医薬・ヘルスケア業界の職種|仕事内容の調べ方
この業界の職種は薬ができるまでの段階で分かれています。①研究(候補を探す)→②非臨床(人に使う前の試験)→③臨床開発(人で確かめる)→④薬事(承認の申請)→⑤生産・品質(つくる)→⑥MR・メディカル(情報を届ける)→⑦安全性情報(発売後)。薬学部でなくても関われる職種が数多くあります。
製薬会社の職種は、名前を知らないと探せません。
臨床開発、薬事、安全性情報、品質保証——他の業界にはない職種が数多くあります。
そしてこれらは薬ができるまでの段階に沿って分かれています。流れを知れば、職種の地図が見えます。
この記事では、医薬・ヘルスケア業界の職種を段階に沿って整理し、仕事の中身、専攻との関係、調べ方まで通しで扱います。
この記事を7枚で
1 / 7第1部 どんな職種があるか|段階で整理する
第2部 職種の選び方|専攻・勤務地・キャリア
第3部 仕事内容の調べ方
第4部 選考に向けて|志望職種と確認事項
第1部 どんな職種があるか|段階で整理する
01職種の地図|段階で整理する
職種は、この流れに沿って分かれています。
薬ができるまでの段階と職種の対応。
| 職種 | やること | 段階 |
|---|---|---|
| 研究(創薬) | 薬の候補を探し、性質を調べる | ①② |
| 非臨床・安全性研究 | 人に使う前の試験を計画し実施する | ② |
| 臨床開発 | 臨床試験を計画し、医療機関と進める | ③ |
| データマネジメント | 試験で集まるデータを管理する | ③ |
| 生物統計 | 試験の設計と結果の統計的な解析を行う | ③ |
| 薬事 | 申請資料をまとめ、審査への対応を行う | ④ |
| 生産技術・製剤 | 安定して製造できる形にする | ⑤ |
| 品質管理 | 原料と製品を試験して確かめる | ⑤ |
| 品質保証 | 品質を守る仕組みを整え、出荷を判断する | ⑤ |
| MR | 医療関係者に適正使用のための情報を届ける | ⑥ |
| メディカル部門 | 医学・科学的な情報のやりとりを担う | ⑥ |
| 安全性情報 | 発売後の情報を集め、評価し報告する | ⑦ |
| 知的財産・事業開発 | 特許、導入・導出や提携の検討 | 全体 |
研究職だけが専門職ではありません
臨床開発、薬事、品質保証、安全性情報——いずれも科学の知識を使う専門職です。研究職は枠が限られます。
職種別に募集されることが多い
他の業界に比べ、入社時点で職種が決まる募集が多いのがこの業界の特徴です。
応募の段階でどの職種に進みたいかを決める必要があります。
業界の構造は別記事で
どんな分野の会社があるか(新薬、後発品、受託、卸、医療機器、検査)は医薬・ヘルスケア業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
02研究・非臨床という仕事
人に使う前の段階を担います。
手段が広がっています
化学的に合成するもの、生物のしくみを使うもの、細胞や遺伝子を用いるもの——会社によって扱う手段が違います。
自分の専攻がどの手段に近いかを考えてください。
止まることがあります
候補の多くは途中で開発が中止されます。これはこの業界の前提です。
「自分が関わったものが世に出ないことがある」——この前提を知らずに入ると、ギャップが生まれます。
募集は限られます
研究職は修士・博士を対象とする募集であることがあります。応募資格は募集要項で確認してください。
大学や他社と連携します
候補は大学や創薬ベンチャーから生まれることもあります。それを引き継いで開発を進める形があります。
03臨床開発・データ・統計
人で確かめる試験を、計画し、動かす職種群です。
手順と記録がすべての仕事です
臨床試験は定められた基準に沿って実施することが法令で求められます。決められた手順を守り、記録を残すことが中心になります。
研究で実験ノートを丁寧に付けてきた経験は、そのまま生きます。
人と進める仕事です
医療機関の医師やスタッフ、社内の各部門、受託の会社——多くの人と調整しながら進めます。
理系の仕事ですが、実験室にこもる仕事ではありません。
統計とデータの専攻が生きます
臨床試験は統計の設計と解析が中核にあります。データを扱える人は、この業界で専門性を発揮できます。
受託の会社という入口もあります
臨床試験の運営を請け負う会社があり、そこで経験を積む道があります。入社後の研修で必要な知識を学ぶ仕組みを設けている会社もあります。
04薬事と安全性情報
制度と科学の間に立つ職種です。
薬事は「翻訳者」に近い仕事です
社内の研究・開発の結果を、審査を受けられる形の資料にまとめます。科学の内容と制度の要求の両方が分かっている必要があります。
制度は改正されます
最新の要求を把握し続けることも仕事のうちです。制度の詳細は公的機関の情報で確認してください。
安全性情報は発売後もずっと続きます
薬は使われ続ける限り、情報を集め、評価する必要があります。法令で定められた業務です。
人の安全に直接関わる仕事で、正確さと責任が求められます。
英語を使う場面があります
海外で開発・販売する会社では、海外の当局向けの資料や海外拠点とのやりとりが発生することがあります。
募集の名称を確認してください
薬事、開発薬事、信頼性保証——呼び方が会社によって違います。募集要項の仕事内容欄で中身を確認してください。
05生産技術・品質管理・品質保証
厳密に管理された製造の職種です。
品質管理と品質保証は別の仕事です
品質管理は「測る」仕事、品質保証は「仕組みを保証する」仕事——という分け方がよくされます。募集要項でも区別されていることがあります。
手順と記録が前提です
決められた手順に沿って作業し、いつ誰が何をしたかを記録に残すことが求められます。逸脱があれば記録し、対応します。
新しい手段では設備が変わります
細胞や生物のしくみを使う製品では、従来とは違う設備と管理が必要になります。各社の投資の方針は決算説明資料で確認できます。
工場の場所を確認してください
医薬品の工場は都市部から離れた場所にあることがあります。配属の候補地は有価証券報告書の「設備の状況」で確認できます。
化学・生物系の入口です
研究職以外で科学の知識を使う職種として、品質管理や製剤研究は検討する価値があります。
06MRとメディカル部門
医療関係者に情報を届ける職種です。
| 職種 | やること |
|---|---|
| MR | 医師や薬剤師に適正使用のための情報を提供し、現場の情報を集める |
| メディカル部門 | 医学・科学的な情報のやりとり、研究の支援 |
| 学術 | 問い合わせへの対応、資料の作成 |
| マーケティング | 製品の位置づけと情報提供の方針を設計する |
一般的な営業職とは前提が違います
医薬品の情報提供には法令や業界の決まりがあります。何をどう伝えられるかが定められており、自由に売り込む仕事ではありません。
この前提を理解していないと、面接での受け答えがずれます。
文系からの入口になります
MRは文系出身者も多く採用されてきた職種です。入社後に医学・薬学の知識を学ぶ研修が用意されていることがあります。
研修の内容と期間は採用ページで確認してください。
担当エリアと異動
MRには担当する地域と医療機関があります。そのため転居を伴う異動が起こることがあります。
募集要項の転勤の記載を確認してください。
体制は見直されることがあります
情報提供のあり方は会社によって考え方が異なり、体制を見直す動きも報じられています。志望する会社の方針を中期経営計画や採用ページで確認してください。
07医療機器の職種
ここは工学系がまっすぐ生きる分野です。
使う人は医療従事者です
機器を使うのは医師や看護師、検査技師です。だから現場で使いやすいかが性能と同じくらい重要になります。
医療機関に出向く職種があります
使い方の説明や立ち会いのため、医療機関に出向く職種があります。機器によっては手術に立ち会うこともあります。
制度が医薬品と異なります
医療機器にも国の審査の仕組みがありますが、薬とは別の制度です。機器の種類によって手続きも異なります。
制度の詳細は公的機関の情報で確認してください。
機械・電気・情報系の入口です
「医療に関わりたいが、薬学や生物ではない」という場合、医療機器はまっすぐな道です。
電機・電子業界とも重なります。全体像は電機・電子業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。
08専攻と職種の対応
薬学部でなくても、入口は数多くあります。
統計とデータの専攻は強い
臨床試験は統計の設計と解析が中核です。データを扱える人の需要があります。
医療機器なら工学系が生きます
機械、電気、材料、ソフト——専門が直接使われます。
薬剤師の資格は必須とは限りません
募集要項に資格が明記されている場合はそれが基準です。多くの職種では必須とされていません。
研究テーマは一致しなくて構いません
会社が見ているのはどう課題を立て、どう確かめたかという進め方であることが一般的です。整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。
第2部 職種の選び方|専攻・勤務地・キャリア
09職種ごとの向き不向きの考え方
性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。
| 仕事の性質 | 関わる職種の例 |
|---|---|
| 決められた手順を守り、記録を残す | 臨床開発、品質保証、製造 |
| 制度の要求を読み解いて当てはめる | 薬事、安全性情報 |
| 結果が出るまで年単位 | 研究、臨床開発 |
| 多くの部門と調整する | 臨床開発、薬事、生産 |
| 医療関係者と向き合う | MR、メディカル、機器の営業 |
「人の役に立ちたい」の先を考えてください
この業界の仕事の多くは、患者さんと直接会うものではありません。研究も薬事も品質も、間接的に役立つ仕事です。
直接人と接したいなら、医療機関や薬局で働くという道もあります。
本記事では適性の判断はしていません
上の表は仕事の性質を整理したものであり、診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。
10職種と勤務地の関係
職種によって、働く場所がはっきり分かれます。
研究所の場所は限られます
研究職は研究所のある場所で働くことになります。数が限られるため、勤務地の選択肢は少なくなります。
MRは異動の範囲を確認してください
担当エリアが変わることで転居を伴う異動が起こることがあります。範囲は会社によって違い、地域限定の区分を設けている会社もあります。
工場の場所を確認してください
医薬品の工場は都市部から離れた場所にあることがあります。有価証券報告書の「設備の状況」で確認できます。
海外の拠点があります
海外で開発・販売する会社では駐在の機会があります。セグメント情報で海外の比重を確認してください。
11入社後の異動とキャリア
職種別採用が多いぶん、専門性が積み上がります。
専門性が評価される業界です
臨床開発、薬事、品質、安全性——いずれも専門の知識が積み上がる職種です。
制度の知識は更新が必要です
制度は改正されます。学び続けることが前提の業界だと考えてください。
異動の実態を聞いてください
職種をまたぐ異動があるかは会社によります。OB・OG訪問で実際の例を聞くのが確実です。
開発が止まることもあります
担当していた候補の開発が中止されることがあります。そのとき何が起きるかも、聞いておくとよい質問です。
第3部 仕事内容の調べ方
12募集要項から仕事内容を読む
いちばん確実な情報源は、会社が出している募集要項です。
「若干名」「総合職」だけの募集もあります
仕事内容が抽象的にしか書かれていない場合、配属で決まる可能性が高くなります。その場合は説明会で具体的に聞いてください。
職種の名前が独特です
臨床開発、薬事、安全性情報、品質保証——名前を知らないと募集を見ても何の仕事か分かりません。
本記事の第1部を読んでから募集要項を見ると、探し方が変わります。
複数年分を見ると分かることがあります
去年と今年で募集する職種の区分が変わっていることがあります。会社の方針の変化が表れている場合があります。
募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで詳しく扱っています。
13社員インタビューの読み方
採用ページの社員紹介は、使い方を間違えなければ役に立ちます。
良い面が中心に書かれている前提で読む
採用ページは会社が伝えたいことを載せる場所です。厳しい面が書かれていないこともあります。
だから「何をしているか」という事実の部分を拾い、評価の言葉は割り引いて読んでください。
複数人を読み比べてください
1人だけだと、その人の特殊な経歴かもしれません。同じ職種の複数の人を読むと、共通する部分が見えます。
段階ごとに違う仕事です
研究、臨床開発、薬事、品質、MR——それぞれの社員紹介を読むと、業界の全体像がつかめます。
載っていない職種にも注意
採用ページに紹介がない職種もあります。紹介がない=存在しないではありません。募集要項の職種欄で確認してください。
14一次資料から職種の手がかりを得る
採用向けではない資料にも、仕事の手がかりがあります。
| 資料 | 職種について分かること |
|---|---|
| 有価証券報告書「従業員の状況」 | セグメント別の従業員数。どの事業に人が多いか |
| 有価証券報告書「設備の状況」 | 事業所・工場の所在地。どこに職場があるか |
| 有価証券報告書「研究開発活動」 | 研究・開発がどの領域で行われているか |
| 中期経営計画 | これから人を増やす領域、力を入れる事業 |
| 統合報告書 | 人材の育成や働き方に関する考え方 |
従業員数は職種の規模を表します
セグメント別の従業員数を見ると、どの事業に人が多いかが分かります。人が多い事業には、その分職種も多くあります。
希望する職種が、会社の中でどれくらいの規模かを推測する材料になります。
パイプラインが職種の手がかりになります
各社が公表する開発中の候補の一覧を見ると、どの領域にどの段階の仕事があるかが分かります。
中期経営計画に採用の方向が表れます
「この領域を強化する」と書かれていれば、その領域で人を必要としている可能性があります。
志望する職種と、会社が力を入れる方向が合っているかを確かめてください。
15OB・OG訪問で聞くこと
資料では分からないことを聞くための機会です。
「やりがい」は聞いても情報が少ない
抽象的な質問には抽象的な答えが返ります。具体的な事実を聞くほうが、判断の材料になります。
「昨日は何をしていましたか」くらい具体的でも構いません。
この業界で聞いておきたいこと
医療機関とのやりとりの頻度、資料作成に使う時間、開発が中止になったときの動き方——このあたりは資料では分かりません。
複数の人に聞いてください
- 職種が同じでも、配属先や担当によって経験が違います。1人の話を全体だと思わないでください。
- 進め方はOB・OG訪問の依頼と当日|連絡からお礼までの流れで扱っています。
- 第4部 選考に向けて|志望職種と確認事項
16志望する職種をどう書くか
「職種が決まっていない」ままでも書けますが、材料は要ります。
| 書くときの材料 | どこから取るか |
|---|---|
| その職種が何をしているか | 募集要項、社員インタビュー、OB・OG訪問 |
| なぜその職種に関心があるか | 自分の経験と、職種の仕事の重なり |
| その会社でなければならない理由 | セグメント情報、中期経営計画、事業の特徴 |
| 入社後に何を学ぶ必要があるか | 募集要項の応募資格、研修の内容 |
職種名だけを書かないでください
「開発職を希望します」だけでは、その職種の何に関心があるのかが伝わりません。
仕事の中身のどの部分に関心があるかまで書いてください。
職種名だけでなく、段階を書いてください
この業界の職種は薬ができるまでの段階に沿って分かれています。
「臨床開発でデータの品質に関わりたい」「品質保証で製造の仕組みを保証したい」——段階と役割まで書ければ具体的になります。
希望が変わることもあります
入社後に別の職種に関心が移ることもあります。それ自体は問題ではありません。ただし選考の時点では、いま考えていることを具体的に言えることが大切です。
志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。
17配属はどう決まるか
ここを確認せずに入社すると、想像とずれます。
確認すべきこと
| 確認したいこと | どこで確認するか |
|---|---|
| 職種の区分と併願の可否 | 募集要項の職種欄 |
| 配属先の候補地(研究所・工場・支店) | 説明会での質問 |
| 転居を伴う異動の有無 | 募集要項の転勤欄 |
| 希望はどの程度考慮されるか | 説明会での質問 |
| 配属はいつ決まるか | 説明会での質問 |
| 入社後に職種を変える道があるか | 説明会での質問 |
聞いても失礼になりません
配属や勤務地は働き方の前提です。遠慮せず確認してください。曖昧なまま進めるほうが、お互いにとって良くありません。
職種別採用が多い業界です
入社時点で職種が決まる募集が多く、応募の段階でどの職種に進みたいかを決める必要があります。
最初の配属がすべてではありません
多くの会社では異動の機会があります。ただし、どの程度動けるかは会社によって違います。実際の例をOB・OG訪問で聞いてください。
18選考の時期と併願
職種によって、選考の進み方が違うことがあります。
職種別に募集されることが多い業界です
研究、臨床開発、MR、生産、品質——職種を分けて募集する会社が多くあります。職種ごとに締切も選考の進み方も違うことがあります。
併願が可能かどうかも募集要項で確認してください。
締切は一覧で管理してください
職種別に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、職種、応募した日、次の予定、締切をまとめておけば、出し忘れは防げます。
管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。
19相談できる窓口
一人で抱えないでください。
薬学・生命科学系は進路資料が整っていることがあります
職種まで含めて記録が残っていることがあります。どの職種に何人進んだかが分かれば、話を聞ける相手が見つかります。
条件面で疑問があるとき
提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。
20よくある質問
薬学部でないと製薬会社に入れませんか?
そうではありません。研究職では生物・化学・農学系の専攻が多く、臨床開発やデータ管理では統計・情報系、医療機器では機械・電気・材料系の専攻が生きます。MRや管理部門では文系出身者も多く働いています。応募できるかどうかは募集要項の応募資格欄で確認してください。
臨床開発はどんな仕事ですか?
臨床試験の計画をつくり、医療機関と手続きを整えて進行を確認し、集まったデータの品質を確かめ、資料にまとめる仕事です。実験室での実験が中心ではありません。定められた基準に沿って実施することが法令で求められるため、手順を守り記録を残すことが仕事の中心になります。
薬事とはどんな職種ですか?
承認申請の資料をまとめ、審査への対応を行う職種です。社内の研究・開発の結果を、審査を受けられる形の資料にする「翻訳者」に近い仕事で、科学の内容と制度の要求の両方を理解する必要があります。制度は改正されるため、最新の要求を把握し続けることも仕事のうちです。
品質管理と品質保証はどう違いますか?
品質管理は原料や製品を試験して確かめる「測る」仕事、品質保証は品質を守る仕組みを整え出荷を判断する「保証する」仕事、という分け方がよくされます。募集要項でも区別されていることがあります。どちらも化学・生物系の知識が生きる職種です。
MRはどんな仕事ですか?
医療関係者に対して、薬の適正な使用のための情報を提供し、現場からの情報を収集して社内に伝える職種です。医薬品の情報提供には法令や業界の決まりがあり、自由に売り込む仕事ではありません。文系出身者も多く採用されてきた職種で、入社後に医学・薬学の知識を学ぶ研修が用意されていることがあります。
研究職に就くには修士が必要ですか?
会社によります。研究職を修士以上の対象としている募集がある一方、他の職種では学部卒を対象とする募集もあります。応募資格は募集要項に明記されているので確認してください。研究職は枠が限られるため、科学の知識を使う他の職種も併せて見ることをおすすめします。
統計や情報系でも関われますか?
関われます。臨床試験は統計の設計と解析が中核にあり、生物統計やデータマネジメントは統計・情報系の知識が直接生きる職種です。近年はデータを扱える人の需要があります。
医療機器の職種はどう違いますか?
医療機器は機械、電気、材料、ソフトの技術でできており、工学系の専攻がまっすぐ生きます。使うのは医療従事者なので現場での使いやすさが重要で、医療機関に出向く職種もあります。制度も医薬品とは別で、機器の種類によって手続きが異なります。
開発が中止になることがあると聞きました。
あります。試験の結果が想定と違えば開発は中止されます。これはこの業界の前提で、続けるか止めるかをデータに基づいて判断することも重要な仕事とされています。担当していた候補が中止されたとき何が起きるかは、OB・OG訪問で聞いておくとよい質問です。
薬剤師の資格は必要ですか?
募集要項に資格が明記されている場合はそれが基準です。多くの職種では必須とされていません。資格の有無より、その職種で求められる知識や進め方に関心があるかが大切です。
転勤はありますか?
職種によります。MRは担当エリアが変わることで転居を伴う異動が起こることがあり、地域限定の区分を設けている会社もあります。研究職は研究所のある場所、生産は工場、臨床開発や薬事は本社が中心です。募集要項の転勤の記載を確認してください。
まず何から調べればいいですか?
この業界は職種の名前が独特なので、まず職種の名前と中身を知ることから始めてください。そのうえで志望する会社のパイプライン(開発中の候補の一覧)と募集要項の職種区分を見れば、どの領域のどの段階で募集しているかが分かります。
21まとめ|段階で見て、職種を選ぶ
この業界の職種は、薬ができるまでの段階に沿って分かれています。研究、非臨床、臨床開発、薬事、生産・品質、MR、安全性情報。
研究職だけが専門職ではありません。臨床開発、薬事、品質保証、安全性情報——いずれも科学の知識を使う専門職です。
- 職種別採用が多い業界です。応募の段階でどの職種に進みたいかを決める必要があります。
- 手順と記録が前提です。臨床試験も製造も、定められた基準に沿って行い、記録を残します。
- 統計とデータの専攻が生きます。臨床試験は統計の設計と解析が中核にあります。
- 医療機器は工学系の道です。機械、電気、材料、ソフトの専門が直接使われます。
- 途中で止まることがあります。この前提を知ったうえで志望するかを決めてください。
最後に。本記事は就職活動のための職種の案内であり、薬や治療の効果・安全性について説明するものではありません。薬や治療に関することは医師・薬剤師にご相談ください。制度に関することは厚生労働省・PMDAなどの公的機関の情報で、実際の職種・配属・条件は各社の募集要項でご確認ください。
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