通信業界の調べ方|一次情報の集め方
通信業界を調べるなら「情報通信に関する白書と統計」「会社のセグメント情報」「設備投資に関する説明」の3つから始めてください。分野の整理や統計が所管する省庁から公表されています。各社とも通信以外の事業を持つため、セグメント情報でその比重を確かめてください。設備投資に関する説明には、会社が重視していることが表れます。
通信業界は、制度に関わる資料が整っている分野です。
分野の整理や統計が所管する省庁から公表されています。
そして各社とも通信以外の事業を持っています。セグメント情報で確かめてください。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
通信業界の3つの情報源。
制度の枠組みがある事業です
制度が変われば事業の形も変わります。公的機関の資料が重要になります。
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02白書と統計を読む
分野全体の輪郭がつかめます。
情報通信の分野を扱う白書があります
所管する省庁から公表されています。分野の整理と課題が読めます。
概要版から読んでください
本文が長いため、概要版から入ると読みやすくなります。
統計も公表されています
利用の状況や事業者に関する統計があります。分野の動きを知る材料になります。
審議会などの資料も公開されます
制度の検討の経過が資料として公開されることがあります。いま何が議論されているかが分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
電波や通信に関する制度は改正されることがあります。一次の情報で確認してください。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。古い数字を面接で話すと、かえって印象が悪くなります。
03セグメント情報と設備投資
会社の重心が分かります。
各社とも通信以外の事業を持っています
決済、金融、電力、コンテンツ、広告、法人向けの情報サービス——会社によって広げている領域が違います。
設備投資の説明を読んでください
どの領域に投資しているかは、その会社が何を重視しているかの表れです。
法人向けの事業も見てください
個人向けのサービスは目に入りやすいですが、企業向けの事業も大きな柱です。
中期経営計画を読んでください
これからどこを伸ばすか。会社の向かう先が分かります。
決算説明資料も見てください
その期に何が起きたと会社が説明しているか。セグメントごとの動きが示されます。
2社を並べてください
同じ通信の会社でも、力を入れている領域が違います。その違いが志望動機になります。
04グループ会社と事業者を探す
選択肢を広げる作業です。
グループ会社が多い業界です
システム開発、設備の工事、コンテンツ、販売——グループには多様な会社があります。
一覧を見ると選択肢が広がります
親会社だけを見ると選択肢を狭めます。一覧を確認してください。
制度上の仕組みで事業者が分かります
通信の事業を行う会社には登録や届出の仕組みがあります。所管する省庁に一覧があることがあります。
設備や工事の会社も見てください
通信の設備をつくり、維持する会社があります。関連する分野の団体から探せます。
名前が似た会社に注意してください
グループの中に名前の一部が同じ会社があることがあります。記録するときは正式名称で。
どの会社の情報かを明確にしてください
グループ会社が多いため、調べた情報がどの会社のものかを分けて記録してください。
05使っている側の視点
自分が使っているものから入れます。
使っている側の実感は材料になります
どこが良く、どこが不便か。自分の言葉で話せる材料です。
店舗に行ってみてください
どう売られているか、どんな説明がされているか——実際に見ると分かることがあります。
ただし業務の妨げにならないよう配慮してください。
つながらない場面を考えてください
どこで、どんなときに困ったか。設備を支える仕事の意味が実感できます。
ただし個人の経験には偏りがあります
自分の使い方は全体の話とは限りません。統計と合わせて考えてください。
法人向けの事業は見えにくくなります
企業向けの通信やシステムは目に触れません。会社の資料で補ってください。
感じたことを記録してください
何を使い、何を感じたか。面接で使える材料になります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
設備投資に関する説明を見てください
どこに投資しているかに会社が重視していることが表れます。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
セグメント情報で通信以外の事業が分かります
各社とも通信以外の事業を持っています。その比重を確かめてください。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
伸ばす領域が書かれます
通信の外に広げている領域が会社によって違います。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
技術系と事務系の両方を読んでください
区分によって仕事がまったく違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
情報通信に関する白書と統計があります
分野の整理が所管する省庁から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
通信の分野の団体があります
事業者の団体が統計や取り組みを公表していることがあります。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
登録や届出の一覧から会社が探せます
通信の事業を行う会社には制度上の仕組みがあります。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
同じ位置づけの会社どうしで比べてください
親会社とグループ会社では前提が違います。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
技術の見通しは出どころを確認してください
新しい技術についての記事には見通しを含むことがあります。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
会社ごとに記録を分けてください
グループ会社が多いため、どの会社の情報かを明確にしてください。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
使っている側の視点も材料になります
自分が使っているサービスについて感じたことは話せる材料です。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
白書の概要版から入ってください
分野の整理を先につかむと、会社の資料が読みやすくなります。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
情報通信に関する白書と統計、会社のセグメント情報、設備投資に関する説明の3つです。制度の枠組みがある事業なので、公的機関の資料が重要になります。
白書では何が分かりますか?
分野の整理、いまの課題、利用の状況、制度の見直しの動き、海外との比較です。所管する省庁から公表されています。本文が長いため、概要版から入ると読みやすくなります。
セグメント情報はなぜ見るのですか?
各社とも通信以外の事業を持っています。決済、金融、電力、コンテンツ、広告、法人向けの情報サービスなど、会社によって広げている領域が違います。その比重を確かめると、なぜこの会社かが具体になります。
設備投資に関する説明はなぜ重要ですか?
どの領域に投資しているかは、その会社が何を重視しているかの表れです。決算説明資料や中期経営計画に記述があります。2社を並べると力を入れている領域の違いが見えます。
グループ会社はどう調べますか?
親会社のサイトや有価証券報告書に一覧があります。システム開発、設備の工事、コンテンツ、販売など多様な会社があり、親会社だけを見ると選択肢を狭めます。名前の一部が同じ会社があることもあるので、正式名称で記録してください。
通信の事業者はどう探せばいいですか?
通信の事業を行う会社には登録や届出の仕組みがあり、所管する省庁に一覧があることがあります。業界団体の会員一覧も使えます。通信の設備をつくり維持する会社は、関連する分野の団体から探せます。
制度について調べるときは?
電波や通信に関する制度は改正されることがあります。所管する省庁のサイトで一次の情報を確認してください。審議会などの検討の経過が資料として公開されることもあり、いま何が議論されているかが分かります。
自分が使っているサービスの経験は使えますか?
どこが良く、どこが不便かは自分の言葉で話せる材料になります。つながらない場面を考えると、設備を支える仕事の意味が実感できます。ただし自分の使い方は全体の話とは限らないので、統計と合わせて考えてください。
店舗に行ってもいいですか?
どう売られているか、どんな説明がされているかを見ると分かることがあります。ただし業務の妨げにならないよう配慮してください。
法人向けの事業はどう調べますか?
企業向けの通信やシステムは目に触れません。会社の資料やサービスの紹介ページで補ってください。個人向けのサービスだけを見ると、大きな柱を見落とします。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
セグメント情報、設備投資に関する説明、中期経営計画、事業等のリスク、拠点の一覧、採用ページです。親会社とグループ会社では前提が違うので、同じ位置づけの会社にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
使っている側の視点と、資料で分かったことを組み合わせてください。資料の言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。何を使い、何を感じ、資料で何を知ったかを記録しておいてください。
19まとめ|白書・セグメント・設備投資の3つから
通信業界を調べるなら、情報通信に関する白書と統計、会社のセグメント情報、設備投資に関する説明の3つから始めてください。
- 制度の枠組みがある事業です。公的機関の資料が重要になります。
- 各社とも通信以外の事業を持っています。セグメント情報で比重を確かめてください。
- 設備投資の説明に会社が重視していることが表れます。
- グループ会社が多い業界です。一覧を見ると選択肢が広がります。
- 使っている側の実感も材料になります。ただし統計と合わせて考えてください。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
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・通信業界の職種|仕事内容の調べ方
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