通信業界とは|全体像と分野の調べ方
通信業界は6つの分野に分かれています。①移動体通信(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル)、②固定・法人通信(NTT東日本・NTT西日本・NTTコミュニケーションズ)、③通信インフラの工事(エクシオグループ・コムシスホールディングス・ミライト・ワン)、④通信機器・ベンダー(日本電気・富士通・住友電気工業・フジクラ)、⑤データセンター・回線サービス(インターネッ…
通信会社の売上のうち、通信以外の割合を知っていますか。
大手の通信会社はいま、決済、金融、広告、エネルギー、エンタメ——さまざまな事業を手がけています。
つまり通信業界を志望するということは、通信の会社を受けるだけではないということです。
この記事では、通信業界を6つの分野に分けたうえで、設備産業としての性格、職種、働き方、選考での確認事項まで通しで整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 どんな会社があるか|6つの分野と設備の産業
- 業界の地図|6つの分野
- 通信は設備の産業です
- ①移動体通信|携帯電話の会社
- ②法人向けという大きな分野
- ③通信インフラの工事という分野
- ④通信機器・部材をつくる会社
- 制度と電波|この業界の前提
- 通信会社の見分け方
- どの大学から何人入っているか
第2部 どんな仕事があるか|職種・技術・働き方
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
第1部 どんな会社があるか|6つの分野と設備の産業
01業界の地図|6つの分野
まずこの表を頭に入れてください。
| 分野 | 何をする会社か | 例 |
|---|---|---|
| ①移動体通信 | 携帯電話のネットワークとサービスを提供する | NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル |
| ②固定・法人通信 | 光回線、企業向けのネットワークを提供する | NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ |
| ③通信インフラの工事 | 基地局や光ファイバーを設計・施工・保守する | エクシオグループ、コムシスホールディングス、ミライト・ワン |
| ④通信機器・部材 | 基地局、交換機、光ファイバー、ケーブルをつくる | 日本電気、富士通、住友電気工業、フジクラ |
| ⑤データセンター・回線サービス | 設備を貸す、インターネット接続を提供する | インターネットイニシアティブ、さくらインターネット |
| ⑥放送・衛星・ケーブル | 放送や衛星の通信、ケーブルによる配信を担う | スカパーJSAT、ケーブルテレビ各社 |
「通信会社」は通信以外もやっています
大手の移動体通信の会社は、決済、金融、広告、エンタメ、エネルギー、法人向けのシステムなど幅広い事業を持っています。
セグメント情報を見ると、通信以外の事業がどれくらいあるかが分かります。読み方は16章で説明します。
工事の会社が支えています
基地局を建て、光ファイバーを通し、保守する——この仕事を担う会社があります。通信が使えるのは、この工事があるからです。
建設・ゼネコン業界とも近い性格を持つ分野です。
グループ会社が多い業界です
通信の会社はグループに多くの会社を持ちます。システム、工事、データセンター、コンテンツ——それぞれが採用を行っていることがあります。
02通信は設備の産業です
目に見えない設備が、全国に広がっています。
通信が届くまで。見えない設備が全国に広がっている。
大きな設備投資が必要です
新しい通信の方式が出れば、全国の設備を更新する必要があります。これには長い時間と大きな投資がかかります。
各社の決算説明資料には設備投資の計画が示されます。どこに投資しているかが、その会社の方向を表します。
止まらないことが前提です
通信が止まれば、決済も、連絡も、医療も、交通も影響を受けます。社会の基盤だからです。
だから24時間の監視と、障害時の復旧の体制があります。この前提が働き方にも関わります。
災害時の役割があります
災害で設備が壊れたとき、復旧して通信を回復させるのは通信会社の重要な役割です。移動できる基地局などの備えがあります。
各社が取り組みを公表しています。志望動機の材料になります。
03①移動体通信|携帯電話の会社
ネットワークを持ち、サービスを提供します。
「経済圏」という言葉
通信の契約を軸に、決済、買い物、金融、ポイントなどを組み合わせて利用者を囲む——この考え方が各社で語られています。
だから通信会社の仕事には、通信とは別の事業の企画が含まれます。
販売はショップが担います
携帯電話の販売は代理店が運営するショップが担うことが多くあります。通信会社の社員は、その運営を支援する仕事に関わることがあります。
これは直接お客様に売る仕事とは違います。説明会で確認してください。
回線を借りる事業者もあります
自社で設備を持たず、大手の回線を借りてサービスを提供する事業者があります。設備の負担が小さいぶん、サービスや価格で差をつけます。
こうした事業者も採用を行っています。
04②法人向けという大きな分野
企業のネットワークとデジタル化を支える事業です。
ITの会社に近い仕事です
法人向けの事業は、システムの構築や運用を含みます。IT・ソフトウェア業界と重なる領域です。
IT・ソフトウェア業界の全体像はIT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。併せて読むと、仕事の重なりが見えます。
顧客の業務を理解する必要があります
通信の知識だけでは提案できません。顧客がどんな業務をしていて、何に困っているかを理解する必要があります。
だからこの分野では、業界の知識と技術の知識の両方が価値になります。
大きな案件を長く進めます
企業のネットワークの更新やシステムの導入は年単位の案件になることがあります。多くの関係者と進めます。
グループのシステム会社と連携します
通信のグループにはシステムを手がける会社があります。案件によって連携して進めます。
05③通信インフラの工事という分野
設備をつくり、守る会社があります。
電気・土木の知識が生きます
この分野は電気工事と土木の要素を持ちます。電気系の学生にとって、専門が直接生きる道です。
建設・ゼネコン業界は建設・ゼネコン業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。現場の仕事の性格が近い部分があります。
通信以外の工事も手がけます
これらの会社は電気設備、都市インフラ、データセンターの設備なども手がけることがあります。通信だけの会社ではありません。
事業の構成はセグメント情報で確認できます。
現場に関わる働き方です
工事の現場に関わるため、勤務地や出張、勤務時間が生活に関わります。募集要項と説明会で確認してください。
社会を支える実感がある仕事です
災害のあと、通信を回復させるのはこの分野の仕事です。目立ちませんが、社会の基盤を支えています。
06④通信機器・部材をつくる会社
設備そのものをつくる会社があります。
電機・電子業界と重なります
通信機器は電機メーカーの事業の一部であることがあります。「通信業界」として探すと見つからないことがあります。
電機・電子業界は電機・電子業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。セグメント情報で通信関連の事業を確認してください。
海外のベンダーが強い領域があります
通信機器の分野では海外の会社が大きな存在感を持つ領域があります。国内メーカーがどの領域で事業をしているかは、各社の資料で確認してください。
部材は日本の会社が関わります
光ファイバーやケーブル、光の部品——材料と部品の層では国内企業が事業を展開しています。
これは半導体業界と似た構造です。半導体業界は半導体業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
研究開発の職種があります
通信の方式や材料の研究を行う研究所を持つ会社があります。電気電子・物理・材料の専門が生きる領域です。
07制度と電波|この業界の前提
通信は、制度の上で成り立っています。
電波は有限です
使える電波には限りがあります。だから制度に基づいて割り当てられます。この仕組みが、通信会社の事業の前提になっています。
制度の詳細は総務省の情報で確認してください。
「通信の秘密」は重い原則です
通信の内容を守ることは法令で定められた原則です。この業界で働くうえでの基本になります。
データを扱う仕事でも、この原則が前提になります。
制度は改正されます
通信に関する制度は見直されることがあります。数年前の説明が現状と合っていないことがあるため、公的機関の情報で確認してください。
うろ覚えで語らないでください
面接で制度や料金の話をするなら、出どころを言える範囲にとどめてください。正確でない説明は印象を悪くします。
08通信会社の見分け方
セグメント情報を見れば、会社の姿が分かります。
「通信の会社」という見方を外してください
決算説明資料を見ると、通信以外の事業の説明に多くの紙面が割かれていることがあります。
志望動機を書くときは、どの事業に関心があるかまで具体化してください。
グループ会社も調べてください
システム、工事、データセンター、コンテンツ、金融——グループに多様な会社があります。それぞれが採用を行っていることがあります。
親会社だけを見ると、選択肢を狭めます。
技術のページを読んでください
各社はネットワークの取り組みや研究を公開していることがあります。技術職を志望するなら、ここが志望動機の材料になります。
会社の調べ方全般は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
09どの大学から何人入っているか
これは公表されている場合があります。
この数字の使い方
「この大学からは入れる/入れない」という判断には使わないでください。年度によって変わりますし、人数は採用の規模にも左右されます。
使い道はOB・OGがいるかを確かめる材料です。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
グループ会社の実績も見てください
進路資料には通信グループの工事会社やシステム会社が出てくることがあります。いずれも通信に関わる仕事です。
先輩に聞くべきこと
どの事業に配属されたか、通信と非通信のどちらか、夜間の対応があるか——資料では分からないことを聞いてください。
第2部 どんな仕事があるか|職種・技術・働き方
10職種の全体像
通信会社には、技術と事業の両方の職種があります。
「通信の技術」だけではありません
決済、金融、広告——通信以外の事業にも職種があります。どの事業に関わりたいかで、必要な力も変わります。
コース別の募集があります
技術系と事務系、あるいは職種別にコースを分けて募集する会社があります。募集要項の区分を確認してください。
グループ会社の職種も見てください
工事、システム、データセンター——グループ会社にも専門の職種があります。選択肢から外さないでください。
11ネットワークを支える仕事
止めないことが価値になる職種です。
障害のときが本番です
通信が止まれば多くの人と事業が影響を受けます。だから復旧の速さが問われます。
この責任を重いと感じるか、やりがいと感じるかは人によります。
夜間・休日の対応があることがあります
設備の工事や切り替えは、利用が少ない時間帯に行われることがあります。また障害はいつ起きるか分かりません。
当番や交代の仕組みがあるかは、説明会で確認してください。生活に直結します。
工事会社と連携します
実際に設備を設置するのは工事の会社です。通信会社の技術者は、計画と設計、品質の確認を担います。
建設業界と似た関係です。
12サービス企画・事業開発という仕事
通信以外の事業をつくる職種です。
制度の確認が必要です
料金やサービスの設計には制度上の決まりが関わります。法務や関係部署と確認しながら進めます。
「思いついたことをすぐ出せる」仕事ではありません。
データを使います
利用者数、使われ方、解約の状況——数字を見て判断する仕事です。分析の力が求められます。
提携や出資で事業をつくります
自社だけでなく、他の会社と組んで事業を立ち上げることがあります。この点は商社の事業投資と似た面があります。
文系出身者が多い職種です
技術の知識は必要ですが、企画や事業開発には文系出身者も就いています。ただし数字と制度から逃げられません。
13勤務地と働き方
通信は全国に設備があります。
転勤の範囲を確認してください
全国に拠点があるため、転勤があることが一般的です。地域を限定する区分を設けている会社もあります。
募集要項のコース区分と転勤の記載を確認してください。
夜間・休日の対応の有無
運用や工事に関わる職種では夜間や休日の対応があることがあります。当番の仕組みや手当について、説明会で確認してください。
グループ会社への出向があることがあります
通信のグループでは関係会社に出向して働くことがあります。可能性があるかは説明会で聞いてよい質問です。
在宅の制度は会社によります
職種によって在宅で働ける範囲が違います。設備に触れる職種は現地での作業が必要です。募集要項と説明会で確認してください。
14専攻と職種の関係
電気電子・情報系がまっすぐ生きる業界です。
電波を学んだ人は強みがあります
無線の通信は電波の性質の上に成り立っています。学んできたことが直接使われる場面があります。
情報系はソフトとデータで生きます
ネットワークの制御、サービスのシステム、データの分析——ソフトウェアの比重が上がっている領域です。
文系にも入口があります
法人営業、サービス企画、事業開発、管理部門——文系出身者が就く職種が数多くあります。
学びの整理の仕方
会社が見ているのはどう課題を立て、どう確かめたかという進め方であることが一般的です。整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。
第3部 自分で調べる|一次資料と年収
15年収を自分で調べる方法
就活サイトの年収ランキングではなく、会社が出している数字を見てください。
| 知りたいこと | どこに載っているか |
|---|---|
| 全従業員の平均年収 | 有価証券報告書【企業の概況】「従業員の状況」の平均年間給与 |
| 初任給 | 各社の募集要項・採用ページ |
| 賞与の回数・時期 | 募集要項 |
| 諸手当 | 募集要項の手当欄 |
| 昇給の時期 | 募集要項 |
平均年間給与の注意点
これは全従業員の平均です。新卒の初任給ではありません。また年齢構成や職種構成で変わります。平均年齢が高い会社は高く出やすく、若い会社は低く出やすい——それだけのことです。
同じ欄に平均年齢と平均勤続年数も載っています。3つをセットで見ると、数字の意味が分かります。
技術職の手当を確認してください
ネットワークの運用に関わる職種では、夜間や休日の対応がある場合があります。それに伴う手当の有無は、募集要項の手当欄で確認できます。
持株会社の数字に注意してください
持株会社(ホールディングス)の有価証券報告書に載る平均年間給与は、持株会社に所属する社員だけの数字であることがあります。実際に働く事業会社とは別です。誰の数字を見ているのかを、従業員数と合わせて確認してください。
手取りは額面と違います
提示される金額は額面です。ここから税と社会保険料が引かれます。額面だけで生活設計をすると、想定より少なくて驚くことになります。募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
16有価証券報告書の使い方
この業界を調べるときの、いちばん確実な資料です。
上場企業が年に1回、法律に基づいて出す書類です。金融庁のEDINETで誰でも無料で読めます。各社のサイトのIR(投資家向け情報)にも置かれています。
通信業界では、ここを重点的に見てください
①セグメント情報——通信の事業と、それ以外の事業(決済、金融、広告、エネルギーなど)がどう分かれているかが分かります。通信会社は非通信の事業が大きいことがあります。
②設備投資に関する記載——通信は設備の産業です。どこにいくら投資しているかが、その会社の方向を示します。
③事業等のリスク——制度の変更、災害、通信の障害、競争——会社自身が何をリスクと考えているかが書かれています。
全部読む必要はありません
最初から通読しようとすると挫折します。上の数か所だけを、志望する2〜3社で読み比べる——これで十分に差が見えます。章の名前や構成は年度・会社によって異なることがあるので、目次から探してください。
17決算説明資料・中期経営計画
有価証券報告書より読みやすく、会社の考えが出ます。
| 資料 | 何が書いてあるか | どこにあるか |
|---|---|---|
| 決算説明資料 | 直近の業績と、その理由の説明 | 会社サイトのIR |
| 中期経営計画 | 数年先に何をやろうとしているか | 会社サイトのIR |
| 統合報告書 | 事業の考え方、人材、環境への取り組み | 会社サイトのIR |
| 質疑応答の要旨 | 投資家が何を気にしているか | IRに掲載される場合がある |
中期経営計画が志望動機の材料になります
ここには「これから何に力を入れるか」が書かれています。同じ分野の2社の計画を読み比べると、重点の置き方の違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。会社が自分で書いていることなので、外れません。
図が多いので入りやすい
決算説明資料はスライド形式で、図表が中心です。専門用語の解説が付いていることもあり、業界用語を覚える教材としても使えます。まず決算説明資料を読み、興味が出たら有価証券報告書で裏を取る——この順番が効率的です。
非上場の会社の場合
非上場だと有価証券報告書がありません。その場合は会社サイトの会社概要、採用ページ、プレスリリースが主な情報源になります。情報が少ない会社では、説明会や面接で直接聞くのが確実です。聞いて失礼になる内容ではありません。
18業界団体と官庁の資料
業界全体の話を確かめたいときに使います。
使い方は「裏取り」です
就活で統計を暗記する必要はありません。使うのはニュースや説明会で聞いた話が本当かを確かめるときです。面接で業界の話をするときも、出どころを言える情報のほうが強くなります。「ニュースで見た」より「協会の資料で見た」のほうが確かです。
情報通信白書は業界の教科書です
総務省が公表する情報通信白書には、通信とデジタルに関する動向がまとめられています。無料で読めます。
全部読む必要はありません。関心のある章だけ読めば、業界の話の前提がつかめます。
ニュースの読み方
記事の出どころ(誰が発表したか)をたどる癖をつけてください。発表元の資料に当たれば、記事で省かれた条件や前提が分かります。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。
19業界用語|最低限これだけ
説明会で前提として使われる言葉です。
意味を言えるようにしておけば十分です
深く理解している必要はありません。説明会で言葉が出たときに話についていける——その程度で構いません。制度に関する言葉は、公的機関の説明で確認してください。
20情報通信白書と決算資料を使う
この業界は、公的な資料が充実しています。
白書は関心のある章だけでよい
情報通信白書は分量が多い資料です。全部読む必要はありません。関心のある章だけ読めば、業界の話の前提がつかめます。
2社の決算資料を並べてください
通信会社は通信と非通信の比重が会社によって違います。決算説明資料のセグメント別の数字を並べると、その違いが分かります。
その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
設備投資の方針を見てください
どこにいくら投資するかは、その会社が何を重視しているかを表します。技術職を志望するなら、ここが材料になります。
ニュースは出どころをたどる
通信は報道の多い分野です。発表元の資料に当たる癖をつけてください。扱い方はニュースと時事の追い方|就活で使える範囲と使い方で扱っています。
第4部 選考に向けて|志望動機と確認事項
21インターンシップの探し方
分野によって、探す場所が変わります。
通信会社は「通信以外」も見てください
大手の通信会社は決済、金融、広告、エンタメ、エネルギーなど幅広い事業を持っています。
インターンを選ぶときは、どの事業の部門かを確認してください。通信の技術に関わるのか、サービスの企画に関わるのかで内容が変わります。
グループ会社も選択肢です
通信のグループには工事、システム、データセンター、コンテンツなどの会社があります。親会社だけを見ないでください。
参加できなくても不利になるとは限りません
インターンと選考の関係は会社によって違い、案内に記載がある場合はその記載が基準です。記載のないことを推測で補わないでください。選び方はインターンの選び方|条件で絞るで扱っています。
22志望動機の材料を集める
材料が足りないまま書こうとするから、書けません。
同じ分野の2社を読み比べてください
1社だけ読んでも、その会社の特徴は分かりません。同じ分野の2社の中期経営計画を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
「人と人をつなぎたい」だけでは足りません
通信業界の志望動機で最も多い型です。ただ、それはこの業界のほぼ全社に当てはまります。
一段具体的にするには、その会社が通信以外にどんな事業を持ち、何に投資しているかまで降りてください。セグメント情報と中期経営計画を読めば分かります。
書いたあとの確認
会社名を同じ分野の別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
23選考で確認すること
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
確認事項は事前に書き出しておく
説明会や面接の場で思い出そうとしても出てきません。会社ごとに確認事項をメモしておくと、聞きそびれが減ります。
聞いても失礼にならない質問です
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。遠慮せず確認してください。記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認する
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
24選考の時期の考え方
会社ごとに違い、年度によっても変わります。
就活サイトに載っているスケジュールは一般的な目安であり、個別の会社に当てはまるとは限りません。
コース別に募集されることがあります
技術系(ネットワーク、システム)と事務系、あるいは職種別のコースを設けている会社があります。
募集要項のコース区分と、それぞれの仕事の違いを確認してください。
締切は一覧で管理してください
複数の分野・複数の会社に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、応募した日、次の予定、締切の4つを1枚にまとめておけば、出し忘れは防げます。管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
25向き不向きの考え方
性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。
「身近なサービスに関わりたい」の先へ
通信会社の仕事の多くは利用者から見えない部分にあります。設備、制度、企画、法人向け——ここに人手がかかっています。
この前提を理解しているかどうかで、面接での受け答えが変わります。
本記事では向き不向きの判断はしていません
上の表は仕事の性質を整理したものであり、適性の診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
26他の業界と迷ったとき
通信は、いくつもの業界と地続きです。
「通信会社」の中に他業界の仕事があります
決済も、広告も、エネルギーも——通信会社の中にその仕事があります。業界名で絞ると見落とします。
IT・ソフトウェア業界はIT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方、電機・電子業界は電機・電子業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
比べる項目を先に決めてください
項目が多すぎると決まりません。自分が譲れない項目を3つに絞ると判断しやすくなります。比べ方は志望企業の絞り方|条件を言葉にしてから選ぶで扱っています。
27やらない方がいいこと
通信業界の選考でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 「人と人をつなぎたい」で止める | ほぼ全志望者が言う。会社を選んだ理由にならない |
| 非通信の事業を見ない | 会社の事業構成を理解していないことになる |
| ショップでの接客を仕事だと思い込む | 販売は代理店が担うことが多い。前提がずれる |
| 料金プランの話だけをする | 利用者としての視点にとどまる |
| 制度や電波の話をうろ覚えで語る | 正確でない説明は印象を悪くする |
| 夜間対応の有無を確認しない | 職種によっては生活に関わる |
利用者としての意見は入口にとどめてください
サービスを使った感想は自然な動機です。ただしそこで止まると、利用者の視点のままです。
事業としてどう成り立っているかまで調べると、話が一段深くなります。
1社の説明会を業界全体の話だと思わない
説明会で語られるのはその会社の話です。移動体と固定、通信と非通信では前提が違います。最低2社は比べてください。
28相談できる窓口
一人で抱えないでください。
電気電子・情報系は学科のつながりがあります
通信に関わる学科では、企業からの案内が届くことがあります。過去の進路は学科の資料で確認できます。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。
29よくある質問
通信会社は携帯電話を売る仕事ですか?
販売はショップを運営する代理店が担うことが多く、通信会社の社員はその運営を支援する立場に関わることがあります。会社全体で見れば、ネットワークの設計と運用、法人向けの事業、サービスの企画、そして決済や金融など通信以外の事業が大きな部分を占めます。
文系でも入れますか?
入れます。法人営業、サービス企画、事業開発、管理部門など、文系出身者が就く職種が数多くあります。ただし数字と制度を扱うため、技術や仕組みを理解する姿勢は求められます。応募できるかどうかは募集要項の応募資格欄で確認してください。
通信以外の事業とは何ですか?
決済、金融、広告、エンタメ、エネルギー、法人向けのシステムなどです。大手の通信会社は通信の契約を軸に複数のサービスを組み合わせる方針を掲げることがあります。どれくらいの比重かは、有価証券報告書のセグメント情報や決算説明資料で確認できます。
夜間の対応はありますか?
職種によります。ネットワークの運用や設備の工事に関わる職種では、利用の少ない時間帯に作業を行ったり、障害に備える当番があったりすることがあります。生活に直結する条件なので、説明会で確認してください。聞いて失礼になる質問ではありません。
電気電子の専攻ですが、どんな仕事がありますか?
ネットワークの設計、無線・電波の技術、設備の計画、研究開発など、専門が直接生きる職種があります。通信機器や光ファイバーをつくるメーカー側という選択肢もあります。どちらも電気電子の知識が土台になります。
転勤はありますか?
全国に設備と拠点があるため、転勤があることが一般的です。会社によっては地域を限定する区分を設けています。募集要項のコース区分と転勤の記載を確認してください。グループ会社への出向の可能性についても、説明会で聞いてよい質問です。
工事会社とはどんな関係ですか?
通信会社が設備の計画と設計を行い、実際の設置や保守は工事の会社が担うという分担があります。工事の会社は電気工事と土木の要素を持ち、電気系の学生には専門が生きる分野です。災害時の復旧もこの分野の重要な役割です。
情報通信白書は読むべきですか?
全部読む必要はありません。分量の多い資料なので、関心のある章だけ読めば業界の話の前提がつかめます。総務省が公表しており無料で読めます。ニュースで見た話の裏を取るときにも使えます。
通信は成熟産業で成長しないのでは?
将来の見通しについて本記事では判断していません。各社が通信以外の事業や法人向けの事業を伸ばす方針を掲げていることは、中期経営計画で確認できます。会社が何を課題とし、どこに投資しているかを自分で読んでください。
グループ会社と本体、どちらを受けるべきですか?
本記事では優劣の判断はしていません。グループ会社には工事、システム、データセンター、コンテンツなど専門の事業があり、その分野に深く関わることができます。まず自分がどの仕事に関心があるかを決めて、それを担っている会社を探してください。
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、年度によっても変わります。コース別に募集される場合、コースごとに進み方が違うこともあります。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
まず何から読めばいいですか?
志望する会社の決算説明資料でセグメント別の状況と設備投資の方針を確認し、次に中期経営計画を読むのが早道です。加えて情報通信白書の関心のある章を読めば、業界全体の前提がつかめます。
この記事に載っていない会社もありますか?
あります。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、網羅した一覧ではありません。また推奨や順位付けでもありません。工事、データセンター、回線サービス、ケーブルテレビなど、さまざまな会社があります。
30まとめ|設備と、通信以外の事業を見る
通信業界は6つの分野に分かれています。①移動体通信、②固定・法人通信、③通信インフラの工事、④通信機器・部材、⑤データセンター・回線サービス、⑥放送・衛星。
通信は設備の産業です。基地局、光ファイバー、データセンター——全国の設備を建て、つなぎ、守り続けることが事業の土台です。
通信会社は通信以外の事業を大きく持っています。決済、金融、広告、エネルギー。セグメント情報を見れば比重が分かります。
法人向けの事業はIT業界と重なります。ネットワーク、クラウド、システム、セキュリティ——顧客の業務を理解する必要があります。
工事の会社が支えています。電気・土木の知識が生きる分野で、災害時の復旧という重要な役割も担います。
制度と電波が前提です。電波は有限で、制度に基づいて割り当てられます。通信の秘密は法令上の原則です。
夜間・休日の対応の有無を確認してください。職種によって生活の形が変わります。
最後に。本記事の社名は各分野にどんな会社があるかを示す例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。網羅した一覧でもありません。売上・シェア・年収などの数値と企業の将来性、向き不向きは扱っていません。制度に関することは総務省などの公的機関の情報で、募集の条件は各社の募集要項でご確認ください。
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