IT・ソフトウェア業界の調べ方|一次情報の集め方
IT・ソフトウェア業界を調べるなら「技術ブログ」「サービスを自分で使う」「情報や通信に関する白書」の3つから始めてください。技術ブログを公開している会社があり、どんな技術を使い何を課題だと考えているかが直接分かります。サービスが使えるなら自分で触ってみるのが早道です。感じたことがそのまま材料になります。分野の整理は所管する省庁の白書で確認できます。
IT・ソフトウェア業界は、会社自身が技術について書いている業界です。
技術ブログを公開している会社があり、何を考えているかが直接分かります。
そしてサービスは自分で使えます。触ってみた感想がそのまま材料になります。
この記事では、この業界の情報源と、その使い方を整理します。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界で使える情報源
第2部 会社が出す資料
第3部 公的機関と業界団体
第4部 調べたことの扱い方
第1部 この業界で使える情報源
01この業界で使える情報源
まずこの3つから始めてください。
IT・ソフトウェア業界の3つの情報源。
会社自身が技術について書いています
他の業界にはあまりない特徴です。この材料を使ってください。
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業界の構造はIT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方、職種はIT・ソフトウェア業界の職種|仕事内容の調べ方、選考はIT・ソフトウェア業界の選考|案内から流れを読む、条件はIT・ソフトウェア業界の求人票|確認する項目で整理しています。
02技術ブログを読む
この業界ならではの材料です。
会社の資料より中身が見えることがあります
実際に働いている人が書くため、日々の仕事に近い内容が読めます。
困ったことの記事がとくに役に立ちます
何に困り、どう解いたか。その会社が向き合っている課題が分かります。
面接で触れられます
「このブログの記事を読みました」と言えると、調べたことが伝わります。
ただし読んで何を考えたかまで言えるようにしてください。
すべての会社が出しているわけではありません
出していない会社もあります。その場合は他の材料で補ってください。
発表の資料が公開されることがあります
勉強会などで使われた資料が公開されていることがあります。
内容を鵜呑みにしないでください
技術に関する意見は書いた人の立場が影響します。複数の記事を読んでください。
03サービスを自分で使う
触ってみるのが早道です。
使える範囲で触ってみてください
無料で試せるものがあります。自分で使って感じたことは材料になります。
似たサービスと比べてください
同じような目的のサービスを並べると、何を大事にしているかが見えます。
企業向けのサービスは触れないことがあります
その場合は紹介のページや資料で補ってください。
使っているものから会社を辿れます
自分が普段使っているものを誰がつくったかを調べると、知らない会社が見つかります。
受託の会社は実績のページを見てください
どんな業種の、どんな案件を手がけてきたか。会社の得意な領域が分かります。
感想を記録してください
どこが良いと思い、どこが分かりにくかったか。正直に書いておくと面接で使えます。
04公的機関と業界団体
分野全体の輪郭が分かります。
白書は分野の整理に向きます
情報や通信の分野を扱う白書があります。いま何が課題とされているかが整理されています。
情報処理に関する公的な機関があります
技術や人材に関する調査や資料を公表していることがあります。
資格の情報は実施する機関で確認してください
情報に関する資格があります。制度や試験の内容は実施する機関が公表しています。
業界団体に会員の一覧があります
情報サービスの分野の団体があり、一覧から会社が探せます。
分野ごとの団体もあります
特定の領域について団体が設けられていることがあります。
統計は更新されます
いつの統計かを必ず確認してください。この分野は変化が速いとされます。
05会社の資料の読みどころ
事業の形によって見る場所が変わります。
上場していない会社も多い業界です
その場合は会社のサイトと技術ブログが中心の材料になります。
受託の会社は実績と得意な業種を見てください
どんな業種の案件を手がけてきたか。会社の性格が分かります。
上場している会社は有価証券報告書が読めます
事業の内容、セグメントごとの収益、事業等のリスクが分かります。
採用ページの職種の説明を読んでください
エンジニアの中でも役割が分かれていることがあります。
社内の情報システム部門という選択肢があります
IT企業ではなく、一般の事業会社の中で情報システムを担う道もあります。その場合は会社自体の事業を調べてください。
2社を並べてください
同じ形の会社でも、大事にしていることが違います。その違いが志望動機になります。
第2部 会社が出す資料
06会社が出している資料
会社自身が出したものが、いちばん確かな材料です。
| 資料 | 分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書 | 事業の内容、セグメント、従業員の状況、事業等のリスク |
| 決算説明資料 | その期に何が起きたか、会社がどう説明しているか |
| 中期経営計画 | これから何をしようとしているか |
| 統合報告書・サステナビリティ報告 | 会社が大事にしていること、取り組み |
| 会社のサイト | 事業の紹介、拠点の一覧、沿革 |
| 採用ページ | 職種、募集要項、働く人の紹介 |
上場している会社は資料が多くなります
有価証券報告書は公的な仕組みで公表されています。誰でも読めます。
技術ブログを出している会社があります
会社の資料より、技術ブログのほうが中身が見えることがあります。
上場していない会社はどう調べるか
会社のサイト、採用ページ、業界団体の名簿、公的機関の公表資料。使える材料はあります。
就活サイトの情報は二次の情報です
まとめられた情報は分かりやすい代わりに、古かったり要約で落ちていたりします。元の資料にあたってください。
07有価証券報告書のどこを読むか
全部読む必要はありません。
まず「事業の内容」と「セグメント情報」を読んでください
この2つでその会社が何をしているかの輪郭が分かります。
提出書類がない会社もあります
この業界では、有価証券報告書を読めない会社のほうが多いこともあります。
「事業等のリスク」は志望動機の材料になります
会社自身が何を不確実だと考えているかが書かれています。面接で話すときの材料になります。
数字を暗記する必要はありません
覚えるのではなく、構造を理解するために読んでください。
08中期経営計画と決算説明資料
これからの方向が書かれています。
「なぜこの会社か」の材料になります
同じ業界の2社の計画を並べると、力を入れている領域の違いが見えます。
力を入れる領域が書かれます
受託か自社サービスか、どの分野か——会社の向かう先が分かります。
言葉をそのまま使わないでください
計画に書かれた言葉をなぞるだけでは読んだことの証明にしかなりません。自分がどう思ったかまで用意してください。
公開されていない会社もあります
その場合は会社のサイトや採用ページから読み取ってください。
09採用ページと会社のサイト
見落とされがちですが、情報が詰まっています。
拠点の一覧は必ず見てください
勤務地の記載を読むときの前提になります。
募集の区分を先に確かめてください
同じ「エンジニア」という言葉でも、会社によって指す範囲が違います。
働く人の紹介は職種ごとに読んでください
同じ会社でも職種によって仕事が違います。複数の職種の紹介を読むと像が立ちます。
募集要項の読み方は別記事で
条件の確認については募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで扱っています。
第3部 公的機関と業界団体
10公的機関が出している情報
業界全体の輪郭は、ここで分かります。
制度のことは必ず公的機関で確認してください
制度は改正されることがあります。まとめ記事ではなく、一次の情報で確認するのが確実です。
情報や通信に関する白書があります
分野の整理が所管する省庁から公表されています。
白書は業界の全体像をつかむのに向きます
分野ごとの整理と、いま何が課題とされているかが書かれています。
読むのが大変なら要約から
公的機関が概要版を出していることがあります。そこから入ってください。
11業界団体の資料
その業界の内側からの整理です。
会員の名簿は会社を探すのに使えます
知らない会社を見つけるいちばん確実な方法です。専門の分野ほど有効です。
情報サービスの分野の団体があります
会員の一覧や分野の統計が公表されています。
用語の解説から読むと早いことがあります
業界の言葉が分からないと資料が読めません。用語の解説があれば先に読んでください。
誰が出した資料かを意識してください
団体が出すものには、その業界にとっての見え方が反映されます。公的機関の資料と両方を見ると偏りが減ります。
12資料の探し方
探し方を覚えると早くなります。
会社のサイトの投資家向けページを見てください
上場している会社では、決算や計画の資料がまとめて置かれています。
使っているサービスから会社を辿れます
自分が使っているものを誰がつくったかを調べてください。
大学の図書館も使えます
業界に関する書籍や、有料の情報源が使える場合があります。司書に聞いてください。
分からないときはキャリアセンターへ
調べ方そのものを相談できる相手です。
132社を並べて読む
1社だけ読んでも、違いは見えません。
同じ業界の同じような規模の会社で比べてください
前提が違いすぎると比べても意味がありません。
受託どうし、自社サービスどうしで比べてください
事業の形が違うため、同じ形にそろえてください。
違いが「なぜこの会社か」の答えになります
「A社は○○に力を入れ、B社は△△に力を入れている」——この形で言えると具体になります。
表にして並べてください
頭の中で比べると印象で判断してしまいます。項目を決めて書き出してください。
第4部 調べたことの扱い方
14一次の情報と二次の情報
この区別を持っておいてください。
二次の情報が悪いわけではありません
全体をつかむにはまとめられた情報が役に立ちます。ただし、そこで止めないでください。
技術の評判は出どころを確認してください
技術に関する意見は書いた人の立場が影響します。
出どころを確認する癖をつけてください
読んだ内容がどこから来たものか。元の資料にあたれるかを確認してください。
人から聞いた話はその人の経験です
貴重な情報ですが、会社全体の話とは限りません。複数の人に聞くと偏りが減ります。
古い情報に注意してください
いつの情報かを必ず確認してください。制度も会社の状況も変わります。
15調べたことを記録する
あとで使える形にしてください。
自分が何を思ったかを書いてください
資料の内容だけ写しても、面接では使えません。読んで何を感じたかが材料になります。
事業の形ごとに記録を分けてください
受託、自社サービス、社内の情報システム——形ごとに整理すると使いやすくなります。
分からなかったことを残してください
調べても分からなかったことが、説明会で聞くべきことになります。
会社ごとに同じ項目を埋めてください
項目をそろえると違いがはっきりします。
16調べたことをどう使うか
調べて終わりにしないでください。
資料の言葉をなぞらないでください
書かれていることを言うだけでは、読んだことの証明にしかなりません。
それを読んで自分が何を考えたかまで言えると、話が変わります。
使ってみた感想を材料にしてください
実際に触って感じたことは自分の言葉で話せる材料です。
知らない会社を見つける道具でもあります
業界団体の名簿や取引先の一覧から、選択肢が広がります。
調べすぎて動けなくならないでください
ある程度調べたら、説明会に行く、人に聞く。動いたほうが分かることもあります。
17やらない方がいいこと
調べ方でとくに起きやすい失敗です。
| やりがちなこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 技術ブログを見ない | 会社の中身が最も見える材料 |
| サービスを使わずに志望する | 使えるなら触ってみるほうが具体に話せる |
| ブログの内容を鵜呑みにする | 書いた人の立場が影響する |
| 受託と自社サービスを混ぜて比べる | 事業の形が違う |
| 技術の名前だけ覚える | 何のために使うかを理解するほうが使える |
| 古い統計を使う | この分野は変化が速いとされる |
読んで何を考えたかまで用意してください
「読みました」だけでは読んだことの証明にしかなりません。
調べ方そのものを相談できます
大学のキャリアセンターや図書館の司書は、探し方を教えてくれる相手です。
18よくある質問
何から調べ始めればいいですか?
技術ブログ、サービスを自分で使うこと、情報や通信に関する白書の3つです。会社自身が技術について書いているのは他の業界にはあまりない特徴なので、この材料を使ってください。
技術ブログでは何が分かりますか?
使っている技術、困ったことと解いた過程、書いている人の様子、更新の頻度、社外への関わりです。実際に働いている人が書くため、会社の資料より日々の仕事に近い内容が読めます。とくに困ったことの記事からは、その会社が向き合っている課題が分かります。
技術ブログを出していない会社はどうしますか?
出していない会社もあります。その場合は会社のサイト、サービスの紹介、採用ページ、実績のページで補ってください。勉強会などで使われた発表の資料が公開されていることもあります。
サービスは使ってみるべきですか?
使える範囲で触ってみてください。どこが分かりやすく、どこで迷ったか、何ができるか、誰向けかを見ると、その会社が何を大事にしているかが見えます。似たサービスと並べるとさらに違いが分かります。
企業向けのサービスは触れませんが?
紹介のページや資料で補ってください。受託の会社の場合は実績のページを見ると、どんな業種のどんな案件を手がけてきたかが分かります。
知らない会社はどう探せばいいですか?
自分が普段使っているものを誰がつくったかを調べると見つかります。情報サービスの分野の業界団体に会員の一覧があり、分野ごとの団体もあります。
公的機関ではどんな情報が得られますか?
情報や通信の分野を扱う白書が所管する省庁から公表されており、分野の整理と課題が分かります。情報処理に関する公的な機関が技術や人材に関する調査を出していることもあります。
資格について調べるときは?
情報に関する資格があり、制度や試験の内容は実施する機関が公表しています。制度は改正されることがあるため、一次の情報で確認してください。
上場していない会社はどう調べますか?
この業界には上場していない会社も多くあります。その場合は会社のサイトと技術ブログが中心の材料になります。採用ページの職種の説明も、仕事の中身を知る手がかりです。
技術ブログの内容は信じていいですか?
技術に関する意見は書いた人の立場が影響します。複数の記事を読み、鵜呑みにしないでください。技術の名前だけを覚えるのではなく、何のために使うのかを理解するほうが使えます。
2社を比べるときは何を見ればいいですか?
技術ブログ、サービスの紹介、実績のページ、採用ページです。上場している会社ならセグメントごとの収益と事業等のリスクも見られます。受託と自社サービスでは事業の形が違うので、同じ形にそろえてください。
調べたことをどう使えばいいですか?
実際に触って感じたことは自分の言葉で話せる材料になります。ブログについても「読みました」だけでなく、読んで何を考えたかまで用意してください。どこが分かりにくかったかを正直に記録しておくと面接で使えます。
19まとめ|技術ブログ・サービス・白書の3つから
IT・ソフトウェア業界を調べるなら、技術ブログ、サービスを自分で使うこと、情報や通信に関する白書の3つから始めてください。
- 会社自身が技術について書いています。他の業界にはあまりない材料です。
- 困ったことの記事がとくに役に立ちます。向き合っている課題が分かります。
- サービスは自分で触ってみてください。感じたことがそのまま材料になります。
- 上場していない会社も多い業界です。サイトとブログが中心の材料になります。
- 読んで何を考えたかまで用意してください。「読みました」だけでは足りません。
最後に。挙げた情報源は調べる手がかりであり、内容を保証するものではありません。制度や統計は更新されるため、公的機関や発行元の最新の情報でご確認ください。
・IT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方
・IT・ソフトウェア業界の職種|仕事内容の調べ方
・IT・ソフトウェア業界の選考|案内から流れを読む
・IT・ソフトウェア業界の求人票|確認する項目
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
・就活・キャリアの記事一覧