コンサル・シンクタンク業界の選考|案内から流れを読む
この業界の選考でまず分けるのは「どの領域を扱う会社か」です。戦略、業務、システム、人事、公共。領域が違えば仕事も違います。そしてケース面接が行われる会社があります。その場で与えられた課題について考えを組み立てて話す形式で、声に出して話す練習が要ります。通年・早期に動く会社もあるため、志望する会社の時期は早めに確認してください。
コンサルの選考では、「どの領域の会社か」を先に分けて考えます。
戦略、業務、システム、人事、公共——扱う領域によって仕事が違います。
そしてもう一つ。ケース面接が行われる会社があります。準備の仕方が他の業界と変わります。
この記事では、この業界の選考の特徴を整理し、案内の読み方、準備、当日の確認まで通しで扱います。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 この業界の選考の特徴
第2部 案内の読み方と準備
第3部 情報の集め方
第4部 当日と確認|やらないこと
第1部 この業界の選考の特徴
01この業界の選考の特徴
まずこの点を確認してください。
先に分ける2点。
時期は会社ごとに違います
早い時期から選考を始める会社があります。志望する会社の時期は早めに確認してください。
本記事では通過の基準を扱いません
何が評価されるか、倍率はどうかといった話は会社ごとに違い、外からは分かりません。
業界と職種の理解が前提になります
業界の構造はコンサル・シンクタンク業界とは|全体像と分野の調べ方、職種はコンサル・シンクタンク業界の職種|仕事内容の調べ方で整理しています。
02扱う領域を分ける
同じ「コンサル」でも、仕事が違います。
一つの会社が複数の領域を持つこともあります
大きな会社では複数の領域を部門として持っていることがあります。その場合、どの部門に応募するかを確認してください。
シンクタンクは組織の性質が違います
依頼を受けて助言する仕事に加えて、自ら調査し公表する活動があります。研究に近い働き方をする部門もあります。
金融機関や官公庁とつながりのある組織もあります。成り立ちを調べると性質が見えます。
システムの領域は実装まで関わります
構想を描くだけでなく、実際に動く仕組みにするところまで関わることがあります。
領域によって求められるものが違います
どの領域でも調べて、考えて、伝えることは共通しますが、必要な知識の方向は変わります。
03ケース面接について
準備の仕方が他の業界と変わります。
正解を当てる場ではありません
課題には一つの正解があるとは限りません。どう考えたか、その筋道を示す場です。
声に出して話す練習が要ります
頭の中で考えられても、口に出して筋道を伝えるのは別の技能です。相手を立てて練習してください。
キャリアセンターや友人が相手になります。最初はうまくいかなくて当然です。
前提を確認してから始めてください
課題があいまいなとき、「ここはこう考えてよいですか」と確認するのは自然なやりとりです。
詰まったら黙らず、考えを言う
沈黙するより、いま何を考えているかを口に出すほうが対話が進みます。
結論から話す癖をつけてください
結論、理由、具体。この順で話すと伝わりやすくなります。ケース面接に限らず有効です。
形式は会社によって違います
実施するかどうか、どんな形式かは会社によって違います。届いた案内で確認してください。
04その会社を調べる
調べられる材料はあります。
レポートを読むのがいちばん早い
シンクタンクや一部のコンサル会社は調査資料を公開しています。誰が何を書いているかが直接分かります。
面接で「このレポートを読みました」と言えると、調べたことが伝わります。
サービスの紹介ページを見てください
どの領域にどんなサービスを持っているか。その会社の重心が分かります。
上場している会社なら有価証券報告書も
事業の構成と収益の内訳が分かります。どの領域が大きいかが数字ではなく構成として見えます。
成り立ちを調べてください
金融機関から生まれた組織、監査法人から広がった組織、独立してできた会社——成り立ちが性質に表れます。
2社を並べてください
同じ領域を扱う会社でも、力を入れているテーマが違います。その違いが志望動機になります。
05この業界で聞かれやすいこと
会社によって違いますが、傾向はあります。
「成長したい」だけでは足りません
動機として自然ですが、会社を選んだ理由にはなりません。どんなテーマに関わりたいかまで降りてください。
整理した経験を一つ持ってください
大きくはなくていいので、複雑な状況を分けて考え、順序をつけた場面を用意してください。
「答えを出す仕事」だと思いすぎない
実際には相手と一緒に考え、動かすところまでが仕事です。この理解を示せると深くなります。
分からないことは分からないと言う
知らない業界や制度について、知ったかぶりは伝わります。聞き返すほうが自然です。
第2部 案内の読み方と準備
06採用の案内はどこを読むか
会社が出している案内が、いちばん確実な情報です。
就活サイトの一般論と、個別の案内は別です
「一般的にはこの時期」という説明は目安にすぎません。個別の会社に当てはまるとは限りません。
実際の日程は、各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
部門・領域で分かれることがあります
戦略、業務、システム、人事、公共——領域ごとに募集が分かれる会社があります。
募集要項の区分を確認してください。
記載がないことは推測で埋めないでください
案内に書かれていないことは、説明会や問い合わせで確認してください。推測で動くと、行き違いが起こります。
募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで詳しく扱っています。
07提出書類の準備
何を出すかは会社によって違います。
証明書は早めに手配してください
大学の証明書は発行に日数がかかることがあります。締切の直前に慌てないよう、早めに確認してください。
小論文を求められることがあります
与えられたテーマについて文章で答える形式が用いられることがあります。案内で確認してください。
設問に答えているかを確認してください
書きたいことを書くのではなく、聞かれたことに答える——これが基本です。
書いたあと、設問をもう一度読んで、答えになっているか確かめてください。
08適性検査と筆記の考え方
形式は会社によって違います。案内で確認してください。
| 確認すること | どこで分かるか |
|---|---|
| どんな形式か(能力・性格・記述など) | 届いた案内、採用ページ |
| 受検の方法(自宅・会場・オンライン) | 届いた案内 |
| 受検の期限 | 届いた案内 |
| 使える道具(電卓・メモなど) | 届いた案内の注意事項 |
| 結果の扱い | 記載がある場合はその記載 |
案内の注意事項を必ず読んでください
受検の環境、使える道具、やり直しの可否——案内に書かれた条件を守ってください。
不正と受け取られる行為は、その会社の選考だけでなく信頼にも関わります。
ケース面接が別に設けられることがあります
その場で与えられた課題について考えを組み立てて話す形式です。有無も形式も会社によって違います。
性格に関する検査は正直に答えてください
よく見せようとして矛盾した回答になると、かえって不自然になります。自分の考えに沿って答えるのが基本です。
早めに受けられる準備をしてください
期限の直前は混み合うことがあります。通信の環境や時間の確保を含めて、余裕をもって受検してください。
09日程と締切の管理
複数の会社を受けると、必ず抜けが出ます。
1枚にまとめてください
上の5つを1枚の表にしておけば、出し忘れは防げます。形式は紙でも表計算でも構いません。
通年・早期に動く会社があります
時期を決めずに募集する会社や、早い時期から選考を始める会社があります。会社ごとに記録してください。
連絡の手段を確認してください
メール、マイページ、電話——どこに連絡が来るかを確認し、見落とさないようにしてください。
迷惑メールの振り分けにも注意が必要です。
管理の仕方は別記事で
具体的な管理の方法は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
第3部 情報の集め方
10説明会で何を聞くか
聞く側になってください。
「やりがい」は聞いても情報が少ない
抽象的な質問には抽象的な答えが返ります。具体的な事実を聞くほうが、判断の材料になります。
コンサルで聞いておきたいこと
担当する領域の決まり方、案件の期間の目安、入社後に学ぶ仕組み——このあたりは説明会で聞けます。
聞いたことはその場でメモしてください
複数の会社の説明会に出ると、どこで何を聞いたか分からなくなります。会社ごとにメモを残してください。
1社の話を業界全体だと思わないでください
説明会で語られるのはその会社の話です。業界の共通事項かどうかは、他社も見ないと分かりません。
11OB・OG訪問の使い方
資料では分からないことを聞くための機会です。
複数の人に聞いてください
1人の話はその人の経験です。職種や配属先が違えば話も変わります。
領域ごとに話を聞いてください
同じ会社でも扱う領域によって仕事が違います。複数の人に聞くと像が立ちます。
準備をしてから会ってください
調べれば分かることを聞くと、時間がもったいなくなります。資料を読んだうえで、そこに書いていないことを聞いてください。
進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
12一次資料で会社を確かめる
採用向けではない資料も見てください。
志望動機の材料になります
会社が自分で書いていることなので、外れません。とくに中期経営計画は、なぜこの会社かを書く材料になります。
シンクタンクは調査資料を公開しています
研究員が書いたレポートが読めます。どんなテーマを扱う組織かが直接分かります。
上場していない会社の場合
有価証券報告書がない場合は、会社サイトの会社概要、沿革、事業の説明、プレスリリースが情報源になります。
足りない部分は説明会で直接聞いてください。会社の調べ方は会社の調べ方|採用ページ以外から情報を取る方法で扱っています。
132社を比べて違いを見つける
1社だけ見ても、その会社の特徴は分かりません。
違いが志望動機になります
同じ業界の2社を並べると、力の入れどころの違いが見えます。その違いが「なぜこの会社か」の答えになります。
同じ領域を扱う会社どうしで比べてください
戦略とシステムでは前提が違います。同じ領域で比べると違いが見えます。
書いたあとの確認
志望動機を書いたら、会社名を別の会社に置き換えて読んでみてください。それでも成立するなら、まだその会社に向けた内容になっていません。
志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
第4部 当日と確認|やらないこと
14面接当日に気をつけること
準備したことを、落ち着いて話せる状態をつくってください。
準備した話をそのまま言わないでください
面接は対話です。聞かれたことに答え、追加で聞かれたら答える——この往復が基本です。
結論から話す練習をしてください
面接そのものが考えを伝える場です。結論、理由、具体——この順で話す癖をつけてください。
オンラインの場合
通信の環境、背景、音声——事前に確認してください。案内に指定があれば、その指定に従ってください。
終わったら記録してください
何を聞かれ、どう答えたか、何を言われたか——記録が次の会社の準備になります。
15選考で確認しておくこと
聞かれる側だけでなく、聞く側にもなってください。
労働条件は聞いても失礼になりません
勤務地、勤務時間、転勤の有無は労働条件の基本です。募集要項に書かれるべき内容でもあります。
記載がない、または説明が曖昧なまま進む場合は、その点を書面で確認するようにしてください。
内定後に条件を確認してください
内定の連絡を受けたら、労働条件が書面(または電子)で示されるかを確認してください。口頭の説明だけで進めないことが大切です。
働き方の実際を確認してください
案件の期間、勤務地、移動の有無は会社と領域によって違います。
疑問があるときは相談してください
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。次の章で相談先を挙げます。
16相談できる窓口
一人で抱えないでください。
ケースの練習相手を探してください
ケース面接がある会社を受けるなら、声に出して話す練習が要ります。キャリアセンターや友人が相手になります。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈は弁護士にご相談ください。
就職活動の進め方に迷ったとき
大学のキャリアセンターは過去の応募の状況を持っていることがあります。推薦の仕組みがある場合の手続きも、ここで確認できます。
17やらない方がいいこと
この業界の選考でとくに起きやすい失敗です。
練習は声に出してください
読むだけでは身につきません。相手を立てて話す練習をしてください。
1社の説明会を業界全体だと思わない
領域と成り立ちによって性質が違います。最低2社は比べてください。
18よくある質問
選考はいつから始まりますか?
会社ごとに違い、年度によっても変わります。通年で募集する会社や、早い時期から選考を始める会社があります。志望する会社の時期は早めに確認してください。実際の日程は各社の採用ページと届いた案内で確認してください。
ケース面接とは何ですか?
その場で与えられた課題について、考えを組み立てて話す形式です。面接官と対話しながら進めることが多く、限られた時間の中で考えをまとめます。実施するかどうか、どんな形式かは会社によって違い、実施しない会社もあります。届いた案内で確認してください。
ケース面接では正解を当てるのですか?
課題には一つの正解があるとは限りません。どう考えたか、その筋道を示す場です。前提があいまいなときに「ここはこう考えてよいですか」と確認するのは自然なやりとりです。詰まったときも沈黙するより、いま何を考えているかを口に出すほうが対話が進みます。
ケース面接の練習はどうすればいいですか?
声に出して話す練習が要ります。頭の中で考えられても、口に出して筋道を伝えるのは別の技能です。キャリアセンターや友人を相手に練習してください。最初はうまくいかなくて当然です。結論、理由、具体の順で話す癖をつけると伝わりやすくなります。
領域はどう違いますか?
戦略は事業の方向や資源の配分、業務は業務の進め方や組織の仕組み、システムは情報システムの構想から導入まで、人事・組織は制度やあり方、公共は官公庁や自治体の課題を扱います。どの領域でも調べて考えて伝えることは共通しますが、必要な知識の方向が変わります。
シンクタンクは何が違いますか?
依頼を受けて助言する仕事に加えて、自らテーマを決めて調査し、まとめて公表する活動があります。研究に近い働き方をする部門もあります。金融機関や官公庁とつながりのある組織もあるため、成り立ちを調べると性質が見えます。
志望動機は何を材料にすればいいですか?
公開されているレポートを読むのがいちばん早道です。誰がどんなテーマを扱っているかが直接分かります。サービスの紹介ページでその会社の重心が見え、上場している会社なら有価証券報告書で事業の構成も分かります。成り立ちを調べると性質が見えます。
「成長したい」は志望動機になりますか?
動機として自然ですが、それだけでは会社を選んだ理由になりません。どの領域の、どんなテーマに関わりたいのか。その会社のレポートやサービスを見たうえで話せると、調べたことが伝わります。
どんな経験を話せばいいですか?
大きくなくていいので、複雑な状況を分けて考え、順序をつけた場面を一つ用意してください。人を巻き込んで合意をつくった経験も材料になります。結論から話す形で整理しておくと、そのまま使えます。
小論文が出ることはありますか?
与えられたテーマについて文章で答える形式が用いられることがあります。実施の有無は会社によって違うため、届いた案内で確認してください。
働き方はどうなっていますか?
案件の期間、勤務地、移動の有無は会社と領域によって違います。案件ごとに環境が変わる前提は理解しておいてください。実際の運用は説明会で聞ける内容です。
まず何から始めればいいですか?
扱う領域を分けて考え、志望する会社のレポートとサービスの紹介ページを見て、募集要項で部門の区分とケース面接の有無を確認するのが早道です。
19まとめ|領域を分け、話す練習をする
この業界の選考でまず分けるのは「どの領域を扱う会社か」です。
- 戦略、業務、システム、人事、公共。領域が違えば仕事も違います。
- ケース面接がある会社があります。正解を当てる場ではなく、筋道を示す場です。
- 声に出して話す練習が要ります。相手を立てて練習してください。
- レポートを読んでください。公開されている材料が志望動機になります。
- 通年・早期に動く会社があります。時期は早めに確認してください。
最後に。選考の流れ・時期・方式は会社ごとに異なり、年度によっても変わります。実際の日程と内容は各社の採用ページと届いた案内でご確認ください。
・コンサル・シンクタンク業界とは|全体像と分野の調べ方
・コンサル・シンクタンク業界の職種|仕事内容の調べ方
・IT・ソフトウェア業界とは|全体像と分野の調べ方
・募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認する
・選考管理の作り方|進み具合を一覧にする
・就活・キャリアの記事一覧