就活・キャリア 更新 2026.09.23 この記事にはPRを含みます

自動車業界の職種|仕事内容の調べ方

結論

自動車の職種は「つくる前・つくる・届ける・支える」で整理できます。つくる前=商品企画、デザイン、設計、実験・評価。つくる=生産技術、生産管理、製造、品質保証、購買。届ける=国内営業、海外営業、サービス、販売会社。支える=知財、法規認証、物流、経理・人事。そして完成車メーカーと部品メーカーでは、同じ職種名でも仕事が違います。ここを分けて考えてください。

27分読み終わるまで
25章見出し
CCampi編集部(執筆)・公開 2026.09.23
ADVERTISEMENT

自動車メーカーの社員のうち、車を設計している人は一部です。

つくり方を考える人、部品を買う人、品質を保証する人、売る仕組みをつくる人、法規に対応する人——1台の車には、これだけの職種が関わります。

「車が好きだから設計職」と決める前に、どんな仕事があるかを一度全部見てください。

この記事では、自動車業界の職種を工程に沿って整理し、それぞれの仕事の中身、専攻との関係、調べ方まで通しで扱います。

この記事について:職種の名称や区分は会社によって異なります。本記事は一般的な整理であり、特定の会社の制度を示すものではありません。年収などの数値は扱っていません。実際の職種・配属・条件は各社の募集要項でご確認ください。

この記事を7枚で

1 / 7
職種の地図|工程…商品企画とデザイン設計という仕事実験・評価という…生産技術・生産管…この記事

この記事の流れ

自動車業界の職種

自動車の職種は「つくる前・つくる・届ける・支える」で整理できます。

1
設計は職種の一部です「自動車メーカー=車を設計する会社」と思われがちですが、人数のうえでは生産…
2
完成車と部品で中身が違います同じ「設計」でも、完成車メーカーは車全体をまとめ、部品メーカーは担当する部…
3
業界の構造は別記事でどんな会社があるか(完成車・部品・素材・設備・販売)は自動車業界とは|全体…

職種の地図|工程で整理する

まずこの整理を頭に入れてください。

「自動車メーカー=車を設計する会社」と思われがちですが、人数のうえでは生産や品質に関わる職種も多くあります。関心が「車そのもの」にあるのか「つくり方」にあるのかで、進む先が変わります。

1
企画は「制約の中で決める」仕事です大きさ、重さ、コスト、法規、生産の制約——決められることには限りがあります。
2
デザインは専門の募集であることが多いデザイン職は別枠で募集され、作品の提出を求められることがあります。
3
デザインも制約の中で行われます空気抵抗、衝突の安全、生産の可否、法規——デザインは自由に描けるわけではあ…
4
企画は文系からも就ける場合があります市場の分析や顧客の理解が求められるため、文系出身者が関わることがあります。

商品企画とデザイン

どんな車をつくるかを決める工程です。

大きさ、重さ、コスト、法規、生産の制約——決められることには限りがあります。その中で何を優先するかを決めます。各部門と調整しながら進めるため、社内の交渉が多い仕事になります。

1
設計は「調整」の仕事でもあります自分の担当部分だけを良くしても、他の部分と干渉すれば成立しません。
2
ソフトウェアの比重が上がっています走行の制御、安全の機能、車内の機器——ソフトで実現する部分が増えています。
3
解析は計算で確かめる仕事です衝突、振動、熱、流体——つくる前に計算で確かめます。
4
設計の募集は分野で分かれます会社によっては車体、パワートレーン、電装など分野別に募集されます。

設計という仕事

1台の車には、いくつもの設計が関わります。

自分の担当部分だけを良くしても、他の部分と干渉すれば成立しません。重さ、コスト、組み立てやすさ——常に他部門と調整します。図面を描く時間より、打ち合わせと検討の時間が長いと言われることがあります。

1
測って、原因を突き止める仕事です想定と違う結果が出たとき、なぜそうなったかを突き止めるのがこの職種の中心で…
2
試験場や車両に接する時間があります実験・評価は試験場やテストコースで行われることがあります。
3
解析と組み合わせて進みます計算で予測し、実験で確かめ、ずれの原因を考える——解析と実験は行き来します。
4
法規に関わる試験があります安全や環境に関する試験には法令で定められた方法があります。

実験・評価という仕事

つくったものが本当に動くかを確かめる工程です。

想定と違う結果が出たとき、なぜそうなったかを突き止めるのがこの職種の中心です。研究で「原因が分からない現象を追いかけた経験」がある人には、進め方が近く感じられます。

1
設計だけでは車はできません図面どおりに、毎日同じ品質で、決められた台数を、決められたコストでつくる—…
2
改善が仕事の中心にあります作業の時間を短くする、ムダを減らす、不良を減らす——日々の改善の積み重ねが…
3
工場が主な職場になりますこれらの職種は工場に勤務することが一般的です。
4
海外の工場に関わることがあります海外の生産拠点の立ち上げや改善に関わる機会があります。

生産技術・生産管理・製造

「つくれる形にする」職種群です。

図面どおりに、毎日同じ品質で、決められた台数を、決められたコストでつくる——ここに技術があります。生産技術は、設計と現場の橋渡しをする職種です。

1
まずこの整理を頭に入れてください。職種の地図|工程で整理する
2
どんな車をつくるかを決める工程です。商品企画とデザイン
3
1台の車には、いくつもの設計が関わります。設計という仕事
4
つくったものが本当に動くかを確かめる工程です。実験・評価という仕事

まとめ

この記事の要点

つくる前=商品企画、デザイン、設計、実験・評価。つくる=生産技術、生産管理、製造、品質保証、購買。届ける=国内営業、海外営業、サービス、販売会社。支える=知財、法規認証、物流、経理・人事。

記事を読む

第1部 どんな職種があるか|工程で整理する

就活の相談先をお探しなら
PR就活エージェント
UZUZ 新卒(就職エージェント)
こんな人に一人で就活を進めるのが不安で、ES・面接まで個別に相談したい人
無料で就活相談を予約 →

01職種の地図|工程で整理する

まずこの整理を頭に入れてください。

つくる前企画・デザイン・設計・実験つくる生技・生産管理・製造・品証・購買届ける営業・サービス・販売会社支える知財・法規・物流・管理完成車メーカーと部品メーカーで中身が違う同じ「設計」でも、相手も範囲も別まず自分の関心がどの工程にあるかを決める

自動車の職種を工程で整理する。

区分 職種 やること
つくる前 商品企画 どんな車をつくるかを決める
デザイン 外観・内装の造形を設計する
設計 構造・機構・電装・制御を図面と仕様にする
実験・評価 試作車を走らせ、性能と安全を確かめる
つくる 生産技術 量産できる工程と設備を設計する
生産管理 つくる量と順番、部品の手配を管理する
製造 ラインを動かし、改善する
品質保証 基準を決め、検査し、不具合に対応する
購買・調達 部品を調達し、価格と供給を管理する
届ける 国内営業 販売会社を支援し、販売の計画を立てる
海外営業 地域ごとの需要に合わせて販売を組み立てる
サービス 補修部品、整備、技術情報を提供する
支える 知的財産 特許の出願・管理・調査
法規・認証 各国の基準に適合させ、認証を取る
物流 部品と完成車を運ぶ仕組みを設計する
管理部門 経理、人事、法務、広報

設計は職種の一部です

「自動車メーカー=車を設計する会社」と思われがちですが、人数のうえでは生産や品質に関わる職種も多くあります。

関心が「車そのもの」にあるのか「つくり方」にあるのかで、進む先が変わります。

完成車と部品で中身が違います

同じ「設計」でも、完成車メーカーは車全体をまとめ、部品メーカーは担当する部品を深く設計します。詳しくは9章で扱います。

業界の構造は別記事で

どんな会社があるか(完成車・部品・素材・設備・販売)は自動車業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。併せて読んでください。

02商品企画とデザイン

どんな車をつくるかを決める工程です。

1商品企画誰に向けた車か、どんな性能と価格にするかを決める
2デザイン(エクステリア)外観の造形を設計する
3デザイン(インテリア)内装と操作系の造形を設計する
4カラー・素材色と質感を設計する
5モデラー立体の模型やデータで形を作り込む

企画は「制約の中で決める」仕事です

大きさ、重さ、コスト、法規、生産の制約——決められることには限りがあります。その中で何を優先するかを決めます。

各部門と調整しながら進めるため、社内の交渉が多い仕事になります。

デザインは専門の募集であることが多い

デザイン職は別枠で募集され、作品の提出を求められることがあります。美術・デザイン系の学科からの応募が中心になることがあります。

募集要項の応募資格を確認してください。

デザインも制約の中で行われます

空気抵抗、衝突の安全、生産の可否、法規——デザインは自由に描けるわけではありません。設計や生産技術と調整しながら形を決めます。

企画は文系からも就ける場合があります

市場の分析や顧客の理解が求められるため、文系出身者が関わることがあります。募集の区分を確認してください。

03設計という仕事

1台の車には、いくつもの設計が関わります。

1車体(ボデー)骨格、外板、剛性、衝突時の安全
2シャシーサスペンション、ブレーキ、ステアリング
3パワートレーンエンジン、モーター、変速機、駆動
4電動化電池、インバーター、充電の仕組み
5電装・電子配線、電子制御ユニット、センサ
6制御ソフト走行や機能を動かすソフトウェア
7内装・艤装シート、内装部品、空調、機能部品
8解析(CAE)つくる前に計算で性能や強度を確かめる

設計は「調整」の仕事でもあります

自分の担当部分だけを良くしても、他の部分と干渉すれば成立しません。重さ、コスト、組み立てやすさ——常に他部門と調整します。

図面を描く時間より、打ち合わせと検討の時間が長いと言われることがあります。

ソフトウェアの比重が上がっています

走行の制御、安全の機能、車内の機器——ソフトで実現する部分が増えています。情報系の学生の入口になります。

解析は計算で確かめる仕事です

衝突、振動、熱、流体——つくる前に計算で確かめます。物理・数学・機械の知識が直接使われます。

研究でシミュレーションを扱った経験があるなら、材料になります。

設計の募集は分野で分かれます

会社によっては車体、パワートレーン、電装など分野別に募集されます。募集要項の区分を確認してください。

04実験・評価という仕事

つくったものが本当に動くかを確かめる工程です。

1走行性能加速、操縦安定性、乗り心地
2衝突安全衝突時に乗員と歩行者をどう守るか
3環境性能排出、燃費・電費、騒音
4耐久・信頼性長く使っても壊れないか
5環境条件高温、寒冷、高地での動作
6電子・ソフトの検証制御や機能が想定どおり動くか

測って、原因を突き止める仕事です

想定と違う結果が出たとき、なぜそうなったかを突き止めるのがこの職種の中心です。

研究で「原因が分からない現象を追いかけた経験」がある人には、進め方が近く感じられます。

試験場や車両に接する時間があります

実験・評価は試験場やテストコースで行われることがあります。現物に触れる機会が多い職種です。

勤務地が試験場の近くになる可能性があります。確認してください。

解析と組み合わせて進みます

計算で予測し、実験で確かめ、ずれの原因を考える——解析と実験は行き来します。どちらか一方だけで完結しません。

法規に関わる試験があります

安全や環境に関する試験には法令で定められた方法があります。認証に関わる部門と連携して進めます。

05生産技術・生産管理・製造

「つくれる形にする」職種群です。

1生産技術工程と設備を設計し、量産できる状態をつくる
2設備保全ラインの設備を維持し、止まらないようにする
3生産管理つくる量と順番、部品の手配を計画する
4製造現場を運営し、作業の改善を進める
5物流(工場内)部品をラインに供給する仕組みをつくる

設計だけでは車はできません

図面どおりに、毎日同じ品質で、決められた台数を、決められたコストでつくる——ここに技術があります。

生産技術は、設計と現場の橋渡しをする職種です。

改善が仕事の中心にあります

作業の時間を短くする、ムダを減らす、不良を減らす——日々の改善の積み重ねが生産の仕事です。

大きな変化ではなく、小さな改善を続けられるかが問われます。

工場が主な職場になります

これらの職種は工場に勤務することが一般的です。自動車の工場は地方に立地することが多く、生活が変わります。

配属の可能性がある場所を確認してください。

海外の工場に関わることがあります

海外の生産拠点の立ち上げや改善に関わる機会があります。技術を現地に伝える仕事です。

06品質保証と購買

外からは見えにくいが、影響の大きい職種です。

1品質保証基準を決め、出荷の可否を判断し、市場の不具合に対応する
2品質管理工程の中で品質を測り、ばらつきを抑える
3信頼性評価長期の使用に耐えるかを確かめる
4購買・調達部品を調達し、価格・品質・納期を管理する
5サプライヤー品質部品メーカーの品質を確認し、改善を支援する

品質保証は「止める」判断をします

基準を満たさないと分かったとき、出荷を止める判断をします。根拠は検査の結果と記録です。

市場で不具合が起きたときには、原因を突き止め、対応を決めるという重い役割も担います。

購買は「交渉」だけではありません

価格の交渉は仕事の一部です。供給が止まらないようにする、品質を保つ、新しい部品メーカーを探す——これらも購買の仕事です。

部品メーカーの技術を理解する必要があるため、理系出身者が就くこともあります。

部品メーカーとの関係が仕事の中心です

自動車は多くの部品メーカーに支えられています。相手の事情も理解したうえで進めることが求められます。

法規への対応と結びつきます

安全や環境の基準は法令で定められています。品質と法規は切り離せません。認証の部門と連携します。

07営業・サービスという職種

つくった車を届ける側の職種です。

1国内営業販売会社を支援し、販売の計画と施策を立てる
2海外営業地域ごとの需要を見て、仕様・数量・販売を組み立てる
3マーケティング商品の位置づけ、広告、販促を設計する
4サービス・アフター補修部品の供給、整備の技術情報、保証の対応
5金融・モビリティサービスローン、リース、新しい移動サービスの事業

メーカーの営業は「販売会社を支える」仕事です

メーカーの社員が店頭で接客するわけではありません。販売会社が売れる状態をつくるのが役割です。

この違いを知らずに志望すると、想像とずれます。

海外営業は地域の事情を扱います

国によって道路の状況、規制、好まれる仕様が違います。それに合わせて何をどう売るかを考えます。

海外駐在の機会がある職種です。

サービスは「売ったあと」を担います

車は長く使われます。部品を供給し続ける、整備の情報を届ける——この仕事がなければ車は使えません。

目立ちませんが、顧客との関係を支えています。

文系の主な入口です

営業、マーケティング、企画、管理部門——文系出身者が多く就く職種です。ただし製品の知識は必要になります。

08法規認証・知財という専門職

あまり知られていませんが、車が売れるかどうかを左右します。

1法規・認証各国の基準に適合させ、必要な認証を取得する
2知的財産特許の出願・管理、他社の特許の調査
3環境・安全の企画規制の動向を踏まえ、開発の方針に反映する
4法務契約、リスクへの対応

認証がなければ販売できません

車は国ごとの基準を満たし、認証を得て初めて販売できます。基準は国によって違い、改正されることもあります。

この対応を担う職種があります。技術と制度の両方を理解する必要があります。

知財は技術を守る仕事です

自社の技術を特許にし、他社の特許を調べる——開発と法律の間に立つ仕事です。

理系の知識と、文書を正確に読む力の両方が求められます。

制度の変化を追い続けます

安全、環境、電動化に関する基準は各国で見直されます。その動きを追い、開発に反映させる仕事があります。

制度の詳細は公的機関の情報で確認してください。

募集は限られることがあります

専門の職種として募集されることもあれば、配属で決まることもあります。募集要項で確認してください。

09部品メーカーの職種は何が違うか

同じ職種名でも、仕事の範囲が違います。

完成車メーカー 部品メーカー
設計 車全体をまとめる。部品の仕様を決めて依頼する 担当する部品を深く設計する
顧客 最終的には消費者 完成車メーカー(企業)
営業 販売会社を支援する 完成車メーカーに技術を提案する
品質 車全体の品質を保証する 納める部品の品質を保証する
扱う範囲 広く浅くなりやすい 狭く深くなりやすい

「深く関わりたい」なら部品という選択肢

完成車メーカーでは1台の中の担当部分を持ちます。部品メーカーではその部品の専門家になります。

どちらが良いという話ではなく、関わり方の違いです。

部品メーカーの営業は技術営業です

相手は完成車メーカーの技術者です。技術で提案する仕事になります。理系出身者が就くことが多い職種です。

完成車メーカー以外にも顧客がいます

部品メーカーの中には、複数の完成車メーカーや、他の産業にも納める会社があります。顧客の幅が広いことがあります。

会社の構造は別記事で

完成車、部品、素材、設備、販売という業界の層は自動車業界とは|全体像と分野の調べ方で整理しています。

10販売会社(ディーラー)の職種

メーカーとは別の会社です。

車を店頭で販売するのは販売会社です。メーカーの子会社である場合も、独立した資本の会社である場合もあります。

1営業(販売)来店した方や既存のお客様に車を提案する
2サービス(整備)点検、整備、修理を行う
3サービスフロント整備の受付と説明、顧客対応
4事務・管理手続き、保険、店舗の運営

顧客と直接向き合う仕事です

販売会社の営業はお客様と直接やりとりします。車の購入は大きな買い物で、長い付き合いになります。

「車が好きで、人と話すのが好き」なら、この道が近いかもしれません。

整備には資格が関わります

整備の業務には自動車整備士の資格が関わります。専門の学校や課程で学ぶ道があります。

資格の制度は改正されることがあるため、実施機関や公的機関の情報で確認してください。

勤務は店舗です

販売会社の勤務は店舗になります。土日が営業日であることが多く、休日の形が変わります。

募集要項の休日欄を確認してください。

応募先が違います

メーカーと販売会社では採用の主体が別です。応募先を間違えないよう、募集要項で雇用元を確認してください。

11専攻と職種の対応

専攻ごとに、つながりやすい職種があります。

1機械車体・シャシー・パワートレーンの設計、実験、生産技術
2電気・電子電装、電動化、制御、電池、生産設備
3情報制御ソフト、車載システム、データ解析、検証
4材料・化学材料開発、電池材料、表面処理、樹脂部品
5物理・数学解析(衝突・振動・熱・流体)、制御理論
6デザイン・美術エクステリア、インテリア、カラー
7経済・経営・商営業、企画、購買、生産管理、管理部門
8法律法規認証、知財、法務
9語学・国際海外営業、海外の拠点に関わる業務

研究テーマが一致している必要はありません

会社が見ているのはどう課題を立て、どう確かめたかという進め方であることが一般的です。

研究の整理の仕方は学生時代の経験の棚卸し|書き出す順番で扱っています。

文系から技術に近い仕事に就くこともあります

購買、生産管理、法規——技術の話が分かる必要はあるが、理系の学位が必須ではない職種があります。

応募資格は募集要項で確認してください。

情報系の需要が広がっています

制御、車載システム、開発のデータ活用、工場のデジタル化——ソフトウェアに関わる職種が増えています。

第2部 職種の選び方|専攻・勤務地・キャリア

12職種ごとの向き不向きの考え方

性格で決めるより、仕事の進み方で考えてください。

1計算と検討を積み重ねる設計、解析
2現物を測り、原因を突き止める実験・評価、品質保証
3現場を改善し続ける生産技術、製造、生産管理
4相手の事情を踏まえて交渉する購買、営業
5制度と文書を正確に扱う法規認証、知財、法務
6形を考えるデザイン、商品企画

「車が好き」は職種を決めません

好きであることは動機になりますが、どの職種に向くかは別の話です。

走りを良くしたいのか、つくり方を良くしたいのか、売り方を変えたいのか——関心が向いている工程を言葉にしてください。

本記事では適性の判断はしていません

上の表は仕事の性質を整理したものであり、診断ではありません。実際に働いている人に一日の流れを聞き、自分で判断してください。

13職種と勤務地の関係

職種が決まると、働く場所もおおよそ決まります。

1設計・解析開発拠点(技術センター)
2実験・評価開発拠点、試験場・テストコース
3生産技術・製造・品質工場
4購買本社・開発拠点。部品メーカーへの訪問がある
5営業・企画・管理本社。国内外の拠点
6サービス本社、部品の物流拠点

開発拠点と工場は地方にあることが多い

自動車の開発拠点や工場は広い敷地が必要なため、地方に立地することがよくあります。

所在地は有価証券報告書の「設備の状況」で確認できます。

海外に出る職種があります

海外の工場の立ち上げ、海外営業、現地での開発——海外赴任の機会がある職種があります。

どの職種でどの程度の可能性があるかは、説明会で聞いてください。

生活の形を確認してください

勤務地、転勤の範囲、社宅の制度——生活に直結する条件は募集要項と福利厚生のページで確認してください。

14入社後の異動とキャリア

最初の配属がすべてではありません。

1同じ分野で深める設計の中で担当する範囲を広げていく
2関連する職種へ移る実験から設計へ、生産技術から製造へ
3工場と本社を行き来する現場と企画の両方を経験する
4海外拠点を経験する海外の工場や販売に関わる
5企画・管理に移る技術の経験を踏まえて企画側に回る

異動の実態は会社によります

どの程度動けるかは会社の制度と方針によります。採用ページの「キャリアパス」に記載があることがあります。

実際の例はOB・OG訪問で聞くのが確実です。

職種を変える仕組みがある会社もあります

社内で希望を出す仕組みを設けている会社があります。あるかどうか、どの程度使われているかを説明会で聞いてください。

最初の数年で基礎が決まります

最初の配属で身につく知識と経験が、その後の土台になります。だから配属の決まり方は確認しておく価値があります。

資格やスキルは入社後に積みます

必要な知識の多くは入社後に学びます。入社前にすべて準備する必要はありません。

15学生のうちにできる準備

資格より、説明できる経験のほうが役に立ちます。

1研究・実験の整理どう課題を立て、どう確かめたかを説明できるようにする
2解析やプログラミングの経験使った道具と、何を解いたかを言えるようにする
3ものづくりの経験学生フォーミュラ、ロボット、個人の製作など
4語学海外との業務がある職種では役に立つ
5業界の構造の理解完成車・部品・素材の関係を説明できるようにする

資格が応募条件になることは多くありません

技術系の職種では、資格より専攻と経験が見られることが一般的です。募集要項の応募資格を確認してください。

うまくいかなかった経験も材料になります

設計どおりに動かなかった、想定と違う結果が出た——そのとき何を考え、どうしたかが語れれば材料になります。

成功した話でなくても構いません。

整備士などの資格が関わる職種もあります

販売会社の整備の職種では資格が関わります。専門の課程で学ぶ道があります。募集要項で確認してください。

準備より、まず職種を知ることです

どんな職種があるかを知らないまま準備をしても、方向が定まりません。まず全体を見ることが最初の準備です。

第3部 仕事内容の調べ方

16募集要項から仕事内容を読む

いちばん確実な情報源は、会社が出している募集要項です。

1職種・コース入社時点で仕事が決まるのか、配属で決まるのか
2仕事内容何を担当するか。具体的に書かれているほど実態に近い
3応募資格専攻や学位の条件、求められる知識
4勤務地配属される可能性のある場所
5勤務時間交代勤務やシフトの有無
6転勤転居を伴う異動があるか、範囲はどこまでか
7研修入社後に何をどれだけ学べるか

「若干名」「総合職」だけの募集もあります

仕事内容が抽象的にしか書かれていない場合、配属で決まる可能性が高くなります。その場合は説明会で具体的に聞いてください。

自動車では職種の区分が細かいことがあります

「設計」だけでなく、車体、エンジン、電動化、電子制御、実験といった区分で募集されることがあります。

区分が細かい会社ほど、入社時点で仕事が決まる可能性が高くなります。

複数年分を見ると分かることがあります

去年と今年で募集する職種の区分が変わっていることがあります。会社の方針の変化が表れている場合があります。

募集要項の読み方は募集要項の読み方|見落としやすい項目を確認するで詳しく扱っています。

17社員インタビューの読み方

採用ページの社員紹介は、使い方を間違えなければ役に立ちます。

1一日の流れ実際に何に時間を使っているか
2関わる相手社内の誰と、社外の誰とやりとりするか
3入社からの経歴最初の配属と、その後の異動の道筋
4難しかったこと仕事の実際の負荷や課題
5使っている道具・知識必要になる技術や資格

良い面が中心に書かれている前提で読む

採用ページは会社が伝えたいことを載せる場所です。厳しい面が書かれていないこともあります。

だから「何をしているか」という事実の部分を拾い、評価の言葉は割り引いて読んでください。

複数人を読み比べてください

1人だけだと、その人の特殊な経歴かもしれません。同じ職種の複数の人を読むと、共通する部分が見えます。

完成車と部品、両方の社員紹介を読んでください

同じ「設計」でも、完成車メーカーと部品メーカーでは仕事の中身が違います。両方の会社の紹介を読み比べると、その違いが見えます。

載っていない職種にも注意

採用ページに紹介がない職種もあります。紹介がない=存在しないではありません。募集要項の職種欄で確認してください。

18一次資料から職種の手がかりを得る

採用向けではない資料にも、仕事の手がかりがあります。

資料 職種について分かること
有価証券報告書「従業員の状況」 セグメント別の従業員数。どの事業に人が多いか
有価証券報告書「設備の状況」 事業所・工場の所在地。どこに職場があるか
有価証券報告書「研究開発活動」 研究・開発がどの領域で行われているか
中期経営計画 これから人を増やす領域、力を入れる事業
統合報告書 人材の育成や働き方に関する考え方

従業員数は職種の規模を表します

セグメント別の従業員数を見ると、どの事業に人が多いかが分かります。人が多い事業には、その分職種も多くあります。

希望する職種が、会社の中でどれくらいの規模かを推測する材料になります。

自動車では「研究開発活動」が手がかりになります

有価証券報告書の研究開発活動には、どの領域に開発の力を入れているかが書かれています。電動化、制御、材料——注力の領域が分かると、その職種の位置づけが見えます。

中期経営計画に採用の方向が表れます

「この領域を強化する」と書かれていれば、その領域で人を必要としている可能性があります。

志望する職種と、会社が力を入れる方向が合っているかを確かめてください。

19OB・OG訪問で聞くこと

資料では分からないことを聞くための機会です。

1一日の時間の使い方実際に何に時間がかかっているかが分かる
2最初の配属はどう決まったか配属の実態が分かる
3入社前の想像と違ったこと外からは見えない部分が出てくる
4どんな知識を入社後に学んだか準備すべきことが分かる
5他の職種との関わり方一人で完結しない部分が見える
6忙しい時期とその理由働き方の実態に近づける

「やりがい」は聞いても情報が少ない

抽象的な質問には抽象的な答えが返ります。具体的な事実を聞くほうが、判断の材料になります。

「昨日は何をしていましたか」くらい具体的でも構いません。

自動車で聞いておきたいこと

車両の開発がどのくらいの期間で回るのか、試作や評価にどれくらい関わるのか、工場や試験場に行く頻度——このあたりは資料では分かりません。

複数の人に聞いてください

この章の要点

20志望する職種をどう書くか

「職種が決まっていない」ままでも書けますが、材料は要ります。

書くときの材料 どこから取るか
その職種が何をしているか 募集要項、社員インタビュー、OB・OG訪問
なぜその職種に関心があるか 自分の経験と、職種の仕事の重なり
その会社でなければならない理由 セグメント情報、中期経営計画、事業の特徴
入社後に何を学ぶ必要があるか 募集要項の応募資格、研修の内容

職種名だけを書かないでください

「開発職を希望します」だけでは、その職種の何に関心があるのかが伝わりません。

仕事の中身のどの部分に関心があるかまで書いてください。

「車が好き」の先を書いてください

自動車業界の志望動機で最も多い型です。ただ、好きなだけでは職種を選んだ理由になりません。

走りを良くしたいのか、つくり方を良くしたいのか、売り方を変えたいのか——関心が向いている工程まで具体化してください。それが職種の選択につながります。

希望が変わることもあります

入社後に別の職種に関心が移ることもあります。それ自体は問題ではありません。ただし選考の時点では、いま考えていることを具体的に言えることが大切です。

志望理由の組み立ては志望理由が弱いと感じたら|足りない情報を埋めるで扱っています。

21配属はどう決まるか

ここを確認せずに入社すると、想像とずれます。

1職種別採用入社時点で職種が決まる
2コース別採用大きな区分だけ決まり、詳細は配属で決まる
3一括採用入社後の研修を経て配属で決まる

確認すべきこと

確認したいこと どこで確認するか
技術系の職種区分(設計・実験・生技など) 募集要項の職種欄
工場勤務になる可能性 説明会での質問
海外赴任の可能性 説明会での質問
希望はどの程度考慮されるか 説明会での質問
配属はいつ決まるか 説明会での質問
入社後に職種を変える道があるか 説明会での質問

聞いても失礼になりません

配属や勤務地は働き方の前提です。遠慮せず確認してください。曖昧なまま進めるほうが、お互いにとって良くありません。

工場勤務の可能性を確認してください

生産技術、生産管理、品質保証、製造——工場が主な職場になる職種があります。工場は地方に立地することが多く、生活が変わります。

最初の配属がすべてではありません

多くの会社では異動の機会があります。ただし、どの程度動けるかは会社によって違います。実際の例をOB・OG訪問で聞いてください。

22選考の時期と併願

職種によって、選考の進み方が違うことがあります。

1職種ごとの締切各社の採用ページ、届いた案内
2職種の併願が可能か募集要項
3提出物(研究概要・作品など)募集要項
4推薦応募の有無大学の就職担当、学科・研究室

技術系は推薦という道がある場合があります

機械・電気・情報系の学科では、推薦での応募の仕組みがあることがあります。対象の会社・手続き・期限は大学ごとに違います。

利用するかどうかで動き方が変わるため、早めに就職担当や指導教員に確認してください。

締切は一覧で管理してください

職種別に応募すると、締切がばらばらになります。会社名、職種、応募した日、次の予定、締切をまとめておけば、出し忘れは防げます。

管理の仕方は選考管理の作り方|進み具合を一覧にするで扱っています。

23相談できる窓口

一人で抱えないでください。

1大学のキャリアセンター応募の進め方、書類、過去の実績、推薦の手続き
2学科の就職担当・ゼミの教員専攻と職種のつながり、企業とのつながり
3新卒応援ハローワーク求人の相談(無料)
4労働局の総合労働相談コーナー労働条件の扱いに疑問があるとき(無料)
5弁護士法令の解釈が必要なとき

機械系は学科のつながりが強い

機械工学科には自動車関連の企業から案内が届くことがあります。過去の進路は学科の資料で分かります。まず身近なところに聞いてください。

条件面で疑問があるとき

提示された条件に疑問があるとき、自分で判断せずに相談してください。労働局の総合労働相談コーナーは無料で、全国にあります(予約なしで利用できる場合があります)。法令の解釈が必要な場合は弁護士にご相談ください。

24よくある質問

設計職に就くには何を学べばいいですか?

分野によります。車体やシャシーなら機械、電装や電動化なら電気電子、制御ソフトなら情報、材料なら化学・材料系がつながります。ただし研究テーマが一致している必要はなく、どう課題を立ててどう確かめたかという進め方が見られることが一般的です。会社によっては分野別に募集されるので、募集要項の区分を確認してください。

工場勤務になりますか?

職種によります。生産技術、生産管理、製造、品質保証は工場が主な職場です。設計や解析は開発拠点、実験は試験場やテストコースに関わります。自動車の工場や開発拠点は広い敷地が必要なため地方に立地することが多く、有価証券報告書の「設備の状況」で所在地を確認できます。

文系でも自動車メーカーに入れますか?

入れます。営業、企画、購買、生産管理、法規、管理部門など、文系出身者が就く職種があります。ただし製品や技術の話が分かる必要があるため、入社後に学ぶ姿勢は求められます。応募できるかどうかは募集要項の応募資格欄で確認してください。

完成車メーカーと部品メーカーはどちらがいいですか?

本記事では優劣の判断はしていません。完成車メーカーは車全体をまとめ、広く関わります。部品メーカーは担当する部品を深く設計し、その分野の専門家になります。顧客も違い、部品メーカーの営業は技術で提案する仕事になります。関わり方の違いで選んでください。

メーカーの営業は車を売るのですか?

メーカーの社員が店頭で接客するわけではありません。販売会社を支援し、販売の計画や施策を立てるのが役割です。店頭での販売は販売会社(ディーラー)の職種で、採用の主体も別です。応募先を間違えないよう、募集要項で雇用元を確認してください。

実験・評価はどんな仕事ですか?

試作車や部品を実際に動かし、走行性能、衝突安全、環境性能、耐久性などを確かめます。想定と違う結果が出たとき、その原因を突き止めるのが中心的な仕事です。試験場やテストコースで行われることがあり、現物に触れる機会の多い職種です。

ソフトウェアの仕事はありますか?

あります。走行の制御、安全の機能、車内の機器、開発で使うシミュレーション、工場のシステム——ソフトで実現する部分が増えています。情報系の学生の入口になっています。ただし、機器の制約を理解する必要があるため、ハードの知識も求められます。

デザイン職は誰でも応募できますか?

デザイン職は別枠で募集され、作品の提出を求められることがあります。美術・デザイン系の学科からの応募が中心になることがあります。応募資格は募集要項で確認してください。なおデザインも、空気抵抗、安全、生産の可否といった制約の中で行われます。

品質保証はどんな仕事ですか?

基準を決め、検査し、出荷の可否を判断します。市場で不具合が起きたときには原因を突き止め、対応を決めます。売上より安全を優先する立場で、判断の根拠は検査の結果と記録です。地味に見えますが、影響の大きい職種です。

配属はどう決まりますか?

会社によります。職種別に募集される場合は入社時点で決まり、一括採用の場合は研修後の配属で決まります。希望がどの程度考慮されるか、いつ決まるかは説明会で聞いてよい質問です。工場勤務や海外赴任の可能性も、あわせて確認してください。

海外で働けますか?

職種によります。海外の工場の立ち上げ、海外営業、現地での開発など、海外に出る機会のある職種があります。可能性の程度は会社と職種によるため、説明会で具体的に聞いてください。

まず何から調べればいいですか?

志望する会社の募集要項で職種の区分を確認し、社員インタビューで一日の流れを読むのが早道です。そのうえで有価証券報告書の「研究開発活動」と「設備の状況」を見れば、どの領域に力を入れ、どこに職場があるかが分かります。

25まとめ|工程で見て、関心のある場所を決める

自動車の職種は「つくる前・つくる・届ける・支える」で整理できます。設計は全体の一部です。

設計だけでも分野が分かれます。車体、シャシー、パワートレーン、電動化、電装、制御ソフト、解析——同じ「設計職」ではありません。

つくる側の職種が数多くあります。生産技術、生産管理、製造、品質保証、購買。工場が主な職場になります。

この章の要点
  • 完成車と部品では仕事が違います。広く関わるか、深く関わるか。関わり方の違いで選んでください。
  • メーカーの営業は販売会社を支える仕事です。店頭での販売は販売会社の職種で、応募先も別です。
  • 文系にも入口があります。営業、企画、購買、生産管理、法規、管理部門。

「車が好き」の先を言葉にしてください。走りか、つくり方か、売り方か。関心のある工程が職種の選択につながります。

最後に。職種の名称や区分は会社によって異なり、組織の変更によって変わることもあります。本記事は一般的な整理であり、特定の会社の制度を示すものではありません。実際の職種・配属・条件は各社の募集要項でご確認ください。

この記事について:本記事は業界の構造と調べ方を整理するための一般的な案内です。登場する社名は各職種にこういう仕事があるという例であり、推奨・順位付け・優劣の評価ではありません。また、網羅した一覧でもありません。売上、シェア、年収、従業員数などの数値と、企業の将来性については本記事では扱っていません。数値は各社の有価証券報告書・決算説明資料や業界団体・官庁の公表資料で、募集の内容は各社の募集要項でご確認ください。有価証券報告書の章構成は年度や会社によって異なることがあります。就職のしやすさ、採用の見通し、向き不向きについても判断していません。職種の名称や区分は会社によって異なり、組織の変更によって変わることもあるため、最新の情報は各社の採用ページと募集要項でご確認ください。労働条件の取り扱いに疑問がある場合は労働局の総合労働相談コーナー(無料・全国・予約なしで利用できる場合があります)に、法令の解釈は弁護士にご相談ください。
この記事を読んだ人におすすめのサービス
PR就活エージェント
UZUZ 新卒(就職エージェント)
こんな人に一人で就活を進めるのが不安で、ES・面接まで個別に相談したい人
無料で就活相談を予約 →
PR逆求人・スカウト
OfferBox(オファー型就活)
こんな人にプロフィールを登録して、企業からのオファーを待ちたい人
無料で登録してオファーを受け取る →
就活サービスをまとめて比較する ›