堂 有価証券報告書(2026年3月期)「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」

各社が有価証券報告書で挙げている、最近の動き・課題

  • 作品の価値を長く大きく

    KADOKAWAは新しい中期経営計画で、IPへの戦略的投資と海外拠点の拡大を進め、作品の生涯価値(LTV)を最大化するとしています。2032年3月期に海外売上高1,000億円が目標です。

    KADOKAWA 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
  • アニメ制作費の上昇

    KADOKAWAは、アニメの需要が拡大する一方、国内のアニメ制作者の人材不足を背景に制作費の大幅な上昇が続いていると書いています。アニメ・実写映像事業は5億円の赤字でした。

    KADOKAWA 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
  • 地図はデータとして使われる

    ゼンリンは、自動運転などで人だけでなくシステムが参照する3次元の地図が求められていると書いています。一方、カーナビ用データの販売減などで収益への影響が大きいとしています。

    ゼンリン 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
  • 学校のデジタル化に対応

    文溪堂は、GIGAスクール構想が第2期に入ったことを受け、紙とデジタルを融合させた教材や、先生の校務の負担を減らすソフトの開発に取り組むとしています。他社と差別化した教材の研究開発も進めます。

    文溪堂 有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」

この節は、上の会社の有価証券報告書(「事業の内容」「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」)と、事業ごとの利益の数字をもとに書いています。

04

FIND BY INTEREST

興味のある分野から、会社を選ぶ

やってみたい仕事に近いものを押してください。その分野でたくさん稼いでいる順に並びます(=その分野の仕事が大きい会社)。

05

INDUSTRY MAP

業界地図:4社 × 5分野のもうけ

明るいマスほど、その会社がその分野で大きく稼いでいます。マスに指を置くと中身の事業名が出ます。

横にずらすと4社すべて見られます →

KADOKAWAメディアドゥゼンリン文溪堂
出版(本・雑誌・教材) 41億円 — — 14億円
電子書籍 — 49億円 — —
アニメ・映像・ゲーム 70億円 — — —
Web・教育 49億円 — — —
その他 — △6億円 — 4億円

各社の有価証券報告書(2026年3月期)にある「事業ごとの利益」(営業利益又は営業損失。会社によって違う)を億円に丸め、編集部が5つの分野に分けたもの。△は損失。メディアドゥの「戦略投資事業」と文溪堂の「教具」はその他に入れました。ゼンリンは事業が1つなので地図には出ません。講談社・集英社・小学館は有価証券報告書を出していないため入っていません。学研ホールディングスは持株会社で本社の社員が300人に満たないため入れていません。全社共通の費用などは入っていないので、足しても純利益とは一致しません。

06

4 COMPANIES

4社の名刺

もうけが大きい順。事業の名前は各社が使っているそのままです。

1

ゼンリン

事業ごとの利益は、このページでは載せていません

1年目の月給
未確認・学部卒
毎年の採用
—公式サイトで確認できず
平均年収
601万円平均47.11歳・勤続18.39年
もうけ(純利益)
27億円本社の社員2,441人

何で稼いでいる?事業ごとの

2

メディアドゥ

「電子書籍流通事業」で稼ぐ会社

1年目の月給
未確認・学部卒
毎年の採用
—公式サイトで確認できず
平均年収
611万円平均36.2歳・勤続6.4年
もうけ(純利益)
18億円本社の社員253人

何で稼いでいる?事業ごとの営業利益又は営業損失

電子書籍流通事業49億円
戦略投資事業△6億円
3

KADOKAWA

「ゲーム」と「出版・IP創出」で稼ぐ会社

1年目の月給
未確認・学部卒
毎年の採用
—公式サイトで確認できず
平均年収
872万円平均41.6歳・勤続4.8年
もうけ(純利益)
13億円本社の社員2,471人

何で稼いでいる?事業ごとの営業利益又は営業損失

ゲーム75億円
出版・IP創出41億円
教育・EdTech28億円
Webサービス21億円
アニメ・実写映像△5億円

数字だけでは決められないときは

年収やもうけは会社選びの一部です。仕事の中身や社風は、働いている先輩に聞くのがいちばん確かです。

4

文溪堂

「出版」と「教具」で稼ぐ会社

1年目の月給
未確認・学部卒
毎年の採用
—公式サイトで確認できず
平均年収
639万円平均41.1歳・勤続13.6年
もうけ(純利益)
6億円本社の社員214人

何で稼いでいる?事業ごとの営業利益又は営業損失

出版14億円
教具4億円
07

COMPARE

4社を1つの表で比べる

見出しを押すと、その順に並び替わります。棒の長さは4社の中での大きさです。

会社
KADOKAWA——872万円13億円2,471人41.6歳
メディアドゥ——611万円18億円253人36.2歳
ゼンリン——601万円27億円2,441人47.11歳
文溪堂——639万円6億円214人41.1歳

1年目の月給=各社の募集要項の学部卒の初任給(入社年度は会社で違う。条件は名刺に記載)。毎年の採用=直近の新卒採用者数(KADOKAWA・メディアドゥ・ゼンリン・文溪堂は公式の数字を確認できず)。平均年収・平均年齢・本社の社員=有価証券報告書の「従業員の状況」(本社=提出会社だけで、子会社の社員は入らない)。もうけ=純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益・連結)。

08

NOW HIRING

出版の新卒求人2社

いま募集している出版の会社です(エントリー受付中1社)。受付中の会社から、初任給の高い順に並べました。中身は各社の公式の募集要項です。

ほかの業界もあわせて条件で絞り込む(新卒求人の一覧へ)→

09

MORE COMPANIES

出版の、ほかの9社

上の4社のほかに、出版の仕事をしている上場企業です。数字は各社の最新の有価証券報告書。見出しを押すと並び替わり、社名を押すと会社のページへ進みます。

会社
学研ホールディングス 963万円 44.3歳 10,120人 1,991億円 36億円
ビーグリー 624万円 36.2歳 227人 167億円 7億円
アルファポリス 671万円 34.8歳 215人 166億円 23億円
パピレス 518万円 34.5歳 172人 147億円 0億円
TOブックス 530万円 30.9歳 — 118億円 13億円
オーバーラップホールディングス 849万円 37歳 85人 85億円 21億円
スターツ出版 611万円 34.8歳 — 81億円 14億円
昭文社ホールディングス 670万円 49.3歳 234人 67億円 12億円
中央経済社ホールディングス 658万円 40歳 91人 33億円 2億円

出版の外資系 1社・日本法人の公式サイトと募集要項から

平均年収・平均年齢=提出会社(単体)の全従業員の平均(賞与込み・新卒の年収ではない)。持株会社は本社の少人数の数字です。社員数・売上・純利益=グループ全体(連結。連結の無い会社は単体)。決算期は会社で違います。どの業界に入れるかは、有価証券報告書の「事業の内容」をもとに編集部が決めました。

10

WORK STYLE

働き方の数字

法律で公表が決まっている3つの数字(本社・2026年3月期)。

女性の管理職の割合

高いほど、女性が課長以上に就いている

メディアドゥ34%
KADOKAWA28.7%
文溪堂28.1%
ゼンリン9%

男性の育休の取得率

●は育児目的の休暇も含めた数え方(下の注)

メディアドゥ100%
ゼンリン75%
KADOKAWA●56.8%
文溪堂—

女性の平均賃金(男性=100)

100に近いほど男女の差が小さい

ゼンリン77.6
文溪堂75
KADOKAWA74.3
メディアドゥ70.5

男性の育休の取得率:●の会社は育児休業と育児目的の休暇を合わせた割合、無印の会社は育児休業だけの割合(育児・介護休業法の施行規則第71条の6)。数え方が違う会社どうしはそのまま比べられません。100%を超えるのは、前の年度までに子どもが生まれた人がこの年度に取った分も数えるためです。女性の平均賃金は全労働者の平均で、管理職や総合職に男性が多いと低く出ます。

11

HOW TO START

出版を目指すなら、この順番で

  1. 違いを知る

    「業界地図」と「4社の名刺」で、どの会社が何で稼いでいるかを押さえます。業界全体としては、書籍・雑誌・マンガを企画・編集・販売する業界。IP・デジタルが成長の柱。

  2. インターンの時期を確かめる

    好きな分野の企画力を示す。日程は28卒の就活スケジュールで確認できます。

  3. 働いている人に聞く

    同じ会社でも部署で仕事はまったく違います。OB・OG訪問で「入って何をしているか」を具体的に聞くと、志望動機が自分の言葉になります。

  4. 「なぜこの会社か」を事実で言えるようにする

    「御社は◯◯で大きく稼いでいて、私は◯◯に関わりたい」と、地図の事実とつなげて話せると説得力が出ます。

向いている人本・マンガ・企画が好き/編集の仕事に興味

このページの言葉

もうけ(純利益)
1年間の売上から、すべての費用と税金を引いて残ったもの。会社の稼ぐ力はこれで比べるのが一般的です(正式には「親会社の所有者に帰属する当期利益」)。
収益(売上)
いちばん大きいのはKADOKAWAの2,829億円。
本社の社員
有価証券報告書の「提出会社」の従業員。子会社の社員は入りません。グループ全体では1社あたり247〜7,332人います。
事業(セグメント)
会社が自分で決めた事業の区分。名前や分け方は会社ごとに違います。

よくある質問

出版で利益がいちばん大きいのは?

ゼンリンです。純利益は27億円で、2位はメディアドゥ(18億円)でした(各社の有価証券報告書)。

出版の平均年収は?

4社の平均年収は601.3万円(ゼンリン)から871.5万円(KADOKAWA)です。賞与を含む全社員の平均で、新卒の1年目の年収ではありません。

このページの数字はいつのもの?

各社が提出した最新の有価証券報告書の数字です。決算期は2026年3月期(メディアドゥは2026年2月期)。年に1回、新しい有価証券報告書が出たら見直します。

データの出典

  • KADOKAWA「有価証券報告書(2026年3月期)」EDINET 書類管理番号 S100YGF5
  • メディアドゥ「有価証券報告書(2026年3月期)」EDINET 書類管理番号 S100Y71R
  • ゼンリン「有価証券報告書(2026年3月期)」EDINET 書類管理番号 S100YD65
  • 文溪堂「有価証券報告書(2026年3月期)」EDINET 書類管理番号 S100YCYT
  • 初任給・採用人数:各社の公式の新卒採用ページ・サステナビリティのデータ集(2026年10月23日に確認)
  • 全産業の初任給:厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」新規学卒者の所定内給与額(大学卒・男女計)
  • 分野の分け方・割合・合計は編集部の計算です。数字は年に1回(有価証券報告書が出る6〜7月)見直します。最終確認:2026年10月23日
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