バイト・お金 更新 2026.09.11 この記事にはPRを含みます

罰金・自腹を求められたとき|違和感を覚えたら確認すること

結論

「遅刻1回〇円」「辞めたら〇万円」のように、あらかじめ罰金や違約金の額を決めておくことは、労働基準法で禁止されています。就業規則に定めた「減給の制裁」には法律上の上限があります。レジの不足分や壊した物の代金を当然に全額自己負担させることには問題があり、商品の買い取りの強制や、本人の同意や労使の協定なく給料から差し引くことも問題になり得ます。一方、遅刻して働かなかった時間分の…

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22章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.11
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「遅刻したら罰金1,000円」「レジが合わなかった分は自分で払って」「売れ残ったケーキ、スタッフで買い取りね」

バイト先でこうしたことを言われて、「おかしい気がするけど、決まりだと言われたら従うしかない」と感じたことはありませんか。

アルバイトに対する罰金や自己負担(いわゆる「自腹」)の中には、法律で禁止されているもの、上限が決められているもの、そもそも応じる義務がないものがあります。一方で、遅刻して働かなかった時間の分の給料が支払われないのは、罰金とは別の話です。

この記事では、罰金や自腹が問題になる場面の見分け方、その場での対応、すでに払ってしまったときの考え方、そして相談の進め方を整理します。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言ではありません。罰金・減給・損害賠償・賃金からの控除などが認められるかどうかは、就業規則・労使の協定・個別の事情によって判断が異なることがあります。制度は変更されることがあるため、必ず厚生労働省の最新情報をご確認のうえ、疑問がある場合は公的な相談窓口にご相談ください。

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よくある罰金・自…罰金の額を決めて…減給の制裁の上限遅刻の分の給料が…給料からの差し引…この記事

この記事の流れ

罰金・自腹を求められたとき

「遅刻1回〇円」「辞めたら〇万円」のように、あらかじめ罰金や違約金の額を決めておくことは、労働基準法で禁止されています。

1
遅刻1回につき罰金〇円罰金額の予定の禁止
2
レジの不足分を自分で払う当然の全額負担には問題
3
割った食器の代金を払う当然の全額負担には問題
4
売れ残り商品の買い取り強制には問題

よくある罰金・自腹の例

「決まりだから」と言われがちなものです。

アルバイト先で「決まりだから」と言われる罰金や自腹には、さまざまな形があります。遅刻や欠勤への罰金、レジの不足分の補填、壊した物の弁償、売れ残り商品の買い取り、辞めるときの違約金などです。

1
禁止されていること違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくこと
2
例「遅刻1回〇円」「ミス1回〇円」「辞めたら〇万円」
3
契約書に書かれていてもその定めは認められない
4
署名していても同じく認められない

罰金の額を決めておくことの禁止

労働基準法で、はっきり禁止されています。

労働基準法では、労働契約を守らなかった場合の違約金を決めておくことや、損害賠償の額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。

1
減給の制裁とは職場の決まりに違反したことへの制裁として給料を減らすこと
2
前提就業規則などに定めがあること
3
1回の上限平均賃金の1日分の半額まで
4
総額の上限1回の賃金支払期の賃金総額の10分の1まで

減給の制裁の上限

就業規則に定めた制裁にも、上限があります。

職場の決まりに違反したことへの制裁として給料を減らす「減給の制裁」は、就業規則などに定めがある場合に行われることがあります。

1
遅刻した10分の給料が支払われない働いていない時間分なので、原則として罰金にあたらない
2
10分の遅刻で30分や1時間分カット超える部分は減給の制裁にあたり得る
3
遅刻1回で定額の罰金罰金額の予定の禁止に触れる可能性
4
遅刻が続いたので時給を下げる一方的な変更には問題がある可能性

遅刻の分の給料が減るのは罰金か

「働かなかった時間分」と「それを超える分」を分けて考えます。

遅刻して働かなかった時間の分の給料が支払われないことは、「働かなかった分は支払われない」という考え方に基づくもので、原則として罰金にはあたりません。

1
法令で定められたもの所得税・住民税・社会保険料など
2
労使の協定があるもの協定で定めた社宅費・購買代金など
3
協定も法令もないもの一方的に差し引くことはできない

給料からの差し引きのルール

給料は、原則として全額を支払う必要があります。

労働基準法では、賃金は原則として全額を支払わなければならないとされています。給料から差し引くことができるのは、税金や社会保険料など法令で定められたものと、働く人の過半数を代表する者などとの書面による協定で定め…

1
「決まりだから」と言われがちなものです。よくある罰金・自腹の例
2
労働基準法で、はっきり禁止されています。罰金の額を決めておくことの禁止
3
就業規則に定めた制裁にも、上限があります。減給の制裁の上限
4
「働かなかった時間分」と「それを超える分」を分けて考えます。遅刻の分の給料が減るのは罰金か

まとめ

この記事の要点

就業規則に定めた「減給の制裁」には法律上の上限があります。レジの不足分や壊した物の代金を当然に全額自己負担させることには問題があり、商品の買い取りの強制や、本人の同意や労使の協定なく給料から差し引く…

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01よくある罰金・自腹の例

「決まりだから」と言われがちなものです。

1遅刻1回につき罰金〇円罰金額の予定の禁止
2レジの不足分を自分で払う当然の全額負担には問題
3割った食器の代金を払う当然の全額負担には問題
4売れ残り商品の買い取り強制には問題
5急な欠勤で罰金〇円罰金額の予定の禁止
6辞めたら違約金〇万円違約金の予定の禁止
7制服代を給料から天引き協定や同意の有無による

アルバイト先で「決まりだから」と言われる罰金や自腹には、さまざまな形があります。遅刻や欠勤への罰金、レジの不足分の補填、壊した物の弁償、売れ残り商品の買い取り、辞めるときの違約金などです。

これらは、職場の「慣習」として当たり前のように行われていることもありますが、法律に照らすと問題があるものが少なくありません。まずは、それぞれがどのようなルールに関わるのかを見ていきましょう。

02罰金の額を決めておくことの禁止

労働基準法で、はっきり禁止されています。

1禁止されていること違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくこと
2例「遅刻1回〇円」「ミス1回〇円」「辞めたら〇万円」
3契約書に書かれていてもその定めは認められない
4署名していても同じく認められない

労働基準法では、労働契約を守らなかった場合の違約金を決めておくことや、損害賠償の額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。「遅刻したら1回〇円」「ミスしたら1回〇円」「途中で辞めたら〇万円」といった決まりは、この禁止に触れる可能性があります。

こうした決まりが雇用契約書や誓約書に書かれていて、自分が署名していたとしても、その定めは認められません。「サインしたから払わないといけない」と思い込まず、相談してください。書類の確認については雇用契約書と労働条件通知書|もらえない場合どうするで扱っています。

03減給の制裁の上限

就業規則に定めた制裁にも、上限があります。

1減給の制裁とは職場の決まりに違反したことへの制裁として給料を減らすこと
2前提就業規則などに定めがあること
31回の上限平均賃金の1日分の半額まで
4総額の上限1回の賃金支払期の賃金総額の10分の1まで

職場の決まりに違反したことへの制裁として給料を減らす「減給の制裁」は、就業規則などに定めがある場合に行われることがあります。ただし、労働基準法で上限が決められており、1回の額は平均賃金の1日分の半額まで、総額は1回の賃金支払期(たとえば1か月分)の賃金総額の10分の1までとされています。

就業規則に定めがない、上限を超えている、制裁の理由がはっきりしない、といった場合は、問題がある可能性があります。「罰金」という名前でも、実質的にこの減給の制裁にあたるかどうか、上限を守っているかどうかを確認することが大切です。

04遅刻の分の給料が減るのは罰金か

「働かなかった時間分」と「それを超える分」を分けて考えます。

扱い 考え方
遅刻した10分の給料が支払われない 働いていない時間分なので、原則として罰金にあたらない
10分の遅刻で30分や1時間分カット 超える部分は減給の制裁にあたり得る
遅刻1回で定額の罰金 罰金額の予定の禁止に触れる可能性
遅刻が続いたので時給を下げる 一方的な変更には問題がある可能性

遅刻して働かなかった時間の分の給料が支払われないことは、「働かなかった分は支払われない」という考え方に基づくもので、原則として罰金にはあたりません。10分遅刻したら、その10分の給料が支払われない、というのは問題ないとされています。

一方、10分の遅刻で30分や1時間分の給料をカットする場合、働かなかった時間を超える部分は、減給の制裁にあたり得ます。遅刻1回につき定額の罰金を取る場合は、罰金の額を決めておくことの禁止に触れる可能性があります。遅刻したときの対応はバイトの遅刻・欠勤の連絡はどうする?やってはいけない対応で扱っています。

05給料からの差し引きのルール

給料は、原則として全額を支払う必要があります。

1法令で定められたもの所得税・住民税・社会保険料など
2労使の協定があるもの協定で定めた社宅費・購買代金など
3協定も法令もないもの一方的に差し引くことはできない

労働基準法では、賃金は原則として全額を支払わなければならないとされています。給料から差し引くことができるのは、税金や社会保険料など法令で定められたものと、働く人の過半数を代表する者などとの書面による協定で定めたものに限られます。

そのため、罰金、レジの不足分、壊した物の代金、制服代などを、協定などの根拠なく、雇う側が一方的に給料から差し引くことはできません。給与明細の控除の欄に心当たりのない項目があれば、何の差し引きなのかを確認してください。

06レジの不足分の自己負担

「不足分は自分で埋めて」は、当然のことではありません。

1原因がわからない不足働く人の責任とは限らない
2複数人がレジを使っている誰の責任か特定できないことが多い
3自分の計算ミスが原因それでも当然に全額負担とは限らない
4給料から差し引かれた全額払いの原則に反する可能性

レジの締めで金額が合わなかったとき、「不足分はそのとき入っていた人で割って払って」と言われることがあります。しかし、レジの不足は、釣り銭の間違い、計算ミス、機械の不具合、ほかの人の操作など、さまざまな原因で起こり得るもので、働く人が当然に負担すべきものではありません。

自分の計算ミスが原因であっても、仕事の中で起きたミスの損害を全額働く人に負担させることには問題があるとされています。レジの不足分を自分のお金で埋めるよう求められたら、その場で払わず、記録を残して相談してください。

07壊した物の弁償

仕事中の事故の損害は、働く人がすべて負うものではありません。

1仕事には一定の事故が伴う雇う側もその危険を負担すべきとされる
2判例の考え方働く人の負担は、信義則上相当と認められる限度に制限される
3故意・重大な過失負担を求められることがある
4通常の不注意全額の負担が認められるとは限らない

食器を割った、商品を落とした、機械を壊した——仕事中の事故で職場に損害が出た場合、働く人がそのすべてを弁償しなければならないわけではありません。雇う側は、働く人を使って利益を得ている以上、仕事に伴う事故の危険もある程度負担すべきと考えられています。

判例でも、働く人に対する損害賠償の請求は、損害の公平な分担という観点から、信義則上相当と認められる限度に制限されるとされています。わざと壊した、重大な不注意があった、といった場合は別ですが、通常の仕事の中での不注意で全額を弁償させることには問題があります。失敗した後の気持ちの立て直し方は、バイト先で失敗して気まずいとき|関係の立て直し方で扱っています。

08商品の買い取り・ノルマの自腹

買うかどうかは、本来、働く人が自由に決めることです。

例 考え方
クリスマスケーキ・恵方巻のノルマ 達成できない分の買い取りの強制には問題
売れ残り商品を買い取る決まり 強制には問題
アパレルで自社商品の購入を強制 任意でなければ問題になり得る
代金を給料から天引き 協定や同意がなければ問題
社員割引で任意に買う 自分の意思なら問題ない

季節の商品の販売にノルマが設けられ、達成できなかった分を自分で買い取るよう求められる、いわゆる「自腹」や「自爆営業」と呼ばれるケースがあります。商品を買うかどうかは本来、働く人が自由に決めることで、買い取りを強制することには問題があります。

「買わないとシフトを減らす」「評価を下げる」と言われて、事実上断れない状況にされている場合や、代金を同意なく給料から差し引かれる場合も、問題になり得ます。一方、社員割引などを使って、自分の意思で商品を買うことは問題ありません。アパレルの購入の話は、アパレルバイトの仕事内容|接客・在庫・服装の実際でも触れています。

09制服代・研修費

負担の決まりが、きちんと示されているかを確認します。

1制服代を働く人が負担する労働条件として示されていたか
2給料から制服代を差し引く協定や同意があるか
3辞めたら制服代を請求する違約金にあたらないか
4研修費を返せと言われる業務として必要な研修か

制服や作業用品の費用を働く人に負担させる場合は、そのことを労働条件として示すことが求められています。面接や労働条件の書面で説明されていなかった制服代を、後から請求されるのは問題がある可能性があります。

「すぐに辞めたら制服代や研修費を払ってもらう」といった決まりは、違約金を決めておくことの禁止に触れる可能性があります。業務として必要な研修の費用を、辞めることを理由に働く人に請求することにも問題があります。労働条件の書面については、アルバイトにも労働条件の明示がある|確認すべき項目で扱っています。

10欠勤・急な休みへのペナルティ

休んだことへの罰金にも、注意が必要です。

1休んだ日の給料が支払われない働いていないので原則として問題ない
2当日欠勤で罰金〇円罰金額の予定の禁止に触れる可能性
3代わりの人を見つけないと罰金同じく問題になり得る
4休んだら皆勤手当がなくなる手当の条件として定められていれば問題ないことが多い

シフトを休んだ日の給料が支払われないのは、働いていないので原則として問題ありません。しかし、「当日欠勤したら罰金〇円」「代わりの人を見つけられなかったら罰金」といった決まりは、罰金の額を決めておくことの禁止に触れる可能性があります。

休まず出勤した場合に支払われる皆勤手当が、休んだ月に支払われないのは、手当の支給の条件として決められていれば、多くの場合問題ありません。ただし、有給休暇を取ったことを理由に皆勤手当をなくすことは、不利益な扱いにあたり得ます。急な欠勤の連絡の仕方は、急に休むことになったら|体調不良のときの連絡で扱っています。

11辞めるときの違約金

「辞めたら払え」は、通らないことが多いものです。

言われること 考え方
「〇か月以内に辞めたら違約金〇万円」 違約金の予定の禁止に触れる可能性
「急に辞めたら求人広告費を払え」 応じる前に相談
「辞めるなら最後の給料は払わない」 働いた分の賃金は支払われるべき
「損害賠償を請求する」 認められる場合は限られる

「〇か月以内に辞めたら違約金を払う」といった決まりは、違約金を決めておくことの禁止に触れる可能性があります。「急に辞めたから求人広告の費用を払え」「最後の給料は払わない」と言われた場合も、その場で応じたり、約束したりしないでください。

働く人が辞めたことを理由に損害賠償が認められるのは、限られた場合です。辞めるときの考え方は、バイトの辞め方|伝える時期・相手・言い方で詳しく扱っています。

12損害賠償を求められたら

その場で金額に合意しないことが大切です。

やらないこと 理由
その場で支払う 後から取り戻すのが難しくなる
支払いを約束する書類に署名する 合意したと扱われるおそれ
給料からの差し引きに同意する 同じく合意と扱われるおそれ
家族に連絡させる 保証を求められるおそれ

損害賠償を求められたときに最も避けたいのは、驚いてその場で支払ったり、支払いを約束する書類に署名したりすることです。いったん支払ったり合意したりすると、後から取り戻すのが難しくなることがあります。

「内容を確認してから回答します」と伝えて保留にし、言われた金額や理由を記録したうえで、大学の学生課や総合労働相談コーナー、法テラスなどに相談してください。

13その場での対応

払わない・署名しない・記録する、が基本です。

1その場で払わない現金を渡さない
2署名しない支払いや差し引きに同意する書類
3保留にする「確認させてください」と伝える
4根拠を聞く「どの決まりに基づくものですか」
5記録する日時・相手・金額・理由

罰金や自腹を求められて違和感を覚えたら、その場で現金を払ったり、差し引きに同意する書類に署名したりせず、「一度確認させてください」と保留にしてください。

可能であれば、「どの決まりに基づくものですか」と根拠を聞いておくと、後で確認や相談をするときに役立ちます。言い争いになりそうな場合は、無理に食い下がらず、記録を残して後で相談する方が安全です。

14使える言葉

角を立てずに、保留にする言い方です。

1保留にする「一度確認させてください」
2根拠を聞く「就業規則のどこに書かれているか教えていただけますか」
3書類を持ち帰る「内容を確認してから署名させてください」
4買い取りを断る「今回は購入を控えさせてください」
5給料からの差し引きを断る「給料からの差し引きには、今は同意できません」

罰金や自腹を求められたとき、「それは違法です」と正面から伝えると、相手が感情的になり、関係がこじれることがあります。まずは「一度確認させてください」「根拠を教えていただけますか」と、確認の形で伝えるのが話を進めやすい方法です。

ノルマの商品の買い取りを求められた場合は、「今回は購入を控えさせてください」と、自分の意思として短く伝えてかまいません。断ったことで不利な扱いを受けた場合は、その経緯も記録してください。

15すでに払ってしまったとき

あきらめずに、相談してください。

1罰金を現金で払った日時・金額・理由を記録して相談
2給料から差し引かれていた給与明細を保管して相談
3ノルマの商品を買わされた購入の記録・言われた内容を記録
4支払いの書類に署名した控えを保管して相談

「決まりだから」と言われて、すでに罰金を払ってしまった、給料から差し引かれていた、という場合でも、あきらめる必要はありません。払った日時、金額、理由、誰に言われたかを記録し、給与明細や購入の記録を保管したうえで、相談してください。

差し引かれた賃金は、本来支払われるべき賃金である可能性があり、請求できる場合があります。賃金の請求には時効があるので、気づいたら早めに動きましょう。未払いの賃金の考え方は、給料が支払われないとき|記録の残し方と相談先で扱っています。

16記録しておくこと

後で確認や相談をするための材料です。

1日時と相手誰に言われたか
2金額と理由何に対して、いくらか
3言われた言葉そのまま書く
4支払った方法現金・天引き・購入
5書類・メッセージ罰金の決まりが書かれた掲示や連絡の写真
6給与明細控除の欄

罰金や自腹を求められたら、日時、相手、金額、理由、言われた言葉を、その日のうちに記録してください。職場に「遅刻は罰金〇円」などと掲示されている場合や、連絡のグループで罰金の決まりが伝えられている場合は、写真や画面の保存も残しておくと役立ちます。

給与明細は、控除の欄を確認できる大切な資料です。辞めた後も含めて、しばらく保管しておきましょう。

17職場への確認の仕方

感情ではなく、根拠を尋ねる形で伝えます。

1何について確認したいか「〇月分の給与明細の控除について確認させてください」
2具体的な内容「〇〇という項目で〇円差し引かれています」
3根拠を尋ねる「どのような決まりに基づくものか教えていただけますか」
4書面を求める「就業規則を確認させていただけますか」

職場に確認するときは、「違法です」と責める形ではなく、「どのような決まりに基づくものか教えていただけますか」と、根拠を尋ねる形で伝えてください。店長自身がルールをよく理解していないこともあります。

就業規則を見せてほしいと頼むことも、働く人として当然のことです。確認のやり取りは、メッセージなど記録が残る形で行うと安心です。店長への相談の伝え方は、店長・責任者に相談するときの伝え方で扱っています。

18応募前に見抜くポイント

罰金や自腹が当たり前の職場は、事前に見抜けることもあります。

ポイント 確認の仕方
求人に「ノルマ」「自社商品の購入」 強制かどうかを面接で確認
面接で罰金の話が出る その場で内容を確認
制服は自費購入 金額と、辞めたときの扱い
口コミ・評判 参考程度に
労働条件の書面 罰金や違約金の定めがないか

面接で「遅刻したら罰金がある」「季節の商品にはノルマがある」と説明された場合は、その内容をよく確認し、納得できなければ応募を見送ることも考えてください。

労働条件の書面や雇用契約書に、罰金や違約金の定めが書かれていないかも、署名する前に確認しましょう。面接で確認しておくべき項目は、バイト面接で必ず確認しておくこと|聞かないと後で困るで扱っています。

19続けるか考える

罰金や自腹が当たり前の職場は、ほかにも問題があることが多いものです。

1確認したら改善された様子を見て続けてもよい
2確認しても変わらない相談と並行して、職場を変えることも考える
3断ったら不利に扱われた記録して相談
4ほかにも未払いなどがあるまとめて相談

罰金や自腹が当たり前になっている職場では、残業代の未払いや休憩が取れないなど、ほかの労働条件の問題も起きていることが少なくありません。確認しても改善されない場合は、相談と並行して、職場を変えることも考えてよいでしょう。

辞める場合でも、すでに差し引かれた分や払った分について、辞めた後に相談することはできます。辞める判断の考え方は、バイトを変えるタイミング|次を決めてから辞めるかで扱っています。

20相談できる窓口

罰金や自腹の問題は、公的な窓口で相談できます。

困りごと 相談先
罰金が決まりとして課されている 労働基準監督署・総合労働相談コーナー
給料から差し引かれた 労働基準監督署・総合労働相談コーナー
損害賠償を請求された 総合労働相談コーナー・法テラス
ノルマの買い取りを強制された 総合労働相談コーナー・大学の学生課
どこに相談すればいいかわからない 大学の学生課・キャリアセンター

総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や労働基準監督署などに設けられている公的な相談窓口で、アルバイトでも無料で相談できます。場所や受付の時間は、厚生労働省の案内で確認してください。

損害賠償を請求されている場合など、法的な対応が必要になりそうなときは、法テラスで相談先の案内を受けることもできます。どこに相談すればいいかわからない場合は、バイトで困ったときの相談先一覧|大学・公的窓口も参考にしてください。

21よくある質問

遅刻したら罰金を払う決まりがあります。払わないといけませんか?

「遅刻1回につき〇円」のように罰金の額をあらかじめ決めておくことは、労働基準法の違約金・損害賠償額の予定の禁止に触れる可能性があります。遅刻して働かなかった時間分の給料が支払われないことは原則として問題ありませんが、それを超える罰金は問題になり得ます。その場で払わず、記録を残して相談してください。

レジのお金が足りなかった分を払うよう言われました。

レジの不足はさまざまな原因で起こり得るもので、働く人が当然に負担すべきものではありません。自分のミスが原因でも、全額を負担させることには問題があるとされています。その場で払わず、日時と金額を記録し、大学の学生課や総合労働相談コーナーに相談してください。

お皿を割ったら全額弁償ですか?

仕事中の事故の損害をすべて働く人が負担しなければならないわけではありません。判例でも、働く人への損害賠償の請求は、信義則上相当と認められる限度に制限されるとされています。わざと壊した、重大な不注意があったといった場合は別ですが、通常の不注意で全額を弁償させることには問題があります。

クリスマスケーキのノルマが達成できず、買い取るよう言われました。

商品を買うかどうかは本来、働く人が自由に決めることで、買い取りを強制することには問題があります。「今回は購入を控えさせてください」と伝えてかまいません。断ったことでシフトを減らされるなど不利な扱いを受けた場合は、記録を残して相談してください。

給料から罰金が差し引かれていました。

給料から差し引けるのは、税金や社会保険料など法令で定められたものと、書面の労使協定で定めたものに限られます。罰金を一方的に差し引くことはできません。また、就業規則に基づく減給の制裁であっても上限があります。給与明細を持って確認し、改善しなければ労働基準監督署に相談してください。

就業規則に罰金が書いてあれば、払わないといけませんか?

罰金の額をあらかじめ決めておくことは禁止されています。一方、就業規則に定めた「減給の制裁」は認められることがありますが、1回の額は平均賃金の1日分の半額まで、総額は1回の賃金支払期の賃金総額の10分の1までという上限があります。書かれている内容がこれに当てはまるかどうかを、相談窓口で確認してください。

「辞めたら違約金を払え」と言われています。

違約金をあらかじめ決めておくことは、労働基準法で禁止されています。契約書に署名していても、その定めは認められません。その場で支払いを約束したり書類に署名したりせず、大学の学生課や総合労働相談コーナーに相談してください。

制服代を給料から引かれました。

制服代を働く人に負担させる場合は、労働条件として示すことが求められています。また、給料から差し引くには、書面の労使協定などの根拠が必要です。説明を受けていなかった、協定があるか不明、という場合は、職場に根拠を確認し、納得できなければ相談してください。

すでに罰金を払ってしまいました。取り戻せますか?

取り戻せる場合があります。払った日時、金額、理由、誰に言われたかを記録し、給与明細や掲示の写真などを保管して、総合労働相談コーナーや労働基準監督署に相談してください。賃金の請求には時効があるので、早めに動くことが大切です。

罰金の決まりがおかしいと言ったら、クビにされそうです。

まずは大学の学生課や総合労働相談コーナーに相談し、どう進めればよいかを確認するのも一つの方法です。労働基準監督署への申告を理由に不利益な扱いをすることは禁止されています。職場とのやり取りは、記録が残る形で行ってください。

22まとめ|払わず、署名せず、記録して確認・相談する

「遅刻1回〇円」「辞めたら〇万円」のように、罰金や違約金の額をあらかじめ決めておくことは、労働基準法で禁止されています。契約書に署名していても、その定めは認められません。

就業規則に定めた減給の制裁には上限があります。一方、遅刻や欠勤で働かなかった時間分の給料が支払われないこと自体は、原則として罰金にはあたりません。

レジの不足分や壊した物の代金を当然に全額負担させること、商品の買い取りの強制、根拠のない給料からの差し引きは、問題になり得ます。

違和感を覚えたら、その場で払わず、署名せず、「確認させてください」と保留にしてください。日時、金額、理由を記録し、職場に根拠を尋ね、改善しなければ相談窓口へ。

最後に。すでに払ってしまっていても、あきらめないでください。記録と給与明細を持って、早めに相談しましょう。

この記事について:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的な助言ではありません。違約金・損害賠償額の予定の禁止、減給の制裁の上限、賃金の全額払いの原則と控除、労働者に対する損害賠償請求の制限、作業用品の負担の明示などについては、就業規則・労使の協定・個別の事情によって判断が異なることがあり、制度も変更されることがあります。必ず厚生労働省の最新の情報をご確認ください。罰金・自己負担・損害賠償などのトラブルについては、労働基準監督署、総合労働相談コーナー、法テラス、在籍する大学の学生課などにご相談ください。