OB訪問で何を聞く?質問リストと当日のマナー
良い質問の条件は「その人にしか答えられないこと」です。事業内容や設立年は調べればわかるので聞かない。代わりに「昨日は何をしていましたか」「入る前と後で違ったことは」「大変だったことは」のように、その人の経験を聞いてください。質問は10個用意して、優先順位をつけていく。全部聞けなくて構いません。そして聞いてはいけないのは、他人の待遇や評価、答えにくい個人的なこと。マナーの核心…
OB訪問の当日、最も困るのは「何を聞けばいいかわからない」という状態です。
そして、用意した質問が尽きて沈黙が生まれる。あるいは、調べればわかることを聞いてしまい、時間を無駄にする。
この記事では、実際に使える質問を分類して並べます。そして聞いてはいけない質問も、理由とともに示します。
質問の良し悪しを分けるのは、「その人にしか答えられないことを聞いているか」です。
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1 / 701良い質問の条件
最初に、判断基準を示します。
良い質問とは、その人にしか答えられない質問です。
- 左と右の違いを見てください。
- 左は、誰に聞いても同じ答えが返る質問です。そして多くは調べればわかります。
- 右は、その人の経験を聞いています。だからその人にしか答えられません。
- 「具体的に」を入れる:抽象的な答えを避ける
- 「直近で」を入れる:思い出しやすくなる
- 「あなたは」を意識する:一般論でなく個人の経験
- 事実ではなく、感じたことを聞く
- 調べてわかることは聞かない
「直近で」という限定は、有効です。
「やりがいは何ですか」と聞かれると、抽象的な答えになります。しかし「直近で嬉しかったことは」と聞かれると、具体的なエピソードが出てきます。
そして、具体的なエピソードのほうが、はるかに情報量が多い。
02避けるべき質問
聞いてはいけないことを先に示します。
「個人の年収を直接聞く」について、補足します。
待遇に関心があるのは自然なことです。ただし個人に直接金額を聞くのは、答えにくい質問です。
- 公開情報で確認できる範囲がある:求人情報、企業の公表資料
- 制度として聞く:「昇給の仕組みはどうなっていますか」
- 生活の実感として聞く:「一人暮らしは無理なくできますか」
- 相手が話してくれるなら聞く
- 直接の金額は求めない
- 「制度として聞く」——この形なら答えやすくなります。
- そして、「会社や同僚の批判を引き出す質問」。
- 「不満はありますか」「辞めたい人は多いですか」——こうした質問は、相手を困らせます。
- 知りたいことは同じでも、「大変なことは何ですか」と聞けば、答えやすい形になります。
03質問の6分類
質問を6つに分けて整理します。
| 分類 | 聞くこと | わかること |
|---|---|---|
| ① 仕事の中身 | 具体的な業務 | 自分にできそうか |
| ② 1日・1年の流れ | 時間の使い方 | 生活の実感 |
| ③ 入る前と後の違い | ギャップ | 思い込みの修正 |
| ④ 大変なこと | 困難な面 | 覚悟すべきこと |
| ⑤ どう決めたか | 選択の過程 | 判断の仕方 |
| ⑥ 学生時代 | 当時の行動 | 今やるべきこと |
この6つから、各1〜2問ずつ用意すれば、10問前後になります。
30分の訪問なら、これで十分です。
- 各分類から1〜2問
- 合計8〜12問
- 全部聞けなくていい:優先順位をつけておく
- 話の流れで変えていい
- 用意していない質問が出てくるのが理想
- 「用意していない質問が出てくるのが理想」です。
- 相手の話を聞いて、興味を持って、その場で疑問が生まれる。これが最も良い状態です。
- 用意した質問を機械的に消化していくと、深い話になりません。
- 次の章から、分類ごとに具体的な質問例を挙げます。
04①仕事の中身を聞く
最も基本的な質問群です。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| 今、具体的にどんな業務をされていますか | 実際の中身 |
| その業務は、何から始まって何で終わりますか | 流れがわかる |
| どんな人と関わりますか | 周辺の職種が見える |
| 1人でやる仕事とチームの仕事の割合は | 働き方の実感 |
| どんなスキルを使いますか | 準備すべきこと |
| 未経験で入って、最初は何をしましたか | 入社直後の姿 |
| この仕事の面白さはどこですか | 本人の実感 |
- 「何から始まって何で終わりますか」——これは有効な質問です。
- 仕事の全体像がわかります。そして自分がその作業をしている姿を想像できます。
- そして、「どんな人と関わりますか」。
- 社内の他部署:どんな職種があるか
- 社外の相手:顧客、取引先
- その人たちの仕事も見える
- 知らない職種を知るきっかけになる
- 業界の構造が見えてくる
「知らない職種を知るきっかけ」——これがOB訪問の最大の価値につながります。
その人の仕事だけでなく、周辺にどんな仕事があるかを聞く。そこから選択肢が広がります。
05②1日・1年の流れを聞く
生活の実感がわかる質問群です。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| 昨日は何をされていましたか | 最も具体的な答えが返る |
| 1日の流れを教えてください | 時間の使い方 |
| 忙しい時期はいつですか | 年間の波 |
| 1週間の予定はどんな感じですか | ペース |
| 在宅と出社の割合は | 働き方 |
| 休みは取りやすいですか | 生活との両立 |
| 仕事以外の時間はどう過ごしていますか | 生活全体が見える |
「昨日は何をされていましたか」——最も具体的な答えが返る質問です。
「1日の流れ」を聞くと、平均的・理想的な答えになりがちです。しかし「昨日」なら、実際にあったことを話してくれます。
- 実際の1日がわかる
- 予定外のことも含まれる
- 相手も答えやすい:思い出すだけ
- そこから会話が広がる
- 「昨日は特別でしたか」と続けて聞ける
- そして、「仕事以外の時間はどう過ごしていますか」。
- これは働き方の実感がわかる質問です。
- 仕事だけの生活になるのか、それ以外の時間も持てるのか。これは就職先を選ぶうえで重要な情報です。
ただし、私的な領域に踏み込みすぎないよう注意してください。相手が話したい範囲で答えてもらう質問です。
06③入る前と後の違いを聞く
最も価値の高い質問群かもしれません。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| 入る前のイメージと違ったことはありますか | 自分の思い込みが修正される |
| 学生時代に想像していなかったことは | 知らない側面 |
| 意外だったことは何ですか | 本人の驚き |
| この業界の、外から見えにくいことは | 公開情報にない話 |
| 学生の頃の誤解はありましたか | 同じ誤解を避けられる |
| 入ってよかったと思うのはどんなときですか | 実感 |
- 「入る前のイメージと違ったこと」——これが最も学生の役に立ちます。
- 学生が持っているイメージは、多くの場合、外から見た印象です。
- 実際に働いている人の「違った」という話は、そのイメージを修正してくれます。
- 良い方向の違いもある:想像より面白かった
- 悪い方向の違いもある:想像より地味だった
- どちらも価値がある情報
- 自分のイメージを点検できる
- 複数人に聞くと、共通点が見える
「この業界の、外から見えにくいことは」——業界全体の話が聞けます。
会社単位ではなく、業界の構造や慣習について聞く質問です。
1社を見ているだけではわからないことが聞けます。そして他の会社を検討する際にも使える知識になります。
07④大変なことを聞く
聞きにくいが、聞くべき質問群です。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| 大変だと感じるのはどんなときですか | 答えやすい形 |
| 難しいと感じる業務はありますか | 必要な能力 |
| 最初につまずいたことは | 入社直後の壁 |
| 向いていない人はどんな人だと思いますか | 自己判断の材料 |
| 体力的にはどうですか | 現実的な条件 |
| 覚悟しておくべきことはありますか | 率直な話 |
「不満はありますか」ではなく「大変だと感じるのは」と聞く。
この違いが重要です。前者は批判を求めているように聞こえ、答えにくい。後者は事実として答えられます。
そして、「向いていない人はどんな人だと思いますか」。
- 「求める人物像」より率直な答えが返る
- 自分が当てはまるか判断できる
- 合わないとわかるのも成果
- 相手も答えやすい:経験に基づく
- 複数人に聞くと共通点が見える
「求める人物像は?」と聞くと、公式見解のような答えが返ってきます。
「向いていない人は?」と聞くと、本音に近い答えが返ることがあります。
そして、この情報は自分の判断に直接使えます。「自分は当てはまるかもしれない」と思ったなら、それは重要な発見です。
08⑤どう決めたかを聞く
判断の過程を聞く質問群です。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| なぜこの会社を選んだのですか | 判断の基準 |
| 他にどんな選択肢がありましたか | 比較の対象がわかる |
| 何を基準に決めましたか | 優先順位のつけ方 |
| 迷ったことはありましたか | 率直な話 |
| 今から選び直すとしたら | 振り返っての評価 |
| いつ頃から動き始めましたか | 時期の目安 |
「他にどんな選択肢がありましたか」——これは有用な質問です。
その人が比較した業界や会社がわかります。つまり「この仕事と近い選択肢は何か」がわかる。
- 自分が知らない選択肢が出てくる
- なぜそちらを選ばなかったかも聞ける
- 比較の軸がわかる
- 視野が広がる
- 次に調べるものが見つかる
そして、「今から選び直すとしたら」。
これは踏み込んだ質問ですが、率直な答えが返ることがあります。
「同じ選択をする」なら、その理由。「違う選択をするかも」なら、何が理由か。どちらも判断材料になります。
ただし、聞き方には配慮してください。「後悔していますか」ではなく、「もし今、学生に戻ったら」のような、答えやすい形にしてください。
09⑥学生時代について聞く
今の自分に直接使える質問群です。
| 質問例 | ねらい |
|---|---|
| 学生時代にやっておいてよかったことは | 今やるべきこと |
| やっておけばよかったことは | 最も価値がある |
| 学生時代の経験で、今活きているものは | 意外なつながり |
| 今の学生に勧めることはありますか | 助言 |
| 就活で苦労したことは | 準備の参考 |
| 私の学年なら何をしますか | 自分の状況に合わせた助言 |
- 「やっておけばよかったことは」——最も価値がある質問です。
- 成功した話より、後悔した話のほうが、行動を変えられます。
- そして、「私の学年なら何をしますか」。
- 自分の状況に合わせた答えが返る
- 一般論ではなく、具体的な助言
- 相手も答えやすい:状況が明確
- 1・2年生なら特に有用
- 複数人に聞くと共通点が見える
「学生時代の経験で、今活きているものは」——意外な答えが返ることがあります。
専門と関係ないサークル活動、アルバイト、趣味。これらが思わぬ形で活きているという話は、今の自分の活動の意味を変えます。
「就活のために」と考えていた活動が、別の意味を持つことがあります。
10分野別に聞くこと
関心のある分野によって、聞くべきことが変わります。
「どうやってその職種に就いたか」——職種を目指す場合、最も重要な質問です。
希望すれば就ける職種と、そうでない職種があります。そして入社してから配属が決まる場合もあります。
- 新卒で直接その職種に就けるのか
- 配属はどう決まるのか
- 途中で職種が変わることはあるか
- 必要な資格や経験はあるか
- 他のルートもあるか
- 「配属はどう決まるのか」——これを知らずに就職して、想定と違う仕事になることがあります。
- そして、「大学で学んだことがどう使われるか」。
- 専門を活かしたいと考えている場合、実際にどう使われているかは重要です。
- 「直接は使わないが、考え方が役立つ」という答えもあります。それも正確な情報です。
11学年別に聞くこと
学年によって、聞くべきことが変わります。
1・2年生は、「知る」ための質問を中心にしてください。
- どんな職種があるか
- 周りにどんな仕事の人がいるか
- この業界の全体像
- 今のうちにやっておくといいこと
- 自分の学部からどんな進路があるか
- 3年以降は、「絞る」ための質問に移ります。
- 具体的な業務、必要な準備、選考の実際。判断のための情報を集めます。
- ただし、どの学年でも共通して有効な質問があります。
- 「昨日は何をしていましたか」
- 「入る前と違ったことは」
- 「大変だと感じるのは」
- 「やっておけばよかったことは」
- これらは学年を問わず使える
迷ったら、この4つを聞いてください。どの学年でも、有益な答えが返ります。
12質問の順番
聞く順序にも、考え方があります。
| 順 | 質問の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 答えやすい事実 | 話しやすい雰囲気を作る |
| 2 | 仕事の中身 | 基本を押さえる |
| 3 | 1日の流れ | 具体的な話に |
| 4 | 入る前との違い | 踏み込み始める |
| 5 | 大変なこと | 関係ができてから |
| 6 | 学生時代・助言 | 締めに使える |
- 「大変なことは、関係ができてから」——これが順番の理由です。
- 最初から「大変なことは何ですか」と聞くと、無難な答えが返りがちです。
- 会話が進んで、こちらの関心が伝わってから聞くほうが、率直な答えが返ります。
- 最初は事実を聞く:答えやすい
- だんだん踏み込む
- 相手の反応を見る:話しやすそうか
- 時間配分を意識する:優先度の高いものを先に
- 最後は助言をもらう形で締める
「最後は助言をもらう形で締める」——自然な終わり方になります。
「最後に、今の私が何をしておくといいか、助言をいただけますか」——この質問で締めると、相手も話しやすく、こちらも持ち帰るものができます。
13深掘りの仕方
用意した質問を消化するだけでは、深い話になりません。
「たとえばどんなことですか」——最も使える追加質問です。
抽象的な答えが返ってきたとき、これを聞くだけで具体的な話になります。
- 「具体的には」
- 「たとえば」
- 「そのときどう思いましたか」
- 「どうやって解決したんですか」
- 相手の答えから次の質問を作る
- 「相手の答えから次の質問を作る」——これができると、会話になります。
- 用意した質問リストを見ながら順に聞くのではなく、相手の話を聞いて、興味を持ったところを掘る。
- そのほうが、相手も話しやすく、良い話が聞けます。
質問リストは「詰まったときの保険」と考えてください。会話が続いているなら、リストを見る必要はありません。
14当日のマナー
基本的なことを整理します。
マナーの核心は、「時間を守ること」と「相手の時間を大切に使うこと」です。
細かい所作より、この2つのほうが重要です。
- 遅刻しない:最も基本
- 調べればわかることを聞かない:時間を無駄にしない
- 自分の話を長くしない
- 予定時間で切り上げる
- お礼を当日中に送る
「服装は清潔感があれば十分」——過度に心配する必要はありません。
指定がなければ、きちんとした印象の服装であれば問題ありません。不安なら相手に「服装の指定はありますか」と聞いてもかまいません。
スーツが必要な場合もあります。相手の会社を訪問する場合は、確認しておくと安心です。
15沈黙が生まれたら
よくある不安です。
「リストを見ていい」——隠す必要はありません。
「質問を用意してきたのですが」と言ってメモを見るのは、むしろ準備してきた証拠です。
- メモを見ることは失礼ではない
- 「少し確認させてください」と言えばいい
- 準備していることが伝わる
- 沈黙を恐れて焦らない
- 考えている時間は自然なこと
そして、「困ったときの汎用質問」を持っておくと安心です。
- 「昨日は何をされていましたか」
- 「今、一番時間を使っている業務は何ですか」
- 「最近、印象に残った出来事はありますか」
- 「今の私に、何かアドバイスはありますか」
- どれも答えやすく、話が広がる
この4つを覚えておけば、詰まりません。
16答えにくそうな反応が返ったら
相手が言葉を濁す、答えを避ける——こういう場面があります。
「それ以上聞かない」——これが正しい対応です。
相手には、話せる範囲と話せない範囲があります。
- 公開できない情報がある:立場上の制約
- 個人的に話したくないことがある
- 会社の方針で答えられないこともある
- 食い下がらない
- 「失礼しました」と言って次に移る
食い下がると、相手を困らせるだけでなく、印象も悪くなります。
そして、その反応自体が情報である場合もあります。
ただし、それを勝手に解釈して「何か問題があるのだろう」と決めつけないでください。単に立場上答えられないだけかもしれません。
17終わり方
最後の数分の使い方です。
- 「最後の質問は、助言を求める形」が自然です。
- 「最後に、今の私が何をしておくといいか、助言をいただけますか」
- これで締めると、持ち帰るものができます。
- 時間を守って切り出す:こちらから
- 「本日はありがとうございました」
- 印象に残った話を一言:「特に◯◯のお話が」
- 今後の連絡は相手に委ねる:こちらから求めない
- 飲食を出してもらったら、そのお礼も
「今後の連絡は相手に委ねる」——こちらから連絡先の交換を求めないでください。
相手が「また何かあれば」と言ってくれたなら、それは好意です。そうでなければ、一度きりで完結させるのが礼儀です。
そして、お礼は当日中に送ってください。詳しくはOB訪問の流れの記事で扱っています。
18メモの取り方
後で使える形にしてください。
「自分が感じたこと」が最も重要です。
事実は後から思い出せますが、そのとき何を感じたかは忘れます。
- 面白そうだと思ったか
- 合わなそうだと思ったか
- どの話に引っかかったか
- 意外だったこと
- 疑問が残ったこと
- 複数の訪問をしたら、比較できる形に整理してください。
- 同じ項目で並べると、違いが見えます。仕事の中身、大変なこと、働き方、印象。
- そして、共通して言われたことは、確度が高い情報です。
この記録は、後の判断でも、選考で話す材料としても使えます。ただし相手の個人的な話や、公開されていない情報を外部に出さないよう注意してください。
19よくある質問
良い質問とは何ですか?
その人にしか答えられない質問です。事業内容や設立年は調べればわかるので聞かない。代わりに「◯◯の業務は具体的に何をしますか」「入って意外だったことは」のように、その人の経験を聞いてください。「具体的に」「直近で」を入れると、抽象的な答えを避けられます。
質問はいくつ用意すればいいですか?
10個前後です。6つの分類(仕事の中身/1日の流れ/入る前との違い/大変なこと/どう決めたか/学生時代)から各1〜2問ずつ用意すれば、30分の訪問には十分です。全部聞けなくてかまいません。むしろ相手の話から新しい疑問が生まれるのが理想です。
聞いてはいけない質問はありますか?
調べればわかること、他人の待遇や評価、個人の年収を直接聞くこと、会社や同僚の批判を引き出す質問、公開されていない情報、「選考を有利にしてほしい」という依頼です。待遇に関心があるなら「昇給の仕組みは」のように制度として聞くか、公開情報で確認してください。
最も有効な質問は何ですか?
「昨日は何をされていましたか」です。「1日の流れ」を聞くと平均的・理想的な答えになりがちですが、「昨日」なら実際にあったことを話してくれます。相手も思い出すだけなので答えやすく、そこから会話が広がります。
大変なことは聞いてもいいですか?
聞いてください。ただし「不満はありますか」ではなく「大変だと感じるのはどんなときですか」と聞いてください。前者は批判を求めているように聞こえて答えにくく、後者は事実として答えられます。また「向いていない人はどんな人だと思いますか」は、率直な答えが返りやすい質問です。
質問の順番はありますか?
答えやすい事実から始めて、だんだん踏み込んでください。「大変なこと」は関係ができてから聞くほうが率直な答えが返ります。最初から聞くと無難な答えになりがちです。最後は「今の私が何をしておくといいか」と助言を求める形で締めると自然です。
沈黙が生まれたらどうしますか?
用意した質問リストを見ていいです。隠す必要はなく、「質問を用意してきたのですが」と言ってメモを見るのは準備してきた証拠です。困ったときの汎用質問を4つ覚えておくと安心です——「昨日は何を」「今一番時間を使っている業務は」「最近印象に残った出来事は」「今の私にアドバイスは」。
相手が答えにくそうにしたら?
それ以上聞かないでください。相手には立場上話せない範囲があります。食い下がると相手を困らせるだけでなく、印象も悪くなります。「失礼しました」と言って次に移ってください。またその反応を「何か問題があるのだろう」と勝手に解釈しないでください——単に答えられないだけかもしれません。
当日のマナーで重要なことは?
「時間を守ること」と「相手の時間を大切に使うこと」の2つです。細かい所作より、遅刻しない、調べればわかることを聞かない、自分の話を長くしない、予定時間で切り上げる——これらのほうが重要です。服装は清潔感があれば十分で、不安なら相手に確認してもかまいません。
メモは何を残せばいいですか?
当日中に整理してください。日付・相手・会社・職種、聞いた内容の要点、そして最も重要なのは「自分が感じたこと」です。事実は後から思い出せますが、そのとき何を感じたかは忘れます。複数訪問したら同じ項目で並べて比較してください。ただし相手の個人的な話や非公開情報を外部に出さないよう注意してください。
20まとめ|その人にしか答えられないことを
良い質問の条件は1つ。その人にしか答えられないことを聞いているかです。
事業内容や設立年は調べればわかります。代わりに「昨日は何をしていましたか」「入る前と後で違ったことは」「大変だったことは」——その人の経験を聞いてください。
質問は6分類から10個前後用意し、優先順位をつけていく。全部聞けなくて構いません。相手の話から新しい疑問が生まれるほうが、良い訪問です。
順番は、答えやすい事実から始めて、だんだん踏み込む。「大変なこと」は関係ができてから聞いてください。
避けるべきは、他人の待遇や評価、批判を引き出す質問、そして「選考を有利にしてほしい」という依頼です。相手が言葉を濁したら、それ以上聞かない。
最後に。マナーの核心は、時間を守ることと、相手の時間を大切に使うことです。細かい所作より、これが伝わるかどうかです。そしてお礼は当日中に。
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